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9時6分、黒斑山を出発。樹林帯に再び入る。雪の上の足跡は本日のものではなく、2、3日前のもののようだ。
しかし、先達がいるのは大変ありがたい。忠実に踏み跡を辿る。
それにしても、予想以上の残雪に大変苦労させられる。
踏み跡は林の奥の方を通っているが、そこは雪が多い。
ズボッと足を踏む抜き、股下まで潜り込んでしまうこと十数回、時には踏ん張って雪から出ようとしたところ、もう一方の足も潜ってしまい、
ヘソ上まで雪に埋もれてしまうこともあった。底なし沼かと一瞬恐怖に駆られる。
それでも、時折林の中から出て崖の縁を歩くこともあり、振り返れば黒斑山が高く見える。 |
崖の縁は日当たりも良く、
雪が融けて夏道が出ているところもあるが、逆に雪が柔らかくなっていて足を踏み抜くことも多いので気疲れする。
林の中も深く潜ってしまうことが多く、その際、雪から這い上がるために樹木を掴むため、腕が結構疲れる。
また、潜ってしまった状態から脱出することに加え、足が潜る瞬間に身体が反応して身構えるので、かなり体力を消耗する。
帰りもこの状態で黒斑山に登り返すのかと思うと気持ちが少々萎える。
しかし、前方に見える外輪山の景色は魅力的であり、とにかく今は進むのみ。 | ![](kurofuyama014.jpg) |
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悪戦苦闘の末、10時22分、蛇骨岳に到着。当然本日一番乗りである。
岩場に蛇骨岳 2,366mと書かれた立派な標識が立て掛けられている。
岩場に登って周囲を見渡す。ここからは今まで見えなかった
浅間山とは反対側の山々も見えるようになった。
もしかしたら、北アルプスの山々も見えるのかもしれないが、この日は気温が高く、春霞み状態で確認はできなかった。 |
しかし何と言っても、やはりここでも主役は
浅間山。
徐々に太陽の位置が南へと動いたせいであろうか、東方にある浅間山が先ほどに比べてクッキリとしてきている。
日差しは強いが、結構風が強くしかも冷たい。汗で背中が濡れているので、寒く感じる。 | ![](kurofuyama016.jpg) |
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北を向けば、形の良い山が見える。ややカスミ気味ではあるが、
四阿山のようだ。
地図で確認すると、こちらから見る四阿山は小生が最初に登った鳥居峠からのコースということになるようだ。
的岩や花童子宮跡がある方角ということなのだが、どうも頭の中で
浅間山と
四阿山の位置関係が整理できておらず、戸惑ってしまう。
鳥居峠と言えば、かつてそこからゴールデンウィークに四阿山に初トライし、
2,037mの先のピークまで登ったものの、その後 あまりの残雪の多さに撤退したのだった。ピークを踏まずの下山は初めてであり、
準備不足、情報不足を反省した次第。 |
南を振り返れば、黒斑山が見える。
帰りの黒斑山までの登り返しと樹林の中の雪の量を考えると、本当に帰りが憂鬱である。
蛇骨岳から車坂峠へと下る裏コースが踏まれていればよいのだが・・・。
と思ったが、結局は見つからず。 | ![](kurofuyama018.jpg) |