相対論誕生過程における考察の誤りを検証するサイト

 様々な人々により、相対性理論における数々の矛盾が指摘されていますが(文末注記)、そこでの議論は“光”というも
のを中心に展開されています。それらの説明は自然にうつるものですが、相対論学者に受け入れられているとは言い難
い現状があるのも事実です。そこのところを深く考えれば、物理学者の方々に存在するある点における誤解が原因してい
ることに気づきました。
 以下では、「その誤解とは何なのか?」ということを、一つ一つチェックしながら論をすすめていきます。最後まで行きつい
てくだされば、現代物理学にひそむ重大な問題点を明確につかんで頂けるものと確信します。
それでは説明をはじめます。

1.マクスウェル方程式がまず基本
2.絶対空間とエーテルとは無関係
3.光は絶対空間に杭(くい)を打ちつけながら進むもの

 この3つを順に説明していくことで、光の空間での伝播の真の姿をまず明らかにし、相対性理論誕生過程における問題点
を浮き彫りにします。そして、最後に特殊相対論が間違っていることを示します。
では、まず1.から・・

1.マクスウェル方程式がまず基本
 光(電磁波)の性質を考える際の基本となるのは、マクスウェル方程式です。
特に真空中での進行を考える際に重要になるのは、マクスウェル方程式の4つの式のうちのつぎの2つです。

    rotE = −B/∂t    -------@

   c^2rotB = i0 + E/∂t   -------A

 式の読み方ですが、式の右辺は原因であり、左辺は結果を表すと覚えておいてください(^2は2乗の意味です。)

(結果)=(原因)ですね。@式を例にとれば、時間的に変動する磁場Bが空間中に存在すれば(原因)、その結果、それに
垂直的にからまるように(負の向きに)渦の電場Eが発生すると読みます。“rot”はrotationで渦ですね。

 さて、まず光(電磁波)がどのように発生するかを考えましょう。
アンテナでの電波の発生機構を考えるとわかりやすいので、それを例にとり考えます。図1をみてください。
どのようにして電磁波が空間中に放たれることになるかが模式的に描いてあります。
中央の青色の太矢印が電子の動きを示します。


   ←↓←↓←↓← →↓→↓→↓→

                図1

 まず、アンテナ内でいま電子が下向きに運動したとします。これは、電流(i)が上向きに発生したことと同じになります。
上のA式より、この場合は今の空間地点でのEはゼロですので、この現状に対してはA式はつぎの

   c^2rotB = i0    -------B

となり、電流(i)をとり囲むように周囲の空間に渦の磁場Bが発生します。それは無いところから発生したのですから時間的
に変動しており、変動磁場Bが(図1の中央から1つ目の←と→)が発生したことになる。すると変動磁場Bが発生すれば、
@式よりそれに垂直的にからまるようにその周囲に今度は渦電場Eが発生します(中央から2番目の↓ )。

すると、それは空間内に無いところから発生したので変動電場Eが発生したことになり、さらにこの空間地点には電流(i)は
ないのでA式は今度は

   c^2rotB = E/∂t ------C

となって空間中での変動電場Eのまわりに垂直的にその周囲にまた新たな磁場Bが発生することになるのです(中央から
3番目の←と→)。すると変動磁場Bが発生すれば、@式より・・・・・・・となり、@式とC式が交互に繰り返され、お互いが
お互いを生み出しながら、新たな電場と磁場を直交する形で空間中につくりつづけることで、電磁波は無の空間を
直進していくのです。

 空間のある固定地点で発生した電場(もしくは磁場)はすぐ消えてなくなりますが、アンテナ中を電子が絶えず上下に振動
していれば、次から次へと各空間地点で変動電場(変動磁場)が生じつづけることになり、電磁波が継続的に放たれつづけ
ることになるわけです。

 イメージでいえば、輪が交互に垂直に絡みあいながら延々と直線的にのびていくイメージです。媒質を必要とせず、光が
無の空間を直進していくことは現代物理学の常識となっています。
 これが基本的な電磁波発生と空間での進行の機構です。


2.絶対空間とエーテルとは無関係
 ではつぎに進みます。

 電磁波は、真空中を速度c(299792.458km/s)で進んでいくことがマクスウェル方程式から示せます。ここで問題になるの
が、その速度cは何に対しての速度なのか?ということです。
これが古来からいろいろ問題になってきた点です。

 光は波ですのでなにか媒質のようなものがあって、速度cとはそれを基準にした速度であるにちがいないと考えられ、エ
ーテルなるものの存在が想定されました。そこで、エーテルの存在を確めようとマイケルソンとモーレーが実験をおこないま
したが、結局エーテルの存在を証明することができなかったことはあまりにも有名です。

 ここでアインシュタインが登場し、特殊相対性原理というまばゆい原理を提唱して「そのような基準となるような絶対系は
この世には存在しない。すべての慣性系は同等なのだ!」と主張し特殊相対性理論をつくりあげました。

