2007/07/03 『m-Boxed』を使った児童英語レッスン 映画を使った英会話・英語学習 シリーズ4
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英語レッスンにITを利用した新しいツールm-Boxedが登場 |
m-Boxed キッズ版は、名作映画や、童謡マザーグースを素材とした、英語学習の総合的なトレーニングツールだ。開発者の田淵龍二氏に解説をうかがった後、さっそくキッズクラスの授業へと見学に向かった。
昨年4月に導入後、週1回ペースの授業にもかかわらず、従来のメソッドでは得られなかった成果を上げているという。たしかに子どもたちは、ネイティブのような発音を身につけていた。
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朗読絵本マザーグースリズムに合わせた朗読で発話能力が向上 |
レッスンを始めて2年になるという6人の生徒たちの声が元気に響く。
先生のマイク・キャネバリーさんは、カリフォルニア州から15年前に来日した英会話講師だ。
簡単な会話レッスンの後、m-Boxedを使った授業に入った。
ピアノのイントロとともにバックロージンさんの挿絵が大きなスクリーンに映し出され、紙芝居のように切り替わっていく。流れてきた女性の音声はメロディのある歌ではなくリズミカルな朗読だ。詩は韻を踏み、気持ちの良い一定のリズムのなかで覚えることができる点が、優れた学習効果を上げる要因の1つである。朗読の音声に合わせ、子どもたちも手を叩きながら一緒に発話していく。手拍子をとると、声にも勢いが生まれる。リズムに乗った大きな声と明るい表情が印象的だ。読み上げる音声の早さはネイティブスピーカーの標準的スピードとほぼ同じである。驚くことに、子どもたちは早さに付いていくし、ネイティブの発音を上手に真似している。
このクラスでは週に1回5分のレッスンで、すでに7つのマザーグースを覚えたという。「素材がリズムに合わせた朗読だから、みんな大きな声で楽しく授業に参加し、覚えも早くなった」とはマイク先生の実感である。
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映画オズの魔法使い音声、動画、文字情報で記憶定着がスムーズに |
ライマン・フランク・ボーム原作のオズの魔法使いは、長きにわたって子どもたちに夢を与えてきた。今回は数々の場面を切り取って、英語表現の学習に活用する。このレッスンは導入して3カ月目になる。
まずはcry、run、turn、walkなど6〜7個の動詞を「動画フラッシュカード」で学ぶ。動作のシーンが、2〜5秒の動画として次々に提示される。指名された子どもは、「The lion cries.」「Dorothy turns.」というように答えていく。映画のシーンを利用することで、登場人物の動作や表情、声のトーン、場面の背景やシチュエーションなどを総合的に認識できる。また、1つの情報が「音声」「動画」「文字」により多角的に表現されているので、記憶への定着が高くなるのだ。
もう一つの特長としては、母語を使わず英語を理解することができる点が挙げられる。たとえば英動詞が複数の意味を持っていたり、日本語にはないニュアンスや使用パターンを含んでいるいる場合、日本語解説では不足や誤解が生じる。だから「turn=振り向く」ではなく「turn=turn」と認識していくことが重要になる。
「動画フラッシュカード」での学習の後は、提示された6枚の静止画から、音声で流れる単語と合致するものを選ぶ「カルタゲーム」や、静止画1枚に対し提示された6つの文章から正解を選ぶ「言葉あて/つづり」の学習がおこなわれた。
カルタゲーム 言葉あて/つづり
m-Boxedを使ったレッスンは、55分の授業全体の中で、効果的なツールの1つとして利用されている。子どもたちが楽しみながら積極的に学ぶ姿が印象的であった
「イラストが描かれたカードよりも動詞の説明が的確にできる」「様々な登場人物の発音や、感情を込めたイントネーションが学べる」「言葉で説明するより映像が語ってくれる」等、m-Boxedは英語教育のITツールとして新たな可能性を見せてくれた。当初の予想よりも早くカリキュラムが消化できているという。半年後、1年後の子どもたちの成長が楽しみである。
written by 畑戸書房 山川浩一
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