韓国旅行その2
1998
11日〜13
日付内容行き先
動機+1998.03.09そしてまた韓国へ。ご近所(笑)
1日目1998.03.11カモカモN西君。明洞、梨泰院、ロッテ百貨店、南大門
2日目1998.03.12観光に目覚める。(前編)景福宮、安国(仁寺洞)
観光に目覚める。(後編)安国(仁寺洞)、?、ソウルタワー、漢江
3日目1998.03.13あれ?無くなってるっ!!帰国

「3/11(水)」

 A.M.9:00。
ペ「おぉっ、いきなりかよ」

I「いや〜、出だしから撮るって言ったにか。(笑)N西、まだ来てないがんだけど」
 玄関のドアを開けるとI川君が8mmカメラを手に、撮影しながら出てきた。彼の家は空港に一番近いので、待ち合わせ場所にしていたのだ。空港へは僕の家のワゴン車に皆を乗せて、向かうことにしている。

I「いや、晴れて良かった」
ペ「寝れたけ?」
I「うん、寝た寝た。めっちゃ寝た」
 僕はなかなか寝付かれず、気を紛らすため(また興奮していたのか?)漫画などを読んでやっと寝たのに。うらやましい。
I「何か、このバッテリー、1時間しか持たんみたいなんぜ」
 I川君は、ビデオカメラのバッテリーを心配している。N西君が来るまでスイッチを切ることにして、荷物を取りに家の中に戻っていった。僕はどのくらい荷物も用意したのかな?と思いながら待っていると、N西君、ふらふらと自転車に乗ってやって来てしまった。ビデオカメラは用意されていない。慌てて、I川君を呼ぶ。
ペ「遅いから、また補導されたかと思ったよ」
N「今度は、そんなこと無いっスよ。(笑)」
 やっとI川君が出てきた。N西君の来る姿を撮れず残念そうだ。
ペ「はいっ、NG、NG。戻って戻って、自転車乗ってるところからもう一度行ってみよう。(笑)」
N「ああ〜、すっごく悲しい〜」と言いながらもやり直す。「やらせ」だが、I川君は満足そうだ。

 持ち物の話になる。N西君の荷物がすごく重たい。はじめてだから準備が過ぎたのかと思えば、カバン自体が重たいのだと言う。なるほど、持ってきた物はあまり僕と変らない。3人揃ったので出発することにした。

 車内のFMからは映画「タイタニック」のテーマ、「MYHEARTWILLGOON」が流れてきた。僕はこの映画を見に行っていたので、この曲はすぐ判った。そのまま映画の話になる。とりわけ、僕とI川君は映画が好きなのでよくこんな感じで話し込むことが多い。そして「マーズ・アタック」の話題となり、N西君も参加してきた。
N「インディペンデンス・デイ、やっと見れたんスよ。もろ、マクロスじゃないスか」
ペ「そうなん?いや、見てないんだけどさ」
 ローランド・エメリッヒ監督の作品は、「スター・ゲイト」の苦い経験から、以後の作品は見ていないのだ。また僕が感じた「マーズ・アタック」の感想を続ける。そして話しがだんだんとヤバイ方向へ流れると、
I「今の会話、全て録画されとんがだけど。(笑)」
 口数が少ないと思ったら、ビデオをずっと撮っていたのだ。かまいやしない、こーゆーのも後で見返すと面白くなるのだ。I川君によると今日、韓国は雨らしい。僕が今朝見た新聞では曇りだったのだが、本当なら大変だ。前回ほとんど傘を使わなかったことから、傘を持ってこなかったのだ。まぁ、傘については向こうでも十分手に入るはずなので、深刻な問題でもない。N西君がタバコを持ってきたか、I川君に聞いている。I川君は免税店で買うつもりらしい。もちろん2人の年齢では煙草を吸うのは法律違反なのだが、I川君は親公認で、N西君は隠れて吸っているのを僕は知っている。免税店で買うのは正解だ。僕は吸わないのでよく判らないが、驚くほど安く買えるらしい。

 空港駐車場に着いた。I川君は撮影にかかりきりで、N西君に荷物を車内から出してもらってる。僕は忘れ物が無いか心配で、2人に再度確認を取る。冗談でI川君が、切符忘れてきた!とか言ってる。それが一番怖い。切符は事前に個人で管理するようにしていたからだ。出国書類はI川君のお父さんが仕上げてくれていた。I川君に確認するように言われ、見てみると僕の書類の職業欄には「学生」と書かれていた!あわてて書き直す。仲がいいからといって、学生じゃないっスよぅ〜。I川君、N西君バカウケ。幸い他に大した問題は無く、荷物を預け空港免税店に。パスポート・切符は、たまたまN西君のポケットが一番出し入れしやすい形をしていたので、出入国管理表と共に全員の分を預かってもらうことにした。免税店では、韓国でガイドとしてお世話になるPさんへの土産「カミュのナポレオン」2本(I川君のお父さんに言われて、我々はこれをお土産に決めた。どうやらお酒を集めるのが趣味らしい)、I川君は個人用に煙草1カートン、N西君は煙草2カートン買った。煙草2カートンは個人の免税範囲を超えるので、どうするつもりなのかと思ったら、N「ペルシャさん、これお願いします。(笑)」内1カートンは僕に持ってもらうつもりだったのだ。要するに密輸(脱税)である。しかし頭は良い、ちゃっかりしてる。中国から帰国した時の税関を思い出した。アナウンスが入る。今回も飛行機が遅れた(前ほどで無くて安心)らしい。田舎の空港の悲しさ、免税店も小さく、暇になってしまうがI川君とN西君は腕時計とZIPPOライターに見入っていた。そして雑談。僕はN西君に体験した「明洞の様子」などを話す。I川君はビデオで、待っている人の様子を撮っていた。
 
