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木々のない雪の斜面を下る。軽アイゼンを装着していないので、斜面が凍っていたら嫌だなと思っていたら、雪は存外柔らかく、助かった。
斜面を下りながら展望を楽しむ。奥秩父主脈は
国師ヶ岳から 90度 北に向かって曲がり、
金峰山へと続いているので、
手前に見える主脈尾根の向こうに朝日岳、金峰山が見える。
金峰山は頂上が白く、五丈岩が良く見える。
また、朝日岳と国師ヶ岳の間に白い頂が見えるが、北岳のようである。
雪の斜面を少しグリセード気味に下り、再び樹林帯に入る。 |
先ほどの斜面から甲武信小屋までは樹林の中。
雪が木々にも多く積もり、真っ白な世界である。
その樹林と樹林の間にあるスペースから、甲武信岳の姿が見えた。
今までに甲武信岳には 4回ほど登っているが、いずれも頂上からの展望は今ひとつであった。
しかし、今日こうして見上げる甲武信岳頂上は、雲一つ無い青空にその姿を浮かべている。
本日は展望が大いに期待できそうだ。心が弾む。 |  |
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白く、静かな世界の中を黙々と進み、最後は斜面を下る。膝下までの雪を踏んで、12時28分、甲武信小屋前に到着。
出入り口の戸が閉まっており、小屋には人がいる気配がない。先の人は今日 本当にここに泊まるつもりなのだろうか。
小屋には寄らず、横を素通りして
甲武信岳へと向かう。
ここからは雪の量が減って、歩きやすい。 |
少し高度を上げると、展望が開ける。
先ほど木賊山の下り斜面でも見えた金峰山、
朝日岳、そして北岳、
間ノ岳、
国師ヶ岳、北奥千丈岳がよく見える。
国師ヶ岳の右側、北岳、間ノ岳が見える付近が大弛峠であろう。
峠の右に見える高みの中腹に白い線が見えるがあれは大弛峠から廻目平へと続く林道と思われる。
かつて、
廻目平から金峰山に登った後、
あの林道を延々と歩いて廻目平に戻った記憶が蘇る。途中、親切なご夫婦が車に乗るように誘ってくれたのに、意地を張って断ったりして・・・。
また富士山も見えるが、
もはやかなり逆光で真っ白である。 |  |
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この後、暫くは樹林の中の登りが続く。
ジグザグに斜面を登っていく。かつてはここをへばりながら登った覚えがあるが、今日は天候の良さ、
正月早々の雪山登山に気分も高揚しているのであろう。ほとんど疲れを感じない。
やがて樹林を抜け出し、展望が一気に開ける。
振り返れば、木賊山の姿が大きい。先ほど、
甲武信岳が初めて見えた木賊山の下り斜面も、
ここからよく見える。 |
東を見れば、
雲取山方面へと続く奥秩父主脈の残り半分が見える。
写真中央、山を左右に割るように白い雪道が見えているのが西破風山。
そして、西破風山の右に延びた山が東破風山。
また、西破風山の後方に見える大きな山は
雁坂嶺であろう。
雁坂嶺の右後方に見える意外ととんがっている山が雲取山。
山頂右側の防火帯が稜線に縁取りを付けている。 |  |
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途中 南に富士山を見て、
雲取山の反対側である西方に目を向ければ、
国師ヶ岳、
金峰山などの山々の右側に
八ヶ岳の姿が素晴らしい。
左から三ツ頭、権現岳、
そして主峰 赤岳と続き、
さらにその名の通り 横に長く平らな横岳、真っ白な硫黄岳と続く。
そして、さらに右に根石岳、天狗岳が見える。
ちょっと贅沢な話だが、頂上に至る前に、
これほどの展望が見えてしまうことが残念に思える程である。 |