ヘール・ボップ彗星 その1

ζ(s)の非自明な零点を解にもつ無限次方程式を導出 >
C2(α)の実験結果 >
S2(α)の実験結果 >
リーマン予想と同値な予想A-1,予想A-2を提示 >
リーマン予想と同値な予想A-2~A-4を提示 >

 ζ(s)の非自明な零点を解にもつ無限次方程式を見つけました。ζ(1/2+i・α)に関係するC2(α)、S2(α)の数値実験
結果を示した。リーマン予想と同値の予想を提示。


2006/11/5      < ζ(s)の非自明な零点を解にもつ無限次方程式を導出 >

 リーマン・ゼータζ(s)の非自明な零点をすべて生み出す無限次方程式を見つけましたので報告します。

ζ(s)の非自明な零点1/2+i・αnのαnとは
つまり
α1=14.134725・・
α2=21.022039・・
α3=25.010857・・
 ・
 ・
であり、いろいろな教科書に載っているものです。
例えば、次のサイトに100個までの非自明な零点の虚部が全て載っています。
http://www.oa.uj.edu.pl/user/maslanka/zeros.html

 αnはリーマン予想の一山向こうにあるものでもあり、それが生み出される明快な規則性はまだ見出され
ていないと考えられます。(ちなみにζ(s)の自明な零点がs=-2,-4,-6,・・であることはいうまでもありません。

 私は、これまで全ての(無限個の)αnを生み出す方程式が出せないものか長く模索していたのですが、今回、
リーマン予想を仮定した状況から、この虚部の無限個のαnを生み出す方程式を見つけることができました。
導出過程の根拠と多くの数値実験でぜったい正しいと確信されるものです。

その方程式とは次の二つです。(αは実数)

****************************************
[二つの無限次方程式]

 1 - cos(α・log2) /√2 + cos(α・log3) /√3 - cos(α・log4) /√4 + cos(α・log5) /√5 - ・・・=0   ----①

  sin(α・log2) /√2 - sin(α・log3) /√3 + sin(α・log4) /√4 - sin(α・log5) /√5 + ・・・=0     -----②

*****************************************

これを同時に満たす解がζ(s)の1/2+i・αnのαnになります。logは自然対数。

なぜ”無限次”かといいますと、上式をテイラー展開してまとめれば、次のαの無限次の方程式になるからです。

 (1-1/√2+1/√3-1/√4+・・・)
 +{(log2)^2/√2-(log3)^2/√3+(log4)^2/√4-(log5)^2/√5+・・・}α^2/2!
 -{(log2)^4/√2-(log3)^4/√3+(log4)^4/√4-(log5)^4/√5+・・・}α^4/4!
 +{(log2)^6/√2-(log3)^6/√3+(log4)^6/√4-(log5)^6/√5+・・・}α^6/6!
 -{(log2)^8/√2-(log3)^8/√3+(log4)^8/√4-(log5)^8/√5+・・・}α^8/8!
 ・・・・・・・
 =0

また、sin式は次のようになる。

  {(log2)^1/√2-(log3)^1/√3+(log4)^1/√4-(log5)^1/√5+・・・}α^1/1!
 -{(log2)^3/√2-(log3)^3/√3+(log4)^3/√4-(log5)^3/√5+・・・}α^3/3!
 +{(log2)^5/√2-(log3)^5/√3+(log4)^5/√4-(log5)^5/√5+・・・}α^5/5!
 -{(log2)^7/√2-(log3)^7/√3+(log4)^7/√4-(log5)^7/√5+・・・}α^7/7!
 ・・・・・・・
 =0

よって①、②を書き換えると、次のようになります。

****************************************
[二つの無限次方程式]

  (1 - 1/√2 + 1/√3 - 1/√4 + ・・・)
 + {(log2)^2/√2 - (log3)^2/√3 + (log4)^2/√4 - (log5)^2/√5 + ・・・}α^2/2!
 - {(log2)^4/√2 - (log3)^4/√3 + (log4)^4/√4 - (log5)^4/√5 + ・・・}α^4/4!
 + {(log2)^6/√2 - (log3)^6/√3 + (log4)^6/√4 - (log5)^6/√5 + ・・・}α^6/6!
 - {(log2)^8/√2 - (log3)^8/√3 + (log4)^8/√4 - (log5)^8/√5 + ・・・}α^8/8!
  ・・・・・・・・・・・・・・
 =0                                                --------③


  {(log2)^1/√2 - (log3)^1/√3 + (log4)^1/√4 - (log5)^1/√5 + ・・・}α^1/1!
 - {(log2)^3/√2 - (log3)^3/√3 + (log4)^3/√4 - (log5)^3/√5 +・・・}α^3/3!
 + {(log2)^5/√2 - (log3)^5/√3 + (log4)^5/√4 - (log5)^5/√5 +・・・}α^5/5!
 - {(log2)^7/√2 - (log3)^7/√3 + (log4)^7/√4 - (log5)^7/√5 + ・・・}α^7/7!
  ・・・・・・・・・・・・・・
 =0                                                 --------④

*****************************************

 この③、④を同時に満たす解が、ζ(s)の1/2+i・αnのαnになります。
{}内のlogの級数は全て収束します(厳密な証明はまだですが、数値実験から間違いない)。
”同時に満たす”がポイントであり、例えば、④ではα=0も解ですが、それは③を満たしていないので、
ζ(s)の零点ではないということになる。このような興味のない解はほかにも多くあります。

 ζ(s)の非自明な零点は、このような規則性をもって生まれてくるものだったのです。
これでリーマン予想がきわめて考察しやすくなったと思われます。というのは、この結果をすこし逆にたどること
で、リーマン予想に同値の命題を簡単に作ることができるからです。その命題は、初等数学的な言葉で述べる
ことができ、リーマン予想が格段に考察しやすくなると思われるからです。それに関しては、また後ほど述べます。