I川君(左)N西君(右)、犯罪の瞬間。(笑)久しぶりだったので免税店が4階(レセプションルーム)と勘違いしてしまうが、他に2名の女子が同じ間違いをする。
 ようやく飛行機が到着した。出国手続きを済ませ、搭乗開始。飛行機につながる廊下でI川君は、またビデオで撮り始めた。こいつです。

I「やっと、やっと飛行機に乗れるう〜」

ペ「密輸を。(僕が)吸いもしないタバコを持ちこんで。こいつが、犯罪者です」とN西君を指差すと、I川君も「こいつです」と言って笑ってるN西君の方にカメラを振った。
ぺ「いやがる俺に、無理やり2,000円握らせて!(笑)」
I川君ウケる。

 税関は撮影厳禁だったので、そのことを言うとI川君はここでビデオを切った方がよいと判断したようで、撮影を止めた。僕は見たこと無いのだが、彼は「気分は上々!」と言うTV番組が好きで、今回のビデオもその番組のように機内の様子も撮るつもりだったらしい。しかし、何かで知っていたのだが、機内は電子機器に影響があるため、ビデオカメラの使用はいけない筈である。と言うことで、機内のビデオ映像は無い。離陸間近になりジェットエンジンがうなり始めると、N西君の顔がだんだん青くなってくる。彼は飛行機に弱かったのだ。面白い。そのためか、離陸するとすぐN西君は寝てしまった。

 途中、やはり同じようなメニューで機内食が出た。2年余り経っていてほとんど進歩していない。ある意味すごいことだ。N西君を起す。弱ってるはずなのに食べる時は元気だ。そして食べ終わるとまた寝てしまった。これもある意味すごい。僕はこの機内食について来る「アシアナ・ナイフ、フォーク、スプーン3点セット」がすごくいいとI川君に言うと、もらっておけばと言う。
I「ウチの親父なんて、しょっちゅうもらって来とるぜ」
 
聞くと「3点セット」は機内食の料金に含まれているらしいので、僕ももらっておくことにした。









 アシアナ航空、B737到着。3階、免税店からの風景。
金浦空港到着
近代的なソウル。
 
厚い雲を抜け、飛行機が着陸した。あぁ、まただ。まだシートベルトサインが消えていないのに次々と席を立ち、荷物を取ろうとする人々。注意を聞かなかったのだろうか?同じ日本人として恥ずかしい。スチュワーデスさんも困り顔だ。僕やI川君はわかってるので最後に出ようと言う事にした。どうせ荷物があの「廻る所(航空関係の方。あれがなんて言う名前か教えて下さい。)」に出てくるのに時間がかかるのだ。停止するのを確認してからI川あぁ、どうも。君がビデオを撮り始めた。
I「着きま〜したー」
ペ「着きま〜したー」I川君、N西君を呼ぶ。
N「あぁ、どうも」ものすごく寝ぼけた顔をしてる。


大韓航空機。金浦空港は雨だった。 あんまり寝てない、と言ってる。よく寝ていたようだが。I川君が言った通り、雨が降っている。傘を買わなくてはいけないだろう。
I「雨、降ってま〜す」そういいながら窓の外の風景を撮っている。
ペ「誰も傘持ってきてません。この用意の悪さはいったい…。(笑)」I川君、ウケてる。
 どうもビデオカメラがあると、芝居ががってしまう。熱くて脱いでいた革ジャンを着る。
I「で、傘買ったとたんにまた雨降らんくなって…。(笑)」僕の前の旅行での「Y岸」のことを言っているのだ。
ペ「“その後、一度も使われなかった”とか。(笑)今日、(ソウルタワーから)夜景見る予定だったんになぁ、これじゃ夜景もパーか?もう」N西君は、降りていく人たちをきょろきょろ見ていた。そろそろ乗客も少なくなってきたので、我々も降りることにした。

