ステージア タイミングベルト交換 2回目

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2019-3、無事10回目の車検が完了しました。ステージアは21歳です。

ただしオイル漏れがあります。カムシャフトシールからです。

11年前のタイミングベルト交換の時に交換出来ずに諦めた箇所になります。

とりあえず掃除だけして車検通しました。

 

車検後にちゃんと確認してみます。

カムシャフトシールを交換する為にはタイミングベルトを1回取り外す必要があるのですが、

タイミングベルトが既に寿命を迎えている事が判明しました。

11年間、70,000mもちました。

1度取り外してもう1度取り付ける様な状態ではありません。

という事で、タイミングベルト交換2回目を実施する事が決定しました。

 

当時より工具も充実した事もあり、私自身の技術も向上していると思われるので再挑戦です。

交換する部品を用意します。

タイミングベルト … PITWORK AY440-NS014 \4,299

テンショナー … PITWORK AY460-NS010 \5,736

アイドラープーリー … PITWORK AY660-NS001 \5,736

クランクシャフトオイルシール … NISSAN 13510-10Y10 \472

ウォーターポンプ … AISIN WPN-095 (21010-5L328互換) \12,209

ロッカーカバーパッキン … SUN VG115L (13270-5L301互換) \1,427

ロッカーカバーパッキン … SUN VG115R (13270-5L311互換) \1,427

セミサーキュラープラグ … SUN SK102 (11051-5L300互換) \400 /2pcs

カムシャフトオイルシール … NISSAN 13042-16V00 x2pcs は11年前に用意した物です。

カムシャフトオイルシール以外の合計は\31,706です。

 

2019-3-30、159,843km、タイミングベルト交換2回目を始めます。

1日目。夕方から呑みに行く予定なので、冷却水抜く前までやります。

ウォーターポンプを交換するのでいずれにしても冷却水は抜かないといけないのですが、

冷却水を抜いた状態で長く放置したくないので。

NEOのカバーを外してエアダクト一式取り外します。

エンジンのエキマニ側が見通しが良くなりました。

エアコンの高圧ホースのカシメからエアコンオイルがちょっと滲んでます…。

補機類のベルトを外します。

その為にはアンダーカバーも外す必要があります。

オルタネーターのボルトとエアコンのベルトのアイドラーが下からじゃないと緩められません。

FANを外します。

11年前はFANだけひっぱり出す事が出来なかったのですが、

FANを外してからFANのプーリーを外したら、FANだけひっぱり出す事が出来ました。

NEOのカバーのブラケットも外してしまいます。

タイミングベルトカバー上を外す為に、マーキングをしてからクランク角センサーを取り外します。

先日タイミングベルトの劣化具合を確認する為に11年ぶりにクランク角センサーを取り外したのですが、

アルミ製のクランク角センサーブラケットが腐食してクランク角センサーに張り付いていて、

剥がすのが大変でした。

サービスマニュアルにはクランク角センサーに衝撃を与えるなとありますが、

しょうがない、回転方向に衝撃を与えて取り外しました。

タイミングベルトカバー上を外します。

クランク角センサーブラケットを外します。

クランクプーリーをつかんでクランクシャフトを時計方向に回して0°に合わせます。

にも関わらずカムプーリーの合いマークが合わない時は、

クランクシャフトをもう1周回すと合うハズです。

 

2日目。前日に呑みに行っていた為に朝から気合が入らず、昼過ぎから作業開始です。

ガレージジャッキでジャッキアップして冷却水を抜きます。

全容量は10Lだそうですが、ラジエターのドレーンから抜けるのは4L位です(上写真は10Lのバケツです)。

ラジエターシュラウドを外します。

タイミングベルト交換の為に作業スペースを開ける為に、ラジエターを撤去します。

その為にラジエターの下端にあるATFのホースをつなぎ変えます。

ATFはたいして漏れません。上写真の紙の上に垂れているのが全てです。

ラジエターのアッパーホースとロアーホースとリザーブ用ホースを外して、ラジエターを撤去します。

エアコンのコンデンサーはダンボールで養生しておきます。

 

