Bilateria ビラテリア:左右相称動物
ビラテリアとは左右対称の動物という意味があります。ビラテリアの多くは”左右対称の身体”という共通の特徴を持っていまが、ウニのような棘皮動物などでは左右対称性が失われている場合があります。
↑このバナーを見ても分かりますが、例えば昆虫の身体のまん中で頭からお尻まで線を引くと身体の左右が原則的に同じ形であることが分かります。これが”左右対称な身体”というビラテリアの特徴です。動物/アニマリアのほとんどはこういう特徴を持っていて、カイメンやクラゲ、イソギンチャク、サンゴ、クシクラゲ以外のほとんどすべての動物がビラテリアです。
ビラテリアの系統
ビラテリアに含まれる動物は非常に多いですが、以下のような系統関係にあると考えられています。ただし扁形動物は多系統ではないかという意見が根強くあって、一部のものは軟体動物に近縁かもしれません。また紐形動物も軟体動物や環形動物がつくる系統にはいる可能性が高いようです。
根______________Chaetognatha:カエトグナッサ(毛顎動物)
| (ヤムシ)
| ?_________Platyhelminthes:プラティヘルミンテス(扁形動物)
| (プラナリア、コウガイビルなど)
| ?_________Nemertinea:ネメルティニア(紐形動物)
| (オロチヒモムシなど)
|___________Lophotrochozoa:ロフォトロコゾア(冠輪動物)
| (イカ、カタツムリ、ミミズ、ゴカイ、コケムシ、ホウズキガイなど)
|___________Ecdysozoa:エクディソゾア(脱皮動物)
| (昆虫、カニ、エビ、ダンゴムシ、回虫、ハリガネムシなど)
|___________Deuterostomia:デウテロストミア(新口動物)
(ウニ、ヒトデ、ホヤ、人間、カエル、恐竜など)
さて、以上の動物たちのうち、ネメルティニア、ロフォトロコゾア、エクディソゾア、デウテロストミアに含まれる動物たち、例えばカタツムリ、トンボ、カエルなどは口と肛門を別々に持っています。ようするに
”口と肛門を別々に持ち、それが一本の消化管でつながっている”
という特徴を共有するわけです。プラナリア(プラティヘルミンテス)はそうした特徴を持っていません。それから考えるとロフォトロコゾア、エクディソゾア、デウテロストミアは近縁かもしれません。
一般的に考えられているビラテリア(左右相称動物)の系統関係 ビラテリアのなかではロフォトロコゾア(Lophotrokozoa)、エクディソゾア(Ecdysozoa)、デウテロストミア(Deuterostomia) は肛門と口という共通の特徴を持ちます。そのことから考えると、この3つの系統はプラティヘルミンテス(Platyhelminthes) よりもお互いに近縁かもしれません。それから考えると以上のような図が描けます。
ただし、肛門は別々に進化したのではないか?、という懐疑的な見方もあります(「無脊椎動物の進化」蒼樹書房を参考のこと)。
以上の系統樹は幾つかの分岐図や分子系統樹を合わせたものです。おおむね現在考えられているスタンダードな系統関係はこんな感じであると考えてください。とはいえ一部の扁形動物が軟体動物+環形動物に近いという結果があるなど肛門の進化ひとつとってもなかなか議論の余地があるらしい。
なお、当然のことながら系統関係は今後の発見やアプローチによって変わりえる仮説です。さりとて、すべての仮説が同じ程度に確からしいわけではないことにも注意してください。研究者の発表が仮説であるからといって、仮説=思い付き、であるなどと考える人が多いですが、それは単なる詭弁です。
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キーワード:左右相称 口と肛門 1本の消化管 新口動物と旧口動物
参考文献
小林麻里・佐藤矩行 2000 動物分子系統学の最新の成果 動物系統分類学 追補版 中山書店
白山 2000 袋形動物 Aschelminthes 「動物系統分類学」 追補版 中山書店 pp116~124
上島励 1996. 後生動物の系統をみなおす 科学 vol.66 no.4 pp266~275
P.ウィルマー 無脊椎動物の進化 蒼樹書房
他:動物系統分類学 3 pp3~7. 左右相称動物 Bilateria
すいませんねえ〜〜まだ文献孫引き・・・・・^^;)
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