相対論物理学者に捧ぐ その2

<レーザージャイロにより、絶対系の存在は確実となった>
<光と時間の考察でアインシュタインは3重のミスを犯している>
<核分裂反応のエネルギーはE=mc^2が第一義の原因ではない>
<合成速度の新パラドックス>
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2001/9/21
       < レーザージャイロにより、絶対系の存在は確実となった>

 航空機やロケットに搭載されているレーザージャイロにより、光速度不変の原理が破れていることが窪田氏や後藤
教授により報告されています。
 ところが、相対論学者は、相対性理論をつかって巧妙に反論し、レーザージャイロこそ相対論を支持するものだと主
張しており、双方譲らない状態のままきているように思われます。
 この問題を考えているうちに、相対論派が根本のところで大きな勘違いをしていることに気づきました。ここでは相対
論派の勘違いを明らかにします。

[説明]
 まず議論の本質的な焦点を、<論点>という形でまず一言で表現しておきます。

<論点>
レーザージャイロの光の挙動は、絶対系を前提にしなければ成り立たないものである。

この<論点>が正しいか否かが、最大の焦点になっています。

反相対論派は、上の論点は正しいと言い、よって相対性理論は間違っていると主張します(もし<論点>が正しければ
結果的にこのようになります)。
しかし、相対論派は上の主張に対してまず真っ先に相対性理論をもち出し、つぎのように反論します。

相対論派の反論
回転体上の光の観測点は、回転系すなわち加速度系にあるのだから、これは特殊相対論の適用範囲には属さない。よ
って、このことで特殊相対論が正否を議論をするのはおかしい。これは加速度系であるから、一般相対論を用いなけれ
ばならない。一般相対論で計算すれば・・・としていろいろと計算し、「ほら、まったく矛盾がない。相対論は正しいのだ。」
として、締めくくる。


 そして、その一般相対論での計算が合っている合っていないで、またさまざまな議論がくり広げられています。

 しかし、よく考えてみれば・・・・
相対論派の主張はおかしいということに気づきます。

 ここでの議論の中心は、レーザージャイロの光の挙動が絶対系を前提にしなければ成り立たないものなのか否か、
いうことです。上の<論点>の正否をのみを問題にしている。
 もしジャイロの光の動きが、絶対系を考えなければ説明のつかないものならば、特殊相対性原理は間違いということに
なり、相対論は崩壊します。一方、もし絶対系となんら関係のないものならば、この現象から相対論が否定されることは
ありません。
ちなみに、絶対系とエーテルは無関係です(もしこの意味がわからない方は、<相対論誕生過程における考察の誤りを
検証するサイト>を参照ください)。

 今の議論では、この現象から必然的に絶対系が出てくるか否かが最大の焦点なのです。

 ここまで来ると、気づくことがあるでしょう。
それは、この現象を説明するのに、かならずしも相対論をもち出す必要などない、ということです。
これが相対論派の反論はおかしいと私がはじめに述べた理由です。

 相対論以外の観点から説明され、その結果、絶対系の存在・非存在が明らかになれば、この議論はまったく正常に終
わります。そして、その結果、つぎの段階として相対論の正否が判断されるというそれだけのことです。
相対論をもち出す絶対的な必要性、必然性などないのです。

 にもかかわらず、上の<論点>を証明するのに、相対論派は、まず真っ先に相対論を持ち出し、あれやこれやと説明
する。相対論でなければ、<論点>の正否をだすのは無理とでも思っているかのようです。しかも、もち出してくるのは、
まだ十分には実証されていない一般相対論であり、説得力などないことは明らかですし、また等価原理の観点から一般
相対論が間違っていることは、一般相対性理論が間違っていることの証明で私が証明したとおりです。

 それよりも、まったく違った観点から明快に証明できるのです。
[証明]
 レーザージャイロは、物体の回転角速度を検出する装置です。
 航空機の機体に加速度計とともにとりつければ、ジャイロからは機体の傾きの情報が、また加速度計からは位置の情
報が得られ、それら情報から航空機の正しい姿勢や進行方向を逐次割り出します。
レーザージャイロと加速度計をあわせて、慣性センサといいます。

