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時の話題
2004-8〜2
2004-08-31
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今月の目次
◇印は《日々雑感》より転載
東京都「つくる会」教科書採択に異議あり(04/8/27) ◇たんぽぽの家(04/8/26) ◇サラ金CM(04/8/22) ◇全外教奈良大会2004(04/8/19) ◇アテネ=オリンピック(04/8/15〜31) ◇ネオコンを撃つ視線(04/8/10〜29) ◇「先生」の影響力(04/8/6〜13) ◇ヒロシマからの告発(04/8/6) ◇地球のステージPart 2(04/8/3)


【東京都「つくる会」教科書採択に異議あり】vol.221《日々雑感より》
◆都教委が来春開校の都立中高一貫校で160人の新入生が使う中学歴史教科書に「つくる会」教科書(扶桑社)を採択した。いずれ高校歴史教科書も同内容の明成社版を採択しようと目論んでいるのだろう。戦前の皇国史観ばりの偏向「つくる会」教科書がどういう経過で登場し、いかに危険で悪質なものであるかは、kurochanも「時の話題」で何度か取り上げ、「あれじゃ右翼皇国史観教科書だよ」という寄稿文も書いてきた。この問題については、教員・保護者はもちろん、広く納税者の抗議の声も、もっとあげていかねばと思う。すばやく愛媛から抗議声明が出され、中韓も遺憾を表明しているが、「つくる会」系の人物が多数をしめている内閣の布陣という背景もあり、ぼやぼやしていると、来年の一斉採択で大変憂慮すべき事態になりかねない。多くの批判を集めてきたこの間の都教委の強権的姿勢の本質を明らかにするものでもある。「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」、「強制連行」や「捕虜虐待」などの確定している史実を揉み消そうとする右派の非論理的で歪んだ摘み食い言説の巧妙さにまんまと引っ掛かる人々が多数おり、うすうす「おかしい」と気付きながらもあえて強きには逆らわない人々もまた、暗黒の時代再現に加担していると気付くべきだと思う。宿営地の水を自給しているに過ぎないサマワの自衛隊給水作業をあたかも現地に喜ばれていることのようにいう宣伝にのせられ、沖縄での米軍ヘリ事故よりアテネの金メダルラッシュにばかり時間を割くマスコミの責任も重い。戦争ができる国作りが着々と進んでいることに、もっと警戒しようではないか。(540、04/8/27)[→8月目次]
  vol.69◇愛媛県立高校で「つくる会」教科書採択
  vol. 9◆「新しい歴史教科書をつくる会」教科書批判〜その2
  vol. 8◆「新しい歴史教科書をつくる会」教科書批判

【たんぽぽの家】vol.220《日々雑感より》
◆職員研修で「たんぽぽの家」へ。あの「わたぼうし音楽祭」で有名な身障者授産施設だ。実は、高校時代に友達に誘われて「たんぽぽの家」であったキャンプに参加したことがきっかけで、その後もいろんな機会に行くことが多かったのだ。「恵まれない子ども達?」は、最初に行ったキャンプでのできごとだ。もう四半世紀近く前になるけどね。教員になってからも、何人もの生徒を連れて、個人的に訪問したりしたものだ。当然、ここの通う障害者やスタッフなどとも知り合うことになり、この24日は懐かしい再会も、幾人かと果たすことができた。というのは、ここ数年行ってなかったからだけどね。限られた資金とスタッフで運営するという、この手の施設の常識を覆し、いろんな企画を打ち出し、広め、とってもオープンなのが「たんぽぽの会」のいいところ。「障害者福祉」についての考え方も初期とは随分と変わり、いろんな意見があるのも確かなのだが、とっても入りやすい入口であり、いろんな可能性を感じさせてくれるムーヴメントでもある。(539、04/8/26)[→8月目次]