 次に①、②の導出の過程を示します。

[①、②の導出過程]
 リーマン予想とは、自明な零点を除くと、ζ(s)=0を与える複素数sの零点はs=1/2+i・αという形のものに
限られるという予想です。

よって、ζ(1/2+i・α)=0 として変形していけば、αの無限次方程式が簡単に得られるのではないか?と思われます。
それではうまくいかないのですが、とにかくやってみましょう。
ζ(1/2+i・α)
=1 + 2^(-1/2-i・α) + 3^(-1/2-i・α) + 4^(-1/2-i・α) + ・・・
=1 + 2^(-1/2)・2^(-i・α) + 3^(-1/2)・3^(-i・α) + 4^(-1/2)・4^(-i・α) + ・・・
=1 + 2^(-1/2)・e^(log2^(-i・α)) + 3^(-1/2)・e^(log3^(-i・α)) + 4^(-1/2)・e^(log4^(-i・α)) + ・・・
=1 + 2^(-1/2)・e^(i・log2^(-α)) + 3^(-1/2)・e^(i・log3^(-α)) + 4^(-1/2)・e^(i・log4^(-α)) + ・・・
=1 + 2^(-1/2)・e^(i・log2^(-α)) + 3^(-1/2)・e^(i・log3^(-α)) + 4^(-1/2)・e^(i・log4^(-α)) + ・・・
=1 + 2^(-1/2)・{cos(log2^(-α))+i・sin(log2^(-α))} + 3^(-1/2)・{cos(log3^(-α))+i・sin(log3^(-α))}
    + 4^(-1/2)・{cos(log2^(-α))+i・sin(log4^(-α))} + ・・・

=1 + 2^(-1/2)・{cos(log2^(-α))+i・sin(log2^(-α))} + 3^(-1/2)・{cos(log3^(-α))+i・sin(log3^(-α))}
    + 4^(-1/2)・{cos(log2^(-α))+i・sin(log4^(-α))} + ・・・

=1 + 2^(-1/2)・{cos(α・log2)+i・sin(-α・log2)} + 3^(-1/2)・{cos(α・log3)+i・sin(-α・log3)}
    + 4^(-1/2)・{cos(α・log2)+i・sin(-α・log4)} + ・・・

=1 + 2^(-1/2)・cos(α・log2) + 3^(-1/2)・cos(α・log3) + 4^(-1/2)・cos(α・log4) + ・・・・
       - i・{2^(-1/2)・sin(α・log2) + 3^(-1/2)・sin(α・log3) + 4^(-1/2)・sin(α・log4) + ・・・・}

 ζ(1/2+i・α)はこのように変形できました。
 C(α)+i・S(α)の形になっていますから、C(α)とS(α)が同時に0になればいいのですが、これは実験すれば
すぐにわかりますが0にはなりません。α1=14.134725・・を入れると、例えば、C(α1)はどんどん発散してしまう。
0に収束しないわけです。
 ここで躓いていたのですが、交代級数が解決の鍵を握っていることに気づきました。

「百武彗星 その1」でも見たとおり、ζ(1/2)は、
 ζ(1/2)=-1.46035450880・・・      ------⑤

となります。math worldに載っている値です。

 このζ(1/2)は、
  ζ(1/2)=1 + 1/√2 + 1/√3 + 1/√4 + ・・・

であり、常識的には発散していますが(”1+1/2+1/3・・”が発散するので当然)、しかし、解析接続で意味づけがなされ
ると考えられ、⑤の値に収束する。解析接続とは複素関数論での関数の定義域を次々に広げる強力な概念ですが、
この場合、もっとわかりやすく説明することができます。
いま
 M(1/2)=1 - 1/√2 + 1/√3 - 1/√4 + 1/√5 - 1/√6 +・・・       ------⑥

という交代級数を考えます。これは、各項が徐々に小さくなっているので収束します。グラフの上で幾何学的に考え
れば、ある値に収束することはすぐにわかる。

 さて、ここでゼータで頻繁にあらわれる”ある変形”を用いて、⑥を次のように変形します。
M(1/2)
=1 - 1/√2 + 1/√3 - 1/√4 + 1/√5 - 1/√6 +・・・
=1 + 1/√2 + 1/√3 + 1/√4 + 1/√5 + 1/√6 +・・・ - 2( 1/√2 + 1/√4 + 1/√6 +・・・)
=1 + 1/√2 + 1/√3 + 1/√4 + 1/√5 + 1/√6 +・・・ - (2/√2)・( 1+ 1/√2 + 1/√3 +・・・)
=ζ(1/2) - √2・ζ(1/2)
=(1 - √2)・ζ(1/2)

つまり、
  M(1/2)=(1 - √2)・ζ(1/2)    ------⑦

となります。
 この式より、ζ(1/2)はM(1/2)/(1 - √2) として計算されるというわけです。
⑤にはこのような意味合いが隠されているのです。

 私は、このことにヒントを得て、ζ(1/2+i・α)の場合も交代級数がキーとなっていると直感しました。
そこで、B(1/2+i・α)という次の関数を考えました。もちろんζ(1/2+i・α)の交代級数版です。

B(1/2+i・α)
=1 - 2^(-1/2-i・α) + 3^(-1/2-i・α) - 4^(-1/2-i・α) + 5^(-1/2-i・α) - 6^(-1/2-i・α) + ・・・・・・

 これを、上方のζ(1/2+i・α)と同様にして変形していくと次のようになる。

B(1/2+i・α)
=1 - 2^(-1/2)・cos(α・log2) + 3^(-1/2)・cos(α・log3) - 4^(-1/2)・cos(α・log4) + ・・・・
 + i・{2^(-1/2)・sin(α・log2) - 3^(-1/2)・sin(α・log3) + 4^(-1/2)・sin(α・log4) - 5^(-1/2)・sin(α・log5) +・・}  ---⑧

