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あ れ こ れ 考 え る 35
 名古屋古書即売会報告 水道管破裂 『十八の夏』 早期に出版せよ『漫画の時間2』 映画堂出版 通路を1人しか通れない喫茶店 『滅びのモノクローム』 『ホラー作家の棲む家』 『作者未詳』 坊さんとの遭遇 名古屋即売会報告 『わだつみの森』 『ツール&ストール』

 名古屋古書即売会報告 2002/8/31(土)

 栄ブックセラーズという新刊書店が苦手だ。
 この店は、入り口にコインロッカーが置いてあって、カバンや袋をそこに預けてから店内に入るようにと書いてある。ロッカーを利用するにはまず100円玉を入れなければならない。これは鍵をあけると戻ってくるので実質的には利用料はタダなのだが、それでも1度は入れなければならないので、店に入る前に100円玉を持っているかどうか確認する必要がある。
 しかも普通ロッカーを利用する場合は、鍵を開けたら中のものを取り出してそのまま立ち去るだけで戻ってきた金を受け取るなどという習慣はないので、たびたび戻ってきた100円玉を取るのを忘れてしまう。私なんか3回に2回は忘れてるぞ。とほほ......(;_;) でも、これはおそらく私だけのことではないだろう。
 この店の入り口で張っていれば、かなりの金額をかせげるのではないかな。


 今日は、古書即売会の2日目。あいかわらず、これといった本はない。
『きわめつき武侠小説指南』岡崎由美監修(1998年徳間書店)600円
『魔道士リーリリの冒険』光瀬龍(1993年光風社出版)500円
 『きわめつき武侠小説指南』は、金庸の武侠小説のガイドブック。内容は、馳星周/香山二三郎/吉野仁による「愛読・熱読座談会」、「金庸ロング・インタビュー」、平岡正明/岡崎由美の特別対談など。金庸の武侠小説など読んだことないので、入門書として拾い読みしてみてもいいかもしれない。


 あっ、新刊のほうは結構読みたい本が出てる。
『MOMENT』本多孝好(2002年8月集英社)
『最後の記憶』綾辻行人(平14年8月角川書店)
『迷宮逍遥』有栖川有栖(2002年8月角川書店)
『「ミステリーの館」へ、ようこそ』はやみねかおる(2002年8月講談社青い鳥文庫)
 どれから読んでもよかったが、『MOMENT』から読み始める。「死を前にした人たちの願いを一つずつ叶えていく」というからハートウォーミングな話かと思ったが、4編中2編まで読んだところではそういう話でもなさそう。


『エースを出せ! 脱「言論の不自由」宣言』日垣隆(2002年8月文藝春秋)読了
 筆者の意見には必ずしも同調できるわけではないが、おもしろい本。
 ところで、「君の名は」というドラマのタイトルや、真知子と春樹という名前ぐらいは聞いたことはあったが、真知子が既婚者だったとは知らなかったな。不倫話でもあったのね>「君の名は」


 水道管破裂 2002/8/28(水)

 星ヶ丘に出来た「コレコーレ」という古本屋に寄ってみる。
実はこの店には1度だけ来たことがあるのだが、その際に、
「この店をどこでお知りになったのですか?」と尋ねられ、
「ホームページで見ました」と、うっかり口をすべらせてしまったのだ。
「えーっ! ちょっと、ちょっと、ホームページに載ってたんだって」
「ほんとですかあ。よかったら、どこのホームページかアドレスを教えていただけませんか」
 うーん、困った。王様のホームページだなどと白状したら、そのページを見て驚きあきれるのは必定。この店のモットーは、本に貴賎なしを原則とした物々交換、本好きのリレー。それと対照的に王様のページで繰りひろげられているのは、人に買わせないために自分が買うという本の堰止め物語なのだから。そんなHPを見ているというだけで私まで軽蔑されてしまうおそれまであるのだ。
 その場は、「アドレスは今すぐにはわからないので、この次までに調べておきます」
と誤魔化して、しばらくほとぼりがさめるのを待たざるを得ませんでした。

