4.Concepts on multi-unit housings (3)


 集合住宅についての考え*

 4−3.うさぎ小屋からの脱却

 戦後のニュータウン計画でつくられた団地は、当時、時代の先端を行く住
 まいとしてもてはやされました。DK+n(個室)の型式は、その後の公
 営住宅や民間分譲集合住宅にも影響を与え、“LDK+n”という表現は
 今日もなお、生き続けています。しかしながら当時から、日本を訪れる外
 国人の目から見れば、「うさぎ小屋」「鳥の巣箱」と揶揄され、各住戸の
 狭さや、プランの構成ばかりではなく、その単調な住棟配置についても、
 批判の対象となりました。とにかく量産を急がれた当時の状況の中では、
 コストを含めてやむを得ない一面もあったと言えますが、残念な事は、建
 築関係者ばかりではなく、一般の方も含めて、集合住宅に対するイメージ
 の原点となってしまったことです。
 これからの新しい集合住宅を発想するためには、設計者ばかりでなく、多
 くの人がこの“LDK+n”という型から脱却し、自分なりの自由な住ま
 い方をイメージすることから集合住宅が変わってくると考えられます。


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 * 「私が選ぶ 2001建築家カタログ」
 (学芸出版社 (社)日本建築家協会近畿支部 編著)
 より 筆者抜粋



  1.事務所の特徴
  2.住まいについての考え
  3.将来の建築主へのアドバイス
  4.集合住宅についての考え
     4−1.人が集まって住まうことのお話
     4−2.集合住宅の流れ
     4−3.うさぎ小屋からの脱却
     4−4.資産価値から生活価値へ
     4−5.個からの視点を持ち集まり住まう
  5.建築主への呼び掛け


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