いま B(1/2+i・α)=C2(α)+i・S2(α) 
とすると、⑧より

C2(α)=1 - cos(α・log2) /√2 + cos(α・log3) /√3 - cos(α・log4) /√4 + ・・・・  ---⑨

S2(α)=sin(α・log2) /√2 - sin(α・log3) /√3 + sin(α・log4) /√4 - sin(α・log5) /√5 + ・・  ---⑩

です。
 B(1/2+i・α)=0となるにはC2(α)とS2(α)が同時に0とならなければなりませんが、冒頭のζ(s)の非自明な
零点のαnの値で⑨、⑩とも0に収束していくのです!この⑨、⑩が冒頭で述べた二つの無限次方程式の左辺です。

つまり、リーマン予想でのζ(1/2+i・α)=0は、交代級数B(1/2+i・α)の零点との関係で、意味づけが与えられて
いるわけですが、次式でそれが明確にわかります。
 上方でやったのと同じ”ある変形”を行います。

B(1/2+i・α)
=1 - 2^(-1/2-i・α) + 3^(-1/2-i・α) - 4^(-1/2-i・α) + 5^(-1/2-i・α) - 6^(-1/2-i・α) + ・・・・・・
=1 + 2^(-1/2-i・α) + 3^(-1/2-i・α) + 4^(-1/2-i・α) + 5^(-1/2-i・α) + 6^(-1/2-i・α) + ・・・・・・
                 - 2 {2^(-1/2-i・α) + 4^(-1/2-i・α) + 6^(-1/2-i・α) + ・・・・・・}
=1 + 2^(-1/2-i・α) + 3^(-1/2-i・α) + 4^(-1/2-i・α) + 5^(-1/2-i・α) + 6^(-1/2-i・α) + ・・・・・・
   - 2 ・2^(-1/2-i・α){1 + 2^(-1/2-i・α) + 3^(-1/2-i・α) + ・・・・・・}
=ζ(1/2+i・α) - 2 ・2^(-1/2-i・α)ζ(1/2+i・α)
=ζ(1/2+i・α) - 2^(1/2-i・α)ζ(1/2+i・α)
=(1 - 2^(1/2-i・α))・ζ(1/2+i・α)

よって、
  B(1/2+i・α)=(1 - 2^(1/2-i・α))・ζ(1/2+i・α)

となりました。
 B(1/2+i・α)が0のときに、ζ(1/2+i・α)が0になるということです。αが実数より(1 - 2^(1/2-i・α))は0にはなりえま
せんからそれがいえる。ζ(1/2+i・α)の非自明な零点は、B(1/2+i・α)の零点と一致しているというわけです。
B(1/2+i・α)=C2(α)+i・S2(α) であり、このC2(α)とS2(α)は、それぞれ⑨、⑩の通りですが、これをテイラー展開
すると、次のようになります。

C2(α)= (1 - 1/√2 + 1/√3 - 1/√4 + ・・・)
 + {(log2)^2/√2 - (log3)^2/√3 + (log4)^2/√4 - (log5)^2/√5 + ・・・}α^2/2!
 - {(log2)^4/√2 - (log3)^4/√3 + (log4)^4/√4 - (log5)^4/√5 + ・・・}α^4/4!
 + {(log2)^6/√2 - (log3)^6/√3 + (log4)^6/√4 - (log5)^6/√5 + ・・・}α^6/6!
 - {(log2)^8/√2 - (log3)^8/√3 + (log4)^8/√4 - (log5)^8/√5 + ・・・}α^8/8!
  ・・・・・・・・・・・・・・

S2(α)
= {(log2)^1/√2 - (log3)^1/√3 + (log4)^1/√4 - (log5)^1/√5 + ・・・}α^1/1!
 - {(log2)^3/√2 - (log3)^3/√3 + (log4)^3/√4 - (log5)^3/√5 +・・・}α^3/3!
 + {(log2)^5/√2 - (log3)^5/√3 + (log4)^5/√4 - (log5)^5/√5 +・・・}α^5/5!
 - {(log2)^7/√2 - (log3)^7/√3 + (log4)^7/√4 - (log5)^7/√5 + ・・・}α^7/7!
  ・・・・・・・・・・・・・・

 これらの右辺を =0としたものが、③、④となります。
[導出終わり]

 実験により{}内のlogの級数は全て収束していく様子がわかります。C2(α)、S2(α)とも各項が交代級数になって
おり、さらに階乗n!が効いているため、任意の実数αを与えると、発散することなく、なんらかの値に収束していき
ます(厳密に証明はしていないが、多くの数値実験によりほぼ間違いない)。

すなわち、B(1/2+i・α)のC2(α)もS2(α)も発散することのないたいへんよい性質をもった関数であるとわかるのです。
よい性質のB(1/2+i・α)が、悪い性質のζ(1/2+i・α)を押さえ込んでいっているのが、ζ(s)のリーマン予想周辺の
状況であるといえるでしょう。

最後に、本結果について数学者のM教授、数学研究者のSugimoto氏より有用なコメントとご助言をいただきました。
深く感謝いたします。

----------------------
追記
数学を研究されているhirokuro氏が氏サイトによく似た結果をすこし先に発表されていました。
http://hirokuro-web.hp.infoseek.co.jp/riemann.html
私のものと式は違っているようですが、同じようなところを研究されています。興味深い研究のようです。




2006/11/5             < C2(α)の実験結果 >

 B(1/2+i・α)のC2(α)とS2(α)が同時に0になるαが、ζ(1/2+i・α)の非自明な零点の虚部αnを与えることを
一つ上で示しました。
 それでは、本当に、C2(α)やS2(α)がζ(s)の非自明な零点(1/2+i・αn)の虚部αnで0になるのかどうか
検証しました。以下で、結果を示しますが、零点でのみ0になっているのに読者は驚かれることでしょう。
次のサイトの零点の値を利用してα1~α8までとその周辺の点を検証しました。
http://www.oa.uj.edu.pl/user/maslanka/zeros.html