N「みんなのパスポートって、預かっとったけ?」
ペ「な、何っ…何を寝ぼけたことを。(笑)」税関へ向かう途中、とんでもないことを。
I「てめぇ、てめぇ、てめぇぶっ殺すぞ。(笑)」
N「まじめに。パスポート預かっとたけ?」と結構真剣な顔で、再度I川君に聞いている。ちょっとやばい。I川君がN西君の身体検査を始める。
I「逆ポケット!ほら、出しなさい(笑)、俺のパスポート。取って」無事にあってN西君、笑ってる。彼はこんな風に、本気か冗談かわからないときがある。

I 「動く歩道ー、動く歩道ー」 「動く歩道」に乗る。
I「N西君は、入国許可証を、ちぎったそうです。(笑)さぁ、彼だけ(入国出来ないのか?)パスポートに書類を折り込んでいて、ちぎれてしまったのをからかっている。僕は、今日も3重衝突が見られるのか?と前の旅行初日の話を2人に聞かせた。話し方が面白かったのか、2人ともウケる。

廻りながら出てくる所。まだかな〜。 P.M.2:34。荷物が「廻りながら」出てくるところについた。N西君も無事、税関を通過。僕とI川君は、税関で「ピピピ」と鳴ってしまった。僕は以前の経験から上着のポケットに気を取られていて、ジーンズのポケットから財布を取り出すのを忘れていたのだ。N西君、「まだまだ甘いな。(笑)」とか言って、僕達をからかってる。さっきまで税関通れるかどうか、不安だったくせに。割と遅く飛行機を降りたにもかかわらず、まだ僕達の荷物は出てこない。いったい、あんなに急いで降りた人たちは、どのぐらいここで待っているのだろう。僕が空港内の両替の場所を思い出して、2人に説明する。W(ウォン)に換えるのは僕は5万円、I川君は3万円。僕は、これから「軍屋」で革ジャンを買うかもしれないのでこれだけにしたのだが、I川君はお父さんの情報によると外貨(日本円のまま)が強く、Wで買うより安く買えるらしいのでこれだけの両替にするそうだ。僕はそれを聞いて、中国では2種類の貨幣が流通しており、外国紙幣(ワイホウ)で買ったほうが人民紙幣(レンミンピー)よりも安く買えたことを思い出した。今の話は中国と似ているということを2人に話す。N西君、迷っていたがI川君と同じだけ両替することにした。前より、ほんのわずかだけレートがよく(Wが安く)なっている。

拉致

 金浦空港にはロッテ観光の人が迎えに来ていた。これは事前に聞いている。空港とホテルの送り迎えだけ、ガイドしてもらえるのだ。ガイドさんは若くて結構いい女の人だった。前とは大違い(失礼な話である。チョイ、ごめん。)
である。日本語も上手い。ワゴン車に乗り込んで出発。車内でお決まりの「今まで韓国に来たことがあるか」「何をしに来たか」と聞いてきたので、僕とI川君は1度来たことがあり、目的は買い物だと答えた。ついでにプラモデルのことも聞いてみることにし、「ブラックホーク」の説明書を見せながら説明する。やはり女性だけあってか、判らない様で運転手のおじさんに聞いてくれるが、やはり判らないらしい。ロッテ観光の人に、光化門旅行社のチョイのことを聞いてしまう。当然であるが、知る由もない。どうもプラモデルのことになると熱くなってしまって常識が飛んでしまう。僕だって、近くの同業であっても他の店の人のことは知らないのだ。
ペ「あぁ、やっぱり…知らないか」独り言の様につぶやく。
 前に見た文房具といっしょになっている店の話をしたところ、東大門の方にあるのじゃないか?ということになり、行くかもしれないので、ハングルで「文房具店の問屋はどこにありますか?」と言うのを書いてもらった。

 街は次々と懐かしい景色に。ワゴン車はそのままホテルに直行すると思いきや、東和免税店に連れていかれる。免税店に行くなど聞いてなかったので(I川君も知らなかった)、なんでこんなところに行くのか不安になる。新手のキャッチセールスか?このとき3時50分。ガイドさんが4時10分まで、お買い物タイムにすると言ったのだが、N西君が10分間と勘違いして「少ない」と言ったところ、4時30分にされる。別に買いたい物もなく、出かける予定もあったので迷惑な話だ。実際、我々には時間がないのだ。

 I川君とN西君はこういったビルに入っている免税店は初めてのようで、いろいろと見て廻るが免税店は思ったより狭く(ロッテ百貨店のより狭い感じ)、時間を持て余してしまう。やはり30分いらないくらいだった。僕はガイドさんに悪いので仕方なく韓国伝統のお菓子を買ったが、25,000Wと大きさの割に高かった。I川君、N西君は腕時計、ライター、アクセサリー、バッグなどを見ていたが、ここでは結局、何も買わなかった。2人は賢い。…40分間は長い、3人とも暇になる。一刻も早くホテルに行きたかった僕は、車に戻ってガイドさんに買い物が終わったと言えば出発してくれるだろうと考え、みんなで実行。しかし、車には運転手のおじさんが乗っているだけで、ガイドさんがいなかった。おじさんの身振り(この人は日本語がしゃべれない)から判断して、車内で待つことにした。
N「あのキムチって言うのは、日本語じゃないっスか?」ハングルに混じって、「キムチ」「辛子明太子」など日本語で書いてある。
 I川君、ビデオで撮り始める。N西君が近くの店を見て、日本語が結構書いてあるといっている。

