** それじゃまた:music by SMAP / ファルダーガー
「はぁ、お疲れ様」
「まぁ、戦闘がないぶん楽だけど……やっぱり調査って大変だよな」
「言えてる」
オレ達は乾いてる声で思わず愚痴るように笑っていた。
何というか、トーニックの印は使えないから結構苦労している。
トーニックの印というのは正武器に付けられている印で。
実は、この印が有ればノーチェックで各国に入れることが出来る印なのだ。
もっとも、この印があるのを知っているのは入国管理の人間だけで、一般人で知るものはほとんどいない。
でも、この印のおかげで他国で警察権限が使えるのは問題ない。
一般人でコレを知っている人間がいたら、関係者か……まぁ、そんなとこ?
もっとも、正武器ぶら下げて町中歩くわけにいかないし。
武器使用解除されてないしなぁ……。
まぁ、持ってても使えなけりゃ意味がないというわけで、オレ達は地道に調べてたりする。
地道にって言ってもいろんな手段は使っているわけだけど。
でもラプテフ国内とは勝手が違うのは当然。
疲れるのも当然……。
はぁ。
「ふぁあああ、たまには、羽伸ばしたって問題ないと思うんだよね」
ライナスがあくびをしながらそう言う。
オレ達の中で何故か一番疲れているのはライナスだ。
アースガルドの隠密集団の次期頭領の力を使って調査しているからだ。
歴代のトーニックにアースガルドの人間が入っていた理由は、そんなところなのかって気がする。
「今思い出したんだけど……昨日からセンター調子おかしくない?」
ソファで目をつぶっていたライナスが突然起き出して言い出した。
「…ライナスも思ってたんだ?」
「え?って事はリランとライナスも思ってたの?」
こっちは本当に眠っていると思っていたショウとウォンもそう思っていたらしく起き出した。
今、ココにセンターはいない。
居るのはセンターをのぞいた4人だけ。
全員が全員センターの様子がおかしいのを気にしていたらしい。
「一人で何かを調べてるっていう様子はないんだよね。でも……」
そう、ウォンが言う。
彼の言うとおり何か違う気がする。
「まぁ、いつか、言ってくれる時がくるだろう?その時まで待つしかないかなってオレは思うんだけど」
オレの言葉に全員がうなずく。
「まぁ、とりあえず、夕飯の用意だ〜〜。ッツーか、今日はウォンとショウの番じゃねえか」
「あぁ、ホントだ」
ホントだじゃねえよ。
下手したら今日の夕飯なしって所だった。
ちなみにオレ達は全員が料理得意なので誰かが専属してやると言うことはない。
「まぁ、今日はお疲れ様って事で」
今のところは何もないからまぁ、いいけどさ。
**後書き:最初、ルトマルクあたりを書こうとしてたんだけど、リランとライナスはレグダル公を迎えに行ってるよ〜って事でかけませんでした。
なのでその次のトマスビル大陸のお話。
なのでその次のトマスビル大陸のお話。