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展望所で 5分程時間を費やして写真を撮った後、再び登山道に戻る。
時刻は 10時52分。11時半頃までには頂上に着きたいものである。
展望所から左手を見た時、まだかなり高い斜面が見えたので、やはりまだ 30分程は掛かりそうである。
暫くは緩い傾斜の道を進む。日差しが樹木を通して差し込み、非常に明るい。
一時的に空が曇った時もあったものの、総じて良い天気、快晴と言って良いであろう。
やがて、傾斜が徐々に厳しくなり、最後の登りらしい雰囲気が漂い出す (小生の希望的観測でもあるが・・・)。 |
足下には苔むした倒木やむき出しになった木の根が目立ち始める。
従って、登山道も今まではしっかり踏み跡があったのに、ここに来て何となく荒れているような感じを受けるようになる。
雑然とした材木置き場を歩いているような気分である。ただ、赤ペンキがそこかしこにしっかり付けられているので迷うことはない。
むしろ、深山の雰囲気が漂い出したと言った方が良いかもしれない。
また、これまで全くと言って良いほど見ることができなかった残雪があちこちに現れ始め、
しかも一旦溶けてはまた凍るという状況が続いているのであろう、アイスバーン状態のものが多い。
ただ、迂回スペースがあるのでアイゼンは不要である。 | |
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徐々に傾斜は緩くなり、何となく頂上が近いという雰囲気が漂いだす。
そして、ヒョイと狭いながらも陽の当たるスペースに飛び出すと、そこが前黒法師岳の頂上であった。
頂上はもう少し先かと思っていたので、ちょっと拍子抜けであった。
ただ、時計を見ると 11時25分。ほぼ読み通りとも言える。
頂上には三等三角点の他、立派な 2種類の標識が置いてある。先ほど私を追い抜いていったカップルはと言えば、
少し開けた南の斜面に腰を下ろし、食事中であった。 |
頂上は樹林に囲まれていてほとんど展望はない。
わずかに南面が開けているのだが、見える景色は平凡。また、そちらではカップルが食事中だったため、あまり近づけず、
撮った写真は右の 1枚のみ。
先ほどの白ガレの頭からは天水が見えたが、写真 手前の山はその天水の右にある板取山 (1,512.9m)。
その板取山の後方に見える山は大礼山 (1,373.6m)らしい。
一応頂上を歩き回って、北側に南アルプスが見える場所はないか探したが、
どこも樹木が邪魔をしてほとんど見ることができなかったのだった。 | |
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頂上で再び握り飯を食す。日差しは暖かいが、結構 風が冷たく感じられる。
その後、再び頂上周辺を歩き回ったが、やはり南アルプスの展望は望めそうもないので、
下山することにする。カップルの方も下山の支度を始めたので、少し支度を急ぎ、先に下り始める。時刻は 11時38分。
順調に下って、11時55分には再び展望所に立っていた。
やはりほとんど展望のない頂上より、こちらの方が良い。少し角度を工夫して、
今度は聖岳の右の方に
茶臼岳と上河内岳を入れた構図で撮ってみた。 |
展望所にて写真を数枚撮った後、
再び登山路に戻って先を急ぐ。下りでは先ほどのカップルに抜かれたくない。
樹林の中を下りながら左手を見ると、時々、樹林越しに南アルプスの山が見える。
しかし、最早展望所から見た光景以上の展望は望めない。
暫く進むと、上河内岳の右手前に形の良い山が見えた。
帰宅後調べたら、大根沢山 (オオネザワヤマ 2,239.2m) らしい。
Googleで 「 大根沢山 」 を検索したところ、
最初の 2ページには 「 大根沢山 」 が出ていたものの、
その後は 『 だいこん 』、『 たくさん 』という言葉ばかりで、思わず笑ってしまった。 | |