キミは笑っている。
キミと居ると落ち込んでいることも忘れる。
僕は身体全部でキミを感じているんだろう。
あの初めてあった時から。
遠い昔から。
「う、う、う、」
「うさ……」
困った声でまもちゃんはあたしのこと呼ぶけれど。
まさか、あたしだってそんなことになるなんて思いもよらなかったわよ。
まさかコルドロンから帰ってきたら、時間が元に戻ってるなんてぇ!!!!
まもちゃんが留学する前に時間が巻き戻り。
あたしは今こうやってまもちゃんの家でまもちゃんの留学のお手伝い。
あたしが居てもまもちゃんが全部やっちゃうから意味ない気がするけど。
「意味ないなんてないさ。うさがいるんだから」
そう言ってまもちゃんは言ってくれる。
留学のことはね喜んだ方がねいいって分かってるんだよ。
でもね、でもね、もう一回空港でお別れしなくちゃならないなんて思いもよらなかったんだもん。
指輪ないし……。
「違うものがいい?」
「指輪でいい」
「でって……。指輪じゃなくてもいいのか」
「指輪がいい」
そんなの指輪がいいにきまってるじゃない。
まもちゃんからもらう指輪。
すっごく、うれしかったんだよ。
「うん。うさなら喜んでくれるだろうなって思ってた。いつかはって思ってるけど。虫除けにはならなかったみたいだけどさ」
虫除け?
「虫除けって?」
「スターライツ、星野って言ったっけ?美奈やまこちゃんから聞いたんだけど」
星野?
「星野 はいいお友達だよ」
「いいお友達ね……」
な、なんかきげん悪くない?
えぇ、やだやだやだ。
なんでまもちゃん、きげんが悪いの?
「うさは、オレが機嫌悪い理由が分からないのか……。ふ〜ん」
ふ、ふ〜んって何?
「まぁ、いいさ」
「いいさって良くないっ。まもちゃんあたしのこと好き?」
「昨日も言ってたよな、それ」
「言ったけど……だってぇ」
不安なの。
あたしは、まもちゃんと離れるのがさびしくてつらくていやなのに。
まもちゃんは平気っぽいんだもん。
また、あんな風になったらいやだなって思うの。
コルドロンから戻ってきて時間が巻き戻ってて、また同じ事がくりかえされるんじゃないかって……。
そしたら、あたしはまた………。
「うさ」
「何、まもちゃん?」
顔を上げればすぐ側にまもちゃんがいた。
「寂しいって思ってるのはうさだけじゃないんだけど」
「まもちゃん……」
「オレだってうさと離れるのはさびしい。正直言えば………いけるのなら…………」
え?なに聞こえなかった。
「まもちゃん、最後なんて言ったの?」
「ともかく、うさだけじゃないって事」
「まもちゃんのあこがれだったもんね、ハーバードに留学はがんばってね」
あの時も何度も泣いたのに、また泣いちゃう。
あたしってどんだけなみだもろいんだろう……。
「うさ、どんなに離れてても、こころはいつも側にいるから……」
うん、あたしもまもちゃんの側にいるよ。
「夏休みになったら一旦帰ってくるよ…アメリカはすぐに夏休みに入るし……それに……気になることもある」
気になること?
「そ、まぁ、それは後で話すよ」
気になる。
「行く前に話すから、それまでおとなしく待ってろよ」
は〜い。
「ねぇねぇ、楽しいこと?」
「ん〜〜なんて言って良いか……つらいことではないだろうな」
「ホントね」
「ホント」
「わかった。ちゃんと話してね」
「あぁ」
そう、うなずいたまもちゃんの視線の中にある物が入っていたと気付いてはいなかったけれど。
「頑張って」
「うさも」
うん。
まもちゃんの年齢はアニメではなく原作準拠。
一応時期は高校2年直前の春にしてみました。
高校1年生でも良いんだけどね、まもちゃんの留学が大学1年生からってどうだろうって思って……。
2年生ぐらいならありかなぁっておもったんだよね。