思いつくまま印象記 旅体験あれこれ その26
    行ける時に行っとこ、お手軽、近場、信じられない価格
 江南10都市周遊の旅 
正味5日間
 
はじめに…三上にとっては13年(8年)振り、中国へ。こんなに安くていいの?パックツアーで。 
 6月4日〜7日に西矢のお母さんと釜山・慶州への3人旅に続いて、今度は中国江南へのパックツアーに参加することにしました。日程は7月13日〜19日。「まるごと!ザ・江南10都市周遊7日間」と銘打っていましたが、初日ホテル到着は24時近くで、最終日も早朝ホテル出発ですから、正味は5日間ということになります。
 江南へのツアーは色々企画されていて、段々訪問先が増え、価格も低く抑えられていました。この時期なら他の色々とぶつからないなぁと思って、ネットで予約したら、「キャンセル待ち」でした。ダメもとで待ったのですが、早目にOKの連絡が来ました。
 燃油サーチャージに12,000円必要ですが、本体価格は何と29900円。ホテルには6泊しますし、食事も全部ついていてこの価格ですから驚きます。どこを叩いているんでしょうね…。現地の旅行会社に丸投げなのでしょうから、そこの甲斐性なのでしょうか。お土産屋さんに連れて行かれるのは安く上げるためでしょうから覚悟の上でした(買ってくれるメンバーがいたのでひと安心)。着いてからは全てバス移動ですから、「お任せ楽チンツアー」となりました。
 西矢は摂津市の活動繋がりで上海万博へ出かけたり、長春市北方の学校での交流授業とかで中国を訪れています。三上は1999年の春休みに北京・洛陽・西安・上海のツアー(この時は妙さんとその旅仲間一緒)に参加して以来13年振りの中国行きになります(マイレージでの大連・旅順の旅もありましたが、それは8年前、正味2日間の駆け足の旅でした)。
 
上海航空で2時間少し、着後直ぐにバスで蘇州へ。時差1時間、ホテル到着は夜11時半(現地時間)
 関空発19時30分ですから、市バス午後3時20分出発というゆとりのスタートでした。いつもの関空快速でしたが、息子の任地へ日本食食材を持てるだけ持ったバルセロナの旅と違い、随分身軽な旅でした。久し振りに荷物は機内持ち込みだけでした。
 パックはジャスト30人で、この1団だけでした。僕達も阪急トラピックスでしたが、この旅行会社が強く、翌日の朝食は日本人だらけで、どれもトラピックスの色違いのバッジを着けられていました。成田からのツアーもあり、バス何台かで一団というパックもあったみたいです。ガイドさんは上海の男性、陳さん。女性の大学生が写真係兼助手で同行しました(日本語勉強中)。  
 江南ですから、長江の南側に点在する古い町並みを巡ることになります。焼き物で有名な景徳鎮に表れるような「鎮」は町という意味ですから、古い町並みを「古鎮」と言うようです。そして長江下流の町ですから水郷地帯でもあり、歴史上重要な役割を果たした運河もあります。
 その水郷古鎮の典型が最初に訪問した「千灯」ということになります。そして「錦渓」へ向かいました。当初のプランではここは翌日の一番初めに訪れるスポットなのですが、距離的に近いので現場判断で変更され、素人目で見ても好判断だったようです。
 錦渓で運河遊覧も実施。この後も色々な水郷・遊覧船がありましたが、周りの景色や静けさ、水の綺麗さ、総合的に見て遊覧船としてはベストの場所だった気がします。
 
 
▲早速、記念集合写真。旗を持っているのが陳さん ▲千灯の水郷風景  
▲錦渓で遊覧船に乗る ▲錦渓の水郷沿いで
昼食・夕食は料理店で。どれを食べてもあまり変化なく、価格的に抑えられている印象でした
 夕食をホテルに着いてから食べると高くつくのでしょうね。ホテルは朝食バイキングのみでした(バイキングはホテルのランクが上なので、料理も結構豊富でした)。昼食と夕食は、庶民的な店でいただくことになります。蘇州料理、杭州料理、無錫料理、…です、と言われてもこちらに予備知識がないこともありますが、どれも似たり寄ったりという印象でした。
 予約を入れているからでしょうが、着くなり直ぐに料理が出てきて、ドンドン並べられ、ターンテーブルはたちまち満杯になります。取り皿が小さいこともあって、急いで食べないと次のものが食べられないので、何だかせっつかれるような食事タイムが多かったです。30人なのでテーブルに10人と効率的な配置ですが、その分少し狭苦しい印象でした。
 ただ、さすがに中華料理、必ずお茶が出ますから、余計なドリンクを頼まなくてもいいので節約にはなりました。ただ、温かい麦茶が出た時には、それはないやろ?!と思いましたし、最後の上海では、作って置いてあったのか、冷めている料理もあったくらいで、チョッとびっくりしました。
 