 ここで注意しなければならいのは、当時の物理学者は、エーテルと絶対空間というものを切っても切れないものと見てし
まったということです。すなわち、「エーテルがあること」と「絶対空間を設定できること」を同一視してしまった。「エーテルが
無いこと」と「絶対空間が設定できないこと」を同一視したともいえる。

 ここが決定的に重要な点ですが、じつはこの二つは同じことではないのです。とくに光の空間での進行に関しては同じで
はない。同じでないにもかかわらず、当時の物理学者は同じものとして絶対空間までもこの世から葬り去ってしまいました。
しかも現代の物理学者でさえ、いまだにその誤解に気づいていない。
 20世紀の物理学が誤った道を行くきっかけの一つとなったのは、まさにこの点にあります。はじめに述べた誤解とはこれ
です。

エーテルと絶対空間はなんの関係もない。
エーテルなんぞなくても絶対空間は定義できる。
エーテルがあろうがなかろうが、光にはなんら無関係。
電磁波の速度cは絶対空間に対する速度であり、エーテルに対する速度ではない!

 なぜこのように断定できるか、その理由がわかりますか?
現代の物理学者はわからないはずです。もしわかれば、柔軟な思考の持ち主といえます。
なぜわからないのか?

それは、空間を物理的実体と見てしまう風潮が現代物理学にあるからです。

 つまり、絶対空間は、“空虚な広がり”としての意味しかもたないものなのであり、また上の電磁波の発生機構をみてもわ
かる通り電磁波はその進行に関してなんら媒質など必要としないのですから、もし20世紀初頭に「マイケルソン・モーレ
ー実験(以下MM実験)でエーテルは否定されたが、光は媒質を必要としないのだから無の絶対空間を基準にして進むと考
え直せばどうなるか?」とだれかが主張して深い考察をしていれば、100年間もの時間を無駄にすることはなかったのです。

 ここで、「無の空間を基準になぞできるのか?」という疑問が生じるかもしれませんが、それはできます。

では、いよいよ最終段階に参ります。


3.光は絶対空間に杭を打ちつけながら進むもの
 さて、1.で電磁波の空間中での進行の仕方をみましたが、そこでの考察から、電磁波はなにかの媒質を必要とするもの
ではないことがわかりますね。日常よくみる水面上の波のような、媒質の振動ではない。電磁波は、波とまったく同じ性質
は示すがそれでも波とは似ても似つかぬものといえるのです。もちろん粒子でもない。

 巷では「電磁波が真空中を伝わる」などとよく表現されますが、“伝わる”という表現はほんとうは適切な表現ではありま
せん。1.での考察から、電磁波(光)は、空間中につぎつぎと電場と磁場を自ら生み出しながら力強く進行していくもの、
別の表現を用いるなら、光は絶対空間に杭をつぎつぎと打ちこみながら進むものということができます。断じてエーテルなど
という媒質を必要としたりしない。杭とはもちろん電場と磁場のことです。

 “伝わる”という表現には媒質をイメージさせるものがありますが、波としての性質をもちながらも電磁波は媒質を必要
としないものです。絶対空間を独立独歩で進んでいく実体である。それが光です。

 窪田登司さん流にいえば「絶対空間」は「無の空間」となるのでしょうが、同じことです。

 窪田氏も主張されていますが、“無の空間”は、エーテルなどとはまったく無関係な空虚な広がりとしての空間、すなわち
絶対空間のことであり、その無の空間に対して光はとんでいくように進んでいきます。

 イメージできますか?
 物理学者にはできないかもしれません。なぜなら、現代の物理学者は、「真空の空間は負の電子でびっしり詰まってい
る」(ディラックの空孔理論)などと、すぐに空間を物理的実体でおきかえてしまう習癖が出来上がってしまっているから
です。
何もない不動の絶対空間をイメージできないのです。

 一般相対論でもよく宇宙“空間の歪み”が論じられますが、これなども空間を実体としてとらえる現代物理学の偏見から
きているといえましょう。

 ここで注意していただきたいのですが、私は「エーテルがない」と言っているのではなく、たとえ空間に充満する物質があ
ったとしても、それと絶対空間とは無関係であるということを主張しているので、この点誤解なきよう願います。

 これまでの議論からマクスウェル方程式から出てくる電磁波の真空中の速度cは不動の絶対空間に対しての速度である
ことがわかります。
 ここまでくれば、自然に次の言葉が理解いただけると思います。

 光とは絶対空間に杭を打ちつけながら進んでいくもの

 そして、このことが理解できれば「光の速度が観測者によらず一定値c」などという光速度不変の原理(こちらのBの方)がい
かに誤ったものであるかすぐにわかります。

 光は絶対空間という無の空間を光速度cでとんでいくのだから、当然近づいてくる観測者には光はcより速い速度にみえ
ますし、遠ざかる観測者にはcより遅い速度になります。当然のことです。
ニュートンの絶対空間の概念は現代でも生きており、今後の物理学は、絶対空間の概念の上で記述されなければな
らないのです。なお光速度不変の原理が誤りであることは、航空機の姿勢制御などに用いられているリング・レーザージ
ャイロによって実際に否定されており、いますぐにも葬り去られなければならないものですが、学者は認めようとしないので
すから残念なことです。

