前黒法師岳(寸又三山)( 前黒法師岳:1,943.2m ) 2010.04.03 登山



【PHOTO & 記録 前黒法師岳(寸又三山) 2】

登山路はジグザグ状に上に延びていく。かなりの急登である。40分程の車道・林道歩きで身体がほぐれてきているとはいえ、やはり朝方はキツイ。

なお、本日は花粉症の薬を飲んでこなかったので、ノドがカラカラに乾くという症状はおきていない。 ありがたい。
ただ、後ほど鼻水が小生を悩ませることになる。
周囲は自然林から杉の植林帯へと変わる。

やがて、杉の植林の中に石垣がキチンと積まれている場所が現れた。 石垣は斜面に分譲地を形成しており、今は植林された杉に占領されてしまっているものの、確かに家を建てられるような平らな土地が段々状に続いている。
『 湯山集落跡 』 と書かれた標柱があったので、ここが そうかと思ったものの、 とにかく先ほどの林道から 16分程も山に入り込んだ場所にこのように集落があったことに驚かされる。
平家の落人が住んでいたのかと思ったが、後で調べるとそうではないようで、林業関係の人達が住んでいたらしい。 『 湯山 』 という名に現れているように近くには温泉が湧出し、集落の共同浴場もあったようだ。 それにしてもかなり山奥であることにビックリ。

集落跡からも登りが続く。ただ、傾斜はやや緩やかになる。
道は明瞭に踏まれており、迷うことはない。周囲は杉の植林帯がずっと続くが、 時として自然林も現れ、場所によっては自然林と植林が混在しているような場所もある。
やがて、先ほどの 湯山集落跡から17分程登ってきたところで、再び樹林の中に石垣が現れた。 湯山集落跡のような標識はなかったが、地図 (昭文社 『 塩見・赤石・聖 』) で確認すると、 集落跡との記載がある。湯山集落でも驚いたのに、さらにこんな高いところに集落があったとはもうあきれるしかない。
そして、集落跡からさらに登っていくと道は樹林帯を抜け、斜面の終わりが見えてきた。 湯山林道が近いようである。

周囲の展望も開け、 右手に朝日岳の姿が飛び込んできた。 中腹の白く崩壊した場所もよく見える。何よりもその姿が堂々としていることに驚かされる。
やがて、思った通り湯山林道に飛び出した。時刻は 8時33分。 林道には資材置き場のような小屋がある。小屋の前で朝日岳を見ながら 5分程休憩する。
登山道は、林道を左の方に少し進んだ所から再び始まる。ここからは見晴らしの良い尾根を中心に進むことになる。 但し、尾根は一直線であるが、道の方は尾根を中心に鋸の歯のように左側の斜面に入ってはまた尾根筋に戻るというジグザグ道となっている。 右手の朝日岳が素晴らしい。

尾根筋を進んでいると、右手前方に白い頂がチラリと見えた。この後 高度を上げていけば、 朝日岳では見ることができなかった南アの山々を見ることができそうである。

尾根を登り詰め、再び樹林帯に入っていくと、やがて栗の木の段。 標識のソバには三等三角点もある。ただ、自然林に囲まれたやや平らな場所というだけで、ピークという訳でもなく、何の変哲もない場所である。 小生は三角点のある場所からかなり南側を歩いており、標識らしきものが見えたので、わざわざ寄ったという感じになった次第。 時刻は 9時6分。

この辺からは緩やかな登りが続く。
尾根道は広くなり、踏み跡も多くなってどこを通ってもよさそうな感じである。逆に言えば、ぼんやりしていると道を誤りそうであるが、 実際は赤テープや赤ペンキが小忠実に付けられており、ちょっと道を間違えたかなと思ったら周囲を見回せば、 必ずそれらの印が見つかるといった状態。道に迷う危険性はほとんどない。
周囲にはオオシラビソ、ヒメシャラなどが多く見られ、自然のままの姿がなかなか心地よい。



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