思いつくまま印象記 旅体験あれこれ その25
    久々の三人旅、マイペースで行ける、エアー&ホテル
 釜山慶州の旅 
正味2日間半
 
はじめに…2年半振り、西矢の母・妙さんと3人旅。近場へマイペースの旅。 
 昨年は夏に4世代9人のファミリースイスの旅に出かけました。西矢の母、妙さんはこれが海外旅行の最後になるかと思われ、現にドバイから関空への航路はきつく、もう海外へは行かないと言っていました。
 ただ、妙さんは海外旅行に行くと元気になる性質、遠くは無理でも何処かへ行きたい気分は高まっているようでした。パックツアーに乗っかって行くのは、車椅子で追いかけるのはちょっときつい、ということで、結局、航空券とホテルだけのセットで行くことになりました。
 行き先は韓国はソウルと水原(板門店も)しか行っていませんから南部の釜山。もちろんそこから慶州への日帰りを組み込みました。全くのお任せパックツアーとも違い、短いですが少し自主プランも必要でした。
 この種のツアーが有り難いのは、一定の時期までキャンセル可能なことです。航空券だと、早くに申し込むと安くはなるのですが、即刻払い込みが条件になります。ホテルは選べないのですが、スーペリアとかでなくスタンダードクラスですが、今時トコトン酷い所はなさそうです。ロケーションとか心配もありますが、今回は値段からすれば最高のレベルでした。
 ガイドブックも買うほどのことはないので、図書館で借りたり、韓国大好きの友人から借りたりして、少しだけ準備しました。幸か不幸か、4日間と言っても正味は2日半なので、工夫の凝らしようがありませんでした。
 
今、ブームのLCCのひとつ、エアープサンで釜山へ。夕方出発でゆったり。
翌日は先ず釜山タワーへ直行しました
 関空発18時40分ですから4時半頃の集合で、午前中は他の仕事も片付けられるゆったりした日程でした。大阪駅での乗り換えとかを考えると、車椅子では結構面倒なので、茨木からのリムジンバスを使い、これは手軽でした。運賃も往復だと割安で3000円でした(片道だと2000円)。多分LC(ローコスト)だからでしょうか、飛行機は満席でした(多くは韓国の人でした)。3列×2の小さな飛行機でしたが、窮屈だとか何だとか言っている内に1時間半で着いてしまいます。LCなので食べ物は出ないと覚悟したのに、サンドイッチとヨーグルト、飲み物も出ました。
 8時10分に着いたのですが、現地係員が引き連れるのは3グループでホテル(ロッテホテルから)を順番に回って行き、その度に手続きをしますから僕達のホテルは一番最後だったので小一時間かかりました。トリプルに配慮されていて、きちんとした(エキストラベッドでなく)3つのベッドがある部屋でした。地下鉄や鉄道の駅に並行する幹線道路に面した、小ざっぱりしたホテルでした。フロントのスタッフはそれなりに日本語が通じました。
 1日目の夜は明日に備えてホテル周辺を検分し、何度か訪れたパン屋さんで美味しいパンを入手しました。
 2日目は、ガイドブックにもあったお粥屋さんに直行しました。地元の人が来ていて、テイクアウトして行きます。アワビとキノコのお粥を注文しましたが、大満足でした。

 今回の旅は、妙さんの足のこともあるので、思い切りタクシーを使おうということになっていて、早速タクシーで釜山タワーを目指しました。タワーは龍頭山公園にあり、高台なので、タクシーの値打ちはありました(工事中の中を思い切り上まで行ってくれました)。それで5000ウォン、多めに見積もっても400円程でした。
 残念ながら、タワーは工事中で展望台に昇っても、窓からは足場がいっぱい見えざるを得ません。ただ、ここは港町ですから半分は海の景色でした。有名なロッテ百貨店、チャガルチ市場の建物、国際市場の屋根等が見渡せました。
 