α1=14.1347251417347
α2=21.0220396387715
α3=25.0108575801457
α4=30.4248761258595
α5=32.9350615877392
α6=37.5861781588256
α7=40.9187190121475
α8=43.3270732809150

 上記の零点以外の点もいろいろ検証しました。零点に非常に近い両側の点は必ず調べました。
検証は、ExcelでVBAプログラムを組み行いました。

C2(α)=1 - 2^(-1/2)・cos(α・log2) + 3^(-1/2)・cos(α・log3) - 4^(-1/2)・cos(α・log4) + ・・・・

 この式のαに零点他いろいろな値を代入して初項からn項までの和を求めた結果が以下の表です。
赤字が零点です。
①は「100項までの和」、②は「1000項までの和」、③は「10^4項までの和」、④は「10^5項までの和」、
⑤は「10^6項までの和」、⑥は「10^7項までの和」を表します。

 αnだけ他よりもすこし詳しく調べています。また④までで止めたものも多くあります。
また例えば③と④の間の数は、その中間の「5×10^4項までの和」を表します。他も同様です。

α=5 α=10 α=14 α1=14.1347・・ α=14.2
①1.771103829

②1.762508912

③1.74909557
 1.748425403
④1.745870597

⑤1.746203864

①-0.072124238

②-0.113970847

③-0.09546051
 -0.098587403
④-0.09746795

⑤-0.098670149

①0.019192926

②0.024574047

③0.017171733
 0.010483023
④0.013127962

⑤0.01211705

①0.034481836

②0.015288976

③0.000943087
 0.001201919
④-0.001276939

⑤-0.000438861

⑥0.000009384
①0.057653495

②0.025998688

③0.011988914
 0.016126679
④0.012418936

⑤0.013904311




α=15 α1=18 α=20 α=20.5 α=20.9
①1.037827109

②1.103594868

③1.082819639
 1.086724316
④1.089379958

⑤1.087308908

①-0.988755121

②-0.979448703

③-0.971683126
 -0.977686162
④-0.977021837

⑤-0.975010305

①1.737016337

②1.698392903

③1.716227678
 1.716249159
④1.715122707



①0.853668473

②0.917432707

③0.897356344
 0.902816964
④0.903565411



①0.17853441

②0.137327212

③0.156262711
 0.150768745
④0.153450347

⑤0.152520427




α2=21.022・・ α=21.1 α=22 α=24.9 α3=25.0108・・
①0.04462171

②-0.011964099

③-0.00200786
 -0.000685214
④0.001569258

⑤-0.0000831614

⑥-0.000141905
①-0.017625085

②-0.072418441

③-0.07197233
 -0.06631325
④-0.066620389

⑤-0.067052894


①1.184239033

②1.209754417

③1.215679866
 1.214027906
④1.216296213




①-0.126408819

②-0.121369302

③-0.12769621
 -0.134310302
④-0.131579876




①0.029875743

②0.015808366
 -0.005821748
③0.002601847
 -0.00202761
④-0.00074765
 -0.00006696
⑤-0.00049965

⑥-0.00008495



α=25.1 α=27 α=29 α=30.3 α4=30.4248・・
①0.183025456

②0.152447978

③0.138135307
 0.139106259
④0.137907937




①-0.69405942

②-0.669113284

③-0.670896323
 -0.673061947
④-0.673737995




①2.894706802

②2.873942894

③2.890790935
 2.883729889
④2.884777735




①0.04680038

②0.058672786

③0.056776578
 0.051468504
④0.054023672

⑤0.052810978


①0.022550554

②0.015084864

③0.004059861
 0.001743593
④0.000012803

⑤-0.000401584

⑥-0.000150929



α=30.5 α=31 α=32.8 α5=32.9350・・ α=33
①0.056481792

②0.035393132

③0.021212397
 0.022163437
④0.018753181

⑤0.019487529


①0.94214688

②0.927135567

③0.945469346
 0.942450785
④0.940282504

⑤0.940535103


①0.052725375

②0.084343368

③0.094560086
 0.101151115
④0.097653999




①-0.025580743
 0.019538526
②-0.003783314
 0.004307027
③0.000900454
 0.000488787
④0.000915036
 -0.000152164
⑤0.000434844

⑥0.000157625
①-0.011185301
 0.014095675
②0.003647546
 0.001117919
③0.003912326
 -0.000638131
④0.001946591
 -0.000221059
⑤0.000863047





α=33.05 α=35 α=37.5 α6=37.5861・・ α=37.7
①0.02284066

②0.031170814

③0.027603711
 0.020966233
④0.024349713





①1.457738139

②1.452077698

③1.438086321
 1.436661284
⑤1.43530134





①0.223778519

②0.171327169

③0.168334293
 0.175235213
⑤0.173615119





①0.044749099
 -0.009276248
②0.00720987
 -0.006733831
③-0.004103347
 0.000360126
④-0.001087059
 0.000707067
⑥0.000307081

⑦0.000138011

①-0.192323853

②-0.203999527

③-0.218623397
 -0.221012729
④-0.220440828









α=39 α=40 α=40.8 α7=40.9187・・ α=41
①2.643666322

②2.594153439

③2.603239335
 2.604456358
④2.607202156




①2.547575728

②2.502163295

③2.521143171
 2.516201851
④2.518268277




①-0.088747782

②-0.051842595

③-0.04362661
 -0.041728639
④-0.041942382




①-0.050375299

②-0.015775923

③-0.004967578
 0.002175796
④-0.001564649

⑤-0.000492479
 0.000214207
⑥-0.000154879
①0.059056635

②0.089293274

③0.099179644
 0.104989716
④0.102093777








α=43.2 α8=43.3270・・ α=43.4
①-0.075954006

②-0.076744272

③-0.090256415
 -0.090818446
④-0.093425262




①-0.01286096
 -0.014376461
②0.010277553
 0.000760405
③0.004985075
 0.001721051
④0.001217782
 0.000705138
⑤0.000056011