 機体が傾きすぎればもとの姿勢にもどし、方向がはずれそうになれば機首を正しい方向にもどす。慣性センサは、まさ
航空機の頭脳の役割を担っています。

 レーザージャイロには、リング・レーザージャイロと光ファイバージャイロの2種類がありますが本質的な原理は同じで
す。レーザージャイロは、装置全体が回転すると光路差に応じた周波数差が生じそれから発生する干渉縞を光検出器
で読みとり、その情報から回転角速度を検出します。
レーザージャイロを使うと、機体の傾きを検出しその情報を伝えることで、航空機はつねに安定したよい姿勢をたもつこ
とができます(実際は3次元物体の回転角をリアルタイムに検出し、3次元的な情報により姿勢制御をします)。

 レーザージャイロはまったくのブラックボックスの中に置かれていながら航空機に正常な姿勢を指示し、加速度計で
の位置情報とを合わせることで、機体を正しく目的地まで誘導してくれる。
この事実自体が、絶対系の存在を確実にしていることは明白です。
なぜなら、もし絶対系などというものがなく光にとって“全ての慣性系が基準”などということになれば、まず航空機の頭
脳として用いるという発想自体が浮かびません。設計しようにもできないからです(足場となる絶対的な基準座標を設け
ることができない!)。

 たった一つの絶対系というしっかりとした足場(基準座標)があるから、機体の連続的な傾き等の情報値を逐次たし
合わせることが保証され、正確な姿勢・位置が割りだせる。最初の出発時の初期姿勢をゼロにセットし、そこから順次
更新していく状況を思い浮かべてください。
絶対系という確固たる足場があるからこそ、現地点での計算値が保証される。

 もし絶対系というものを想定しなければ、飛行機の頭脳である慣性センサの設計すらできません。このことはレーザー
ジャイロの設計自体が、絶対的基準系を足場に光が進行することを前提に組み立てられている証拠なのです。また設計
上の計算を実際にみても、絶対系を想定した計算がなされている

 さらに、この装置の設計においては、慣性系、加速度系(回転系)などという区別がなされる必要がないことがわかり
ます。「回転系は一般相対論で、慣性系は特殊相対論で・・」などとそんな風に設計をしているのではなく、そんなことに
はおかまいなしに、技術者は絶対系という一つ絶対的な基準座標を用いて、古典物理学の範疇でレーザージャ
イロという装置を設計し作っています。そして、現実にその装置は超精密な精度で動作している。

 結局、現代の技術者たちは、マクスウェル方程式を、相対論誕生以前の常識的観点から素直に解釈したということ
です。
真空中のマクスウェル方程式の二つのrotの式 rot(x)=−∂(x)/∂t と ^2rot(x)=∂(x)/∂t から
波動方程式が導かれますが、それを解くとその波の速度はcとなります。これこそが「電磁波がcという速度で走る絶対
系という特別な足場があるんだ」と我々に教えてくれていたにもかかわらず、アインシュタインは「特別な系などない。全て
の系は同等だ!」という誤った特殊相対性原理を勝手に打ち立て、電磁気学の基本解釈を無茶苦茶にしてしまった。
しかし、現代技術の前に、特殊相対性原理という原理の嘘があっけなく露呈してしまいました。

 結局、光とは絶対系を基準に速さcで走るものであり、他の運動系から見た場合c以外の速さになるという、相対論
誕生以前の物理学者なら誰しも考えた解釈に技術者は素直に従ったということであり、その解釈に則ってレーザージ
ャイロを設計し大成功をみたわけです。

 ブラックボックスの中にいながら、レーザージャイロは、航空機が正常に飛ぶための情報を発信しつづけている、とい
う事実をもう一度よく考えてみてください。
 光が絶対系を基準に進行していることが、この事実よりはっきりわかるからです。
証明終わり。

 上の説明で慣性系、加速度系まったく関係なく、また相対性理論をもち出さずに光を使って絶対系が提示され
たことに注目してほしいと思います。

 以上から、冒頭の<論点>は、正しいと私は判断します。
特殊相対性原理の破綻は明らかで、相対論が否定されることはいうまでもないでしょう。

 さらに、後藤教授、窪田氏らのレーザージャイロに関する詳細な説明をよまれることをお勧めします。レーザージャイロ
は、現在、飛行機のみならずロケット、ミサイル、人工衛星、ヘリコプタ、潜水艦などありとあらゆるものに搭載されその
姿勢制御に強力な威力を発揮しています。
後藤教授により、さまざまな本で、本論よりももう少し直接的な方法で光速度不変則破れの証明がなされています。
上記証明は、後藤教授の説明に比べれば、やや間接的な方法といえるかもしれません。ただし、絶対系の存在を示す
にはこれで十分なのです。後藤教授は回転系、慣性系の区別にすこしこだわった議論をされていますが、上の証明より、
その必要もないことがわかるでしょう。