 そろそろ大丈夫かなと今日寄ってみると、
 「お詫び!! 当ビル水道本管破裂により、休店」
 10人以上の店員が、がさがさと働いていたので、てっきり今日、事故があったのだと思ったら、破裂したのは先週の金曜日のことだという。
 そんなに長期間休業しているのに、なんでこんなに店員が出てきているわけ?
 商売の方法といい、サークル活動的な店なのかもしれないなあ。


 今日の新刊購入は、
『エースを出せ! 脱「言論の不自由」宣言』日垣隆(2002年8月文藝春秋)
 朝日の、「現在の天声人語氏」を、中学生以下の作文力とこきおろす、痛快評論。

 『本の旅人2002年9月』では、綾辻行人のインタビュー。初の本格ホラー長編『最後の記憶』を上梓したという。1年半ほどの連載だったというが、未読なので、これは発売が楽しみ。
 と思ったら、この本9月発売じゃなくて、8月の新刊に入ってるじゃないか!ひょっとして、もう発売してる?


 『十八の夏』 2002/8/25(日)

 鶴舞に行ってみると、またいつもの「袋を持っている客を追い返す店」の親父が店の外まで出てきて、均一本を見ている客を追い払っている。その時に言った言葉がふるっている。
「こういう時代になっちゃったんだわ。いやな時代だと思うけど、こういう時代になっちゃったんでね」
 別にそんな時代にはなってないよ。このあたりの店でそんなことをしているのはあんたの店だけだもの。名古屋でも、いや日本中でも、これだけ毎日、毎日、客を追い払っている店は珍しいんじゃないの。

 今日の古本購入は、
『メーキング・オブ・円谷ヒーロー1』(講談社X文庫)300円
『メーキング・オブ・東映ヒーロー1』(講談社X文庫)300円
『スターログNo.35』筒井康隆私写真館(1981年9月号)500円
『スターログNo.36』筒井康隆私写真館 後の巻(1981年10月号)500円

『十八の夏』光原百合(2002年8月双葉社)読了
 朝顔、金木犀、ヘリオトロープ、夾竹桃。花をテーマにした短編集、4編収録。
 表題作は日本推理作家協会賞受賞作。帯には「連作ミステリー」とあるが、それぞれ独立した短編で連作味はなく、またミステリー色も薄いので、ミステリーとは思わずに読んだ方がいいかもしれない。


 早期に出版せよ『漫画の時間2』 2002/8/24(土)

 今日の新刊購入は、
『その死者の名は』エリザベス・フェラーズ(2002年8月創元推理文庫)
『追われる男』ジェフリー・ハウスホールド(2002年8月創元推理文庫)
『だサル コンピューター魔道篇』いしかわじゅん(2002年9月アスキー)
『ミステリマガジン 2002年10月号』(早川書房)
『SFマガジン 2002年10月号』(早川書房)

 『だサル コンピューター魔道篇』は『だってサルなんだもん』の第9巻にあたるが、今回リニューアルして、これまで通称だった『だサル』がタイトルになった。週刊アスキー1999年5月5日号から1999年11月3日号掲載分を加筆改稿したもの。出版を心待ちにしていたので、即、読了。
 いしかわじゅんがフロムAにアシスタント募集の求人広告を出そうと思って<やる気のある人募集>と原稿を書いたら、それはやる気のない人に対する差別になるので掲載できないと断られたのだという。現代は、意外なことが差別になるのだそうだ。
 また、今年から来年にかけて本を続々出したいと書いてあり、その出したい本の中に『漫画の時間2』も含まれている。名著『漫画の時間』の続編である。しかもこの原稿が掲載されたのは1999年のことなのだから、もうすでに出版されてるのかもしれないと思い、あわてて検索してみたが......やっぱりまだ出版されてはいないようだな>『漫画の時間2』(-_-)  ぜひ早く出版してちょうだい>晶文社
 それから、この『だサル』も雑誌掲載から3年近くも遅れているのだから、今の時点で単行本として出せる原稿が、すでに3、4冊分位はたまってるんじゃないのか?こっちも早く出版してね>アスキー


