クラーク彗星 その4

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< リーマン予想まとめ



2008/12/18          < 予想A-2のさらなる変形->予想A-2a >

 数学の巨人・佐藤郁郎氏が当サイトのリーマン予想の研究を紹介してくださった。氏に深く感謝いたします。
-->奇数ゼータと杉岡の公式(その32

 さて「その1」で次の予想を書いたが、さらに美しく変形できることに気づいた。
(最初にこれを書き下したのは2年前「ヘール・ボップ彗星」の「その1」においてである)

予想A-2 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの無限次方程式を考える。
 この二方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

 1 - {1/2^c - 1/3^c + 1/4^c - 1/5^c +・・・}
  + {(log2)^2/2^c - (log3)^2/3^c + (log4)^2/4^c - (log5)^2/5^c + ・・・}x^2/2!
  - {(log2)^4/2^c - (log3)^4/3^c + (log4)^4/4^c - (log5)^4/5^c + ・・・}x^4/4!
  + {(log2)^6/2^c - (log3)^6/3^c + (log4)^6/4^c - (log5)^6/5^c + ・・・}x^6/6!
  - {(log2)^8/2^c - (log3)^8/3^c + (log4)^8/4^c - (log5)^8/5^c + ・・・}x^8/8!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


   {(log2)^1/2^c - (log3)^1/3^c + (log4)^1/4^c - (log5)^1/5^c + ・・・}x^1/1!
  - {(log2)^3/2^c - (log3)^3/3^c + (log4)^3/4^c - (log5)^3/5^c +・・・}x^3/3!
  + {(log2)^5/2^c - (log3)^5/3^c + (log4)^5/4^c - (log5)^5/5^c +・・・}x^5/5!
  - {(log2)^7/2^c - (log3)^7/3^c + (log4)^7/4^c - (log5)^7/5^c + ・・・}x^7/7!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


 上を次のような完全に調和的・対称的な形に変形できるのである。予想A-2aとしておく。

予想A-2a (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの無限次方程式を考える。
 この二方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

   {1 - 1/2^c + 1/3^c - 1/4^c + 1/5^c - ・・・}
  - {(log1)^2/1^c - (log2)^2/2^c + (log3)^2/3^c - (log4)^2/4^c + (log5)^2/5^c - ・・・}x^2/2!
  + {(log1)^4/1^c - (log2)^4/2^c + (log3)^4/3^c - (log4)^4/4^c + (log5)^4/5^c - ・・・}x^4/4!
  - {(log1)^6/1^c - (log2)^6/2^c + (log3)^6/3^c - (log4)^6/4^c + (log5)^6/5^c - ・・・}x^6/6!
  + {(log1)^8/1^c - (log2)^8/2^c + (log3)^8/3^c - (log4)^8/4^c + (log5)^8/5^c - ・・・}x^8/8!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


   {(log1)^1/1^c - (log2)^1/2^c + (log3)^1/3^c - (log4)^1/4^c + (log5)^1/5^c - ・・・}x^1/1!
  - {(log1)^3/1^c - (log2)^3/2^c + (log3)^3/3^c - (log4)^3/4^c + (log5)^3/5^c - ・・・}x^3/3!
  + {(log1)^5/1^c - (log2)^5/2^c + (log3)^5/3^c - (log4)^5/4^c + (log5)^5/5^c - ・・・}x^5/5!
  - {(log1)^7/1^c - (log2)^7/2^c + (log3)^7/3^c - (log4)^7/4^c + (log5)^7/5^c - ・・・}x^7/7!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0



 予想A-2と予想A-2aは、本質的にまったく同じである。
どちらが美しいか?予想A-2aの方がよほど美しい。「形などどうでもいいではないか」と思われるかもしれないが、
ゼータは究極の美と調和を好む生命体であり、やはりその心を反映した形で書いておきたいものである。
美しい形は構造をさぐる上でもよい影響を与えてくれる。

 同様にして予想B-2ももちろん次のようになる。予想B-2aとした。

予想B-2a (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの無限次方程式を考える。
 cが1/2でないならば、この二つの方程式を同時に満足する実数解は存在しないであろう。

   {1 - 1/2^c + 1/3^c - 1/4^c + 1/5^c - ・・・}
  - {(log1)^2/1^c - (log2)^2/2^c + (log3)^2/3^c - (log4)^2/4^c + (log5)^2/5^c - ・・・}x^2/2!
  + {(log1)^4/1^c - (log2)^4/2^c + (log3)^4/3^c - (log4)^4/4^c + (log5)^4/5^c - ・・・}x^4/4!
  - {(log1)^6/1^c - (log2)^6/2^c + (log3)^6/3^c - (log4)^6/4^c + (log5)^6/5^c - ・・・}x^6/6!
  + {(log1)^8/1^c - (log2)^8/2^c + (log3)^8/3^c - (log4)^8/4^c + (log5)^8/5^c - ・・・}x^8/8!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


   {(log1)^1/1^c - (log2)^1/2^c + (log3)^1/3^c - (log4)^1/4^c + (log5)^1/5^c - ・・・}x^1/1!
  - {(log1)^3/1^c - (log2)^3/2^c + (log3)^3/3^c - (log4)^3/4^c + (log5)^3/5^c - ・・・}x^3/3!
  + {(log1)^5/1^c - (log2)^5/2^c + (log3)^5/3^c - (log4)^5/4^c + (log5)^5/5^c - ・・・}x^5/5!
  - {(log1)^7/1^c - (log2)^7/2^c + (log3)^7/3^c - (log4)^7/4^c + (log5)^7/5^c - ・・・}x^7/7!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0





