①表の水晶の周波数は時計用のBTカットで用いられる周波数です、ATカットのTCXOでは10-6~10-7程度、SCカットのOCXOやDTCXOでは高精度で10-9程度が実現されているようです。なお、日本水晶デバイス工業会では、技術資料が掲載された冊子の頒布などもされているようです。 ②Csの周波数精度は最近では10-15の高精度なものもあるようです。ちなみに、日本付近での地磁気の影響は水平成分が0.3G(ガウス)(30μT(テスラ))とのことで、この磁界中では標準周波数より約40Hzのずれが生じるため、セシウムビームチューブはスーパーマロイなどの十分な磁気シールドで外部の磁界を遮蔽しているようです。だだし、特定のエネルギー順位の遷移のみを取り出すため60~80mG(ガウス)の弱い磁界を加えており、マイクロセミ(旧シンメトリコム、旧アジレントテクノロジー、旧ヒューレットパッカードHP)のセシウムビームチューブの共鳴周波数は9,192,631,772.5Hzとされているようです。 ③Ybの原子をレーザーで固定する光格子時計のほかSrの光格子時計も同等の精度のようです。 ④東京大学と理化学研究所は平成28年に低温動作Sr光格子時計を用いて、相対論的効果で標高差による重力の差で時間の進み方が変わる影響を数cmの精度で測定することに成功したとのことです。 ⑤情報通信研究機構(NiCT)は、平成30年にSr光格子時計と水素メーザーを組み合わせた、光・マイクロ波ハイブリッド方式を開発し半年間継続運用に成功し、5×10-16以上の安定度を確認したとのことで、国際度量衡局(BIPM)の仮想時刻に対し半年間で790ps以下のずれを実現したようです。 ⑥一般相対性理論では、重力が強いところでは時間がゆっくり進むと言われ、水星の軌道計算(近日点移動)やGPS衛星の時計など宇宙空間での話とされてきました。しかし令和1年(2019年)に10-18という高精度な可搬型光格子時計が実現したことで、スカイツリーの地上階と展望台の間で時間の進みが違うことが実測できたとのことです。また、高精度な測定が可能になり理論値と実測値の差が明確になることにより、理論がさらに深くなっていくことが期待されます。ちなみに高精度な可搬型光格子時計の開発は島津製作所、理化学研究所、東京大学などの共同研究の成果で、452.6mの展望台では21.18Hzのずれがあり、1日当たり4.26ns時間が早く進んでいたことが実証され、不確かさも求められているようです。 。 |
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