 H2さんの店に行ったら、久しぶりに店があいている。
「やあ、店があいてるとは珍しいですね」
「はい、でも明日からまた閉めます」
「えっ?」
「明日から金曜日まで仙台を廻ってくるつもりなんです」
「ひょっとして、また古本屋廻りですか」
「ええ、1日10軒として、50件以上は廻ってくるつもりです」
 なんとも幸せそうな表情です。ほんとに好きなんだねえ>古本屋巡り


 今日の古本購入は、
『クリスマス・テロル』佐藤友哉(2002年8月講談社ノベルズ)300円
 この前出版されたばかりの本。袋とじも未開封でした。なんでこんな本が古本屋に出廻るかなあ。
『ママ、手紙を書く』『ママのクリスマス』『ママは眠りを殺す』ジェームズ・ヤッフェ(創元推理文庫)各100円
 安楽椅子探偵ママシリーズはこれまで1冊も読んだことがなかったけれど、一度読んでみようとは思っていたので購入。


 放浪猫さんのご質問で『スーパー戦隊ヒロイン写真集』も特撮ヒロインのシリーズであることに気付いたので、下記ページに追加することにしました。またこれに併せて、今まで各所にぽつぽつ分かれていた書影も同じページにまとめて掲げることにしました。
 → 特撮ヒロイン

 映画堂出版 2002/8/22(木)

 先日、渋谷順子氏の『SF怪奇映画ポスターコレクション』の第1集(1984年)及び第2集(1985年)について報告しましたが、ひょっとしたら第3集以降も存在しているのではとYahooで検索したところ、映画堂出版という会社が今も存在していることがわかりました。それどころか、この本もまだ販売しているらしい。
 第3集も販売しているが、タイトルが『名作映画ポスターコレクション第3集』にかわっており、表紙に載っているポスターも「駅馬車」「風と共に去りぬ」「ローマの休日」など、第1集、第2集とはかなり違ったものだ。なんでこれが第3集なんだ?
 普通、『SF怪奇映画ポスターコレクション』とは別に『名作映画ポスターコレクション』の第1集、第2集があるのではと思ってしまうが、映画堂出版のHPを見るかぎりでは、そうではなく、まさにこの3冊を第1集、第2集、第3集と呼んでいるのだ。もちろん第3集は注文を差し控えることにする。


 古本購入は、
『ブックガイド・マガジンBGM』創刊号〜第3号(1990年幻想文学出版局) 3冊2000円
 『幻想文学』の書評ページを分離独立して別の雑誌としてスタートさせたものの、第3号をもって休刊となったらしい。当時ブックガイドではタブーとされていた品切・絶版書をどしどし取上げるという方針が潔い。
 創刊号では「荘子とミステリー」と銘打った日影丈吉のインタビュー、第2号では横田順彌や天沢退二郎、第3号では須永朝彦、大塚英志らのインタビューを掲載。
『月夜の晩』丸谷才一(昭49年番町書房)100円


 新刊購入は、
『探偵はいつも憂鬱』スティーヴ・オリヴァー(2002年8月ハヤカワ文庫HM)
『十八の夏』光原百合(2002年8月双葉社)


 通路を1人しか通れない喫茶店 2002/8/18(日)

 昨日、通路を1人しか通れない古本屋のことを報告しましたが、喫茶店にもそのような店があったことを思い出した。その店はある地下鉄の駅構内にあるのだが、極端に長細い店で、テーブルとテーブルの間が狭くて、やはり1人しか通ることができない。
 従業員は、厨房に1人、ウェイトレスが2人の計3人だが、通路ですれ違うことが出来ないため、1人のウェイトレスが運んでいる間は、彼女が戻ってくるまで、もう1人のウェイトレスは盆を持ったまま待機しなければならないという、ちょっと不効率な店なのだ。
 最近、行っていないが、今でも同じ状況なのだろうか。