⑥-0.000096247
①0.079375666

②0.111019845

③0.11148245
 0.108018969
④0.109383438








 これを眺めるのは、全く面白いことです。いろいろなことがわかってきます。

 まず非自明な零点αnの箇所では、0ラインをまたぎながら振動しつつ(+-符号を変えながら)徐々に0に収束
していっている様が見てとれます。ただαnのすぐ両隣のデータよりその波はかなり不規則に変動しているようです。
上では最高10^7まで調べており、さらにもっと多くの項まで調べたいのですが、10^7項までで最新pentiumプロセッサ
でなんと2時間半もかかりますので、10^7くらいが限界となります。しかし、十分でしょう。

 αn以外の点では、0以外の値に収束しています。
C2(α)関数はもちろん連続な関数ですから、a<cとしてC2(a)で負の値をとりC2(c)で正の値をとれば(orその逆でも
OK)その間には少なくとも一つの零点b(a < b < c)をもつことがいえます。
 その観点から上表を見ると、αn以外の零点がたくさん存在することがわかります。
例えば、αが27と29で符号が反転しているので、その間でC2(α)=0となる零点が存在することになります。
そしてその零点は、もちろん、ζ(s)の非自明な零点の虚部αnではありません。興味のない零点もたくさん存在
していることがわかります。

 以上の結果から、
C2(α)=1 - 2^(-1/2)・cos(α・log2) + 3^(-1/2)・cos(α・log3) - 4^(-1/2)・cos(α・log4) + ・・・・
がいかに重大な関数であり、そして、
 C2(α)=0
の無限次方程式がリーマン予想の中心に位置しているとわかると思います。

 次に、もう一つの中心S2(α)を調べる必要があります。
これも、まったくC2(α)と同様の結果が得られ、冒頭に述べたことを完全に支持する結果を与えるのですが、
次に書くことにします。




2006/11/5             < S2(α)の実験結果 >

 では、次にS2(α)を調べます。

  S2(α)=sin(α・log2)/√2 - sin(α・log3)/√3 + sin(α・log4)/√4 - sin(α・log5)/√5 + ・・・

であり、次の非自明な零点の虚部αnで、S2(α)が本当に0になっているかどうか見てみます。
次のサイトの零点の値を利用して、C2(α)と同様α1~α8までと周辺を検証しました。
C2(α)と全く同じ地点を調べました。
http://www.oa.uj.edu.pl/user/maslanka/zeros.html

α1=14.1347251417347
α2=21.0220396387715
α3=25.0108575801457
α4=30.4248761258595
α5=32.9350615877392
α6=37.5861781588256
α7=40.9187190121475
α8=43.3270732809150

再度書くと、赤字αnが零点です。
①は「100項までの和」、②は「1000項までの和」、③は「10^4項までの和」、④は「10^5項までの和」、
⑤は「10^6項までの和」、⑥は「10^7項までの和」を表す。
 αnだけ他よりもすこし詳しく調べています。また④までで止めたものも多くあります。
また例えば③と④の間の数は、その中間の「5×10^4項までの和」を表します。他も同様です。