<レーザージャイロに関する参考論文>
 ・「姿勢センサ」日本航空宇宙学会誌 第30巻 第336号 P.15〜P.25
 ・「リング・レーザージャイロの現状と応用」日本航空宇宙学会誌 第34巻 第388号 P.27〜P.34
 ・「ロケットのストラップダウン型慣性誘導システム」日本航空宇宙学会誌 第31巻 第357号 P.40〜P.47
 ・「GPSとINSとの航空機のハイブリッド航法」日本航空宇宙学会誌 第35巻 第396号 P.29〜P.36
 ・「宇宙用ジャイロの研究開発」日本航空宇宙学会誌 第31巻 第357号 P.48〜P.52
 ・「レートジャイロ出力積分による飛しょう経路制御」日本航空宇宙学会誌 第28巻 第319号 P.53〜P.58
 ・「慣性航法装置の慣性素子」日本航空宇宙学会誌 第31巻 第353号 P.32〜P.41




2001/10/5
       < 光と時間の考察でアインシュタインは3重のミスを犯している>

 相対性理論ではが主役を演じるわけですが、光時計の考察においてアインシュタインは3重のミスを犯しています。
今回はこれまでの光と時間に関する考察をまとめる形で、そのミスを述べたいとおもいます。

[説明]
 これまでマイケルソン・モーレー実験(以下MM実験)や光時計での光の考察に関して現代物理学が誤っている点をい
ろいろ指摘しましたが、その中心的な問題点を簡潔に説明すると、つぎのようになります。

 上図をみてください。
 これは、「相対性理論」(中野董夫著、岩波書店)p.78の光時計の図とほぼ同じものです。
慣性系S′に固定された,y′方向に光を往復させる装置を考え、S′は慣性系Sに対してx方向に速度Vで動いてい
るとし、この現象をSから観測しています。
系S′が系Sに対してどんな速度で走っている慣性系であったとしても、真上に発射された光はぴったり鏡Mに到達す
る。しかも奇妙なことに、「ベクトル合成されて、右図で左図よりベクトルの長さが長くなっているのに、そのベクトルの大
きさは、依然一定値cである」という驚くべきことを言っているのが上図です。

 まず問題にしなければならない点は、はたして光は図のような進行をするのか?ということです。
学者は「光は上図のようにまるで慣性の法則に従うかのように進行する」と主張します。私は「上のような進行はしない。
マクスウェル方程式より光は絶対系を足場に進行するから、真上に放たれた光は真上に進んでしまうので鏡Mには当
たらない。」と主張します。

 光は、上図のような進行はしません。光時計の光の挙動は誤りなのです。
 その理由は、光は上図のような慣性の法則に従ったような(つまり光源の運動に影響をうけるような)進行はせず、絶
対系を基準に進むことが既に実験で実証されているからです。下記で示しています。

[光が慣性の法則に従わず、絶対系を基準に走ることを実証した例]
<「光速度不変の原理が実験的に実証されている」は大嘘である>
<相対論の原理にひそむ理解不可能な論理展開を明らかにする>
<レーザージャイロにより、絶対系の存在は確実となった>


 さて、なぜ物理学者が図1の光の進行を支持するかというと、相対論の根本原理である特殊相対性原理があるから
です。しかし、この原理が誤っていることは、上記実例で示された通りですし、さらにこの原理がいかに奇妙なものであ
るかは、<「相対性原理」にまつわる奇妙この上ない歴史の経緯を明らかにする>で詳しく述べましたので見てくださ
い。

 松田教授はその著書「なっとくする相対性理論」で、光がなぜ図1のように進行するかの理由を説明していますが、
その説明が誤りであることは、「なっとくする相対性理論」の重大ミスの指摘で示したとおりです。ここで、注意してほし
いのは、図1の光の進行とMM実験の縦方向の光の進行とは、本質的に同じであるということです。
そのところは教授もよく理解されており、それゆえに「なっとく・・」のp.45でレーザー装置を用いて説明されているので
すが、それが全く筋の通らない説明となっているのはまったく残念です。

