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 SFミステリ(追々補) SFミステリ(追補) SFミステリ ようやく復活 パソコン買替 文章表現のカラオケ化 『追われる男』 名古屋古書即売会報告 女性専用車両の憂鬱 読む本の選択 『猫丸先輩の推測』 墨さんとの遭遇 『最後の記憶』 鳩の鳴き声

 SFミステリ(追々補) 2002/9/30(月)

 「ミステリマガジン」がSFミステリをとりあげたのが、1995年5月号であることが確認できたので再び補足(^^; 特集名は「SFミステリに挑戦!」
 評論は、
  堺三保(翻訳家)「ミステリの謎、SFの謎 −私的SFミステリ論」
  滝弓人(映画評論家)「映画で見るSFミステリ」
  「ブックリスト SFミステリを読もう」
 またSFミステリ競作短編として、
  ドナルド・E・ウェストレイク「真の勝者」
  R・C・フィッツパトリック「サーキット・ライダーズ」
  ロバート・ローラー「しあわせな死」
  ロン・グーラート「人魚と浮気」
  アンソニー・バウチャー「もぬけのからの殺人」
を収録している。

 堺の評論ではSFミステリを、「SFと本格推理が融合された作品」、「SFとハードボイルドが融合された作品」、「SFとスパイ小説が融合された作品」などというように、ミステリの分類に照応した分類をしている。
 これは今回、「SFマガジン」で千街昌之が「超能力者が探偵となる作品」、「パラレルワールドにおけるミステリ作品」、「現実を超えたテクノロジーを取り入れた作品」というように、SFの分類に沿ってSFミステリを分類したことと対照的であり興味深い。

 ただ堺は様々な作品を紹介した後で、「実のところ、大半のSFはミステリを含んでいると言っていいんだよね」と、下手をするとSFミステリの概念そのものを無効にしてしまうぎりぎりのところまで突っ込んでしまうが、これも、ミステリを、本格推理、ハードボイルド、スパイ、サスペンスものなど、幅広く認めることによる必然的な方向かもしれない。

 

 SFミステリ(追補) 2002/9/29(日)

 昨日、SFミステリをとりあげたときにうっかりしていたので補足する。
 SFマガジンの特集の評者は千街昌之なのだが、彼は今年『怪奇幻想ミステリ150選』(2002年7月原書房)を刊行したばかりであり、その本の中で怪奇幻想ミステリとしてとりあげている作品と、今回SFミステリとしてとりあげている作品の範囲がかなり重なっている。

 宮部みゆきの『震える岩』や東野圭吾の『秘密』、京極夏彦『魍魎の箱』、山田正紀『ミステリ・オペラ』、西澤保彦『七回死んだ男』、戸川昌子『透明女』、図子慧『ラザロ・ラザロ』、ボアロー、ナルスジャック『私のすべては一人の男』、、リチャード・マシスン『渦まく谺』、ランドリ・ギャレット『魔術師が多すぎる』など、それこそ枚挙に遑がないほどだ。

 さて、千街もSFミステリについて何も論じていないわけではない。「超能力者が探偵の作品」、「異界での謎解き作品」、「現実を超えたテクノロジーを取り入れた作品」などと分類したうえで作品を紹介しているのだから。

 しかし千街は『怪奇幻想ミステリ150選』の中では、怪奇幻想ミステリについて、ミステリは論理的に解決されるもの、一方幻想小説は基本的に謎が合理的に解決されることがないもの、という二律背反の融合と論じた。これにならえばSFミステリについても、分類のための説明にとどまらず、例えばSFの発散的な文学とミステリの収束的文学の融合など、いろいろな視点から論じることも可能なはずだ。


 SFミステリ 2002/9/28(土)