 今日の古本購入は、
『真鍋博の複眼人間論』(1971年実業之日本社)100円
『ミステリアス・ノベル三重』三重文学歴史ガイドブック(平7年三重県企画新興部観光リゾート課)400円
 『ミステリアス・ノベル三重』は三重ゆかりの文豪たちのミステリアスな内容を伝えるもの。芭蕉の『奥の細道』と、同行した門弟曽良の『曽良随行日記』とでは明らかな食い違いがあるという。例えば、『奥の細道』では芭蕉が平泉中尊寺で藤原三将像を見たと記しているが、『曽良随行日記』によると、管理人が不在だったため経堂の扉が開けられなかったらしい。

『作家小説』有栖川有栖(2001年幻冬舎)読了
 作家をテーマにした短編集、8編収録。
 「作家と違って、歌手は同じ歌を何度歌っても許されるのだから、うらやましい」とのくだりには大笑い。


 『滅びのモノクローム』 2002/8/17(土)

 久しぶりに緑区の古本屋に行ってみる。この店は本と本の間が狭くて通路が1人しか通れないのだ。それでも意を決して入ってみると、運が悪いことに先客がいた(;_;) こうなると、その客のいるところより奥に入ることが出来ない。ちょっとだけ本棚をのぞいて店を出ようとしたら、あっ、また客が入ってきた。はさまれてしまったぞ!
 進むことも、退くことも出来ません。しかも後ろの客は手に本を1冊持っている。買う気か?レジまで行こうとしているのか。なんとかすれ違って店を出ようと思いましたが、やはりすれ違うことは出来ず、レジまで押し込まれてしまいました。
 つらいがしかたない。小さく縮こまって、その客が店主に代金を支払うのを待つ。ようやく、その客が店を出て行く。その際、積んであった本に足を引っ掛けて、倒したまま出て行ってしまったが、それにあきれている暇はない。また別の客が入ってきたら大変なので、あとをつけて出て行く。もちろん収穫などなし。もうこの店はこりごりだ。
 結局、今日は別の店で、『百鬼夜行解体新書』村上健司編(2000年コーエー)700円を買っただけ。ちぇっ(-_-)


『滅びのモノクローム』三浦明博(2002年8月講談社)読了
 広告代理店に勤める日下は、骨董市で、桜という女性からフライフィシング用リール「パーフェクト」を破格の安さで購入する。それに附属していたスチール缶の柳行李の中には、フライフィッシングをしている人間が写った古いフィルムが入っていた。このフィルムを政党のCMに使用することになり、フィルムの再現を「カルト大西」に依頼する。
 一方、柳行李を売った話を、桜から聞いた祖父の月森新之助は心臓発作で入院してしまう。桜は、柳行李をとりもどすため、雑誌記者の苫米地と協力してリールを売った相手を見つけだすが、その直後、苫米地は何者かに殺されてしまう。さらに「カルト大西」も、再現フィルムとともにさらわれる。
 歴史の闇が写っているフィルムの争奪戦に加え、フィルムを手にした主人公が、そのフィルムを政党CMに使用しようと目論むという設定が秀逸。また各登場人物を、丁寧に魅力的に書き込んでいることも好印象。やや劇画的なところもあるけれど、一気に読ませる好作品だ。


 『ホラー作家の棲む家』 2002/8/16(金)

 お盆なので、書店によっても新刊が刊行されない。と言って何も買わないでは日照ってしまうので、先日出版された江戸川乱歩賞受賞作の、『滅びのモノクローム』三浦明博(2002年8月講談社)を購入。
 出だし好調!満場一致で選出されたということもあり期待できそうな作品だ。って、権威に弱いオレ(^^;


『ホラー作家の棲む家』三津田信三(2001年8月講談社ノベルズ)読了
 形式としては作者の体験談として語られる怪談ものだが、自分にはこの手の作品を読んで楽しむ素養がないのだろう。小説としては『作者未詳』の方が数段おもしろかった。もっともそれだけ『作者未詳』が傑作だったからで、しばらくこの作者の新刊を追いかけたい気持ちにはかわりはない。


