●黒鱒の名について●
【黒鱒(クロマス】という呼び名を知ってる人も、多いかと思います。
ブラックバスの、もう一つの呼び名です。
ですが、【ブラックバス】は、【マス科】とは全く遠縁の存在です。

何故、この名が使われる様になったかはハッキリしませんが、
どうやらバス害魚論の【田中博士】が引用したのが始まりのようです。
昭和7年9月28日の東京日日新聞に掲載された
『鮎を殺す黒鱒、鮒の大敵台湾鰌』に次のように書かれています。
「ブラックバスが昨今また問題の火の手をあげている。

これは芦ノ湖にいる魚で、土地では黒鱒といっているこのマスを

バスといひもぢってブラックバスと言っているのだが、

この魚は在来の有益魚にとって大敵で・・・(以下略)」
と、新聞に掲載したのが始まりであり、広がった理由でしょう。
注目すべきは、此処で【田中博士】はハッキリと
「黒鱒といっているこの【マス】をバスといひもぢってブラックバスと言っている」
と意味不明なことを言い、勝手に【マス科】にしてしまうという暴挙にでています。
此処でも、【バスについて無知であると】言うことを、さらけ出しています。

また、
「土地では黒鱒といっている」
と有りますが、移植者である【赤星氏】は、
「そんなことは無く、最初に言ったのは【田中博士】である」
と、反論されています。
ブラックバス肯定派の雨宮博士も、次のように反論しています。
「ブラックバスを往々「クロマス」と呼ぶ人がある。

誰がこんな名前をつけたのか、蓋しい愚人のいたずらと言いたい。

アメリカ原産の魚であっても、今は完全に日本に帰化した魚であるから、

丁度野菜のトマトや花のコスモスなどの帰化植物を、何に憚ることなく

トマト、コスモスと呼ぶが如く

帰化魚に原名のブラックバスを用ゆるのがふさわしい。

ブラックバスはマス(鱒)とは全く違う魚で、

魚学的にはマスと遠縁のもので、クロマスと呼ぶのは宜しくない。

魚の名前に何も人をまよわすような名前を軽率につけるのは

せいぜい、つつしむべきである。」
「クロマス」という名を使うのは、完全に個人の自由でしょうが、

害魚論派の「田中博士」に踊らされているような感じなので

個人的には絶対に使わない様、心に誓ったりした今日この頃です(^▽^;)
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