α=5 α=10 α=14 α1=14.1347・・ α=14.2
①0.269097531

②0.224470171

③0.220258747
 0.226074576
④0.223303869



①1.294293675

②1.334273566

③1.338121762
 1.331721083
④1.332502314



①-0.300129702

②-0.261984604

③-0.25159435
 -0.253707279
④-0.251004574

⑤-0.25181067

①-0.030887325

②0.004230169

③0.00491121
 -0.001885203
④0.000932239

⑤-0.00023959

⑥-0.000157835
①0.104288604

②0.132641016

③0.126778092
 0.121544691
④0.122007815

⑤0.121705711




α=15 α1=18 α=20 α=20.5 α=20.9
①1.085058541

②1.093738706

③1.094634979
 1.09622853
④1.094124118



①-0.26760193

②-0.202770153

③-0.221262386
 -0.217932713
④-0.217805329



①-0.023436424

②-0.070718176

③-0.075980245
 -0.072245121
④-0.07016839



①-0.603035317

②-0.576529799

③-0.5822848
 -0.582834333
④-0.580104847



①-0.268800337

②-0.230263185

③-0.22819953
 -0.231859697
④-0.233511021






α2=21.022・・ α=21.1 α=22 α=24.9 α3=25.0108・・
①-0.01310657

②-0.010576291

③0.004574545
 -0.002128748
④0.000193763

⑤-0.000493037

⑥0.0000697346
①0.175380519

②0.155577445

③0.172795558
 0.168751349
④0.172025427




①1.925402048

②1.95536876

③1.965136377
 1.971619223
④1.968671491




①-0.272181219

②-0.236333648

③-0.225571369
 -0.224049593
④-0.224475964




①-0.031703466

②0.000296752

③0.004275844
 -0.00094374
④0.001393001

⑤0.0000186893

⑥-0.00013335



α=25.1 α=27 α=29 α=30.3 α4=30.4248・・
①0.13219386

②0.155134693

③0.150576044
 0.14356239
④0.14584771




①-0.873636214

②-0.898813067

③-0.911130987
 -0.913591041
④-0.913781428




①0.470167784

②0.525090602

③0.515333255
 0.515828728
④0.513784451




①-0.402201696

②-0.367229323

③-0.355397273
 -0.354903527
④-0.35269859




①-0.036220952

②-0.004267972

③0.002930467
 -0.001398866
④0.001581079

⑤0.000297864

⑥-0.0000471206



α=30.5 α=31 α=32.8 α5=32.9350・・ α=33
①0.189079393

②0.215164381

③0.216164192
 0.211628414
④0.212358256




①1.170214827

②1.113584633

③1.12019922
 1.120457493
④1.123454813




①-0.426491195

②-0.3990713

③-0.394946129
 -0.392746277
④-0.393435995




①-0.049241126

②-0.015458641

③-0.004914892
 0.00218228
④-0.001289148

⑤-0.000246787

⑥-0.0000124277
①0.149810934

②0.184524252

③0.196327764
 0.201853641
④0.199550389







α=33.05 α=35 α=37.5 α6=37.5861・・ α=37.7
①0.30680316

②0.341268766

③0.352829822
 0.355602247
④0.355011136




①-2.666053611

②-2.71747212

③-2.720919084
 -2.71844608
④-2.71739507




①-0.028876189

②-0.067287159

③-0.050637084
 -0.050513724
④-0.050002898




①0.038386481

②-0.013783105

③-0.002872071
 0.002207115
④0.001147754

⑤0.000394601

⑥-0.0000771547
①0.196518518

②0.142583392

③0.141868973
 0.147921144
④0.146093244







α=39 α=40 α=40.8 α7=40.9187・・ α=41
①2.434888203

②2.399919669

③2.385166954
 2.38766629
④2.389166216




①-1.739635084

②-1.711737221

③-1.709390276
 -1.711637189
④-1.714679206




①-0.430132852

②-0.418108449

③-0.425270991
 -0.432169186
④-0.428358167




①-0.026578502

②0.000402917

③0.000547119
 -0.000513834
④0.000227087

⑤0.0000863753

⑥0.0000318189
①0.229069276

②0.261542302

③0.266632389
 0.27096298
④0.268489076







α=43.2 α8=43.3270・・ α=43.4
①-0.30676886

②-0.356856292

③-0.361737127
 -0.358715198
④-0.35862603





①0.039370465

②0.012442398

③0.000406142
 0.001429039
④-0.001007929

⑤-0.00049685

⑥-0.000125445

①0.205094283

②0.194138455

③0.181957167
 0.180765506
④0.178771962








 ご覧ください。
 C2(α)のときと、同様、このS2(α)でも、非自明な零点の虚部αnのときだけ0に収束していっているのがわかります。
また他のこともC2(α)と全く同じことがいえます。

 これまで以上を検証したわけです。
今後もまだ他の零点も調べていきたいと思っていますが、これがいかに大きな結果であるか感じとられると
思います。
 冒頭で述べた命題はほぼ確実に正しいとわかるでしょう。繰り返しておきます。

****************************************
[二つの無限次方程式]

 1 - cos(α・log2) /√2 + cos(α・log3) /√3 - cos(α・log4) /√4 + cos(α・log5) /√5 - ・・・=0   ----①

  sin(α・log2) /√2 - sin(α・log3) /√3 + sin(α・log4) /√4 - sin(α・log5) /√5 + ・・・=0     -----②

*****************************************
 この①、②を同時に満たす解が、ζ(s)の1/2+i・αnのαnになる。

 または左辺の変形から次のようにも言える。


****************************************
[二つの無限次方程式]

  (1 - 1/√2 + 1/√3 - 1/√4 + ・・・)
 + {(log2)^2/√2 - (log3)^2/√3 + (log4)^2/√4 - (log5)^2/√5 + ・・・}α^2/2!
 - {(log2)^4/√2 - (log3)^4/√3 + (log4)^4/√4 - (log5)^4/√5 + ・・・}α^4/4!
 + {(log2)^6/√2 - (log3)^6/√3 + (log4)^6/√4 - (log5)^6/√5 + ・・・}α^6/6!
 - {(log2)^8/√2 - (log3)^8/√3 + (log4)^8/√4 - (log5)^8/√5 + ・・・}α^8/8!
  ・・・・・・・・・・・・・・
 =0                                                --------③


  {(log2)^1/√2 - (log3)^1/√3 + (log4)^1/√4 - (log5)^1/√5 + ・・・}α^1/1!
 - {(log2)^3/√2 - (log3)^3/√3 + (log4)^3/√4 - (log5)^3/√5 +・・・}α^3/3!
 + {(log2)^5/√2 - (log3)^5/√3 + (log4)^5/√4 - (log5)^5/√5 +・・・}α^5/5!
 - {(log2)^7/√2 - (log3)^7/√3 + (log4)^7/√4 - (log5)^7/√5 + ・・・}α^7/7!
  ・・・・・・・・・・・・・・
 =0                                                 --------④

*****************************************
 この③、④を同時に満たす解が、ζ(s)の1/2+i・αnのαnになる。


 ζ(s)の非自明な零点(1/2+i・αn)の背後に潜む規則性が明快な形でわかってきたといえるでしょう。

 これから、リーマン予想の言い換えが可能になるわけですが、それはまた後で述べます。




2006/11/5         < リーマン予想と同値な予想A-1,予想A-2を提示 >
(2006/12/10改)

 上で見た無限次方程式は次の二つでした(αをxに変えた)。logは自然対数です。

 1 - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + cos(x・log5) /5^c - ・・・=0

  sin(x・log2) /2^c - sin(x・log3) /3^c + sin(x・log4) /4^c - sin(x・log5) /5^c + ・・・=0

 log1=0を利用して、この二式は美しく対称的に次のように書くこともできます。

 cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・=0

 sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・=0

 それでは、リーマン予想の言い換え(同値の予想)を述べます。その予想とは次になります。予想A-1と名づけました。

予想A-1 (リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの方程式を考える。
 この二つの方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

 cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・=0

 sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・=0


もし、この予想が肯定的に解決されれば、リーマン予想は肯定的に解決されます。
もし、この予想が否定的に解決されれば、リーマン予想は否定的に解決されます。

 上をテイラー展開すると、次の予想A-2となります。

予想A-2 (リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの無限次方程式を考える。
 この二方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

