| 集合住宅についての考え* | |
|
4−4.資産価値から生活価値へ 現在、集合住宅として最も一般的な民間分譲マンションにおいて、その考 え方に変化が生じてきています。 第一は、永住志向です。これまでのマンション購入者は、将来、庭付き一 戸建てを手に入れるまでのワンステップとしてマンションを考える人が多 かったのですが、現在は、終いの住み処として高い質を求めて購入される 方が増えています。つまり、将来に亘って住み続けていくためには、その 集合住宅の十分な耐久性と家族構成の変化、ライフスタイルの変化にも 容易に対応できる構造が求められてきていると言えます。高耐久性を持つ 100年マンションや、スケルトン+インフィルのように、内部仕上げが無い 構造躯体のまま購入し、後に内部を自由に仕上げていく2段階方式の分 譲マンションもつくられてきています。 第二は、定期借地権付分譲マンションの購入です。土地そのものには所 有権が無く、60年間の借地料を納めながら、その分割安にマンションを手 に入れる考え方で、昨今、徐々に増えつつあります。 これらの傾向が意味するものは一体何なのでしょうか・・・?それは、自分 達の住まいを単に先々転売する資産と考えるのではなく、そこに住まうこと、 そして生活を豊かにすることを第一義と考える人が増えてきていると言うこ とです。「資産価値」から「生活価値」への転換。「もの」より「心」の充実を 求める時代に変わりつつあると言えます。 | |
|
<< BACK >> NEXT |
|
| *
「私が選ぶ 2001建築家カタログ」 (学芸出版社 (社)日本建築家協会近畿支部 編著) | |
| より 筆者抜粋 |