ペ「(日本人は)カモカモって感じ」


 僕達がガイドさんを巻いてしまったのではないか?と言うことを話し合う。交代で免税店に戻ってガイドさんを捜すが見つからない。結局、ガイドさんが戻ってきたのは約束の時間であった。来店記念(ロッテ観光利用記念かも?)に竹塩石鹸をもらう。車が明洞に近付き、見なれたロイヤルホテルに到着した。

 ロビーでガイドさんが手続きをしてくれてる間、I川君がビデオで撮り始める。N西君は眠そうだ。僕は、この辺は自分の庭のようなものだと冗談を言う。
ペ「存分に楽しんでいってくれ。(笑)」
I「や、実はここ、俺ん家なんだけど。(笑)」
ペ「うん、完璧完璧。(笑)」
 他に近くの31アイスクリームの店や、あの怪しいゲームセンターがあることなど話す。特にあのゲームセンターで遊べるゲームが、いまだに「バーチャ・リミックス」だったら面白い。I川君も、それはありうるかも?と笑ってる。手続きが終わり、どうやら部屋に移動できるらしい。I川君はPさんに電話をしなければ、と言ってる。

 Pさんとすぐ会うことになっていたので、夜になってから東大門に行こうか、などと話しているとガイドさんは「夜の東大門は危ないです」と言う。ガイドブックで「夜9時から賑わう東大門」と言うのを見ていたので、おかしいなとも思ったが現地の人、とりわけガイドさんが言うのだから間違いないだろうと思い、行くのはあきらめることにした。後でロッテ百貨店の免税店に行くかもしれないとガイドさんに言ったところ、免税店に入るための書類を渡したいので用意してくると言う。その間に僕達は荷物を部屋においてくることにした。ロイヤルホテルの部屋番号は711、係は李さん。前と全く作りが同じ部屋である。今回もツインの部屋にエキストラベッドが入れられる。まぁ、力関係から言って間違いなくN西君が使うことになるであろう。(笑)一番からだが大きいので面白い「絵」になりそうだ。

 I川君がPさんの携帯電話に電話するが、なかなかつながらない。かけ方は合ってる。今度は自宅に電話するが、留守の様で留守電の応答メッセージのようなものが流れているらしい。ただ、韓国語が判らないので留守電なのか、電話番号が使われていないというメッセージなのか判断できない。仕方ないのでこの後ガイドさんに聞くことにし、荷物を置いてパスポートなどの貴重品をフロントに預けることにする。ここでちょっとした事件発生。5万円分両替した財布が膨らみすぎていて、僕のジーンズのお尻のポケットから取れなくなってしまったのだ。I川君、N西君バカウケ。N西君に引っ張ってもらうが、全く取れない。ジーンズを脱いでようやく取ることが出来た。こんなことになるとは。このままでは都合が悪いので、何ヶ所かに分散してお金を入れておくことにした。

行動開始

 雨が降り続けているので僕の一眼レフ、I川君のビデオカメラは置いていくことにした。その間、ビデオのバッテリーを充電しておく。そのため、ある意味1番面白かった初日が残っていない。
準備をして降りていくと、ガイドさんはロビーで待っていた。事情を話し、ガイドさんに頼んでPさんに電話をかけてもらうと携帯の番号が間違っており、2度も他人に間違い電話したことがわかる。買い物をする目的もあり、このまま待っているのも時間が惜しかったので、Pさんの自宅の留守電にメッセージを残し(I川君が後で電話下さい、と言った後「お願いします」と言わずに電話を切りそうになったので僕とガイドさん、慌てる。最近の若い者は!と思う)、「軍屋」に出かけることにした。ガイドさんは帰る日の集合時間を告げ、帰っていった。

 I川君は「軍屋」の名刺を持っていた。見ると住所は「梨泰院(イテウォン)」だった。
前回、チョイから説明を聞いて行ってみたいと思っていたので丁度都合がいい。地理的に見て(近くに地下鉄がない)、タクシーを使うことにする。帰りのことを考えて、ガイドブックで梨泰院辺りの地理を確認する。通りに面してハミルトンホテルがあった。ここからタクシーを拾えばよいだろう。外国では、流しのタクシーを捕まえるのは難しいし危ないと聞いた。ホテルからが安心だ。ホテル出口の模範タクシーに乗り、名刺を見せる。ところがこの名刺は、漢字で書かれていたのだが運転手が理解できない。漢字ではだめなのだ。細かい住所を韓国語では何て言うか判らなかったので、とりあえず判る単語「イテウォン」を告げ、向かってもらうことが出来た。後は現地でガイドブックを見れば何とかなるだろう。