 ネットで注文していた、『SF怪奇映画ポスターコレクション第1集』渋谷順子編(1984年映画堂出版)2000円 が届く。労作です。紹介は別ページで → 『SF怪奇映画ポスターコレクション第1集』


 『作者未詳』 2002/8/12(月)

 昨日購入した渋谷順子氏の『SF怪奇映画ポスターコレクション第2集』がすばらしいものだったので、第1集をネットで検索してみた。2000円で売っている古書店があったのでそのまま注文する。うーん便利な世の中になったものだ、しみじみ。

 今日の新刊購入は、『二階堂黎人が選ぶ!手塚治虫SF傑作集 時間旅行者編』(2002年8月ちくま文庫)
ちくま文庫の手塚治虫を買うのは初めて。買い揃える気はないのだが、本書はタイムトラベルがテーマなので読むつもりで購入。


『作者不詳 ミステリ作家の読む本』三津田信三(2002年8月講談社ノベルズ)読了
 僕と友人の信一郎が古本屋で入手した同人誌には7編の小説が載っていた。第一話の「霧の館」という小説を読み終えると、二人だけにしか見えない霧に身体が包まれる。第二話の「子喰鬼縁起」を読み終えると、どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。これらの怪異を収めるためには小説の中の謎を解かなければならない。
 この同人誌の持ち主はあいついで行方不明になっており、一度読み始めてしまったら、7編全ての謎を1週間の間に解ききらなければならない事が判明する。
 本格ミステリながら、ホラー的なタイムリミットが設定されることにより、各編とも緊張感のある謎解きになっている。うまい仕掛けだ。結末には賛否があるだろうが、この小説の場合、結末はそう重要なものではないだろう。傑作とよびたい。


 坊さんとの遭遇 2002/8/11(日)

 三津田信三の『作者不詳』を読み始めていて、今200ページあたりなのだが、たぶんこれは傑作だと思う。ちょうど入った古本屋に、著者のデビュー作『ホラー作家の棲む家』(2001年8月講談社ノベルズ)400円が置いてあったので購入。

 たまたま古本屋内には、まだ若い坊さんがいる。手に数珠まで巻いている。へえ、古本屋で坊さんなんか見たことないなあと、見るとはなしに見ていると、どんどん奥の方にすすんで行ってしまう。おーい、そっちはビデオしか置いてないよと思っていると、すぐに戻ってきました。さすがに坊さんがそんなビデオは買わないよなあ(^_^)
 さらに別の棚で本を物色している。そこはマンガ本の棚だけどなあと思っていると、すっと手が伸びていく。坊さんが手に取ったのは「バカボンド」でありました。だはは...
 結局は何も買わずに出て行っちゃったけどね。

 別の古本屋に行くと、あっ、この店にも坊さんが入ってきた。さっきの坊さんより年配の方で編み笠までしている。気になるので、ついて廻る(^^; でもこちらの坊さんは和本、岩波文庫、みすず書房などをちらちら見ると出て行ってしまいました。
 いったいどうしちゃったんだ。名古屋で坊さんの集会でもあるのか。それとも集団で何かの本を探しているのか?

 その他の古本購入は、
『永久保存版1970年大百科』(1985年11月初刷、1985年12月第4刷JICC)800円
『霊感・霊能の心理学』中村希明(1993年朝日文庫)250円
『怪獣ゴジラ』香山滋(1983年大和書房)1000円
『空蝉処女』横溝正史(昭58年初版、昭59年3版角川文庫)250円
『SF怪奇映画ポスターコレクション第2集』渋谷順子編(1985年映画堂出版)2800円

 『霊感・霊能の心理学』の中村希明は、名著『怪談の科学』の著者
 『SF怪奇映画ポスターコレクション』の2800円は高いようだが定価だ。でも高いけど(;_;) 重いので別ページで紹介しておきます。  → 『SF怪奇映画ポスターコレクション第2集』


 名古屋即売会報告 2002/8/9(金)