 昨日届いたメールによる目録のなかに、横田順彌の『宿題のない国緑町3丁目』が含まれていた。うーん、これは持ってないからほしいけど、値段が300円なのだ。これでは送料の方が高いぞ。
 こういう場合、送料の割高を避けるために別の本をあわせて注文するか迷ってしまうが、私は原則として他の本は注文しないようにしている。ほしい本がはずれて要らない本だけが送られてくるおそれがあるからだ。
 要る本だけ注文しておけば、はずれたら何も送られてこないので、そのうち注文したことも忘れてしまえるしね。


 古本購入は、
『映画館の妖精』関根牧彦(1998年騒人社)540円


 新刊購入は、
『レイトン・コートの謎』アントニイ・バークリー(2002年9月国書刊行会)
『SFマガジン 2002年11月号』(早川書房)
 今月号の特集は「SFミステリ再考」
 でもタイトルにかかわらず、SFミステリを紹介しているだけで、特に「再考」などはしていない。そのうえ、従前のSFミステリの考え方の紹介すらしようとしていないようだ。これでなんで「再考」なの?
 以前、「ミステリマガジン」でもSFミステリを扱ったことがあるはずだが、同じ出版社の雑誌なのに、それにも言及しようとしていないのはどういうわけなのか。
 SFミステリに関する考察がないために、そこで紹介される作品のハードルもかなり低く設定されているように思われる。
 『秘密』や『クロスファイア』などもSFミステリに含めているが、これらの作品はミステリ的要素は薄く、ミステリ作家が書いたSFというべきものだろう。こんな作品までSFミステリに分類する必要があるだろうか。これだと筒井康隆の書いたミステリもSFミステリということになってしまうぞ。
 また岡島二人の『そして扉は閉ざされた』などはどうみても本格推理であり、SFというのにはちょっと無理があるだろう。『魍魎の匣』などの京極作品もSFミステリと呼ぶのにはかなり違和感がある。ちょっとでもSF的な設定がありさえすればSFというのでは、『巨人の星』や『マンガ日本昔ばなし』などもSFといわなきゃならなくなるよね。
 なお併載の「SFミステリ・ブックガイド」で、現在入手困難な本に星印がついているのは親切だが、『ビロードの悪魔』や『バルーン・タウンの殺人』にまで星印がついているのにはびっくり!へえ、こんな本が絶版だったんだ。


 ようやく復活  2002/9/24(火)

 パソコンの買い替えに伴ってOSもかわり、スキャナーのドライバやエディタ、辞書検索ソフト(DDWIN)などをネットから拾ってくる作業なども終わり、ようやく以前と同じような環境に復活した。
 って、せっかくパソコンが変わったのに以前と似たような環境というのはうれしいことなのか。作業が早くなったというわけでもなさそうだし、普通に使う分には以前からすでにだいたいの線までは到達してしまっているということなのだろうね。


 『彷書月刊』10月号の特集は「中井英夫に会いに行く」執筆陣は泡坂妻夫、竹本健治など。
 そういえば、パソコンの買替で取り紛れていて落穂舎に目録注文をしていないことに気付く。今回注文しなければ、たぶん今後目録が送られてくることはないと思われるが、注文したい本もないし、まっいいや。


 また新刊が結構出ている。今日の新刊購入は、
『家蝿とカナリア』ヘレン・マクロイ(2002年9月創元推理文庫)
『踊り子の死』ジル・マゴーン(2002年9月創元推理文庫)
『覘き小平次』京極夏彦(2002年9月中央公論新社)
『内宇宙への旅』倉阪鬼一郎(2002年9月徳間デュアル文庫)
『デッド・ロブスター』霞流一(平14年9月角川書店)
 どれもそれなりにおもしろそうだが、とりあえずマクロイから読むつもり。


 パソコン買替 2002/9/22(日)

 昨日パソコンを買い替えたため、今日はその設定に追われた。ようやくこれを書き始めるところまでは来たのだが、無事転送できるかまではわかりません。
 型落ち製品なので税込み157,000円、これでDVDまで見れるんだから安くなったものです。これで長期間、懸案だった『タイムトラベラー』のDVDをやっと見ることができるようになりました
\(^o^)/
 もっとも、いざとなると案の定、見つからん>『タイムトラベラー』(^_^;