 程なくして到着。ハミルトンホテルの向かい側辺りで降りた。来る途中の坂が印象的だった。この坂を走っている間、前に行った垢すりサウナはこの辺だったのかなぁ、と思う。ガイドブックを見て歩きまわるが店が判らず、道を往ったり来たり。途中、道沿いに並んでいる屋台でネクタイを2本買う。今回はシルクのものはないようだ。残念。呼び込みも結構ある。これこれ、やっと韓国に来たのだと言う実感が沸いてきた。N西君も屋台に興味があるようだ。I川君は「軍屋」がなかなか見つからないのであせってる様子。雨がひどいので傘を買おうとハミルトンホテル横のハミルトンストアに入るが、売ってなかった。2人は濡れても大丈夫だと言っている。うーむ、僕は髪の毛が心配だ。どこかで傘を手に入れねば。ハミルトンストアから出たとき、ショーウインドーの中に変なピカチュウが刺繍されている子供向けのジージャンを見つけた。僕とI川君、ウケる。

 ハミルトンストアから少し歩くと観光案内所があった。ここの係の女の人は日本語が判らないがとても親切で、名刺を見せると店に電話をかけて場所を確認してくれた。親切な対応に少し感動。教えられたように歩く。店を発見。ガイドブックの地図よりも距離が離れている感じだ。

軍屋でハマる

 「軍屋」はなるほどI川君が言う通り、フライトジャケットや革ジャンの専門店の様だ。店長(オーナー?)さんは少し日本語が話せるおば様である。革ジャンが似合っている。きっと昔はかなりのイイ女だったに違いない。少し迷ったが、I川君の勧めにより「A−2」を買った。彼によると日本で買う半額ぐらいだそうだ。「負けてもらおう」と思って交渉してみるが、最初は断られてしまう。価格表示のない店で、こんなことは初めてだ。その後何とか食い下がって少し割り引いてもらった。I川君は「MA−1」に似た革のフライトジャケット、N西君は革のスタジアムジャンパーを買った。特にN西君のはイイ。しっくりとハマっている。N西君は最初買うつもりはなかったようだが、試着しているうち「ぴったり」の服が見つかったので僕とI川君の勧めで買うことになった。彼は本当に似合ってるのかどうか首をかしげていたが、誰がどう見てもこれ以上ハマっている服はない。レジ前に名刺が置いてあった。見ると2種類あり、一方はI川君が持っているのと同じ漢字のもので、もう一方は英語のものだ。これで韓国では日本人観光者向けの名詞が存在し、店においてある名詞だからと言って韓国の人に通用するとは限らないということが判った。読み方が英語で判るので、もらう時は両方もらっておくのがいいだろう。正直言ってここに来るまでフライトジャケットにはさほど興味がなかったのだが、すっかり気に入ってしまった。

 小腹がすいたので、交差点傍の「バーカーキング」で食べることにする。その交差点で信号待ちをしている時、腕時計のセールスマンが僕によってきた。少し興味があったのだが、交渉が面倒くさくて断る。何より早く食べたかったのもある。店に入ると、ここは観光地だけあって僕達以外にいろいろな国の人がいた。僕は以前、東京でバーガーキングを利用したことがあるのだが、I川君とN西君は初めてらしい。ちょっと2人を鍛える(韓国に慣れさせる)ため、1人ずつ注文することにした。僕は難なく注文できたが、I川君は注文に手間取る。N西君は、あの1つ食べたらお腹いっぱいになるバーガーを2つも買っていた。いまさらながら、彼の大食漢に驚く。彼らもこの店が気に入った様子。時間を見ると6時をまわっている。急げばロッテ百貨店も見れるだろうと言うことで、行くことにした。予定通りハミルトンホテル前のタクシー操車場へ。模範タクシーに乗るつもりだったが、ホテルマンの指示にしたがって「銀」タクシーに乗ることになる。
不安だった。銀タクシーは料金が安いのだが、「相乗り」されることがあるらしい。マナーも模範タクシーに比べるとよくなく、外国人には勧められないとガイドブックにあったからだ。しかし、乗ってみると全然マナーが悪いと言うことはなく、3人で乗っているせいか相乗りもなかったので、料金の安さだけが目立った感じである。何でも経験してみるものだ。ロイヤルホテル到着。

玩具屋さん探索

 N西君、タクシーを降りると「お釣りが足りない」とごねる。300W(約30円)違いだったので、僕とI川君はほんのわずかのことにせこいこと言ってると、N西君をからかう。でも前に乗った模範タクシーではなかったことだ。これが「外国人には勧められない」と言う理由なのだろうか。

 部屋に荷物を置きに戻った後、すぐにロッテ百貨店に向かう。以前使った地下道から行くことにした。雨は相変わらず降っている。地下道に入ると生暖かくて、濡れた服が気持ち悪い。6時半を回っていたので焦っていたが、道を覚えていたのですんなり着く。玩具売り場。何か売り場が小さくなってませんか〜?この前の半分くらいに感じた。「タイタニック」のプラモデルどころか、プラモデル自体がなくなってしまっている。N西君は合体物を見つけて「欲しい〜、めっちゃ欲しい〜」
と、かなり騒いでいたが何も買わず、他の店も見てみようとメトロ美都波に向かってみる。ロッテの営業時間は7時半までだった。

