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また、時々右手の樹林が切れて東仙波方面が見える。
皮肉にも そちらの方はうっすらと青空が広がり始めている。
体調が良く、当初の目的通り
和名倉山を目差していれば、
青空に出会えたのかもしれない。
とは言っても、やはり
富士山や
南アルプスが見えないのでは面白くない。 |
ササの斜面をドンドン下り続け、
時々平らな尾根を進み、やがて少し登り返せば、1,883m峰に戻り着く。時刻は 10時23分。
少し余裕が出てきたので、岩の上にて先程よりも丁寧に周囲を見渡す。
すると、樹林越しに白岩山、芋木ノドッケ (写真 中央部の高みが芋木ノドッケ、その左が白岩山) が見えるとともに、
何と意外にも その右には
雲取山の山頂部分が見えたのであった。
予期していなかっただけに、これはこの最低の状況となったこの日の中で、唯一 嬉しさを感じた出来事であった。 |
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こちらが芋木ノドッケの右に見えた
雲取山。
普通、こちらから見る 雲取山は、その右側に延びる尾根上の防火帯が二重線のように見えて良い目印となるのだが、
今回は左側しか見えなかったため、最初は分からなかったのであった。
しかし、白岩山、芋木ノドッケと続けば、当然その先には 雲取山が続く訳で、
その山頂部を見つけた時は上述のように少々嬉しくなってしまったのであった。 |
唐松尾山を正面に見ながら
ササ原の急斜面を下る。
登りの時は気怠さ故にかなりキツく感じられたこの斜面だが、下りの場合はササなどに足をとられて滑り落ちてしまうことが懸念される。
慎重に足場を考えながら下っていく。
そして、登山道へは 10時36分に下り着く。
そこから右に 1分程下れば将監峠で、峠から今度は左に折れて良く刈り払われた防火帯を下る。 |
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このまま防火帯を下っていけば将監小屋なのだが、本日の体調を考え、できるだけ負担を少なくしたいと思い、途中から右手の山道に入る。
左手を見れば、先程登った尾根が見えている (写真 一番右の山が
竜喰山)。
思った通り、こちらの山道は緩やかな下りであり、身体が楽である。
左手の斜面下に将監小屋を見て進む。
その上方を見れば、樹林越しに竜喰山が見えている。
やがて将監小屋からの道と合流することとなり、ここからは今朝ほど歩いた林道のさらに先の部分を歩いて戻ることになる。時刻は 10時45分。 |
この頃になると、
林道に日差しが当たり始める。
天気予報よりも少々遅くなったが、漸く天気が良くなってきたようである。
左手樹林越しには
飛竜山も見えている。
しかしそれにしても、この林道歩きは非常に長い。
この道は過去に数回下っており、その時でさえも長く感じられたのであるから、ましてや体調不良の身にはかなり辛いし、
なかなか終わりが見えてこないのが耐えがたい。
先に述べたように、胃のもたれ感は無くなったものの、倦怠感の方は相変わらずである。
それでも何とか下り続け、今朝ほどの牛王院下の分岐を 11時29分に通過し、民宿みはらしの駐車場には 11時50分に戻り着いたのであった。 |
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今まで数多く山に登っている中、登っている最中に身体が重いと感じたことは多々あったが、
今日ほど体調不良で辛かった山登りは初めてである。
思えば、朝起きた時に布団から出たくない、もっと寝ていたいと強く思ったことが、既に体調不良のシグナルだったに違いない。
やはり、消極的な心持ちでこの
和名倉山を選んだことが
山の不興を買ったのかもしれない。
しかし、こうなると、和名倉山には再チャレンジしたくなるし、
また和名倉山に限らず次回は計画通りに山に登りたいと強く思うようになる。
ということは、登高意欲が前よりも少し高まってきたということなのか ?
怪我の功名なのかもしれない。
なお、皮肉なことに、この頃になると上空には青空が広がっており、
帰路、柳沢峠を越えてからは、本日ここまで全く見えなかった
富士山が逆光ながらも
しっかりと見えるようになっていたのであった。 |