オオミスジコウガイビル Bipalium nobile 体長は数十センチ、大きなものでは70センチ以上になる超大形の扁形動物です。色は明るい黄色でまあ、なかなかきれいですね。とはいえ、いかんせん見た目が悪い・・・・。ゆるゆると這い回りながら頭部を左右にふって動きます。この動作自体はコウガイビルの仲間で典型的なようですが、クロイロコウガイビルと違って頭部にギザギザはあらわれない様子。
オオミスジコウガイビルは湿った森の中を非常にゆっくりと這い回ります。運がよければミミズを狩り立てて食べる様子を目撃できるかもしれません。小さめの個体は街中でも雨の後や夜に見ることができますが、もしかしたらあれは同属別種のミスジコウガイビル ( B.trilineatum )の可能性がありますが、よくわかりません(注:「日本産土壌動物検索図説」によるとミスジコウガイビルは記載が不十分で、さらに原標本が失われてしまっているので、ミスジコウガイビルという和名は使うべきではない、とのこと。分類に混乱があるんですね)。
オオミスジコウガイビルは東京を中心に分布するそうです。北村は神奈川県にいるのですが、大きな、明らかにオオミスジコウガイビルと分かる個体は初夏のころから目立ち始めます。経験からすると、真夏の暑い時期には見えなくなって、秋にまた見るようになります。というか、そういう季節に地上に出てくるってわけですね。普段は地中などにいるらしい。また暑いのはダメかもしれません。じっさい、べたつくのをこらえて採集したオオミスジコウガイビルがあっというまに死んでしまったことがある。温度上昇にとても弱いようです。
また、雨の後に多く、雨の最中はあまり見かけないようにも思えます。さわると異常なまでにベトベトで、乾きかけの接着剤のような強い粘りがあります。森のなかに銀色の乾いた大きな粘液の跡があったらそれはたぶんオオミスジコウガイビルのものでしょう。もしかしたらそれは狩りをした痕で、よく観察すると消化されずに残ったミミズの糞便が残っているかもしれません。
時々動かなくなってのたくっている時がありますが、そういう時、身体はなぜかペラペラになって縁が波打った状態でグデ〜〜〜〜としてます。