 新刊購入は、
『化石の殺人』サラ・アンドリューズ(2002年9月ハヤカワ文庫HM)
『スパイダー』パトリック・マグラア(2002年9月早川epi文庫)
『情報の「目利き」になる』日垣隆(2002年9月ちくま新書)


 とりあえず慣らし運転ということで......(^_^)


 文章表現のカラオケ化 2002/9/19(木)

  今日の新刊購入は、
『デジタルを哲学する』黒崎政男(2002年9月PHP新書)
 わーい、哲学者クロサキの新刊だ! 文章表現のカラオケ化が進む現代を、クロサキが読み解く。
 って、私もそのカラオケを唄う一人だけどね......(^^;)

『十二国記アニメ脚本集2』脚色/會川昇、原作/小野不由美(2002年9月講談社X文庫)
 原作は1冊も読んでいないがせめてアニメ脚本集で読んでみようと前巻を買ったが、まだ読んでいないうちに、いつのまにか2巻が出ていた。また遅れをとってしまったな。


 内閣支持率が上昇しているのだという。
 日朝国交正常化に向けての前進への評価ももちろんだが、思いがけない悲報に対する小泉総理への「同情票」のようなものも含まれているのでないか。
 また社民党、共産党が今回の調印を支持しているのは、両党がこれまで北朝鮮との外交の困難さを身をもって体験していたことと無縁ではあるまい。日本共産党は1980年代から北朝鮮とは断絶したままだし、交渉のパイプのある社民党も、共通の常識を持たない北朝鮮の政権党には手を焼いていたはずだ。
 それに比べて、民主党、自由党の「調印は時期尚早」などという発言はとんでもなく脳天気に聞こえる。遅きに過ぎたといっても過言ではない日朝国交正常化を今の時点で時期尚早とはどういうことだろうか。交渉なしでは改善はない。しかも4人若しくはそれ以上の生存者が今も存在しているらしいというのにだ。 (民主党代表候補のうち社会党出身の横路氏だけは今回の調印を評価しているが、おそらく社民党と同様の理由によるのだろう)
 野党もかつては与党だった時代があるのだから自分たちの責任も問われていることを忘れてもらっては困る。ましてや自由党の小沢氏や民主党の鳩山氏などは、それ以前は自民党にいたわけだからなおさらのことだ。
 国益の面からだけでなく人道的な面からも、今後も日朝国交正常化に向けて最大限の努力を期待する。
 また朝鮮学校の生徒などに対するいやがらせも報道されているが卑劣なまねはやめろ。


 『追われる男』 2002/9/18(水)

 だいぶ涼しくなってきたので、先日ある店で「味噌煮込みうどん」を注文したのだが、
 「申し訳ございませんが、当店ではまだこの時期では「味噌煮込みうどん」は始めていないのです。今ですと「味噌鍋焼きうどん」になってしまうのですが、それでもよろしいですか」と尋ねてくる。
 どこが違うんだろうと思いながら了解したが、食べてみてもやっぱりわからない。私の他にも店員と同じやり取りをしている方たちもいたが、やっぱりよくわからない様子だった。
 「鍋焼きうどん」を広辞苑で引いてみても「うどんを小さい土鍋で煮たもの」と説明してあるだけ。「煮込みうどん」と、どこが違うんだっけ?


 新刊購入は、
『本の雑誌 2002年10月号』(本の雑誌社)
 王様の文章が載っているというので久しぶりに購入。ドン・ベンドルトンのマック・ボランシリーズの研究ですか。よくこれだけ調べたものです。えらいぞ>王様(^_^)
『IN POCKET 2002年9月号』
『ダメな日本のおかしな科学者たち』千代島雅(2002年3月)


