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【 2日目 】
朝、4時半に起床。前日小屋の主人が言っていたように前線が停滞してしまったようで夜はずっと雨。朝方からは降ったり止んだりの状態が続く。
小屋もガスに囲まれており、本日の天候は望み薄のようである。5時16分に小屋を出発。
ガスで視界が得られない中、ペンキ印を頼りに進む。
いきなりの急登が始まる。風が強い。風には多くの水分が含まれており、たちまち眼鏡に水滴が付く。とても眼鏡をかけたままでは登ることができず、
眼鏡なしで登りを続ける。そういう状況なので、カメラもずっとザックの中。 |
西農鳥岳はそれと気づかずに通過してしまった。
後で、農鳥岳頂上で一緒になった人に尋ねると、高みの上で道を直角に曲がるところがそれだという。
確かにそこには標識があったが、
B>間ノ岳と農鳥岳の方向を示すものであり、
柱には早川町としか書かれていなかったはず。
風も強く、雨が横殴りとなり、頬をピシピシと打って痛い。
目標も見定まらない中、ペンキ印のみを頼りに進み、最後に緩やかな斜面を登っていくと、ヒョイと農鳥岳頂上に飛び出した。時刻は 6時30分。
ありがたいことに、この頂上に居た時だけ雨が止んでくれた。 | |
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農鳥岳頂上には 5分程いただけで先を急ぐ。虚しい。
6時50分に下降点と書かれた矢印に従って左に下る。但しここは下降点ではなかった。その先、広い台地状の場所では風がもの凄く強くなり、
身体が振られる。前を歩いていた人は転んでしまった程である。
7時丁度に下降点を通過。ここには鐘があった。
後はひたすら下るのみ。途中までは順調だったが、やがて針葉樹林帯の急下降となる。これが結構辛い。岩が大きく、しかも濡れていて滑りやすい。
一番気を遣ったところであった。
やがて大門沢沿いを歩く。水量が多く、流れも急である。
そして、8時34分、大門沢小屋に到着。 |
小屋で 5分程休んで先を急ぐ。
沢沿いの道が続く。この頃になると雨も上がり、時折日差しも当たるようになる。
今頃農鳥岳頂上はどういう状況であろうと思って上を見上げれば、やはり上はガスの中。
雨で岩が濡れているので、足元注意である。また、時として現れる丸太の橋も濡れていて滑りやすく、結構 緊張を強いられる。
写真は沢沿いに作られた人工の道。なかなかスリルがある。
天気はまた曇り状態となり、ガスも時々周囲を覆う。 | |
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写真のような丸太の橋を渡ろうとすると、下流の方にコンクリートの人工物が見えた。恐らく、発電所の取水口であろう。
ということは林道も近いということである。
そのため、橋を渡らずに河原に下り、雨具以下びしょ濡れになった服を下着も含めて着替ることにした。
その後、腹ごしらえもしたので 20分程休憩。 |
やはり先程見えた人工物は取水口であった。
もう山旅も終わりに近い。ホッとするとともに 2日目は碌な登山とならなかった悔しさがこみ上げてくる。
写真の吊り橋を渡ると、取水口。その左に付けられた道を進む。石垣がきれいに作られている。 | |
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取水口から少し進むと再び吊り橋に遭遇。
先程の吊り橋は足元が金属であったが、今度は板作り。足を踏み抜くのではと心配になる。揺れ方も大きく、少々緊張する。
その先で最近できたばかりのような堰堤が現れた。そこにも吊り橋が架けられている。
名前は 『もりやまばし』。
地図ではこれで吊り橋も終わりとなり、後は林道歩きが待っているはずである。
時刻は 10時35分。 |