▲豫園商城での昼食 ▲上海・外灘での夕食  
日本でも知られている寒山寺へ。中国人観光客の多さに驚嘆!!
 午後は寒山寺へ向かいましたが、中国では7月から夏休みでこの日は土曜日、中国人の国内パックツアーの多さに驚きました。こちらもパックツアーですから偉そうには言えないのですが、この人達のツアーコンダクターさんはマイクを使い、遠慮会釈なく話し続けますから、その声が交錯し、野田首相ではありませんが「大きな音ですね」と、閉口しました。
 建造物とかがほんとうに由緒あるものなのか、観光用に作ったものなのかが、僕達によくわからないので戸惑いました。
 寒山寺を巡っている時も、大変な暑さと湿気だったのですが、突然クーラーの効いた部屋に入れてホッとしていたら、そこは書と絵の掛け軸の販売店でした。メンバーの中にそういう趣味の人が居て、日本円で5万円もする書の掛け軸を買うのを見て、私達はひと安心でした。誰も買わなかったら、お茶も頂いたのが辛いところでした。
 寒山寺の鐘楼は黄色い壁に囲われた建物で、大晦日にこの鐘を打つのが日本へテレビ中継されるそうです。  
▲寒山寺外観 ▲楓橋夜泊の碑 ▲対面の楓橋夜泊 ▲屋根上に三蔵法師の像 こういうのが中国趣味?
▲弘法堂。中に空海、玄奘、鑑真の像も(日本人観光客向け?) ▲クーラーの効いた掛け軸ショップ喫茶去もあり
▲塔の中の像 ▲塔からの景観 ▲塔、真下から ▲鐘楼。中に鐘が見える
 実質初日の最後に、虎丘の斜塔に向かいましたが、パックツアーには下車観光(入場観光ではなく)という括りがあり、ここはそれでした。ちょうど小雨も降り出し、夕闇も迫りかけていたので、それで十分でした。  

 
▲虎丘の斜塔。入口へ向かいます ▲予定通り、ゲートから入ることなくバスに戻ります。  
ホテルは2連泊×3、移動距離が長くないので、この方式は快適でした
 1泊目から蘇州に辿り着き、翌々日は杭州、そして最終は上海、それぞれに2泊。バスで移動しますが、長江の下流域を遠く離れないのでパッキングの面倒が半減するので好評でした。
 はじめにも書いたように、確かにデラックスクラスホテルなのですが、ロケーションの悪さはついて回ります。コンビニを探すのにも少し苦労しますが、皆無という訳ではありませんでした。
 1泊目の蘇州のホテルで発つ時に気付いたのですが、この地の名物(モノによっては年単位で制作) 刺繍画を見たら角度によって色のトーンが変わるので驚きました(下の写真でわかるでしょうか)

 
▲蘇州のホテル出発前(右の絵画に注目↓) ▲個人旅行なら絶対泊らない?豪華ホテル(WYNDHAM上海)  

 
▲ホテルの壁。蘇州の刺繍画左から ▲蘇州の刺繍画正面  
蘇州の獅子林、無錫の三国城、烏鎮
 正味2日目は日曜日、夏休み中ですから、家族連れも多く、人出と蒸し暑さで大変でした。
 世界遺産になっている獅子林は太湖で採れた太湖石を積み上げただけですが、色々な形に見えるので人気のようでした。
 三国城は国営テレビ局・中央電視台の屋外スタジオ。当たり前ですが色々なものが全部ハリボテですから、その積りで見ないとダメですね。
 烏鎮は千灯や錦渓と同じ古鎮でした。同じような佇まいなので、どこがどこかわからなくなります…

 
▲獅子林の蓮池の横で ▲三国城。魏・蜀・呉の人、馬等レプリカ  

 
▲三国城から出ている太湖遊覧船 ▲見慣れた風景。水郷古鎮・烏鎮

 