 メトロへ行く途中の地下街で玩具屋さんを1件発見。階段近くにある小さな店で、店の外にはフック什器なども使って商品を陳列している。中には箱物の玩具も見える。ブリスター、それもアメリカのものが多くて目に付いた。おばさんが1人で経営している様だ。I川君はスポーンを見つけ、「安い」「これは日本ではプレミアが付いている」と言っている。定価が表示してあるので負けてもらうのは無理みたいであるが、交渉してみると予想通り「No,Discount.」と言われてしまう。どうやらぎりぎりの価格で販売しているらしく、十分安いといっているらしい。I川君はこの価格で満足の様で何個か買った。ここには韓国ならではの玩具やプラモデルが少ない。品揃えから見て、日本の観光客を狙っている様で「たまごっち」も売っている。勧められたので見てみると、定価より少し高い。日本ではもう下火になってきているので、まだ日本人に売れると思っている店の人が少しかわいそうになった。どこで商品情報を仕入れているのだろうか?今の日本で売れている玩具のことを話したかったが、残念ながら僕には韓国語が話せない。店を後にして、I川君はしきりにスポーンの話をする。相当嬉しいらしい。僕はI川君、N西君のように欲しいものがまだ見つからない。がっかりだ。このまま見つからないのではないか?暗い気持ちになってきて、持ってきたお金を何に使うか考え始める。

 そう言えば地下街には店が沢山ある。この間こういった店をじっくり見なかったので一周りしてみようと提案。他に玩具屋さんがあるかもしれないという期待もあった。しかし、玩具屋さんはなかった。I川君が軍屋を発見。中に入ってみようと言う事になり、ワッペンなどを見る。この店は若い男の店員さんが1人で営業している。そして雰囲気作りのためか?爆撃機のプラモデルがいくつか飾ってあった。「モノグラム」と言うメーカーの「1/48B-17」「1/48B-24」などである。コピー物とは思えない。模型専門店じゃないと買えないのではないだろうか?僕の興味は革ジャンなどのここの商品よりもこのプラモデルに向かっていた。どこで買ったのだろう?とI川君に話したところ、「聞いてみれば?」と言う事になったのだが韓国語はもちろんだが、簡単な英語もいざとなるとどう聞いて良いものやら出てこない。見かねたのかI川君が英語で聞いてくれる。それによるとこのプラモデルはこの店員さんの趣味であり(僕達も趣味ですと言うと笑っていた)、買ったところは「S」店だという。聞き覚えがあった。ガイドブックの地図にあったこの近くである。有力な情報を得た気分で、とたんに気持ちが明るくなった。お礼を言って店を出る。希望が見えたので他の店をじっくり見る余裕が出来る。ある店でタイタニックのタペストリーを発見!大きいのに8,000Wと安かったのだが、どうやって持って帰るか難しかったので欲しかったのだが、買わなかった。明日、余裕があれば買うことにしよう。

 メトロ美都波到着。閉店時間が迫っていたので急いでエスカレーターで最上階を目指し、フロアを一周しながら降りていく。雑貨屋はあったのだが(I川君、N西君ライターなどを見る。ZIPPOの2002年、日韓共同開催ワールドカップ柄のものも見つける)、玩具屋はなく、その近くの新世界百貨店へ向かうが閉店していた。時間は8時、「S」店にはもう入れないであろう。今日はあきらめることにして、近くまで来たのだから南大門市場を見学することにした。まかり間違って襲われても、空手をやっていたI川君と柔道をやっていたN西君がいれば僕は助かるであろう。

新しい手口

 N西君は「カモ」の素質があり、よく呼び込みにつかまり、商品選びによく迷う。端で見ていると「おいおい、韓国でそんな(興味だけの買うかどうか判らない)
思わせぶりな態度はヤバくないか?」と言う感じで、面白い。声をかけられるのも彼ばかりで僕は前の経験が生きているのか、ほとんどつかまらない。I川君もN西君がどうなるか興味深々で見ている。1〜2件玩具屋さんを見つけ、中に入るがN西君の欲しそうなものばかりで僕やI川君の欲しいものはなかった。ここに置いてあるものはロッテ百貨店のものとさほど変らず、価格もさほど変らない。むしろいくつかの玩具はロッテの方が安かったので、N西君は明日ロッテで買うことにすると言っていた。この南大門を歩いていると、新たな手口の呼び込みがあり、N西君がやはりその被害(?)に遭う。僕とI川君は見ていて面白かったが、彼は相当驚いた様だ。