 100年前ならば、物理学者は、マクスウェル方程式をみな私と同じ考えでとらえていました。「電磁波は絶対系を基
準にcで走るのだ」と。
しかし、相対性理論が誕生したおかげで、マクスウェル方程式を間違った基盤の上でとらえるようになってしまった。
それは、時間(さらに空間)を徹底的にねじ曲げることで実行されました。

 ここまでで、じつは3重のミスのうち2つのミスを説明しているのですがお気づきでしょうか。
まず、図1において、真上に放たれた光はほんとうはそのまま真っ直ぐ上に進行するのにもかかわらず、特殊相対
性原理から慣性の法則に従ったように進む(鏡に向っていくように進む)ととらえてしまったことがまず第1番目のミス

 さらに2番目として、もし図1のように光が進行し(物体と同じのように進み)S系のようなベクトルを描くのならば、縦
方向と横方向の速度ベクトルが合成されているのですから、右図のS系では速さは当然cより大きくならなければなり
ません。ところが、不思議なことに、S′系の大きさcのベクトルよりS系では長いベクトルを描いておきながら、今度は
ここで「光速度不変の原理」という原理をもちだし、光はどの系においてもcなので、右図(S系)でのベクトルの大きさま
でもcとしてしまったこと、これが第2番目のミスでした。

 図1よりcでないのは明らかですし、これは単純なミスなのです。
数学、物理学において、「速度ベクトルの長さは速さに比例させて描く」というのは基本的な規則ですから。
これは純粋な数学のミスであり、絶対に許されるべきものではありません。

 しかし、あろうことか、アインシュタインは時間の定義をねじ曲げることで、「これで理屈は合っているのだ!」と主張し、
そしてそれにみんな騙されてしまった。合っているはずがないのです。
時間がどのように捻じ曲げられたか、具体的な計算については、
<時間の遅れのカラクリを明らかにする>
をご覧ください。

 さて、つぎは3番目のミスです。
仮に(あくまでも仮に!)、1番目のミスと2番目のミスがミスでなく図1の光時計の光の進行が正しいものだったとして
も、この光時計の時間を我々の日常の普遍的な時間とイコールとしてしまったことが、致命的なミスでした。
相対論の時間が、日常の普遍的な時間とまったく結びつかないものであることは、これまで再三述べてきたとおりで
す。
すなわち
  「光時計の時間」=「日常の普遍的な時間」

としてしまったことが、第3番目のミスだったわけです。説明終わり。

以上が、冒頭にのべた3重のミスです。
相対性理論は、このようにさまざまなミスが折り重なって誕生したものなのです。




2001/10/16
       < 核分裂反応のエネルギーはE=mc^2が第一義の原因ではない>

 原子爆弾や原子力発電のエネルギーは、有名な式E=mc^2の「質量とエネルギーの等価性」が原因であると、従来
より言われてきました。それはまるで相対論という理論があったから原子爆弾ができたかのようにも表現され、相対論
の正しさの決定的証拠のように喧伝されて、現代にいたっているのは承知のとおりです。

 ところが、事実は違っているのです。
 核分裂の恐るべき放出エネルギーは、最初にマイトナーとフリッシによって理論的に計算されましたが、それには相
対論などまったく用いずになされました(電気ポテンシャル・エネルギーによる計算でした)。後になって、彼らは、相対
論のE=mc^2を用いても同じような値がでると気づいたということなのです。電気ポテンシャル・エネルギーでの計算
は現代でも十分通用します。
この事実は、先日「原子爆弾」(山田克哉著、ブルーバックス)を読んではじめて知ったことなのですが、今回は、原子
力発電や原子爆弾は、相対性理論があったから誕生したものではない!という驚くべき事実を、上記本を引用し
つつ説明します。

[説明]
本p.202〜203
 1938年(昭和13年)12月ストックホルム郊外の静かな田舎町でマイトナーとフリッシが説明したように、ウラン
原子核が外部からの中性子を吸収する原子核はその中性子の持っていたエネルギーをもらい受けるので原子核
のエネルギーは上がり、原子核は振動を開始する。

 その結果、真中あたりにスタイルの良い女性のウエストのような「くびれ」が生じ、その原子核はくびれを境に二
つの部分に分かれ、原子核は核のあるままのピーナッツのような形になり、二つの「ふくらみ」が生ずる。原子核
全体はプラスに帯電しているから、この二つのふくらみの間には電気反発力による斥力が生じ、お互いに離れよ
うとする。

