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新転位・21
上演リスト
14●アキバ飛べ
13●シャケと軍手
12●向日葵
11●僕と僕
10●ホタルの栖
09●嗤う女
08●異族の歌
07●黙る女
06●砂の女
05●齧る女
04●エリアンの手記
03●ジロさんの憂鬱
02●パパは誘拐犯
01●マーちゃんの神曲
00●女殺し油地獄
上演リスト No.00 女殺し油地獄
  
第0回公演 女殺し油地獄 -現代歌舞伎シリーズ   作演出・山崎哲

  
  


ある男は女と心中した
べつの男は女を殺した
救われたかったから……


2001年8月17日〜28日
銀座みゆき館



















備考
RUとは
1999年12月と、2000年5月〜6月
トム・プロジェクトの企画制作で
オーディションを行い、
選考された俳優たちによって
現代歌舞伎「東海道四谷怪談」を
上演しました
「RU」は、そのときの俳優たちによって
結成された
任意の俳優ユニットです

出演
大浜晃 村山好文
桐生乃梨子 
伊藤悦子
松永知英 咲羽靖子
高橋みえ 戸辺俊介
石黒時彦 集山大揮郎
おかのみか 嘉手納康江
竹本りえ 田野聖子
長嶺安奈 丸山昌子
ロッキー 真田幹也
押田健史 独楽聡
斎藤佐知子 櫻林三智子
佐藤絢子 林美輪子
穂積美幸 西村健
三澤透 三森淳子


スタッフ
原作・近松門左衛門
舞台監督・大門洋次
美術・山崎哲
照明・海藤春樹(海藤オフィス)
音楽・半田充
照明オペレーション・小松拓也
音響オペレーション・田中紘史
衣装・小林由香
人形作家・三浦悦子
ポスター写真・石田千帆
宣伝美術・菅由貴子
印刷・株式会社トレーノ
企画制作・RU+転位・21

協力
トム・プロジェクト
流山児★事務所
駒沢大学
電気美術研究部
STUDIO J2 FACTORY
清水忍 淺川貴道
真田知幸 屋敷紘子
立花あかね ほか







ダイナミックな舞台
小劇場情況‘01
 

江守盛夫氏

「噂の真相」2001年12月号
RU+転位21公演「女殺し油地獄」
(原作・近松門左衛門/作・演出‐山崎哲)。
これは「現代歌舞伎シリーズ第2弾」、
第1弾は「東海道四谷怪談」だった。

両者とも大勢の若者たちは茶髪にジーパン、
上に羽織を着るとかのミックス衣裳。
大筋は原作を利用しているが、
大幅に改作して場所も大阪でなく江戸だ。
一応、河内屋与兵衛が主人公だが、
むしろ町人や遊女たちの群集劇の勢いが舞台を覆う。

若い役者たちは未熟だが、
山崎はそれを芝居の強度に転化し、情緒を排し
物語の芯だけを露出させてダイナミックな舞台を作り上げた。
何組かの心中があり、殺人があり、遊女と男たちの
ウソとマコトの駆け引きが愛憎の修羅場を現出させる。

芝居の山場に大音響のロックが鳴り響き、
あざといくらいの効果をあげている一方で、
微かな祭り囃子や瓶に油を注ぐ音が耳をかすめる静寂があり、
油の匂いが漂う、けだるい官能的な雰囲気も醸しだされる。

「金銭」が運命を支配するというのは表層で、
男と女がなぜ存在するのかという
根本的な悲劇性を感じさせる舞台だった。