【サラ金CM】vol.219《新掲示板レスより》
◆武富士の武井一族支配、そしてまずは社員から締め上げて無慈悲な暴力体制を徹底させるやり方が裁判で明らかになるかと思えば、見え透いた「体質見直し広告」。武富士のCM自粛で他社が調子付いてるけど、出演タレントにしても事務所の事情で断れないんだろうけど、値打ちが下がっていることにもっと気付いてほしいね。野M証券と暴力団の黒く太いパイプは有名だけど、銀行にしたって、中小企業に貸し渋って自殺者を激増させているくせに、悪徳サラ金業者にはたんまりと資金援助。その方が焦げ付かず、違法な取り立てにも直接関わらなくていいからね。お上もマスコミも庶民を足下にするそんな構造を支えているじゃないか。一部上場が聞いて呆れるけど、球界だってスポンサー様様だからね。襟を正せないナベツネが批判したって始まらないしね。というぐらいのことはせめて辛口コメンテーターなら言ってほしいね。細木和子には決して言えない本当のことをね。(RAさんへの掲示板レス、04/8/22)[→8月目次]

【全外教奈良大会2004】vol.218《日々雑感より》
◆第25回全国在日外国人教育研究集会(全外教)奈良大会が3日間の日程を終えて終了した。初日17日はフィールドワークとワークショップが行なわれたが、kurochanは風邪でダウンし、欠席。18〜19日は奈良市の帝塚山学園を会場に全体会と分科会が行なわれ、生駒市で全国在日外国人生徒交流会がもたれた。僕も現地実行委員の一人として、各分科会のプレゼン関係の設定・全体会の写真撮影のお手伝いをさせていただいたが、何をするにしてももっと極めたいなぁと思う次第である。示唆に富むレポートや、自らの課題を再確認させていただいた討議に感謝している。また、今年は1000人余りの参加であったが、全外教運動が、文字通り全国津々浦々に広がることを願っている。(537、04/8/19)[→8月目次]

【アテネ=オリンピック】vol.217《新掲示板レス・日々雑感より》
◆オリンピック開会式は、掃除しながら少しだけ見ましたが、軍隊のような整列などせずに、観客と一緒にたっぷり「ENJOY」しようとしている表情がよかったですね。「スティーブ=ジョーンズの言葉」に書いたように、「メダル、メダル」と騒ぐ「勝ち負け」でしかスポーツを語れない連中や、国威発揚やスポーツビジネスしか頭にない連中によって歪められたものを吹き飛ばすエネルギーをもつ、強い笑みが嬉しく思えるkurochanなんです。実は僕も陸上長距離の国体選手だったりしたんですが、スポーツの清々[すがすが]しさを歪めて利用しようという連中は、いろんな形で随所にいるんです。強いけど歪んだ選手もいますしね。素直でストレートな人間讃歌となることをいつも期待しながら、うるさい解説をできるだけ無視してテレビ観戦しています。(neko.さんへの掲示板レス、04/8/15)
◆最終種目男子マラソンにおいて、後半独走していたブラジルのデリマ選手が36キロ付近で沿道から飛び出してきた男性に飛びつかれて観衆の中に押し込められるハプニングが起こった。デリマ選手はそれにもめげずに走り続けたものの、結局3位。ラップタイムで見れば、優勝したイタリアのバルディニ選手の追い上げは驚異的で、デリマ選手はいずれ追いつかれたと思われるが、釈然としないのはいたしかたない。マラソンの警備は確かに難しいと思われるが、観客より警備員の方が多いのではないかと言われたほどの今回の大会が、世界中の衆目の中、57歳の前歴もある一人の男性によって、いとも簡単に崩されたことは、軍備に頼る平和がいかに脆弱なものであるかを暗示しているように思うのである。デリマ選手は命の危険さえ感じたというが、幸い走り続けることができた。いや、ハプニングを理由にレースを棄権することより、走り続けることを選んだ。走り続けた自分を誇りに思ったからこそ、ラストの直線で旋回するように走って見せたのだと思う。自らと闘い続けてきただろう彼の生き方が、如実に示されたのだと思う。その美しさに、僕は胸を打たれる。(541、04/8/31)[→8月目次]


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