節刀ヶ岳 ( 節刀ヶ岳:1,736m ) 2015.2.24 登山



【PHOTO & 記録 節刀ヶ岳 5】

目を富士山 とは反対側の北に転じれば、奥秩父の山々が断片的に見える。断片的というのは、こちら側は木々が邪魔をしている所があり、 完全に見通せる訳では無いからである。

写真は、水師 (写真 左端)甲武信ヶ岳、 木賊山、西破風山、東破風山、雁坂嶺水晶山、古礼山と続く山並み。
写真 中央 左側に見える台形の山が、西破風山 (台形の左側)、東破風山 (同じく右側) である。

また、北西の方角には 八ヶ岳も見えている。
こちらも今朝ほどは青空をバックにしてクッキリと見えていたのであるが (但し、木々が邪魔をしていた)、 今は周囲に紛れ気味である。
写真では分かりにくいが、左から 編笠山、権現岳阿弥陀岳赤岳、横岳と続いている。

と、ここで大失敗を犯してしまった。
北の方角に樹林の間から 金峰山がチラチラ見えたので、 少し場所を変えようと崖の縁 (へり) にある雪の上に足を置いたところ、 その雪の下は凍っていたため、足が滑ってバランスを崩し、岩場から北側の崖下に転落してしまったのである (写真の左端から転落)

幸い岩壁に顔を向けた状態で足の方から落ち、一旦 雪の斜面に着地した後、 1回転して斜面途中にある木にひっかかって止まったのであった。
後ろ向きに落ちたこと、そしてザックを背負ったままだったことが幸いし、ザックが身体を守ってくれたのか、身体は無傷であった。
しかし、突然の出来事にただ呆然とするばかり。
落ち着くようにと深呼吸をした後、見上げれば、落ちた岩場が壁のように立っている (下の写真は転落箇所と岩の下部)

3m近く落ちて着地し、 そこからさらに 2mほど転げ落ちたようである。
何とかここから脱出すべく、木に掴まりながら斜面をよじ登り、垂直に立つ岩場の真下まで登り返す。
そこからは岩場のスキマに生える木や、岩場と平行して斜面に生えている木を使って何とか岩壁をよじ登ろうと試みる。
岩場の真下は雪が豊富であるが、足を踏み入れると、ズブズブと潜ってしまい全く足がかりにならない。 尤も、この雪が落下した時にクッションになってくれたことも確かであるが・・・。

硬い身体ではあるものの、何とか足を高く上げて木に足を乗せ、 そして足を大きく開いて次の木に反対の足を乗せ、最後は手、足、腹部、太もも、膝まで動員して、 何とか岩場の上に這い上がることができたのだった。
この間、およそ 5分。まるで夢を見ているような感覚であった。

今から思えば、崖下から上を見上げた写真を撮っておくべきであったが、その時は雪まみれになったカメラを掃除することに心が行き、 そこまで頭が回らなかったのだった。

なお、この岩壁を登れなかった場合は、斜面をさらに下方まで下り、 右へと回っていけば何とかなったのかも知れない。
しかし、兎に角 落ちた所が深い谷底ではなかったこと、下が岩場でなかったことが幸いであった。

岩場に登り着いてから暫くは放心状態。岩場に腰掛け、深呼吸する。
ようやく落ち着いてきたので、スノーシューを岩場にデポして節刀ヶ岳の頂上へと進む。

雪に足を取られながら斜面を登り、 頂上には 11時52分に到着。
何のことは無い、この頂上からは、転落の切っ掛けとなった 金峰山方面がよく見える。



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