紹興は、お酒もありますが魯迅の出身地、記念館も立派でした
 紹興は少し遠いので、バスで2時間くらい。紹興酒で有名ですが、ここは魯迅の出身地ですから生家や通った塾があり、中国の人もたくさん訪れる観光地になっています。
 最終日に上海の魯迅記念館も訪ねますが、今の中国にとっては魯迅が最も学ぶべき偉人ということになるのでしょうね。毛、周とかでなく、孫文でもない?その辺は勉強不足でよくわからないですが、文学者だから最も扱いやすい人物なのでしょうか。
 ベトナムのホー・チミン記念館もそうですが、写真とかは色々掲示できても、遺品の類はそんなに保存
されている訳ではないので、博物館としては記念品確保が大変な感じだったのを思い出しました。
 もちろん、魯迅記念館の後はバス移動し紹興酒の製造工場見学と試飲会がありました。    

▲紹興の魯迅紀念館入口 ▲魯迅の遺品 ▲魯迅の生家

 
▲魯迅が通った塾。左端が魯迅の席だったと掲示 ▲猛烈な臭い「腐った豆腐」屋さん。揚げて食べる  
杭州に戻り、西湖遊覧、六和塔へ
 バスで杭州に戻り、西湖を遊覧しました。周辺にはたくさんの観光客が居るようでしたが、アリ粒のようでよく見えないほどでした。西湖は世界遺産でもあり、色々謂われのあるところもあるようですが、船は湖面をサッとなでた感じでU字型に戻りました。
 逆流で有名な銭塘江とその高波を鎮めるために作られたと言われる六和塔も下車観光で眺めましたが、この時も小雨と夕闇に迫られていました。
 

 

▲西湖遊覧船から。堤に人 ▲西湖遊覧船帰港へ  

 
▲銭塘江 ▲六和塔  
終盤は杭州から上海へ
 2時間強かけて再び上海方面へ戻りますが、その途中にも水郷古鎮があり、西塘、七宝を経て上海へ向かいます。この辺になると上海に近く中国の人の観光スポットでもあるので、喧騒が増す印象でした。
 上海の新しい人気スポットに案内されました。元の外国人居留地をオシャレに改造した「新天地
、前から有名らしい「田子坊」。放し飼いでしたが、あまりゆとりもなく落ち着きませんでした。  

 

▲西塘の2階建商家 ▲西塘の通り。「客坊あります」の看板  

 
▲西塘のお店。ザリガニ、タニシ…食べます? ▲上海中心部の「新天地」  
実質最終日は上海中心部、お決まりコース。先ずは魯迅公園・魯迅紀念館
 お決まりコースのスタートは魯迅公園。所狭しとダンス、体操、バドミントン…と中高年の皆さんのレッスン場&社交場
 続いて魯迅紀念館。紹興と並ぶ。前に書いた通りです。
 途中に立ち寄った民芸品店が入っているビルは旧ソ連が贈った建物。ワルシャワの駅前の巨大なビルを思い出しました。

▲魯迅公園。後は蓮池 ▲魯迅公園。後は上海体育館 ▲魯迅紀念館中庭

▲語り合う魯迅像(蝋人形) ▲魯迅の著作展示 ▲民芸品店。ソ連から送られたビル
上海中心部お決まりコース、その2。豫園、上海博物館、外灘
 お決まりコース午後の部は豫園、上海博物館、そしてライトアップ待ちながら外灘。上海博物館は三上は未見だったので助かりましたが、許される見学時間は1時間なので超タイト、途中から駆け足でした。写真撮影OKなので余計に時間が要りました。  

▲豫園商城のメインストリート ▲内部の舞台。陳さんはよく説明してくれました ▲豫園内の龍−右側。

▲上海博物館入口

▲色々撮りましたが、数点だけアップします

 

       
最終は外灘。夕方着いて、近くで最後の夕食。3人だけここから自由行動
 夕食のレストランが外灘の端だったので、好位置。ここからカメラ趣味の男性と私達だけバスに乗らずもう一度外灘へ。夜景を楽しみながら南京路へ。最後のショッピング(シルククリームとか、ドライマンゴー、ライチ紅茶・一葉茶等)を楽しみました。ホテルは少し離れていましたが、タクシーで30元・420円で済みました。翌日、タクシーがホテルを捜しあてられず困ったという話もありました。  

 

