マリアナ諸島慰霊友好親善訪問  
   
 


この日は朝から雨が降ったり止んだり、スコールとは少し違っていた。
我々は今まで暑い日ばかりでしたので、単に涼しいからと喜んでいました。
空を飛んで帰るという事を忘れていたのです。
寿命が縮む思いとは今日の事かもしれません。
父たちが帰らないで、もう少しこの島に居てと云ったのか
父たちが私達を守ってくれたのか・・・・・・・・

         

バスから見える景色は山とは云えない丘陵地が続きます

カロリナス台地です、その岩肌には無数の穴が開いている
山が崩れるほどの艦砲射撃であいている

岬は広くて暑いはずの気候なのに何故か寒々とした景色でした。
何故だろう・・・・・・・
ここも切り立った岸壁の上、
下を見れば50メートル以上ありそうな絶壁
そう・・・・・
ここもやはり  ”スーサイドクリフ”   と呼ばれている


逃げ場の無い断崖絶壁を前にして、捕まる事を恐れ、母は子を抱いて、父が背中を押して、
バンザーイ!!バンザーイ!!と叫んで次から次へと飛んで行ったそうです。

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少し丘を登った所で最後4人の方のの慰霊祭を致しました。

(財)日本遺族会企画の慰霊訪問
サイパン・テニアンへの旅

平成18年7月22日〜7月29日

カロリナス岬
ここの慰霊祭で18名全員の慰霊祭を無事に済ませることが出来ました

自分が遺児であるということは殆ど日常の生活では忘れてしまっています
今回の日本遺族会様の計らいで、この様な意味の深い慰霊祭を
して下さいました事、一生忘れる事は無いでしょう。

第五日目

7月26日(木)

エレベーターは「シンドラー製」でした。

昨日はブロードウェイを北の端まで行きました、
今日は最南端「カロリナス岬まで行きます。

太平洋戦没者慰霊平和之塔
 JAPANESE
PEACE MEMORIAL
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朝食は7時から広くて綺麗なレストランでのバイキングです。

ホテルの経営者は中国系だそうです、ボーイさん達もとても感じが良かった

鎮魂不戦之碑


わかりますか、あの地平線の所で縞模様になっているあの黒い所がスコールの降っている所です

MIHOさんが雨の臭いがするから急いで下さい!と言っていた意味がわかりました
あの雲は30分後には次から次へと襲ってきますよ、
慰霊祭の準備はしたもののやはり途中に降られて一時中断、バスに退避しました。

最後の慰霊祭です、きちんとやりたかったから全員がじっと我慢の子
雨間を見て無事に終える事ができました。

ライオン岩


歩いて1時間以上かかると言う遠方からの写真ですのでわかり辛いのですが
”ライオンが左を向いている姿に見えるでしょ!!

この岩の見える地点へMIHOさんはわざわざバスを回してくれました



”遠くに見える岩、ライオンに見えませんか?”地元ではライオン岩と呼ばれています 
この丘陵地カロリナス台地で、今回ご一緒した方のお父様の遺品が数点見つかって
現在では靖国神社の「遊就館」に収められているそうです。
彼のお父様は初めサイパン島にて戦死とされていましたが、遺品が見つかって
父が確かに、ここに居たと言うことが判明して良かったと話しておられました。

拡大しました、たてがみ、鼻、あご  ね、立派な雄ライオンでしょ!!

マルボの井戸   命の水

テニアン島では真水の出る所は数箇所と聞いています。大切な井戸、このお水で命を繋いでいたのでしょう。
この場所はバスを降りてから5〜6分くらい歩きます、ジャングルの中ですが写真のように道が開けられていました

私たちの為にガイドのMIHO さんとお役所の方たちが、ジャングルに一日かかって道をつけて下さいました

戦前には島中が製糖工場を中心として栄えていたが今ではテニアン町周りの限られた所に人が住んでいる居て
殆どがジャングルになってしまいました

今回私たちが、テニアンの中を難なく歩けたと言う事は現地の人達の大変な御尽力のお陰です。ありがとうございました。

多くの兵隊さん達の命の泉もジャングルの中で
静かに眠って居ました。

父もこのお水で渇きを潤していたでしょう

水神様

野生の果物

バナナ・みかん・パンの木

誰にも食べられる事も無く花が咲き、実をつけているのです

ココナッツ
近くにあった発電所の方がもいで下さいました。

ダイナスティーホテル&カジノの玄関



テニアン島での行事はすべて終わりました。

12:43     テニアン空港到着

13:36  サイパンにスコールが来ていると言う事で待機中

       やがて搭乗のGOサインが出ました。

13:37  翼の上にに乗って機内に入ります
       滑りそうでネエ・・・・・・

ここをクリック

この暗雲の中を飛んで行く、何となく不安定な飛行・・・・・・・・・・・・

だんだん雨で前が見えなくなってきた
機長さん落ち着かない調子であたりの景色を確かめている・・・・・・・
もう着いても良さそうな時間は過ぎている・・・・・・・

なんか旋回しているみたい・・・・・・・・・・・・・・・・・・

機長さん 日本語で   ”天候が悪いので引き返します”
                        ”テニアンへ引き返します”

ただ、ただ、無事にテニアンへ着陸して下さいと 祈るばかりでした。


後で聞くと、少し先に飛んだA班はそのままサイパンまで飛んで行ったそうです。

B・C・D班の16名はテニアン空港で天気の回復を待って
冷房も無い待合室から空を眺めていた

一向に天気回復の兆しも無く、4時を過ぎた頃から今日はもう飛ばないかもしれない、
何せ有視界飛行だからネエ・・・・・・・・
添乗員さん達は、これからの色々な仮定を想定して対策をしているみたいでした。


4時半頃になって係りの人達が慌しくなってきました
まだ、雨降っているのに・・・・・・

突然1機が雨の中飛んで行った、あっあの飛行機私たちの荷物が乗っているーー

今度はもう1機サイパンから戻ってきた・・・・・


さあ皆さん搭乗してください
まだ雨降っているよう・・・・・・・
傘さしてセスナに乗り込む

先の時のように写真を撮る気分ではない
お数珠を握り締めて、息を呑んでじっとしている・・・・・・・

離陸して1〜2分でサイパン島が見えてきました
あーこちらはお天気回復していたんだ

やっと落ち着いてきてデジカメにスイッチを入れました。

6分くらいでガタガタと着陸しました。


そうそう  C班・D班はどうなっているかしら?

しばらく心配しながら待っていた、30分くらいして全員が揃いました。
よかった、よかった(#⌒∇⌒#)ゞパチパチパチ 

私たちが、よほど悲壮な顔をしていたのか

着陸してホッとしていますと
隣の席で針ヶ谷さんが持っていた祭典に使っていた籠を
いきなりかぶっておどけて見せてくれました。

機長さんありがとうございました。

サイパンへ戻ってきました、ハプニングがあったからか何となく懐かしく感ずる

おかしなものですね(((o(^。^")o)))


成田で別れた「ガム、サイパン」コースの人達20名と合流

サイパングランドホテルに戻る

夕食は畳の部屋での和食でした。
おすし・おさしみ・茶碗蒸しetc・・・・・・

テニアンで頂いたココナツジュースを皆で飲みました。

天候によるハプニング、この島では良くある事でしょうが、
毎日安全な生活をしている日本人にはきつい体験でした。