クランクシャフトボルトを外します。

外し方は前回同様、工具を下写真の様にセットして、スターターモーターを一瞬回します。

前回はバンっという派手な音をたてて緩んだのですが、今回は大した音も無く緩みました。

クランクプーリーを抜きます。これも前回同様、11年前に作った自作冶具を使って抜きます。

簡単に抜けました。

前回破壊してしまったクランクプーリーのエッジですが、

異音やベルトを削る事も無く、何も問題無い様です。

クランクタイミングプーリーの合いマークが合っている事を確認しておきます。

 

今回は保険として、タイミングベルトを外してしまう前に、

カムシャフトのプーリーのボルトを緩めておこうと思います。

カムプーリーエキゾースト側の4本のビスは簡単に緩みます。

ただし、ボルトが何故か11mmでした。持ってて良かったぁ〜。

カムプーリーインテーク側はまずカムプーリーボルトのプラグ(フタ)を外さないといけません。

ヘキサゴン8mmです。ソケットレンチのソケットを予め用意しておきます。\211でした。

前回はこのプラグの時点で外れず諦めましたが、

今回は何故か簡単に緩みました。ソケットだから良かったのかな?

このプラグは1.0kg-m〜1.2kg-mなので本来簡単に緩んで当たり前なんですけどね。

次に本命のカムプーリーのボルトです。

ヘキサゴン10mmです。こちらも同様ソケットレンチのソケットを予め用意しておきます。\219でした。

11.0kg-m〜12.0kg-mです。

カムシャフトをモンキーでしっかりつかまないと出来ません。

その為にロッカーカバーを外す為にまず、NEOの巨大なインマニコレクターを外します。

ロッカーカバーの谷間にあるオーナメント(フタ)も外します。

ロッカーカバーを外して、カムシャフトをモンキーでつかみます。

カムプーリー(インテーク側)にはNVCSの仕掛けがあります。

可変バルブタイミングコントロールシステムです。

そこに負担をかけない様に、プーリー側を固定するのではなくカムシャフト側を固定しないといけません。

カムシャフトをつかんで動かしてみると、プーリーが動いていなくてもNVCSの範囲でカムシャフトが動きます。

カムシャフトをつかむ位置ですが、始め上写真オレンジの塗料のある位置をつかんでいたのですが、

それではダメな様です。モンキーが緩んでしまいます。つかんだ跡が残ってます…。

だから前回は失敗したんですねきっと。

ところが上写真の正しいであろう位置でつかんでもカムプーリーのボルトが緩まない。困った。

カムシャフトをつかんだモンキーをうまく固定出来ない為です。

で、下写真の様に相対的にテコで力をかけると緩める事が出来ました。

カムシャフトのボルトを緩める事が出来たので、タイミングベルトを外します。

クランクタイミングプーリーはちょっとこじったら簡単に取れました。

カムプーリーを外し、カムプーリーの後にあるタイミングベルトカバーリアも外します。

両側共オイルシールからオイルが漏れてますねぇ〜。

オイルシールを交換します。まずインテーク側から。

予想通りというか…。全然外れません…。

Y30のタイミングベルト交換の時と同様にピックツールとプーラーを使った冶具で試みますが全然無理です。

で、諦めて?マイナスドライバーを使ってなんとか抜く事が出来ました。

オイルシール取付部には張り付いたゴムの残骸が残ってしまっているので、

キズつけない様に気を付けながら、カッターやピンセットや溶剤を使って掃除しました。

大変でした。

掃除が終わったら、新しいオイルシールにエンジンオイルを塗って、

前回使った塩ビソケット(DVDS40、呼び径40=外形48mm用のソケット)を使って打ち込みます。

 

