美ヶ原 ( 王ヶ頭:2,434.4m ) 2014.8.1 登山



【PHOTO & 記録 美ヶ原 1】

7月23日〜25日の悪沢岳赤石岳再挑戦は、 残念ながら不本意な結果に終わってしまった。
登山記録に書いたとおり、 悪沢岳頂上ではガスに囲まれて展望が全く得られなかったことにより、急遽 山中 2泊の予定を 1泊に変え、 悪沢岳頂上のピストン登山に変更してしまったのである。
まあ、この浮いた山中 1泊分の費用は是非とも他の山で有効に使いたいものである。

さて、このように登山に関して少し不完全燃焼な状態の中、 翌週は女房殿と信州に小旅行に出かけることになった。
平日 (7月31日) であり、さらには圏央道が東名高速道と繋がったことにより、 ほとんどストレスを感じること無く、大変スムーズに最初の目的地である戸隠神社に到着。 ちなみに、朝の 6時過ぎに横浜の自宅を出発したところ、10時15分には戸隠神社中社に到着という状況であった。
途中、残念ながら北アルプスの山々は雲に囲まれてほとんど眺めることはできなかったものの、戸隠神社奥社・中社などを巡ってのちょっとしたハイキング、 そして美味しいソバ (うずら屋) に舌鼓を打ち、さらには暑いさなかの善光寺詣で、また川中島合戦跡などを巡り、1日目は終了したのだった。

翌日はこれといった行き先を決めておらず、暑いだろうが松本城にでも行こうか などと漠然と考えていたところ、 ホテルでテレビを見ていると、テレビ信州の 『ゆうがたGet!』 という番組において 美ヶ原高原の紹介がなされたのであった。 これを見て、俄然、翌日は美ヶ原高原に行こうという気持ちが強く湧いてくる。
長野から美ヶ原高原は近いこともあり、さらには上述のように不完全燃焼の登山の後であることから、 まさに (小生にとって) 良いアイデアである。
問題は女房殿だが、美ヶ原ならそれ程キツい登りは無いので登山に全く興味が無い女房殿も歩くのを嫌がらないと思われるし、 何よりも美ヶ原の光景に感動すること間違いなしと思われたので、到着後にブーイングが出る心配はないものと踏んだのであった。
後は天候であるが、天気予報によれば午前中は晴れ、午後から崩れる可能性ありとのこと。午前中に美ヶ原散策を終えてしまえば大丈夫のようである。

翌 8月1日は 8時過ぎにホテルを出発する。
長野ICから上信越道に入り、更埴JCTを経て坂城ICにて高速を下りる。すぐに国道18号線に入り、上田市方面へと進む。 上塩尻東で右折し、上田坂城バイパス・築地バイパスを経て県道65号線を南下する。
やがて、平井寺トンネル有料道路を抜けると、荻窪の丁字路にぶつかるので左折し、国道254号線に入る。 腰越上で国道152号線に合流した後、武石口で右折して県道62号線に入る。
山の方へと進み、武石観光センターのところで左折して県道464号線に入る。後は美ヶ原高原まで一本道である。

クネクネした山道 (舗装道) を進む。 帰路に使う予定のビーナスラインよりは道幅が狭いものの、片側 1車線がしっかり確保されているので、安心して登っていける。 尤も、美ヶ原に着くまで対向車は 2台しかない状況であったが・・・。
ドンドン高度を上げていくと、さすがにクーラーは不要、窓を開けると涼しい風が入ってくる。
美ヶ原高原美術館の大駐車場に 9時53分に到着する。


駐車場の後方を見れば、緑の丘の斜面に野外展示作品が点在しているのが見え、さらには その丘の上にヨーロッパ中世の古城を彷彿とさせるビーナスの城が建っていて、 青い空に映えている。

トイレなどを済ませ、歩き始める準備をしていると、アモーレの鐘が鳴り響く。 10時である。鐘は 9時から 17時の毎時と 16時半に鳴るとのことなので、これを聞けたのはラッキーであった。

今回の小旅行では山道を歩くつもりは全くなかったものの、 戸隠神社奥社まで長い参道を歩くことを踏まえ、一応 女房殿共々ウォーキングシューズを履いてきている。 従って、この美ヶ原高原も、余程の山道では無い限り対応できるはずである。