2008/12/18             < リーマン予想まとめ >

 当サイトでは、リーマン予想を古典的な命題に変換してきたわけであるが、整理する意味で主なものを並べておこう。

予想A-1 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの方程式を考える。
 この二つの方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

 cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・=0

 sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・=0



予想A-2a (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの無限次方程式を考える。
 この二方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

   {1 - 1/2^c + 1/3^c - 1/4^c + 1/5^c - ・・・}
  - {(log1)^2/1^c - (log2)^2/2^c + (log3)^2/3^c - (log4)^2/4^c + (log5)^2/5^c - ・・・}x^2/2!
  + {(log1)^4/1^c - (log2)^4/2^c + (log3)^4/3^c - (log4)^4/4^c + (log5)^4/5^c - ・・・}x^4/4!
  - {(log1)^6/1^c - (log2)^6/2^c + (log3)^6/3^c - (log4)^6/4^c + (log5)^6/5^c - ・・・}x^6/6!
  + {(log1)^8/1^c - (log2)^8/2^c + (log3)^8/3^c - (log4)^8/4^c + (log5)^8/5^c - ・・・}x^8/8!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


   {(log1)^1/1^c - (log2)^1/2^c + (log3)^1/3^c - (log4)^1/4^c + (log5)^1/5^c - ・・・}x^1/1!
  - {(log1)^3/1^c - (log2)^3/2^c + (log3)^3/3^c - (log4)^3/4^c + (log5)^3/5^c - ・・・}x^3/3!
  + {(log1)^5/1^c - (log2)^5/2^c + (log3)^5/3^c - (log4)^5/4^c + (log5)^5/5^c - ・・・}x^5/5!
  - {(log1)^7/1^c - (log2)^7/2^c + (log3)^7/3^c - (log4)^7/4^c + (log5)^7/5^c - ・・・}x^7/7!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0



予想B-1 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの方程式を考える。
 cが1/2でないならば、この二つの方程式を同時に満足する実数解は存在しないであろう。

 cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・=0

 sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・=0



予想B-2a (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの無限次方程式を考える。
 cが1/2でないならば、この二つの方程式を同時に満足する実数解は存在しないであろう。

   {1 - 1/2^c + 1/3^c - 1/4^c + 1/5^c - ・・・}
  - {(log1)^2/1^c - (log2)^2/2^c + (log3)^2/3^c - (log4)^2/4^c + (log5)^2/5^c - ・・・}x^2/2!
  + {(log1)^4/1^c - (log2)^4/2^c + (log3)^4/3^c - (log4)^4/4^c + (log5)^4/5^c - ・・・}x^4/4!
  - {(log1)^6/1^c - (log2)^6/2^c + (log3)^6/3^c - (log4)^6/4^c + (log5)^6/5^c - ・・・}x^6/6!
  + {(log1)^8/1^c - (log2)^8/2^c + (log3)^8/3^c - (log4)^8/4^c + (log5)^8/5^c - ・・・}x^8/8!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


   {(log1)^1/1^c - (log2)^1/2^c + (log3)^1/3^c - (log4)^1/4^c + (log5)^1/5^c - ・・・}x^1/1!
  - {(log1)^3/1^c - (log2)^3/2^c + (log3)^3/3^c - (log4)^3/4^c + (log5)^3/5^c - ・・・}x^3/3!
  + {(log1)^5/1^c - (log2)^5/2^c + (log3)^5/3^c - (log4)^5/4^c + (log5)^5/5^c - ・・・}x^5/5!
  - {(log1)^7/1^c - (log2)^7/2^c + (log3)^7/3^c - (log4)^7/4^c + (log5)^7/5^c - ・・・}x^7/7!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0



予想B-3 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。いまC(x)、S(x)を
  C(x)=cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・

  S(x)=sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・

 とおくと、このとき、
  方程式 C(x)^2+S(x)^2= 0の実数解が存在するのは、c=1/2のときのみであろう。



予想B-4 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。いまC(x)、S(x)を
  C(x)=cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・

  S(x)=sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・

 とおくと、このとき、
  cが1/2でない場合は、方程式 C(x)^2+S(x)^2= 0は実数解を持たないであろう。



予想B-5 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。いまC(x)、S(x)を
  C(x)=cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・

  S(x)=sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・

 とおくと、このとき、
  cが1/2でない場合は、任意の実数xに対して、つねに C(x)^2+S(x)^2 > 0 が成り立つであろう。



予想C-1 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する方程式を満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

 lim (k->∞){1/1^(2c) + 1/2^(2c) + ・・+ 1/k^(2c) + 2(j< k) (-1)^(j+k)・cos(x・log(j/k)) /(k・j )^c }=0



予想C-2 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。cが1/2でない場合は、次のxに関する方程式は実数解を持たないであろう。

 lim (k->∞){1/1^(2c) + 1/2^(2c) + ・・+ 1/k^(2c) + 2(j< k) (-1)^(j+k)・cos(x・log(j/k)) /(k・j )^c }=0

 ここに、k,j は正の整数である。



予想C-3 (ζ(s)リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。cが1/2でない場合は、任意の実数xに対して次式が常に成り立つであろう。

 lim (k->∞){1/1^(2c) + 1/2^(2c) + ・・+ 1/k^(2c) + 2(j< k) (-1)^(j+k)・cos(x・log(j/k)) /(k・j )^c } > 0

 ここに、k,j は正の整数である。



以上。2年前「ヘール・ボップ彗星」の「その1」の下方で、さらに予想A-3、予想A-4なども書いている。興味ある読者は
参照されたい。





その3
その2
その1


ゼータ系の彗星群

数学の研究