 歩いている途中で寿司屋の看板を見てI川君、ウケる。
「見た?見た?看板に”まぐろ””ドロ”って書いてあった!(笑)」ドロ?食えねーっ、と3人で盛り上がる。でも怖いもの見たさで機会があったら3人で寿司屋に入ろうと言う事になった。

 腹が減ったのとPさんとの約束が気になったので、早めに(約束がなかったら11時ごろまでここにいるつもりだった)切り上げることにした。ホテルまでは地下鉄を利用しようとするが、南大門近くにあるはずの会賢駅が見つからず、結局ソウル駅から乗る羽目になった。ここの売店(キオスク?)で折りたたみの傘を買う。かなり小型の2段に収納するタイプでここのサラリーマンが良く持っているのと同じ物である。6,000Wであった。かなり安く感じたが、作りはしっかりしている。しかしI川君が言った通り、「その後、一度も使われること」はなかった。何かの呪いであろうか?地下鉄は慣れたもので、順調に明洞駅からホテルに戻れる。部屋に入ると、電話が鳴った。

韓国ならではの石焼ビビンバ

 Pさんからだった。無事にコンタクトが取れ、夕食を一緒に食べることになる。日本語がかなり上手だったとI川君が言っていた。ロビーで待ち合わせることになったが、どんな人か不安。実際逢ってみると小さな女の人で、僕より年上の人だった。何を話題に話をしたらいいだろう?と考える。挨拶を済ませるとPさんに我々のお土産である「カミュのナポレオン」と「お金」を渡す。Pさんはそこまですることはないのにと言いながら喜んでくれた。店に向かって出発。すっかり雨は上がっていた。何が食べたいかと聞かれたのでカルビと答えたが、今から食べるのだったら「軽いものにした方が良いヨ」とPさんに言われたので、第2候補である前回食べられなかった「韓国人が食べる石焼ビビンバ」を希望する。I川君も依存がないよう、N西君はよく判らないので僕達に任せた感じである。カルビは良い店をPさんが知っているらしいので明日食べることになった。僕は前に来たときのお気に入りの店のことを話すが、Pさんは良く知っている店があるからと、そことは反対方向へと歩いていく。まぁ、安定した同じ店よりも他の店に入って違う味を楽しむのも良いだろう。僕はどうもこういう事の冒険心が足りない様だ。同じ店ばかり行く傾向がある。また来る可能性を考えて慎重に歩いた道を覚えていく。

 細い通りに入ってある店に入る。この通りは全体が食べ物屋さんで呼び込みもすごい。普通の大衆食堂の様で、日本人は我々だけである。嬉しい。こんなところに憧れていたのだ。ここであのナポレオンを後で僕達の部屋で2本の内1本を飲みましょう、と言う事になった。Pさんが店員のおばさんを呼ぶときに「アズマー」と言ったことで、韓国語の「おばさん」「おじさん」の言い方の話に。みんなで口々に繰り返し言って(このときは気になりませんでしたが、おばさん、おじさんを連呼している日本人達ということで、韓国の人から見ると変に見えたのではないでしょうか?)覚える。

 店員さんがやってきた。石焼ビビンバとチゲ、I川君とN西君のビール(もちろん2人はまだ飲める歳ではない)、他に焼酎を注文する。数が変なので聞いてみるとPさんはすでに夕食を食べてしまったそうで、焼酎だけで良いらしい。またダイエットもしているらしいので(全く太っている様には見えないのだが)、最近はラーメンばかり食べているそうである。やはりインスタント以外のラーメンは存在したのだ。I川君と韓国のラーメンを食べてみたいという話をする。僕はPさんに何を飲むか?と聞かれたので酒類が苦手と言う話をすると、ここにジュース類が置いていないので向かいの店で買ってくると良いと言われた。何か仲間はずれの気がする。向かいの店に行き、ウーロン茶を買ってくる。何のミスもなくすばやく買うことが出来たので誰か誉めてくれると思っていたが、話をしていて僕が戻ってきたのに気付かない。ちょっと寂しくなる。


 いろいろなキムチが運ばれてきた。今回初めての韓国食である。白菜のキムチを見て、僕が真っ先に箸をつけた。くぅ〜っ、効く!前の旅行で慣れたとはいえ、脳天に突き抜ける。I川君は辛いものが平気で「美味い、美味い」と言いながら白菜キムチを食べている。I川君がN西君に食べてみるように勧める。ところがN西君は一口食べたとたんに「うわっ、カッらーっ!僕辛いの苦手なんですよ」といって箸をつけなくなった。僕とI川君、ニヤリ。これはいじめるチャンスだ。(笑)