『追われる男』ジェフリー・ハウスホールド(2002年8月創元推理文庫)読了
 ヒットラーの暗殺に失敗し、ナチスの追跡から逃亡する。といっても、かなり地味な話だ。派手な逃走シーンがあるわけでもないし、追跡してくる人数もたいていの場合2、3人程度。さらに小説の大半を占めるのは不定期船の備品庫や、田舎の穴ぐらに辛抱強く隠れているシーンなのだから。
 おかげで読み終えるのにかなり日数がかかってしまったよ(^^;)


 名古屋古書即売会報告 2002/9/14(土)

 昨日とりあげた女性専用車両は、女性にとっても歓迎できるものではないと思う。その車両だけが集中的に混雑することが考えられるからだ。
 さらに、その車両からはみ出てしまった方が、万一痴漢の被害を訴えたときに「なんでわざわざ普通の車両に乗ってたの」などと逆に傷つけられてしまうことまで危惧されるし。
 そんなことなら、この際、すっぱり全車両を半分ずつ男女に分けてしまった方がいいのでないか。もちろんカップル通勤などもってのほかであることはいうまでもない!


 さて、今日は名古屋古書会館でミニオフが予定されている。もっとも参加予定は王様と私だけなのだから、いつもの即売会と何の変わりもないわけだが(^^;)
 約束の時間は午後1時だが、そこは約束を守る私のこと、2時間も前に到着してしまう。
『エド・ウッド 史上最低の映画監督』ルドルフ・グレイ(1995年早川書房)1400円
 つまらなすぎる映画を撮りつづけた映画監督エド・ウッドの伝記
『ゲゲゲのげ』渡辺えり子(1983年白水社)700円
『瞼の女』渡辺えり子(1985年白水社)600円
『無資本主義商品論』小田嶋隆(1995年翔泳社)100円
『ODA援助批判を考える』笹沼充弘(1991年工業時事通信社)100円

 まだ時間があるので、一度鶴舞にもどり古本屋を廻ってみるがほしい本はない。
『妖怪人間ベム』田中憲(2002年5月講談社)950円
 昭和43年「ぼくら」連載全9話の初の単行本化なのだという。

 約束の時間になったので再び古書会館へ、王様と合流。
 しかし考えてみれば王様も古書会館には昨日来ているし、私も午前中来ているので全く二度手間だ、やれやれ。
 もちろんお互い買うものはないわけだが、それでも王様はテレビ台本「落ちる」を購入。私もまねして台本をあさり1冊購入。
『日曜スペシャル 謎と怪奇日本列島恐怖の館<準備稿>』(日本テレビ)300円
 福留功男が司会のスペシャルものらしい。スケジュールの2月25日(水)に「都内及び対談 → 留さん」となっているが、2月25日が水曜日にあたるのは、いつのことだったのかな?


 さて、もうこれですることはない>今回のミニオフ(^^;)
しかたないのでファミレスへ。
 「で、頼みというのはな」
 「なるほど、わかりました。では私のほしい本はですねえ...」
 「コーヒーをおごってやる」
 ちぇっ、やはり大矢女史のようにはいかないなあ。しかたないからここで書いておく。私が今ほしい本は「SFイズム第12号」と「SFの本第5号」だ。


 さてこの後は、再開が噂されているH文庫に向かう話だが、ここから先の話は王様の日記と全くカブる話になるはずだ。したがってまだ王様の日記を未読の方は、ここから先は読まずにとばしていただきたい。
 またすでに王様の日記を読んだ方も、基本的に同じ話のはずだから、やっぱりとばしていただいてけっこうだ。

 さてH文庫に向かう途中で電話をかけてみるが、留守番電話。
 「やっぱりまだやってませんね」
 やむを得ず、方向転換し猫又さんの店へ。二人でこの店に行くのは久しぶりなので、店主も
 「今日はどうしたんですか?」
 「ああ、今、古書会館に行った帰り。H文庫に行ってみようと思ったんだけど、留守だったんだよ」
 「H文庫さんなら、今みえてますよ」
 えっ!?
 さっそく王様が声をかける。
 「ちょうど、今お宅のお店に行こうと思っていたんですよ。僕たち遠方から来たものですから、お店を見せていただいてもいいですか」
 「まだ本の整理中なんだよ」
 「よかったら手伝いますよ」
 「いいけど、たいした本はないよ」
\(^o^)/