 しかし核力に起因する表面張力が原子核の表面に働いており、それが核の表面積を最小にしようと働くため核
力(表面張力)はピーナッツ型になった原子核を表面積最小の球形に引き戻そうとする。しかし核力は至近作用し
かしないので、核力に起因する表面張力は、二つのふくらみがくびれを通してくっついたままである程度以上に離
れてしまうと、急激に弱まってしまう(至近作用のみならず遠距離作用をもする電気反発力はさほど弱まらない)。

 この時もしピーナッツ型を球形に引き戻そうとする表面張力が二つのふくらみを引き離そうとする電気反発力に
打ち勝つことができなかったら、核はくびれを境にしてひき裂かれ、核は分裂し二つの分裂片となるが、この分裂
片間に存在する電気反発力(斥力)は消えることはないので二つの分裂片は勢いよくお互いに反対方向に運動
エネルギーを持ってすっ飛んでいく。明らかに電気反発力が核分裂の原因である。この電気反発力は原子核内
に貯えられた電気ポテンシャル・エネルギーとして表すことができるので、核分裂から放出されるエネルギーの源
はすでに核内に貯えられている電気ポテンシャル・エネルギーである。

 したがって核分裂機構は何もアインシュタインの有名なE=mc^2(質量欠損)など使わずに説明できる。これが
マイトナーとフリッシが与えた史上最初の核分裂の物理的解釈であった。さらにマイトナーはE=mc^2を使っても
核分裂を説明した。この説明は第2次世界大戦勃発直前になされたものであり、・・・・・


 このように核分裂にともなうエネルギーは、電気ポテンシャルエネルギー(電気力と言ってもいいですが)が原因で
あり、上記の最後の文のようにE=mc^2での解釈というのは、後になってなされたものであることがわかるでしょう。


本p.393〜394
  原子爆弾が炸裂した直後、いわゆる「火の玉」が形成される。原子爆弾の総エネルギーの約35パーセントは熱
エネルギーとして放出される。炸裂直後の火の玉の直径は100メートルぐらいになる。爆発直前直後の原子爆弾の
温度は、太陽の内部温度(数百万度から1000万度)にまで上がり、原子爆弾そのもの全部がいっきょにガスになっ
てしまう。いったいなぜこんなとてつもない温度にまで上がるのか?

 原子核1個の大きさはおよそ10兆分の1センチメートルである。そのような極微な原子核たった1個が二つに分裂
しただけで2億電子ボルトのエネルギーが放出されるのである。2億電子ボルトのうち、その80パーセントである1
億6000万電子ボルトは二つの分裂片が運ぶ運動エネルギーとして現れる。原子核が分裂を起こすと真っ二つに分
裂片(原子核)が生成される。分裂片1個の運ぶ運動エネルギーは、その質量に速度のニ乗を掛けて二で割ったも
のとして表される(mv^2/2:mは質量の値を表しvは速度を表す)。

 したがって分裂片の速度が二倍になるとその運動エネルギーは四倍となり、速度が三倍になると運動エネルギー
は九倍、速度が四倍になるとエネルギーは16倍となる、という具合に速度が少し増えただけでも運動エネルギーは
激増する!分裂直後の分裂片のスピードは平均秒速1000万メートル(時速3600万キロメートル!)で光速度の
約30分の1である。分裂直後の分裂片1個の運動エネルギーはこの速度(秒速1000万メートル)をニ乗した値に比
例する(1000万をニ乗するといくつになるか?)。原子核1個が分裂した際、その二つの分裂片の運ぶ運動エネル
ギーが1億6000万電子ボルトと出るのは右の計算に基づいている。この計算にはすでに速度を使って計算してあ
るので、アインシュタインの式E=mc^2はいっさい使われていない。・・・・

註:青色は杉岡がつけました。

 このように、ものすごい運動エネルギーを得た分裂片は、その後多くの分裂片とぶつかり速度を変化させつつ強烈
な電磁波(X線、ガンマー線、熱線)を放出することになります。(電荷が加速度運動すれば電磁波を放出し、その際
運動エネルギーは電磁波のエネルギーに転換されていくことに注意)

 このように考えれば、電気反発力から運動エネルギーへそして電磁波放出へというこの道筋による解釈がもっとも
自然だということができます。E=mc^2での解釈は、「そのような解釈も可能である」と後で誰かが気付いたという意味
しかもっていません。相対論とはまったく関係のないところから原子爆弾が生まれたことがわかるでしょう。
 今回は、この衝撃の事実を伝えるために書きました。