 今日は名古屋古書即売会の初日。万難を排して訪れるも収穫はいまひとつ。まっ、いいさ(-_-)
 均一本コーナーは人が群がっていたのでパス。均一本を見るんだったら、かえって2日目以降の方がすいていて見やすいわけだが、そのためにわざわざ別の日に来る気もしない。
 2階で猫又さんと遭遇。さすが、まめだなあ。って、あっちもそう思ってるかもしれんな(^^;)
 購入したのは、
『パロトピア・カタログ』橋本勝(1980年社会思想社)1000円
『ケンケンと愉快な仲間たち』高桑慎一郎(平7年イーハトーヴ出版)400円
『柳生十兵衛』宮崎惇(昭45年双葉新書)300円
『喉切り隊長』J・ディクスン・カー(昭33年HPB)500円
『ここがヘンだよ!宇宙人』好奇心ブック63(2000年双葉社MOOK)400円


 新刊購入は、
『創元推理21 2002年夏号』(東京創元社)
『メフィスト2002年9月増刊号』(講談社)
『本の雑誌2002年9月号』(本の雑誌社)
『ホラー小説時評』東雅夫(2002年8月双葉社)
『アサ秘ジャーナル』浅草キッド(2002年8月新潮社)
 『ホラー小説時評』の帯には「過去12年間に日本で刊行されたすべてのホラー小説を読み尽くす」とある。うそでしょ。ひとくちにホラー小説と言っても、翻訳物を始め、角川ホラー文庫やジュブナイルなど多種多様なはず。そのすべてなど、把握することすら困難であろう。ましてや読むことなどとてもできまい。
 『アサ秘ジャーナル』は、各党政治家に浅草キッドがインタビューしたもの。かなりまっとうな内容でお笑い的要素も少なく、突っ込みも物足りない。


『人形幻戯』西澤保彦(2002年8月講談社ノベルズ)読了
 神麻嗣子の超能力事件簿、6編収録。ほとんどの作品は雑誌掲載時に読んでいて再読。ますますパラレルワールド的色彩も鮮明になってきており、今後の展開も楽しみだ。
 そういや、今日買ったメフィストにも新作が掲載されているので、さっそく読んでみよう(^_^)


 『わだつみの森』 2002/8/8(木)

 古本購入は、『いつもハッピィ・モーニング』岬兄悟(実業之日本社)200円のみ。さえん(;_;)!
 明日からまた古書即売会があるんだが、そっちもそれほど期待できるわけでもないしなあ...
でも、どうせ行くけど(^^;)


 新刊購入は、
『十二国記アニメ脚本集1』原作小野不由美/脚色會川昇
『島久平名作選』日下三蔵編(2002年8月河出文庫)
『わだつみの森』濱岡稔(2002年8月文芸社)
『人形幻戯』西澤保彦(2002年8月講談社ノベルズ)
『作者不詳 ミステリ作家の読む本』三津田信三(2002年8月講談社ノベルズ)

 実は、「十二国記シリーズ」は1冊たりとも読んだことがない。どの巻から読んだらいいのかすら知らなかったしね(^^;) 原作に代えて、このアニメ脚本版で読むのは邪道?


 別冊シャレード66号『柄刀一特集』、69号『天城一特集6』が届く。『天城一特集6』には「圷家殺人事件」が掲載。こんな出版がなければ一生読むことが出来なかった作品だ。昨今の日下三蔵氏を中心とした復刊本の刊行とあわせ、いい時代に生きあわせたものだ。


 『三日月島奇譚 かまいたちの夜2オリジナルノベルズ』我孫子武丸/田中啓文/牧野修(2002年7月チュンソフト)読了
 我孫子武丸、田中啓文、牧野修のトリオによる短編集だが、『三人のゴーストハンター』のように登場人物がからみあうということはなく、それぞれ別個の作品。私はゲームはやらないが別に読むのに支障はないようだ。だがやはりゲームとはなにかしら関係があるのだろう。
 小説を読むだけでは、田中啓文の「香山さん探偵帳」なんて、どうしてこれが「かまいたちの夜」のアナザーストーリーなのかと思ってしまうが、おそらくゲーム本編で活躍する人物なのだろう>香山社長
 牧野修の「底蟲村記録抄書」は地方史の書影や人物写真、民話など数多くでっちあげ、手間をかけた力作だ。こういう丹念な仕事には頭が下がる。