 H文庫さんに行く前に猫又さんで次のものを購入。
『ユーレイ事務所の鍵貸します』あおい飛咲、『もののけウォーズが町に来る』あおい飛咲、『悪魔たちの学園祭』十々樹りえ、『紅い魔書は心のままに』十々樹りえ、『出てこい!ユーレイ三兄弟』霧島ケイ、『ホーンテッドスクールへようこそ』霧島ケイ(パンプキン文庫) 6冊2000円
 パンプキン文庫10冊中、6冊置いてあったのでまとめて購入。小野不由美の『呪われた十七歳』と『グリーンホームの亡霊たち』は持っているし、あと2冊の秋月達郎『修学旅行は終わらない』 『カーネーションの午後』 の入手も比較的容易なので、簡単に集まりそうだな>パンプキン文庫
 もっとも、こんなの集めても自慢にもならないけどね。


 いよいよH文庫さんの店に到着。店内に入ってびっくり、すべて文庫だ!
 「今、7万冊くらい。将来は2階も店舗にする予定です」との話。
 文庫だけで1階、2階を埋めようというわけですか。それで採算が取れるかなあ。
 「さて、何をお手伝いしましょうか」と言った王様も、まさか本当に仕事をさせられるとは思っていなかったに違いない。
 「それじゃあ、ここにある本を、あっちの本棚に並べて」
 それから、ほぼ1時間半、本ならべに終始する。王様のシャツも汗でびしょびしょになるし、私も本の山を何度も崩しては拾いなおすという作業を繰り返すし、いったい我々は何をしてるんだろうね?(;_;)
 「はい、ごくろうさん。お礼に値段の付いている本は半額でいいよ」と店主に言われても、これといってほしい本もないし。しかたないので、秋元文庫の若桜木虔『SF学園 消失人間の謎』、『SF学園 二つの影の挑戦』、『SF学園 恐怖の異次元大地震』、『SF学園 未知からの侵略者』4冊を半額の500円で購入。
 って、このあたりの本はせいぜい100円が相場じゃないの。これじゃあ相場より高いぞ(;_;)
 王様は、新潮文庫の牧逸馬及び落語本あたりをあわせて1200円で購入。
 「僕たちは、どちらかというと創元推理文庫などのミステリーを探してるんです」と主張もしていたが、
 「ミステリーは猫又さんがみんな持ってっちゃうから、基本的に残ってないよ」との回答に納得。
 ほんとに何をやってるんですかね、われわれは...(^^;)


 女性専用車両の憂鬱 2002/9/13(金)

 夕刊を読んでいたら、地下鉄東山線に女性専用車両の記事が。
 痴漢防止対策として、今月30日から朝のラッシュ時に女性専用車両が運行するという。しかも、この女性専用車両は、6両編成の中央付近の1両なのだという。
 これはちょっとまずいよ。私なんか通勤時間にはたいてい読書をしているので、うっかり乗り込んでしまいそうだし、そのまま気付かずに本を読み続けているなんてこともあるかもしれない。おそらく週に1回ぐらいは、やってしまいそうだ。くわばら、くわばら......(^^;)


 新刊購入は、
『たまたま地上にぼくは生まれた』中島義道(2002年9月講談社)
『本格ミステリ・クロニクル300』探偵小説研究会(2002年9月原書房)


