「七色硝子が光り浴びて。
キラキラ キラキラ プリズム踊り出す。
月の光 太陽の光 反射して 水もキラキラ 七色に」
歌が聞こえる。
それは祭りの歌。
ってお囃子?
「何か、人多くない?」
トマスビル大陸中央部、巨大都市アルタミラ。
そこに付いたあたしとカーラは彼女が向かう目的地へと歩いていた。
ら、人がだんだん増えてるの〜〜。
何で?
「ん〜とねぇ〜」
何処か楽しそうなカーラが言うよりも前に歌が聞こえてきた。
意味があるんだか、ないんだか、よく分かんない歌詞だけど、リズムが楽しい。
「もしかして、お祭り?」
「あたり!!!月の女神ミディア様と創造の女神オリア様のお祭りなんだよ〜」
カーラが楽しそうなのは荘厳な感じの祭事じゃなくって楽しいお祭りだからかな?
地図で見ればアフリカ中央部にあるアルタミラ。
ココまで来て思ったことは、
「結構、古代の神様も信仰されてるんだね」
って事。
ラテスやカーシュの話だと封印されて、今じゃほとんど名前だけって言ってたけど、結構信仰してる地域って多い気がするんだけど。
「うん、やっぱりね、場所に寄るかな?カバネルはカスピとリラじゃかなり違うし、新興勢力の国のマルマラ共和国は現代神信仰してたりするよ?大抵が神殿があるかないかかな?カーシュ君がチョー現代神信仰者なのはカスピが現代神信仰の盛んな地域だからだよ。カスピの人口の9割は現代神を信仰してるって言う人がおおいし。元々そう言う人が集まってるのがカスピなんだよ」
へぇ。
「まぁ、詳しく後で誰かが教えてくれると思うし」
カーラが…一番詳しく知ってそうな気がするんだけどなぁ。
「えぇ?あたしよりやっぱりラテスとかの方がいっぱい知ってるよぉ?そうそう、チェスターも物知りだからチェスターに聞いてみるとかぁ、そうそうサガだってそう言うこと詳しいと思うよ」
長く生きてても違うって事?
「そうそう、エルフって基本的にはのんびり屋なんだよー」
うん、カーラ見てるとそうかなって思える。
「そんなことより、お祭りレッツゴー」
カーラに腕を引かれてお祭りの中心まで向かう。
『七色硝子、キラキラ、プリズムキラキラ 月はすーっと静かに光って』
お祭りの歌が大きくなっていく。
周囲には仮装してる人がたくさん見かけてる。
思い思いの仮装だけど、何処か共通点?
って言うか三日月が共通点。
ハロウィンみたいな感じに似てるんだね。
「さぁ、ワール・ワーズ探そう?」
「え?」
探すって……?
ワール・ワーズをこのたくさんの人混みの中から?
無理だよ〜〜。
「大丈夫、あの三人が歌えばあたしはすぐに見つけられるんだよ」
歌えばすぐに見つかるって……。
このたくさんの人の中で歌ったらバレちゃうんじゃないの?
トマスビル大陸中央部の人達だけワール・ワーズ知らないって事はないでしょう?
「大丈夫、マレイグの鼻歌でも大丈夫、それにこっそりクロンメルやチェスターがコーラス付けてるんだよ。だから大丈夫。3人の歌は聞こえるの」
ホントに聞こえるのかなぁ?。
「ほら、聞こえてきた」
カーラの言うとおりに耳を澄ましてみてもワール・ワーズが歌ってるとはとても聞こえなかった。
「ネ?聞こえたでしょう?」
「聞こえるのカーラだけだって。もしかしてエルフって耳が良いの?」
「ん〜どうだろう」
どうだろう……って。
「でもワール・ワーズの歌が聞こえるのは本当。行くよ」
え、行く?
あたしの腕を掴んで小声で何かを言ったかと思うと風に包まれそしてすぐにその風から解放される。
「やっぱり居た」
あたし達の目の前にはワール・ワーズ。
「カーラ、良く見つけたねぇ」
「オレの歌たどった?」
「うん。ミラノ、言ったとおりでしょう?」
なんてカーラは楽しそうに言う。
……えっとあたしには絶対出来ないよ。
それだけは断言出来ます。
彼女はワール・ワーズの歌声をドコにいても聞きつけることが出来るぐらい耳がいいです。
まぁ、基本エルフは耳の感度がいいと(いろんな意味で)