▲ホテル近くのお粥専門店で朝食 ▲釜山タワーの登り口付近で  
▲龍頭山公園。正面はロッテ百貨店 ▲タワーから海、港。右手にチャガルチ市場の建物

歩いて国際市場、PIFF広場、チャガルチ市場等を巡る
 車椅子を押しながらですが、国際市場を目指し、途中PIFF広場とかを通りました。釜山国際フィルムフェスティバルが開かれた記念のゾーンのようでした。そういうゾーンでも、屋台で手作り揚げまんじゅうのようなものを売っていて、結構な人だかりでした。
 国際市場、富平市場等も広がっているのですが、偶々初めに入った所は工具類や電動関連品等で、この広さの中ではお目当ての品がどの辺りにあるのか探すだけで大変そうで、早々に引きあげました。
 海沿いの通りに行くと、チャガルチ市場がありますが、ここは、正味海産物の宝庫。ここでも普通の市民が買い物をする雰囲気ではありませんでした。2階はそれらを材料にした料理を出す店が連なっているのですが、昼飯には重い感じで素通りしました。
 
▲PIFF通りで ▲PIFF通りで。向こうにカメラマンの像  
 
▲国際市場からチャガルチ市場へ向かう ▲チャガルチ市場の前の海で。風が爽やか。  
 どういうシステムかよくわかりませんが、農協のハナロマートという店があり、比較的大きなスーパーマーケットの趣きでした。何となく安心感があり、朝鮮人参とか、韓国海苔とかを買いました。端っこには軽食も食べられるコーナーがあり軽めなのでそこに落ち着きました。
 韓国人のおじさんがうどんを食べていて、あれを欲しいと注文。チジミや韓国海苔巻きも食べて昼食にピッタリでした。
 国際市場の一廓にくるみまんじゅうを作って売っている店があり、お土産に買い込もうということになり、戻りました。大変感じの好い夫妻でやっていて、全くの自家製の品を丁寧に売っていて好感を持てました。

 
▲地下鉄チャガルチ駅南の農協ハナロマートで ▲国際市場のくるみまんじゅう屋さんの夫妻と  

午後は、いったん休憩して、繁華街の西面(ソミョン)へショッピング
 ホテルのロケーションはタクシーを使うつもりなら、幹線道路沿いですから何かにつけて便利でした。この日も少し疲れたので、一旦ホテルへ帰り、休憩してから再び繁華街の中心西面へ向かいました。タクシーで300円強の距離です。
 韓国のコスメ類は人気があり、それをお土産にするので、釜山一の繁華街西面(ソミョン)へ向かいました。地下街が縦横に広がっていましたが、頼まれていたクリーム類とかを物色しました。
 一応有名なロッテデパートの免税店を覗いて、その上にあるレストラン街で夕食にしました。日本食レストランもありましたが高槻の西武オーロラモールのレストラン街と似た雰囲気でした。もちろん、私達は韓国料理店でした。

 
▲広めのプライム観光ホテルで休憩 ▲焼き肉と焼きそばで晩餐  

メインイベントの慶州行きは釜山駅からKTX(新幹線)で
 1年ほど前に完成したようですが、釜山駅からKTX(新幹線)で新慶州行きが走り、大変便利になっています。ガイドブックには今でも「高速バスが便利」と書かれていますが、そのバス乗り場へは地下鉄終点なので30分以上かかり、そんなに便利かなと思えます。ホテルのフロントで調べて貰い、7時半の便に乗ることにしましたから、タクシーで急ぎ、そこでモーニングコーヒーとパンの朝食でした。
 所要時間は何と25分くらいなのです。着いた駅はスペインAVEのクエンカ等と同じ荒野に立つ駅という感じでした。仏国寺へのバスは1時間に1本程度でしたから、思い切ってタクシーにしました。3万ウォン程ですから、2千円強で行けました。

 
▲釜山駅構内のコーヒーショップで朝食 ▲KTXの釜山駅は壮大  

 

 

▲KTX車内は快適   ▲新慶州駅に降り立つ

世界遺産・仏国寺と石窟庵は人里離れた森林の中に
 比較的早くに到着したのでゆとりがありましたが、少し時間が経つと多くの観光客が押し寄せて来ました。タクシーだったので門前まで運んでくれました。車椅子には少しきつかったのですが、林の中を寺院へ向かいますから森林浴という趣きでした。
 水曜日なのに子供連れが多いなぁと思っていたら、何と6月6日は韓国の祝日(忠霊記念日)。特に困ったことはありませんでしたが、ちょっと勉強不足でした。仏国寺はメインの表階段が通行止めで残念でした。