▲夕暮れ時の外灘 ▲向こうの橋は100年橋。ここにカメラマンが集まっていました  

 
▲外灘正面の夜景。真ん中はクルーズ船 ▲外灘のこちら側。和平飯店方面(緑の屋根)  
真夏の上海、初体験。大阪も負けてる凌ぎ難さ−高温多湿とスモッグ?
 夏に海外から関空に帰って「ワァ−大阪や、ここが世界でも一番やろな、暑くて湿度が高くて…」と唸るのですが、今回は「上海には負けてるかも」という印象でした。ガイドの陳さんは毎日、天気予報を伝えてくれるのですが、「上海(江南)は、スカッと晴れるということはなく、いつも曇っていますよ」と言っていました。この5日間はその通りで、雨に降られるか、どんより曇っているかどちらかでした。空気も濁っていてスモッグに覆われている感じでしたが、どうなのでしょう。バスから降りた時のジトッと暑い、その感じは相当なものでした。
 上海周辺は車も増え、歩行者優先ではないので、バスから見ていても事故が起こらないか心臓が止まりそうな光景にも遭遇します。渋滞も凄いみたいです。
 蘇州や杭州でも同じような傾向で、その対策として自転車と原付が奨励されているようです。公営のレンタサイクルが進んでいて、駐輪スペースも見かけました。通勤・通学時にバスから見える光景からもそれがうかがえました。

 

▲杭州→紹興への車窓から。2輪専用レーン ▲レンタサイクルの駐輪場。外語塾?の宣伝  
バスの車窓の風景から見えること
 バスに2時間くらい乗っていることもあり、車窓を眺めていると色々な光景が飛び込んできます。渋滞する上海市内を走っていても色々なものが見えて来ます。パックツアーですから気になったからと降りる訳にはいきませんが…。
 高層のマンションがいっぱいできているのは言うまでもないのですが、ここはどこ?と驚くようなヨーロッパ風住宅も目にしました。一応社会主義国ですから、共産党とかの指導があるのかなと思うのですが、たまにスローガンが掲示されているのを見かけるくらいでした。

 

▲紹興への車窓から ▲紹興市・精神文明建設委員会の巨大看板  

 
杭州→上海への車窓から。共産党の建物・スローガン ▲上海中心部で塾の宣伝。マン・ツー・マンかな?  
最終日、早朝6時半ホテル出発。詳細不明ですが、航空機大幅遅延に遭遇
 朝食を弁当に変え、6時半集合・出発でした。搭乗手続きの時に「1時間遅れている」と告げられましたが、何が原因かもよくわからないまま、結局2時間遅れ、9時半出発が11時半になってしまいました。これほど大幅な遅延の経験は初めてでした。
 最後に30人のメンバー構成ですが、今回は2組の中国人ペアーが居られました。京都にお住いの在日の長い方と若いカップル(実家は黒竜江省だとか)でした。一人参加は4名で、残りは概ねリタイアーペアーだったようです(男性二人組は定年退職の元同僚で、来年定年が10数人出るのでその人達をこのパックに誘おうかの「下見」だとか)。姉と弟が配偶者を伴って参加されていた4人組も。中国への旅のリピーターが多い印象でした。慌ただしい食事時だけの会話で、詳細不明でしたが。
 

少し書き残したこと
 初めの方に、中国の旅人達の喧騒ぶりを書きましたが、ホントに凄い勢いでした。最近の海外旅行でも、台湾、スイス、チュニジア等で中国人観光客のパックツアーに遭遇して驚きました。国内での旅行熱も相当なもので、最終日に歩いた南京路でも旅行会社のチラシは数社が折り重なるように配布していました。中国の人達のゆとりの表れなのでしょうが、13億人が世界を目指し出したら、凄いことになりそうです。
 10都市と言っても、主には蘇州、杭州等だったのですが、中心部の都市化は凄まじく、パッと見たら上海に居るのと変わらない雰囲気でした。こういう地方の大都市はどういう財政基盤を持っているのか?意思決定はどうされているのか(地方自治)、中国のことについてよく知らないあなぁと痛感しました。上海から蘇州へ向かう高速道路沿いに合弁会社がたくさんあり、それは工場の旗で明示されていました(星条旗と五星紅旗とか)。そういう実情も含めて、もっと勉強しなくては…と思ったものです。中国語の勉強は難しそうですが、せめて簡体字をもう少し知っているとよかったかなとも。
 最後の最後ですが、電気のコンセントの失敗談。コンセントのアダプターはマルチタイプを持って行き、3点の中国式(画像の下側)にも対応でき、よかった!と思ったのですが、実は日本のタイプでもそのまま使えることに旅半ばで気がつき、笑ってしまいました。
皆さんもお気をつけて。

 

 

▲上海で配られていた旅行社の宣伝チラシ。蘇州行きや杭州行き、日帰り・一泊とか宣伝されています。無論、西安、南京等もあります。   ▲中国のコンセント。よく見ると上が日本式OKでした。



Copyright © 2012 MIKAMI HIROSHI