 石焼ビビンバが運ばれてきた。ジュージューいい音といい匂い。僕はI川君、N西君にスプーンでぐちゃぐちゃにかき回すようにアドバイスする。Pさんは僕の手つきを見て、そうそうと言う感じで見ている。少し得意な気分。日本のよりも長い時間かき混ぜないとイケナイのだ。Pさん、N西君の手つきを見るに見かねてかき混ぜ方を実践してくれる。5分くらい混ぜて食べてみる。もお、これが美味いっ!特に「石」に当ってカリッと焦げているところがいい。辛いのも韓国人向けと言う感じ。I川君もただもくもくと食べるばかり。N西君は先ほどのキムチに舌をやられたのか(以前の唐辛子キムチを食べた僕と同じ。)、熱くて食べられないらしい。盛んに「熱っ」とか、「辛っ」とか言って食が進まない。少し食べてはビールをがぶがぶ飲む。飲めない僕には信じられないペースである。I川君はN西君と自分の方が酒に強いと言う自慢話(?)で競い始める。僕は何がすごいんだか、と言う感じで話を聞いていた。ビールの味はあっさりしていて日本のより薄いらしい。アルコール度数は変らないらしいが。その話を聞いて、中国のチンタオビールを思い出す。I川君が韓国の金属製の箸がいいと言っていたら、Pさんが明日行く店でもらえる様に頼んでみると言ってくれた。テーブルのコンロに乗っていたチゲのお湯が煮える。

 チゲは海鮮であった。スープはキムチ色で魚貝類が具になっている。他に豆腐や餅も入っているらしい。スープのキムチ色を見て、前の旅行で舌に合わなかったキムチ鍋のことを思い出し不安になる。

N「あっ、僕、魚貝類だめなんですよ」
ペ「何ーーっ、お前寿司屋でバイトしてただろうっ!(笑)」
 どうやら話によると魚貝類、特に海老やカニがアレルギーで「じんましん」が出るらしい。この頃、寿司屋でアルバイトしていたのを知っていたので不思議な感じである。触るのは平気らしい。僕もキムチスープが合わなく豆腐や野菜を食べていて、せっかくの海鮮チゲも具のほとんどが食べられなかった。N西君はこの鍋でも「熱いっ」「辛いっ」と言いながら、結局ビールを1人で6本空けてしまった。今度はウーロン茶がいいと僕のように向かいの店に買いに行った。その間に悪巧み。N西君を辛いものに慣れさせようとPさん、I川君と計画を練る。N西君が戻ってきた。言葉を知らないので大丈夫かな?と思ったが、あっけないほど簡単に買えたようだ。

 Pさんが注文の追加。店員のおばさんを呼ぶときに、さっきと違う言い方をした。Pさんは僕の疑問に思った顔を読み取ったのか、説明。
P「今ね、オンニ、お姉さんと言ったね。(笑)若く言った方が気分がいいでしょう?」
 お世辞(?)を言ってサービスを良くしてもらうためであったのだ。

 もうお腹いっぱい。ホテルに戻って話をしようと言うことで店を後にする。向かいの店で「海苔」「裂きイカ」などのつまみと水割り用のミネラルウォーター。僕用のウーロン茶を買って帰った。慣れたとはいえ久しぶりだったのでキムチの辛さで血圧が上がったのか、脳がしびれた様でボーっとしている。

酒宴

 部屋に戻ってI川君がビデオをセッティングする。バッテリーがもったいないので部屋のコンセントから直接電源を取り、僕が持ってきた三脚に固定する。ロイヤルホテルの部屋は照明が暗い。きちんと写るかどうか心配だ。Pさんが今日どこへいってきたか?と聞いたのでI川君が説明。短い時間にいろいろ周れたので僕をすごいと言っている。少し得意になる。

P「誰の誕生日なの?(笑)」ナポレオンをみて、Pさんが冗談を言う。
N「ぼ僕、誕生日でもこんなことしたことありません。(笑)」
I「やぁーもう、かなり飛んだよね、ビデオの間隔。いきなり夜だからね」
ペ「雨降ってたからな、(ビデオを)
持って外に出れんかった」

ペ「明日の天気はどうなるんですかね?」
P「明日、天気、良くなるみたいね」N西君、少し天気の話。
ペ「じゃあ、やっぱり明日ソウルタワーに行ったほうがいいわ。夜景が綺麗だから」
P「夜景が、綺麗よね」

 ここから僕を除く3人は酒の勢いでハイテンションになり、話がかみ合っていないのに盛り上がっていく。酒を楽しむことの出来る人がうらやましい。

<省略>

ハイテンションになっていく。誰か止めてーっ!

 だんだんと支離滅裂な会話となり、ビデオに向かってそれぞれ一言しゃべって午前2時ごろ、この酒宴は幕を閉じた。
N「ペルシャさんのことを先輩と呼びまーす。愛してるぅ〜」
 
はあ。
 Pさんが帰る時1階まで送っていこうとしたのだが、1人で大丈夫だとよろよろと帰っていった。だいぶ酔ってるよ。大丈夫かなぁ。

 その後、N西君はベッドのすき間にはまり、出られなくなる。更にトイレから戻るI川君をバイオハザードのゾンビの真似で、ベッド脇で待ち受けたりしていた。やっぱり変だ。ベッドではまるで修学旅行のように、普段は恥ずかしくて言えないような事を話しながら自然に寝入っていった。


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