 家に帰ると、また「コレコーレ」から郵便物が来ていたが、案内用の文章にしては、やけに文体が硬くて意味もつかみにくい。

「弊社は常々全社に徹底しております「人材なくして事業なし」の基本を大切にして参りましたが、通信業と言う新しいスキームの中では実際的に人と接し学ぶべき環境は少ないままであり、日進月歩の通信業の中で物への関心も如何に「もったいない精神」を説いても身につかないまま、ただ若さの一生懸命さだけで、振り向いたらNTT全国1位という実績におぼれた傲慢な会社になろうとしていたのが弊社の現実でした。
 創業社長をはじめとする経営陣・全スタッフが知らぬ間にスピードと効率の中で翻弄されて、何のために会社を作ったのかを猛省し、起業の原点を全員で見つめ直すための膨大な時間の中で生まれてきたのが、「人とのふれあいからの学び」・「物に対する愛着創造」を「壊れていくものに命を吹きかける事業の創出」「知力創造を古き知恵に求める事業の創出」をすることで体得していくことでした。」

 こんな文章が延々と3枚にわたって続くのだが、この案内を受け取った方で、意味がわかった人いる?結局、水道管破裂の復旧のめどはたっていないので仮店舗で営業するということらしいのだが、その仮店舗の営業が何時からなのか、何度読んでもわからない。すでに営業は始まっているのか、それともバザールが始まる9月20日からなのか。
 せっかく案内を郵送してもらったけれど、結論としては、行ってみなきゃわからんということね(^^;)


『バルーン・タウンの手毬歌』松尾由美(2002年9月文藝春秋)読了
 元妊婦探偵、暮林美央の探偵譚、4編収録。
 帯に「古典名作のパロディ満載の本格ミステリ連作」とあるように各所で様々なパロディが顔を出す。また、タイトルも、「バルーン・タウンの手毬唄」「幻の妊婦」「読書するコップの謎」「九か月では遅すぎる」と本家どりになっている。
 このうち「読書するコップの謎」だけは作中作になっているけれど、わざわざ2人ずつ相部屋にするなど、特に御都合主義が甚だしいからなのだろう。
 でも御都合主義がちっとも欠点になっていないのは、そういう図々しさが本シリーズの魅力になっているからなんだろうね(^_^)


 読む本の選択 2002/9/11(水)

 今、読んでいるのが、最近改訳復刊したハウスホールド『追われる男』。月曜から読み始めているので今日で3日目なのに、まだ40ページだあたり、全然進んでない。
 で、帰りに新刊書店に寄ったら、読みたかった『バルーン・タウンの手毬歌』松尾由美(2002年9月文藝春秋)が出ている。ちろん購入するが、こういうとき一般には、その後どっちを読むのが普通なのだろうか?
 買ったばかりの読みたい本からか、それとも、とりあえず読みかけの本を読みつづけるのか。ちょっと、聞いてきいてみたい気がする。
 でも読みかけの本を読んでからだと、このペース(3日で40ページ(^^;))では読み終えるのは一週間以上先になるので、やっぱり松尾由美の方から読もっと。

 最近注文していないはずなのに落穂舎の目録が送られてきた。これが目録郵送が継続される最後のチャンスかもしれないので何か注文しておこうと思うが、買いたいものは値段もけっこうするのよね(^_^)


 かくれた名作に、「BOOKMAN」を追加しました。


 『猫丸先輩の推測』 2002/9/7(土)

 今日の新刊購入は、
『猫丸先輩の推測』倉知淳(2002年9月講談社ノベルズ)
『ミステリーはこう書く!』若桜木虔(2002年9月文芸社)

『猫丸先輩の推測』倉知淳(2002年9月講談社ノベルズ)読了
 猫丸先輩が活躍する連作短編集、6編収録。ほとんどの作品はメフィスト掲載時に読んでいて再読。
 「失踪当時の肉球は」は秀作。探偵が謎を解くことによって登場人物全員が幸せになるのだ。探偵の謎解きがこれだけ役に立てば、読者だって嬉しい。

 古本購入は、
『サブカルチャー反戦論』大塚英志(平13角川書店)200円
『愛だけじゃたいくつ』矢崎麗夜(1992年大和書房)200円


 かくれた名作に「朝まで生テレビ!」を追加しました。


 墨さんとの遭遇 2002/9/6(金)