『わだつみの森』濱岡稔(2002年8月文芸社)読了
 本格推理と幻想の融合をめざしたのだろうか。しかし本格部分でいえば、中盤でかなりはっきりした伏線がはられ、そこを読んだ時点で犯人と動機はわかってしまう。また小説のなかでかなり重いウエイトのある、一人の登場人物の錯誤についても、描き方から、最初の時点で気がついてしまうだろう。本格部分では驚きの部分は多くない。

 物知りの登場人物ばかりというのも気になる。これ、ほんとに台本のない会話?と思わせるほど、各人が会話の中でさまざまな文学作品を引用するのだ。文学作品の批評にも、その裏に作者の存在がたえず意識させられてしまうが、それはこの手の小説としてどうか。帯には、関口苑生の「先人たちよ、この者の歌を聞くがいい!かくて大いにおののくがいい!」とあるが、これでは読者がおののくのは難しいのではないか。

 物語の構成にも疑問がある。語り手と物語内の視点のギャップが最後まで解決されないが、それが許されるのは語り手にさほどウエイトがないものに限られるのではないか。この小説では冒頭に「自分の苗字に<目>がつく」などとわざわざ語り手を強調しているのだから、そのギャップがさらに拡大してしまう結果となり、読者にこんなのおかしいよと思わせてしまう。

 と、マイナス点ばかりあげてしまったが、かなり衒学的な作品でありながら、実は意外にすらすら読めてしまうライトタッチな作品でもあるのだ。って、それは誉めたことになるのか?(^^;


 『ツール&ストール』 2002/8/4(日)

 ブックオフで「ブーン」という音に振り向くと、わっ、ハチだ!
 ヘビーユーザーの清水國明でもハチの対処方法までは教えてくれないので早々に退散する。

 その後、鶴舞にある「袋を持っているとおやじが文句を言う店」に行ったら、案の定、そのおやじが出てきて袋をレジに預けろという。客のことをそんなに信用できないくせに、自分のことは信じろというのか。
 「袋の中から○○がなくなった」と言ったらどうするつもりなのか?
 「そんなものは最初から入っていなかった」などとは言わせないよ。袋は預けても、中身を見てもいいとまでは言ってないんだから。もちろんここでは何も買わない。

 でも、よその店でも格別ほしい本はなし。ちぇっ(;_;)
『原田甲斐』大隈三好(昭45年日本文芸社)100円
『記者クラブを斬る』稲場豊實(昭53年日新報道)400円
『ジパング極限心理解析書』大沼孝次(2001年9月フットワーク出版社)700円


 新刊購入は、
『ツール&ストール』大倉崇裕(2002年8月双葉社)
『三日月島奇譚 かまいたちの夜2オリジナルノベルズ』我孫子武丸/田中啓文/牧野修(2002年7月チュンソフト)
 「かまいたちの夜2」のアナザーストーリーだというが、ゲームはやらないので本編との関係は不明。
『龍宮』川上弘美(平14年6月文藝春秋)
『新現実 Vol.01』責任編集 東浩紀×大塚英志(2002年9月カドカワムック156)
 大塚英志編集のムック本。賛同の意を込めて購入。「わしズム」なんかぶっとばせ!


『ツール&ストール』大倉崇裕(2002年8月双葉社)読了
 著者は、『三人目の幽霊』の大倉崇裕。お人好しの白戸修を主人公にする連作短編集、5編収録。
 これはおもしろいよ。
 巻末の有栖川有栖の解説では「お人好し探偵に乾杯」とあるが、典型的な巻き込まれ型の主人公で、厳密には探偵役とは言いがたい。主人公が推理して解決するものもあるが、なかには、主人公がまったく翻弄されたままでハッピーエンドに終わる作品もあるのだから。
 魅力的な主人公で読後感も爽やか。続編も楽しみだ。


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