空木岳 (木曽殿越より) ( 空木岳:2,863.7m ) 2012.10.27 登山



【PHOTO & 記録 空木岳 4】

足下には雪はほとんど残っていなかったが、第1ピークを過ぎてから少し多く見られるようになる。
ただ、まだ量は少なく、そして凍ってはいないので問題なく登っていくことができる。また、基本的には日の当たる部分の雪は溶けてしまっている。
やがて、鎖場が現れるようになるが、鎖に頼ることなく登っていける所が多い。

ガスで前方の視界はほとんど利かないが、時折 ガスが流れて尾根筋が見える。
写真には頂上も写っており、写真 左から 1/4程の所に見えるピークの右下、赤い矢印の示す岩の左が頂上である。 勿論、この時はそのことを知るよしもない。
初めてこの斜面を登った際 (桂小場−木曽駒ヶ岳 から縦走) に使用した地図の解説に、 『ビブラムを効かせて岩場を登る』 という表現があった記憶があるが、 まさにビブラムソールのフリクションを使って岩場を進む。

目の前に高みが立ちはだかる。ありがたいことに、道はその右下を巻いていくようである。
その高みの左手には、ガスの中、霞んでうっすらとではあるが、池山尾根が見える。 写真 真ん中より左に見えるピークは、駒石付近であろう。
先に述べたピークの右を巻いていく。鎖場や岩に打ち込まれた鉄製の足場が登りを助けてくれる。
また、斜めになった岩を進む所には、岩に丸太が何本もつけられており、滑り落ちないような工夫がなされており、 整備は万全である。

岩につけられたペンキ印を忠実にたどっていくと、ようやく先の方に見慣れた岩が見えてきた。 岩の左には標柱も立っており、三角点も見える。空木岳頂上である。 到着時刻は 12時51分。
頂上には誰もいない。また、ガスで展望は全く得られない。

この時点で、往路をそのまま戻ることにする。時間的な問題 (本日のペースでは下山時、山中で暗くなってしまう)、 体力的な問題 南駒ヶ岳に登り返すのは辛い)、 そしてルートの問題 (南駒ヶ岳から伊奈川ダムへの下山路が分かりにくい。ましてやガスの中である。) があるからである。

頂上の展望は全く得られないと言ったが、それは南駒ヶ岳方面ばかり見ていたからで、 少し歩き回ってみると、空木平方面が意外とよく見えたので少し驚かされた。
直下にある駒峰ヒュッテに何人かいて今日は宿泊するようであり、風に乗って声も聞こえてくる。空木平を囲む斜面の紅葉は完全に終わっているが、 それでも緑の絨毯はなかなか見事な光景である。
と思っていたら、すぐに空木平をガスが覆い始め、見えるのは駒峰ヒュッテ付近だけになる。
寒い割には結構長居し、13時6分、下山を開始する。往路を戻る。

現金なもので、南駒ヶ岳には向かわず往路を戻ることにした途端、 結構 足が進むようになる。体調が悪いので、心理的なプレッシャーもあったのかもしれない。

写真は、先に述べた、斜めの岩に 滑らないように丸太がつけられている箇所。
22年前にこのルートを通った時には、このような手厚い仕掛けはなかったと思うが、登山ブームに乗って道もかなり整備されたのであろう。

最初はガスのため、先の方があまり見えなかったのだが、 少しずつ高度が下がるに連れ、前方がよく見えるようになってくる。全く見えなくなっていた東川岳方面も、徐々にガスが流れ始めている。
岩が重なり合ってできたトンネルを抜け (往路ではその横を通った)、暫く下ると、 このルートで一番の難所となる。
と言っても、大したことはないのだが、登りの時に、狭い溝状かつ少々オーバーハング気味の岩に苦労した箇所である。 従って、下りでも心配だったのだが、意外とスンナリ通過できたのであった。
左手を見上げれば、ガスの中にうっすらと南駒ヶ岳へ続く尾根が見える。


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