車道を渡り、 東西 2つに分かれている美術館野外展示場の間に作られた木道に入る。木道は牛伏山手前までに続いており、草地の斜面を緩やかに登っていく。 尾根上に飛び出ると、目の前に美ヶ原高原が大きく広がる。
尾崎喜八氏が 『美ヶ原溶岩台地』 という詩の中で、この美ヶ原について
  登りついて不意にひらけた眼前の風景に
  しばらくは世界の天井が抜けたかと思ふ。
  やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら、
  此の高さにおける此の広がりの把握に尚もくるしむ。

  ( 以下 については こ こ をご覧下さい)。

と詠っているが、美術館側から登ったのでは、 それ程不意に高原の広がりが目の前に現れるわけではないものの、それでも共感できるものがある。

前回この美ヶ原に登った時は、 南側の三城からしっかりと山道を登ったものの、生憎の雨模様で、この高原の広がり、そして 空の青と白い雲の段だら模様を確認できなかったのだが、 本日は ほぼ快晴の中、それに近いものを感じさせてくれたのだった。これだけでも来た甲斐がある。

無論、女房殿もこの広々とした光景に感激。
かつて旅行した イギリスの コッツウォルズ地方の光景を思い出したようだ。尤も、草原に点在しているのは羊では無く牛であるが・・・。

左前方には王ヶ頭が見える。電波塔が建ち並び、美しい高原に場違いな感じを与えるが、 前回見ているために免疫ができたのであろうか、これはこれで 1つの絵になって見えるから不思議である。

山登りに興味の無い女房殿のことも考え、 牛伏山頂上は踏まずに手前の道から下る。
ここからは完全に牧場。牛が草を食んでのどかである。牧場の柵に沿って石畳や階段を下り、やがて山本小屋ふる里館前に到着する。

ここには広い駐車場があり、我々のように牛伏山を登らずともここまで車で来ることができたようであるが、 少しでも登山という形に近づけたい小生にとっては、美術館から登ってきたのは正解であった。
この山本小屋ふるさと館からは、自動車も通れる林道のような道が牧場の中を横切っており、 ここからは そこを歩くことになる。

まずは美しの塔を目指す。山本小屋ふるさと館の前に掲げられていた地図によれば、美しの塔までの所要時間は 20分となっている。
砂利道を歩く。傾斜はほとんどなく、あっても緩やかなので普通に歩くことができる。

周囲を見渡せば、上空には青空が広がっているものの、周辺には雲が多く湧き上がっており、 美ヶ原を取り囲む山々はあまり見えない。
そんな中、南東方面に湧き上がっている雲の中から、拳骨を突き出すように上方へと延びているキノコ雲が見えた。
これは浅間山の噴煙に違いない と思ったのだが、 よくよく考えてみると方向が全く違う 浅間山は北東のはず)。 方角的には八ヶ岳方面なので、 そちらで何かあったということなのだろうか。不思議な雲であった。

そして、 先の方を見れば、草地の広がりの先に緑の丘が盛り上がっており、その上に電波塔が林立している。
先にも述べたように、これはこれで絵になるから不思議である。

この電波塔のそばには王ヶ頭ホテルもあり、そこまでは送迎バスも運行されているようである。
事実、林道のような道を歩いている時、王ヶ頭ホテルのバスがそばを通り抜けていったのだった。



美ヶ原登山データ

上記登山のデータ登山日:2014.8.1 天候:晴れwith 女房殿日帰り
登山路:美ヶ原高原美術館駐車場−牛伏山−山本小屋ふる里館−美しの塔−塩クレ場− アルプス展望コース分岐−百曲園地−烏帽子岩−林道−王ヶ頭−王ヶ頭ホテル−アルプス展望コース分岐−塩クレ場−美しの塔−山本小屋ふる里館− 牛伏山−美ヶ原高原美術館駐車場
交通往路:(長野への小旅行の帰り) 長野−長野IC−(上信越道)−坂城IC−(県道91号線)− 坂城IC入口−(国道18号線) −上塩尻東−(上田坂城バイパス・築地バイパス・県道65号線・平井寺トンネル有料道路)−荻窪−(国道254号線)− 腰越上−(国道152号線)−武石口−(県道62号線)−武石観光センター−(県道464号線)−美ヶ原高原美術館駐車場 (車にて)
交通復路:美ヶ原高原美術館駐車場−(ビーナスライン:県道460号線・県道194号線・県道40号線)− 大門峠−(大門街道:国道152号線)−山寺上−(県道17号線)−八ツ手−(県道425号線)−御射山−(県道90号線)−諏訪南IC−(中央自動車道)− 八王子JCT−(圏央道)−海老名JCT−(東名高速道)−横浜IC− 瀬谷 (車にて)

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