 
▲仏国寺入口で ▲大雄殿前で  

▲大雄殿内部(撮影禁止でした) ▲多宝塔前

▲灯篭の窓から見える仏像


シャトルバスで石窟庵へ
 仏国寺のバス停へは結構な距離でした。
 石窟庵はゲートから本殿まで相当な距離でしたが、神峰山寺への道のように爽やかな木陰の道でした。ただ、最後の登りはスロープも何もなく、車椅子では無理でした。石窟と言っても上から土を被せているうえに、正面にガラスがあり、そこからは入れませんから、チョッともったいない感じでした。

 ここからタクシーに乗りたかったのですが、全く来ず、いったん仏国寺下までバスで向かい、そこからタクシーに乗れました。
 慶州の町へ向かい、有名な韓定食の店につけて貰いました。韓定食専門店ですが、まさか一人前だけ頼む訳に行かず、満腹気味でした。

▲仏国大鐘閣から石窟庵へ ▲石窟庵入口 ▲可愛いリスも登場

▲後の建物が石窟庵 ▲石窟庵からの帰り道 ▲韓定食、いただきます

慶州の町でゆっくり。帰りは在来線の特急=セマウル号で釜田へ
 韓定食の店を出て、日差しはきつかったのですが、市の中心部へ向かいました。途中、古代の天文台と言われる瞻星台(チョムソンデ)もありました。慶州駅も近いので、帰りは新幹線をやめ、在来線の特急セマウル号に乗ることにしました。2時間少々かかるのですが、のんびり帰ることにしました。もちろん指定席でした。驚いたのは、新幹線より値段が高かったことです。良い座席で寝させて貰うからでしょうか…。
 着いた駅は釜田で、西面の近くですが駅前にかなり広い市場が広がっていました。

 最後の夕食をどこにするか探索しながらロッテデパートを目指しました。昨日のデパートのレストラン街でいいかと思っていたのですが、車椅子で広い道路を渡れないのです。ウロウロしていたらちょうど地元の人気店らしい焼き肉屋がありそこを選びました。これは大正解でした。地元の人が大勢来ていて、コーヒー、ソフトクリームはセルフですが無料なのが売りのようでした。

 

▲瞻星台 ▲慶州駅で。親切な駅員さんと  

 
▲セマウル号の車内で ▲リーゾナブルな焼き肉専門店  

最後の半日は、釜山大学へ
 残った半日は山手の温泉へ行きたかったのですが、チョッと時間的に無理があり、その北にある釜山大学を訪れました。
 妙さんはホテルで休憩。僕達は結局初めての地下鉄乗車になりました。

 釜山大学への道は遠くなく、ただガイドブックにもあったのですが、夕方にならないと賑わいが訪れないらしく、静かなたたずまいでした。驚いたのは正門に接してデパートがあることで、デパートを登って行ったら大学に入れるという訳です。
 伝統ある建物があるわけでもなく、さして見る所もないので、フレッシュジュースを飲みながら駅まで下りました。地上に出ている地下鉄駅の中にあのダイソーがあるのでビックリ。100円に近いのが1000ウォンですが、それではきついので2000とか3000ウォンもありました。

 

▲大学前のジュース屋さん ▲前にデパートがそびえる釜山大学  

 
▲4日間お世話になったプライムホテル ▲近くのホームプラスというスーパーで昼食  

 午後2時にKNTの係員が迎えに来るのでホテル横の喫茶店で待ちました。一応帰路にキムチ屋さんに寄ってから空港へ向かいました。
 
 本格的な車椅子で3人旅は初めてでしたが、韓国は障害者向けの施設整備は少し遅れている感じでした。エレベーターやスロープがもう少しあれば助かるのですが、なかなか進んでいない印象でした。日本でも5、6年前はまだまだでしたが。
 両替は、日本の銀行(三菱東京UFJ)の口座からATM機で引き出す方式で大助かりです。ATM機は結構ありますから大変便利ですし、6日は祝日でしたが全くOKでした。レートも帰ってから通帳を見ると×0.08程度でした。円高傾向は続いたようです。

 物価は全体に安目で、概ね日本の物価の半額から7掛けくらいでした。交通費はタクシーを含めて安かったです。特急に2時間ほども乗って一人800円程度でした。レストランも最後の焼き肉で一人500円程度でした。ただ、喫茶店は特別に高い感じでした。コーヒーが4000ウォンでしたから300円ほどでこれだけは日本並でした。
 
 
 


Copyright © 2012 MIKAMI HIROSHI