|
鎖場を下り、写真のような大岩の下を進む。
こちら側 (南側) には雪が残っていないが、北側にはかなり残っており、凍ってはいないものの、
下りの際は滑りやすいので要注意である。
振り返れば、ガスの中に池山尾根が浮き上がり、なかなか幻想的である。
やがて、第1ピークに戻り着く。
ここから少し下れば、岩稜帯は終了となり、ハイマツと草付きの斜面を下ることになる。
|
ガスも濃くなったかと思うと、サーッと引いたりして変化が激しい。
ただ、そのおかげで東川岳、そしてその後方に続く尾根も、時々かなりハッキリと見えるようになる。
岩稜帯も終わりに近づき下方を見ると、木曽殿越が見える。
結構 急斜面に見え、よくもまあこんな所を登ってきたものだと感心する。
そういえば、22年前 木曽駒ヶ岳から縦走してきた際には、
東川岳からこの斜面を見ると、本当に急峻に見えたものである。
岩稜帯が終わると、ハイマツと草付きの斜面を下る。この急斜面の下りには浮き石などがあり、結構歩きにくい。
ただ、息が上がることはないので、その分 楽である。
|
|
|
下る途中、ガスがかなり流れて東川岳の姿が見えた。
後方にも山並みが見えるが、恐らく 熊沢五峰の一つであろう。
斜面を下る途中、東川岳方面から登ってきた単独の登山者とすれ違う。今の時間だと、今夜は駒峰ヒュッテ泊まりだろうか。
なお、書き忘れたが、今朝ほど林道で小生を抜いていった自転車の登山者とは、
小生がこの斜面を登っている時にすれ違っている。
14時8分、木曽殿越に戻り着く。下山には 1時間2分を要したことになり、地図のコースタイム 1時間とほぼ同じである。
これは少々ショック。やはり調子が悪いということか。
|
ベンチで暫し休憩した後、帰路につく。
小屋裏の階段を下りる際に空木岳方面を振り返れば、
やはり北側斜面からガスが湧き上がっている。
空木岳の右手には、南駒ヶ岳へと続く稜線を遮るようにおむすび型の山が見える。
現在使っている地図には、2,517mの標高しか記載されていないが、
古い登山地図には西岳とある。但し、国土地理院の電子国土基本図にはその名は載っていない。
左手に空木岳を見ながら下る。ガスは相変わらずだが、先程よりは良く見えるようになってきているようである。
|
|
|
義仲の力水を過ぎて、少し進むと、
再び空木岳がよく見えるようになる。
しかも、ガスがかなり流れ、頂上まで見通すことができる。
双耳峰のように見えるのは頂上部分ではなく、頂上はその双耳峰の右側後方に見える鈍角三角形をした高みの右下である。
また、赤椰岳もその姿を見せてくれたが、その右の南駒ヶ岳は、
相変わらずその頂上を雲が覆っている。
後は下るだけである。八合目を 15時1分、七合目は 15時32分に通過する。そして、北沢に架かる吊橋を 15時54分に渡る。
それにしても、八合目からこの北沢までの下りは、長く辛かった。体調の悪い中、よく登ってきたものである。
試練はまだ続く。北沢からは登りとなり、疲れた身体には辛い。
|
かなりバテながらも、うさぎ平には 16時38分に戻り着く。
標柱横のベンチで暫し休憩する。もうかなり暗くなってきているが、後は林道歩きなので、慌てることはない。
金沢土場を 16時56分に通過。途中からドンドン暗くなってきたので、ヘッドランプをザックから取り出す。しかし、
林道は花崗岩を砕いたような白い砂地なので、道が暗闇にボーッと白く浮き上がって、灯りを点けなくても進むことができる。
とは言え、やはりこの長い林道を暗闇の中進むのはキツイ。時々、右下の川、そして林の中から ガサゴソと音がして驚かされる。
また、暗い中、道路を横切ってつけられている流水溝の格子蓋を踏んだ時など、自分の立てた音にビクッとさせられる。
|
|
|
駐車場に戻り着いたのは 17時51分。夏であればまだまだ明るい時間なのであるが、
さすがに 10月末になると真っ暗である。
駐車場には朝方 10台ほどの車が駐まっていたが、今は 5台程、皆、山中泊であろうか。
それにしても、快晴と思っていたのに天候に裏切られ、また自分の体調にも裏切られ、目的を果たせず残念な登山であった。
万全な体調で望まねば登山は楽しめない とつくづく思った次第である。
このコースは いつか再チャレンジしたいものである。
|