インテーク側はNVCSのカムプーリーの分隙間があったのでマイナスドライバーが差し込めましたが、

それが無いエキゾースト側はもっと大変でした。

ピッキング工具は先端は折れ、曲がってしまっています。

更に折れました…。

オイルシールの中にある金属のリングを歪めたらとれるかと思って歪めてみました。

が。ダメです。

隙間にラジオペンチを差し込んでむしり取ってみようと思います。

そうしたらなんとっ。ラジオペンチは折れてしまいました…。KTCのちょっといいやつだったのに…。

使い方が悪かったのは分かっています。しょうがないです。

でもラジオペンチの残った側の先っぽを使ってなんとかオイルシールを抜く事が出来ました。

やっぱりオイルシールを抜く為の専用工具が必要ですね。

ピックツールも壊れてしまったので、次回の為に新しい工具を揃えておきます。

ストレート シールプーラー 19-379 \2,400

Fenteer シールプーラー \280

KTC ラジオペンチ PSL-150 \1,992

塩ビソケットを使って新しいオイルシールを打ち込み、

カムシャフトのオイルシールはなんとか交換出来ました。

 

3日目。夕方から雨の予報なので朝早くから作業開始です。

ウォーターポンプの取り外しからです。

本当はシリンダブロックの冷却水を抜いてから取り外すべきなのですが、

サービスマニュアルのシリンダーブロックのドレーンの拡大図を見ても、

それがどこにあるんだかわからない。

で、結局またウォーターポンプを取り外した時に大量のLLCを放出させる事にしてしまいました。

回収出来たLLCは1L程です。多分0.5L程撒き散らしてしまいました。

古い液体ガスケットと散らかったLLCを綺麗に掃除します。

恒例の新旧比較。

古いウォーターポンプ(上写真上)はプロペラにサビも無く軸にガタや漏れも無く、

まだ何も問題ありませんが交換しておきます。

AISINのウォーターポンプにはガスケットが付属していましたが、

サービスマニュアル通り前回同様液体ガスケットを塗る事にします。

液体ガスケットは、11年前のタイミングベルト交換の時に用意した、PITWORK 1218B です。

サービスマニュアルでは1207Cを指定していますが、

耐オイル性、耐LLC性のこれで今まで特に問題ありません。

ただ、チューブの中身が若干固くなってきている様で、絞り出すのに力が必要でした。

箱には開封後は6か月以内にお使いくださいと書いてあります…。

と、この記事を書いている時に上写真を見ていて間違いに気が付きました…。

液体ガスケットをボルトの外側に塗ってしまっていました…。

これじゃボルトの所から漏れます…。やり直しです…。まだLLCを入れてなくて良かった。

→当日夜、雨が小降りになってきたのでやり直しました。

こちらが正解です。

液ガスを細いノズルから押し出す力が尽きたので、マイナスドライバーで塗りたくりました…。

 

ウォーターポンプの間違いに気が付かないまま作業は進みます。

次はクランクシャフトのオイルシールの交換です。

既に半壊しているピックツールで古いオイルシールを外します。

前回もそうでしたが、ここは意外と簡単に外れてくれました。

塩ビソケットで新しいオイルシールを打ち込みますが、中々入っていってくれません。

それでもなんとか打ち込む事ができて、仕上げに指で確認してみると何とっ。

シャフト側のオイルシールが捲れてしまっています…。がっかり。

仕方無いのでそのまま半壊ピックツールでオイルシールに穴を開けて取り外しました。

やり直しは出来ません。急いで新しい部品を発注しないと。

 