 1 - {1/2^c - 1/3^c + 1/4^c - ・・・}
  + {(log2)^2/2^c - (log3)^2/3^c + (log4)^2/4^c - (log5)^2/5^c + ・・・}x^2/2!
  - {(log2)^4/2^c - (log3)^4/3^c + (log4)^4/4^c - (log5)^4/5^c + ・・・}x^4/4!
  + {(log2)^6/2^c - (log3)^6/3^c + (log4)^6/4^c - (log5)^6/5^c + ・・・}x^6/6!
  - {(log2)^8/2^c - (log3)^8/3^c + (log4)^8/4^c - (log5)^8/5^c + ・・・}x^8/8!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


   {(log2)^1/2^c - (log3)^1/3^c + (log4)^1/4^c - (log5)^1/5^c + ・・・}x^1/1!
  - {(log2)^3/2^c - (log3)^3/3^c + (log4)^3/4^c - (log5)^3/5^c +・・・}x^3/3!
  + {(log2)^5/2^c - (log3)^5/3^c + (log4)^5/4^c - (log5)^5/5^c +・・・}x^5/5!
  - {(log2)^7/2^c - (log3)^7/3^c + (log4)^7/4^c - (log5)^7/5^c + ・・・}x^7/7!
   ・・・・・・・・・・・・・・
  =0


 リーマン予想の同値命題はいくつもありますが、どれも非常に難しく、素人には意味をとるのさえ困難なものが
ほとんどですが、今回このような明快な命題が得られたのです。だれでも意味がわかる。

 冒頭の議論を理解された方はおそらく瞬時にこの予想の意味を理解されたと思いますが、念のため、導出過程
を含めて説明します。

[予想A-1,A-2導出過程の説明]
 冒頭では、よい性質をもつB(1/2+i・α)が0をとれば、それに引きずられる形でζ(1/2+i・α)も0をとって
しまうという議論をしました。”よい性質”とは「発散しない確定的な値をとる」という意味です。そこでは
リーマン予想が正しいと仮定して、非自明な零点を包含する無限次方程式を出したのでした。

 さて、それと同様の式変形を適用して、cが0<c<1の実数とし、B(c+i・α)が0をとればζ(c+i・α)が0となる
という議論を展開することができます。この場合は、リーマン予想そのものを考察していることになります。
 リーマン予想を考える場合は、c が 0<c < 1で十分であることがわかっています。以下、i は虚数単位です。
見てみましょう。
B(c+i・α)
=1 - 2^(-c-i・α) + 3^(-c-i・α) - 4^(-c-i・α) + 5^(-c-i・α) - 6^(-c-i・α) + ・・・・・・
=1 + 2^(-c-i・α) + 3^(-c-i・α) + 4^(-c-i・α) + 5^(-c-i・α) + 6^(-c-i・α) + ・・・・・・
                 - 2 {2^(-c-i・α) + 4^(-c-i・α) + 6^(-c-i・α) + ・・・・・・}
=1 + 2^(-c-i・α) + 3^(-c-i・α) + 4^(-c-i・α) + 5^(-c-i・α) + 6^(-c-i・α) + ・・・・・・
   - 2 ・2^(-c-i・α){1 + 2^(-c-i・α) + 3^(-c-i・α) + ・・・・・・}
=ζ(c+i・α) - 2 ・2^(-c-i・α)ζ(c+i・α)
=ζ(c+i・α) - 2^(1-c-i・α)ζ(c+i・α)
=(1 - 2^(1-c-i・α))・ζ(c+i・α)

 すなわち、
   B(c+i・α)=(1 - 2^(1-c-i・α))・ζ(c+i・α)    ----①

と出ました。
 つまりB(c+i・α)が0のときζ(c+i・α)が0になるということです。αが実数より(1 - 2^(1-c-i・α))は0にはなりえない
のでそれがいえる。ζ(c+i・α)の非自明な零点は、B(c+i・α)の零点と一致している
よって、もし例えばB(c+i・α)がc=1/4で0となれば、ζ(c+i・α)も自動的にc=1/4で0となり、リーマン予想は破れ
ていることになります。
もし、0<c<1のどんな実数をとってもB(c+i・α)はc=1/2のときのみ0となり、それ以外でぜったいに0にならないこと
が証明できればリーマン予想は正しいということになります。
よって、上の予想A-1はリーマン予想とまったく同じであるといえるのです。

 さて、B(c+i・α)を冒頭のB(1/2+i・α)と同様に変形すれば、次が得られる。

B(c+i・α)
=1 - 2^(-c)・cos(α・log2) + 3^(-c)・cos(α・log3) - 4^(-c)・cos(α・log4) + ・・・・
 + i・{2^(-c)・sin(α・log2) - 3^(-c)・sin(α・log3) + 4^(-c)・sin(α・log4) - 5^(-c)・sin(α・log5) +・・}  ----②

ここで、
 C3(α)=1 - 2^(-c)・cos(α・log2) + 3^(-c)・cos(α・log3) - 4^(-c)・cos(α・log4) + ・・・・      ----③

 S3(α)=2^(-c)・sin(α・log2) - 3^(-c)・sin(α・log3) + 4^(-c)・sin(α・log4) - 5^(-c)・sin(α・log5) +・・   ----④

とおく。つまり、
  B(c+i・α)=C3(α) + i・S3(α)     ------⑤
である。
③、④の右辺を=0とし、変数をαからxに変えたものが予想A-1の二式となります。
すなわち、このC3(α)、S3(α)がともに0ということは⑤よりB(c+i・α)が0であることを意味し、ひいては①より
ζ(c+i・α)が0であることを意味するのです。