[注記]リング・レーザージャイロに関しては、文末の注で紹介した本「科学はアインシュタインに騙されていたのか」、「相
対性理論の謎と疑問」そして「科学をダメにした7つの欺瞞」にて後藤学教授により詳しく解説されています。

 ところで、もし「無の空間」とか「絶対空間」という言い方がイメージしにくければ、絶対静止座標系を考えればよいとおも
います。これは、宇宙において光が発射された瞬間の地点を座標原点として絶対空間に設定される座標系のことです。
これは、絶対空間と一体のものですから、絶対静止座標系と呼ぶべきものですね。そしてその座標系に対して相対速度ゼ
ロの座標系はすべて絶対静止系であるといえますので、絶対静止座標系が無数に設定できることにすでにわかります。

 宇宙では光速度がcである絶対静止系が無数に設定できます。一つの絶対静止系に対してある一定速度で動いている
べつの座標系から見ると光の速度はcにならないことはいうまでもありません。光速度不変の原理は間違っているので
す。

 現在、相対論学者は全員が「絶対空間(絶対静止系)は存在しない」としていますが、じつはそんなことはなく、無の絶対
空間を走る光そのものが絶対静止系を定義していることに気がついてほしいとおもいます。

 ともかくエーテルの有無などどうでもよかった。

 光とエーテルとはなんの関係もないのですから。光が関係するのは、単なる“広がり”としての意味しかもたない絶対空
間だけです。

 では、なぜ物理学者がそんなことを間違えたのか?

 それは光というものの本質を当時の物理学者(いや現在の一部の学者も)が見間違えたからです。
あまりにも光を“波”としてとらえすぎた(「注記」参照)。“波”と考えれば次は「ではそれを伝える媒質は?」となるのが当
然のなりゆきです。
電磁波は波と同じ性質は持ちますが、我々の常識に則った”媒質の振動としての波”とはすこし違っている。

 当時の物理学者はこのようにして間違え、その間違いは現在もなお続いており、MM実験の誤った解釈からでてきた「光
の速度はどんな観測者から見ても一定値c」などという奇妙この上ない原理がいまだに生きつづけているのです。

[注記]しかし当時の物理学者がこのように考えたことは致し方ない面があったのも事実です。というのは、当時は、光が
回折や干渉という波特有の現象をしめすことがわかっていたので、光も音波や水面を伝わる波と同様に、なにかの媒質の
振動として伝わるものであると物理学者が考えたのも無理はないと思えるからです。当時は粒子説よりは波動説の方が
有利でしたので、上の「1.マクスウェル方程式がまず基本」で述べたような現代的な光(電磁波)の真実の描像をだれもも
ちえず、単純に「波」と考えたため、物質的な媒質(エーテル)を想定せざるをえない状況にあったということです。

以上をまとめますと次のようになります。
[まとめ]
 現代の物理学者は、光は無の空間を直進するということは分かっている。同時に、特殊相対性原理(「光速度不
変の原理」と言ってもよい)も大事に守っている。しかし、これまで指摘してきたように、「エーテル=絶対空間」とい
う勘違いのミスを犯してMM実験他を解釈してしまったのは明白なのであるから、そのミスから生まれ出てきた特
殊相対性原理は、いますぐにでも葬りさらなければならないのです。そして、もう一度、歴史の原点にもどって、エ
ーテルと光の伝播の解釈から根本的に考察し直さなければならない時期に来ているということです。

 いかがでしたでしょうか。
 ここまで読んでくださったあなたは、現代物理学に重大な問題点が存在していることに気づかれたはずです。
「エーテル=絶対空間」としてしまった歴史的なミスは、だれの目にもあきらかなのですから、物理学者が現代的視点から
もう一度相対性理論の根本を再考しなければならない時期にきているのです。

長文をお読みくださり、ありがとうございました。では、つぎのように叫んでこの論考を終わります。


光は、無の絶対空間を一定値cで走る実体なのだ!

                                          2001/3/28開設  杉岡 幹生
                                          2001/6/5 改定

(注記)
「相対論はやはり間違っていた」(徳間書店) 窪田登司著 、後藤学著 他
「科学はアインシュタインに騙されていたのか」(徳間書店) 窪田、後藤、千代島他著
「相対性理論の謎と疑問」(総合電子出版社) 窪田登司 、後藤学 共著
「アインシュタイン 双子のパラドックスの終焉」(徳間書店) 千代島 雅著
「科学をダメにした7つの欺瞞」(徳間書店) 後藤学、窪田登司、コンノ・ケンイチ他著
「相対性理論の誤りを完全解剖する」(真菜書房) 小野田譲二著





目次へ

トップページへ