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先程述べたように、道はアップダウンを繰り返しながらも、徐々に高度を下げていく。
そして、最後は完全に下り一辺倒となり、水の流れる音がする中、河原のような場所に下り着く。
そこには大きな岩が重なり合った場所があり、その傍らに 『 北沢 』 と書かれた立派な標柱が立っている。時刻は 8時33分。
標柱には 標高 1,610mとあり、うさぎ平の標高が 1,450mであったから、52分かけて 高度は僅か 160mしか稼いでいないことになる。
こういうパターンは、体調が良くないだけに、かなり応える。
足下に水が流れる場所を少し進めば、写真のような吊橋が現れ、北沢を渡る。
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吊橋を渡るとすぐに樹林帯に入り、ササの多い斜面を登っていくことになる。
この後 ずっと登り斜面が続き、大変キツイ。
何度も言うようだが、体調が悪いので全くペースが上がらない。少し登っては 立ち止まって上を見上げる という体調が悪い時のパターンが出始め、
本日は 空木岳ピストンへの変更 という選択肢も頭に浮かび始める。
周囲にはコメツガ、トウヒなどが見られ、足下にはササが多いが、やがて下草のほとんどないシラビソ、
コメツガが混在した樹林帯に変わる。
喘ぎながらも歩みを止めず、9時14分に 七合目を通過する。
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七合目からも登りは続く。
少し先でようやく展望が得られるようになる。
南面が開けているのだが、期待したほどには青空は広がっておらず、展望の方も霞み気味である。
恵那山あたりが見えるのではと期待したが、見えたのは 南木曾岳のみ。どうもスッキリしない。
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シラビソの林を進む。上を見上げた時、樹林の隙間に青空が見えれば まだ元気も出てくるのだが、
隙間から見えるのは 白い空間の方が多い。雲が多いようである。
やがて、少し傾斜が緩んできたかと思うと、仙人の泉に到着。時刻は 9時28分。
泉の水の出はかなり細いが、疲れた身体には大変甘露であった。
この 仙人の泉からも登りは続く。再び足下にはササが多くなり、周囲の木々も コメツガ、シラビソが混在している。
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暫く登り続けると、足下のササは消え、倒木や苔類が目立ち始める。
相変わらず展望は得られず、ため息をつきながら登り続ける。やがて、木の梯子を越え、目の前の高みに登り着くと、
そこには 八合目の標識が立っていた。時刻は 10時9分。
先程の 仙人の泉に立っていた標識に、『 八合目まで 40分 』 と書かれていたが、実際に 40分かかってしまった。
今日は本当に元気が出ない。
この場所は展望が得られないものの、日当たりが良いので休憩とする。握り飯を食べながら地図でこの先のことを検討するが、
やはり この体調では 空木岳ピストン の可能性が高くなってきた。
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10時20分、八合目を出発。
八合目からも登りが続くが、すぐに傾斜の緩やかな道に変わり、ホッとする。
その代わりというわけではないが、少々曇り状態へと変化し、しかも北側斜面を横切って進むので 少し寒い。
また、足下に 雪も見られるようになる。
暫く平らな道を進むと、斜面の際に 『 見晴台 』 と書かれた表示板が置かれていた。
地図に 『 御嶽見晴台 』 との記述があったので、
ここがそうなのかもしれないのだが、樹林が少し開けた先に見えるのはガスの幕だけであった。
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