もう雨が降ってきそうなので、

クランクシャフトのオイルシールを打ち込むのに影響しない所を急いで組み立てていきます。

タイミングベルトカバーリアを取り付けてからカムプーリーを取り付けます。

カムプーリーのボルトを規定トルクで締め上げる為に、

保険として古いタイミングベルトを一時的に取り付けます。

新しいテンショナーを仮付け、アイドラープーリーを指定トルク(4.4kg-m〜5.9kg-m)で取付、

クランクタイミングプーリーを仮付け、タイミングベルトを位置に注意しながら仮付けします。

エキゾースト側のカムプーリーは1.4kg-m〜1.9kg-m x4本です。

この状態でベルトを手で押さえる程度で規定トルクで締め付けられます。

インテーク側は11.0kg-m〜12.0kg-mです。

インテーク側のロッカーカバーを取り外してカムシャフトをモンキーでつかみ規定トルクで締め付けます。

 

ロッカーカバーのパッキンとサーキュラープラグを交換します。

4年前に交換しているのでまだ痛んでいる風はありませんが、

ついでなので、いや再利用不可なので新品に交換しておきます。

パッキンのエッジ部分(カムプーリー裏辺り)と、パッキン同志が接する部分(サーキュラープラグの所)に、

液体ガスケット(前出1218B)を少量塗っておきます。

ロッカーカバーを取り付け(両方)、その間のオーナメント(フタ)を取り付け、

NEOの巨大なインマニコレクターを取り付けていきます。

ラジエターも取り外したままだと保管しているのが邪魔なので取り付けてしまいます。

雨がいっぱい降ってきたのでここまでとします。

室内でこの記事を書いています。

この後夜、雨が小降りになったので上記ウォーターポンプの取付をやり直して、

LLC(元々入っていた物)を入れました。

ボンネットダンパーが劣化してきているので、

雨で濡れて定格より重くなったボンネットは突然閉じてしまいます…。

つっぱり棒で閉じない様にして小雨の中作業してました。

 

4日目。クランクオイルシールが届いたので続きです。

クランクシャフトオイルシール … NISSAN 13510-10Y10 \472

すごいですね。注文翌日に届きました。でもオイルシールより送料の方が高かったです。

前回の失敗を踏まえて、クランクシャフトとハウジング、

オイルシールにたっぷりとエンジンオイルを塗っておきます。

前回はこれが足りなかったんですねきっと。

慎重に手で押し込んでいきます。塩ビパイプより感覚が伝わるので。

そうしたら手で入り始めました。大丈夫。今度は捲れていません。

あとは塩ビパイプを使ってハンマーで奥まで打ち込んでいきます。

ちゃんとつきました。

クランクタイミングプーリーを取り付けて、待望のタイミングベルトを取り付けます。

テンショナーはベルトにテンションがかからない状態で仮固定しておきます。

タイミングベルトがついたらテンショナーのボルトを緩めてベルトにテンションをかけて、、

クランクプーリー(補機ベルト用)を仮付けして、クランクプーリーを手でつかんでクランクを2周させます。

心配なので更に2周させてベルトをなじませました。

この状態が正しいテンションがかかっている状態です。

ですが、更に気持ちテンションをかけながら、

テンショナーのボルトを指定トルク(4.4kg-m〜5.9kg-m)で締め付けます。

仮付けしたクランクプーリーを取り外し、タイミングベルトカバー下を取り付け、

クランクプーリーを取り付け、ボルトを適当に締め付けておきます。

クランクシャフトには固着防止にウレアグリースを薄く塗っておきました。

タイミングベルトカバー上を取り付け、

クランク角センサーをマジックで書いておいたマーキングに合わせて取り付けます。

クランク角センサーのブラケットとクランク角センサーの腐食をヤスリで削り、

腐食防止にウレアグリースを薄く塗っておきました。

補機ベルトを取り付け、FANも取り付けます。

エアダクト一式も取り付けます。

最後の仕上げに、クランクボルトを指定トルク(14.5kg-m〜15.5kg-m)で締め付けます。

締付方法は前回同様、自作冶具を使いました。

エンジンをかけ、水漏れ、オイル漏れ、異音が無い事を確認して、

NEOのカバーとアンダーカバーをつけて完成です。

またこの先10年100,000km安泰です。

 

 

 

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