 以上より、昔から言われつづけてきた「相対性理論が誕生したお陰で、原子力エネルギーの利用が可能となった!」
という説明は完全に誤りであると言えます。これは相対性理論が崩壊しても(まもなく確実に崩壊しますが)、現在の
原子力発電は、教科書の記述は多少修正されつつも、しかしなんら痛手を負うことなく、そのまま残っていくということ
です。

 「原子爆弾」(ブルーバックス)は、核分裂発見から原爆完成までを、臨場感あふれるタッチでえがいたもので、読んで
いると自分が歴史の舞台に立っているかの錯覚をおぼえさせてくれる名著です。
一読をおすすめします。




2002/5/8
           < 合成速度の新パラドックス>

 相対論における相対速度に関しては、<光速度不変の原理における新パラドックスの提示>でパラドックスを提示し
その矛盾を指摘しましたが、合成速度の面からも新しいパラドックスを見出しました。先のものと本質は同じですが。
相対性理論があくまで正しいと主張される方は、この難問に挑戦されてはいかがでしょうか。

[詳細]



 図のように大地(K系とする)に立った人に対して速度uで飛んでいるワシAと、さらにそのワシAに対してwの速度で
飛んでいるワシBがいるとします。
いま、これをK系の中での物体の運動と考え、人に対する相対速度を求めてみます。K系という一つの系内で考えて
いますから、人からみたワシBの速度vはu+wとなることは自明です。すなわち、人は、ワシBをv=u+wで飛んでいると
観測するわけです。この場合を状況@としましょう。

 さて、つぎにワシAをK´系の代表(K´系の原点に固定されているとする)とし、さらにワシBをK´´系の代表と見ます。
すると、今度はK系、K´系、K´´系という3系間の運動を論じる形となり、相対性理論での系間の合成速度の計算か
ら、人からみたワシBの速度vは、

   v=(u+w)/(1+uw/c^2)
 
となります。この場合を状況Aとしましょう。この場合、人は、ワシBをv=(u+w)/(1+uw/c^2)で飛んでいると観測
するわけです。

 奇妙なことになりました。
なんと、状況@とAで、人から見るワシBの相対速度vが異なっているのです。
真実は一つですから、これは全くおかしいわけで、まさにパラドックスが発生しているのです。状況@とAは、物理的
には全く同等な状況であることはいうまでもありません。
(言わずもがなの注意ですが、@も当然相対論を使っての議論ですので、この点は誤解しないでくださいね。)

 このようになんら無理な設定をせずとも、相対性理論を適用すると、自然に決定的なパラドックスが発生してしまうこと
になります。このパラドックスは全く致命的で、逃れる余地はないように私の目にはうつるのですが、皆様はどのように
考えられるでしょうか。このパラドックスを「合成速度の新パラドックス」と名付け、「光速度不変の原理における新パ
ラドックス」とともに今後様々に議論されることを望みます。

(注釈)
なぜ系間での合成速度が上記のような結果になるのか、念のため少し厳密な計算で示しておきます。
[合成相対速度の計算]
状況Aの場合、 特殊相対論によれば、K系とK´系の変換は次のローレンツ変換で結ばれています。

 x′=(x−ut)/√(1−(u/c)^2)、 y′=y、  z′=z、  t′=(t−ux/c^2)/√(1−(u/c)^2) ・・・・@

同様にK´系とK´′系の間の変換は、次のようになります。

x´´=(x′−wt′)/√(1−(w/c)^2)、 y´´=y′、 z´´=z′、t´´=(t′−wx′/c^2)/√(1−(w/c)^2)・・A

Aの右辺に@を代入して整理すると、

x´´=[x−((u+w)/(1+uw/c^2))t]/√(1−(1/c^2)((u+w)/(1+uw/c^2)))・・・B

となります(t´´は略しますが、以下の結果は同じになります)。

さて、K´´系のK系に対する速さをvとすると、K´´系とK系の間のローレンツ変換は次となります。

 x´´=(x−vt)/√(1−(v/c)^2)、 t´´=(t−vx)/√(1−(v/c)^2)・・・C

 BとCのx´´は等しくなければならないから、比較することにより、

 v=(u+w)/(1+uw/c^2)

となり、状況Aでの合成速度vが求まります。
以上。






相対論物理学者に捧ぐ その1

相対論物理学者に捧ぐ その3

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