③、④をテイラー展開すると、次のようになる。

 C3(α)
 = (1 - 1/2^c + 1/3^c - 1/4^c + ・・・)
  + {(log2)^2/2^c - (log3)^2/3^c + (log4)^2/4^c - (log5)^2/5^c + ・・・}α^2/2!
  - {(log2)^4 /2^c - (log3)^4 /3^c + (log4)^4 /4^c - (log5)^4 /5^c + ・・・}α^4/4!
  + {(log2)^6/2^c - (log3)^6/3^c + (log4)^6/4^c - (log5)^6/5^c + ・・・}α^6/6!
  - {(log2)^8/2^c - (log3)^8/3^c + (log4)^8/4^c - (log5)^8/5^c + ・・・}α^8/8!
    ・・・・・・・・・・・・・・                                        ------⑥


 S3(α)
 ={(log2)^1/2^c - (log3)^1/3^c + (log4)^1/4^c - (log5)^1/5^c + ・・・}α^1/1!
  - {(log2)^3/2^c - (log3)^3/3^c + (log4)^3/4^c - (log5)^3/5^c +・・・}α^3/3!
  + {(log2)^5/2^c - (log3)^5/3^c + (log4)^5/4^c - (log5)^5/5^c +・・・}α^5/5!
  - {(log2)^7/2^c - (log3)^7/3^c + (log4)^7/4^c - (log5)^7/5^c + ・・・}α^7/7!
    ・・・・・・・・・・・・・・                                       ------⑦

 ⑥、⑦の右辺を =0とし、変数をαからxに変えたものが、予想A-2の二式となります。
[説明終わり]

 冒頭でのB(1/2+i・α)のときの議論は、数値実験をいろいろやっていますが、予想A-1のB(c+i・α)の場合は、
c=1/2以外の数値実験をやっておらず私の直感と推測が混じっていることを告白しておきます。
しかし、0<c<1の交代級数”1- 1/2^c + 1/3^c + 1/4^c - ・・”の性質、ゼータ関数の性質、そして私のこれ
までの膨大な計算からくる直感を考えれば、予想A-1は間違いなく正しいだろうと考えられます。ただ、不足してい
る実験の検証はつづけます。

 この予想A-1で、リーマン予想の根底に潜む構造がはっきりわったのではないかと思われます。
数学書を見ていても、リーマン予想はあまりにも謎につつまれ、もやがかかったような状態となっていて、その
構造がまったくわからなかったのですが、冒頭からの議論において明確に構造がつかめたといえるでしょう。
ただし意味は明快でも、これが解けるか否かはまた別問題です。




2006/11/7         < リーマン予想と同値な予想A-2~A-4を提示 >
(2006/12/10改)

予想A-1を再度、掲げます。

予想A-1 (リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの方程式を考える。
 この二つの方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

 cos(x・log1) /1^c - cos(x・log2) /2^c + cos(x・log3) /3^c - cos(x・log4) /4^c + ・・・=0

 sin(x・log1) /1^c - sin(x・log2) /2^c + sin(x・log3) /3^c - sin(x・log4) /4^c + ・・・・=0


 これをさらにいろいろと書き換えることができます。
 「A=B=0」と 「A+B=0且つA-B=0」は同値ですので、これに着目して予想A-1の左辺同士を足した場合と、
引いた場合を考えます。簡単な式変形なので途中は略しますが、予想A-1は次の二予想とも同値になります。

予想A-3 (リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの方程式を考える。
 この二つの方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

  (1/1^c )・cos(x・log1+π/4) - (1/2^c )・cos(x・log2+π/4)
    + (1/3^c)・cos(x・log3+π/4) - (1/4^c)・cos(x・log4+π/4)
      + (1/5^c)・cos(x・log5+π/4) - (1/6^c)・cos(x・log6+π/4)
        +   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   =0

  (1/1^c )・cos(x・log1-π/4) - (1/2^c )・cos(x・log2-π/4)
    + (1/3^c)・cos(x・log3-π/4) - (1/4^c)・cos(x・log4-π/4)
      + (1/5^c)・cos(x・log5-π/4) - (1/6^c)・cos(x・log6-π/4)
        +  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    =0



予想A-4 (リーマン予想と同値)

 cを0 < c < 1の実数とする。次のxに関する二つの方程式を考える。
 この二つの方程式を同時に満足する実数解が存在するのはcが1/2のときのみであろう。

  (1/1^c )・cos(x・log1+π/4) - (1/2^c )・cos(x・log2+π/4)
    + (1/3^c)・cos(x・log3+π/4) - (1/4^c)・cos(x・log4+π/4)
      + (1/5^c)・cos(x・log5+π/4) - (1/6^c)・cos(x・log6+π/4)
        +   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ =0

  (1/1^c )・sin(x・log1+π/4) - (1/2^c )・sin(x・log2+π/4)
    + (1/3^c)・sin(x・log3+π/4) - (1/4^c)・sin(x・log4+π/4)
      + (1/5^c)・sin(x・log5+π/4) - (1/6^c)・sin(x・log6+π/4)
        +   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   =0


 予想A-1を例にとると、もしリーマン予想が真なら予想A-1は次のように定理になります。

定理 (リーマン予想が真の場合に成り立つ定理)

 いま次のxに関する二つの方程式を考えると、この二方程式を同時に満足する実数解が存在する。
そして、その解はζ(s)の非自明な零点(1/2+i・αn)の虚部αnとなる。

 cos(x・log1) /√1 - cos(x・log2) /√2 + cos(x・log3) /√3 - cos(x・log4) /√4 + ・・・=0

 sin(x・log1) /√1 - sin(x・log2) /√2 + sin(x・log3) /√3 - sin(x・log4) /√4 + ・・・・=0


 私は、リーマン予想はぜったいに正しいと信じているので、おそらく上も正しいのでしょうが、これのみが正しくて
なぜc=1/4やc=4/5のときに、同時に満足する実数解が存在しないのか?ゼータの真意はさっぱりわかりませんが、
おそらくc=1/2のときにのみ出現する、想像を絶する美が用意されているにちがいありません。





その2
その3


ゼータ系の彗星群

数学の研究