 三松堂さんのご主人に、「こちらの墨さんをご存知ですか」と紹介される。古本屋を廻っているというだけはあって(私には負けるかもしれないが)なかなかの好青年だ。それにしても、さすが『フレンチ警視最初の事件』をダブらせているというだけあって、まめに古本屋を廻っているようだ。ちぇっ(-_-)
 いちおう「名古屋古本まつり」にお誘いする。参加しない場合でも抜け駆けだけはしないようにね(^_^)


『「ミステリーの館」へ、ようこそ』はやみねかおる(2002年8月講談社青い鳥文庫)読了
 あいかわらず、サービス精神いっぱいの作品。二重袋とじとか、上段・下段並行進行とかもいいが、とりわけ、なにげなく「亜愛一郎」キャラを登場させているのには大笑い。
 昔のジュニア向け小説に比べてトリックも大がかりだ。私の子供の頃読んだ本では、「明智先生に変装していたのが実は二十面相」だったり、「怪しい浮浪者が実は明智小五郎」だったり、というような謎解きが頻発していたんだからね。


 『最後の記憶』 2002/9/3(火)

 夕刊(朝日)に「邦楽器特需の記事」。 これは三味線、琴、太鼓などの邦楽の授業が中学で必修になったことによるのだという。へえ、そんな指導要領の改正もされてたんだね。
 でもそれなら邦楽器特需だけじゃなくて、確か三味線の需要が増えると、その材料の猫の皮が必要になって、なんだかんだで桶屋も儲かることになっていたはずだが、残念ながらそのことへの言及はなかった。


 コレコーレから郵便物が届く。水道管破裂事故のお知らせだ。私のような1回だけの、しかも購入金額200円以下の客にまで、わざわざ郵送で知らせてくださるとは恐縮。ほんとに利益度外視の店だなあ。


『最後の記憶』綾辻行人(平14年8月角川書店)読了
 ここはどこ?
  ここは、どこでもないところ
  ここは、どこでもあるところ
  ここは、どこにでもあるところ
 今はいつ?
  いまは、いつでもないとき
  いまは、いつでもあるとき
  いまは、現在、過去、未来
 その謎が解けるとき、「凄まじい恐怖の記憶」の環が結ばれる。


 鳩の鳴き声 2002/9/2(月)

 早朝聞こえる「クゥック クークー クゥック クークー」(こんな書き方で通じるのか?)が何の鳴き声なのか、ずっと気になっていたが、職場で話題にしたら皆の回答は「鳩の鳴き声」で一致。そうか常識だったのか。この年齢になるまで知らなかった、無念。でも鳩の鳴き声は「ポッポッポ」というのではなかったのか。ああ、それはただの歌詞か...(^^;

 今日の古本購入は、
『SFの本 8号』(1985年新時代社)500円
『SFの本 9号』(1986年新時代社)500円
『『空手バカ一代』の研究』木村修(1997年アスペクト)700円
『タイムトラベルで進化論』豊田有恒/石津嵐/実吉達郎(昭59年創拓社)100円
『空蝉処女』横溝正史(昭58年初版、昭61年7版 角川文庫)100円

 『SFの本』8号、9号は某店に頼んでいた本。このあたりが抜けてるのよ。なお、このたぐいの本では、『SFイズム』が12号を未所持、『SFワールド』は7冊とも持っていることが判明している。

 『空手バカ一代』の研究本まで出てたのか。29巻あるうち前期11巻までが、つのだじろうの作画。つのだじろうがオカルトマンガを書き始める前の話だ。でも大山倍達の顔をもう少し若くすると、やっぱり恐怖新聞の鬼形礼になってしまうんだよな(^_^)


『MOMENT』本多孝好(2002年8月集英社)読了
 その病院には必殺仕事人がいるという伝説がある。そして僕は、死を目前にした人たちの願いを一つずつ叶えていく。
 と言うと、超自然的な話とか感動的な物語とかを想像してしまうが、超自然的なところは少しもなく、また善意よりもかえって悪意のウエイトの大きな物語であることにも戸惑わされる。正直言ってあまり楽しめる物語ではなかった。


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