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11時42分、樹林を抜けて展望の良い岩場に飛び出す。
岩場の左側はかなり崩れていて、急斜面。そして今まで登ってきた樹林帯の木々は、全てこの岩場より低い高さにある。
従って、ここからの展望は素晴らしい。
今まで何かと木々が邪魔をしていた
富士山を、
途中に遮るものも無く真っ正面に見ることができる。
方角は真南。太陽も南にあり、それ故光の関係で、富士山までの景色は墨絵のようである。
富士山の左側のすそ野に
三ツ峠山が大きい。
ここで先ほど抜き返された人と再び合流。大休憩とする。 |
岩に腰掛け、周囲を見渡す。
富士山より東側、手前に見えるのは広瀬湖。
そして、写真の真ん中に見える三角形の山は、本日 登る予定であった
大菩薩嶺。
そうなるとその右側 奥の山々は小金沢連嶺、黒岳となり、
さらに右に大蔵高丸などの南大菩薩が続く。
大菩薩嶺の左側、奥に見える山々は
丹沢山塊
かもしれない。 |  |
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南西を見れば、国師ヶ岳、北奥千丈岳が黒々として大きい。
その左奥には、荒川三山、
赤石岳、
聖岳が見える。
また、国師ヶ岳の右には、朝日岳、そして頂上が白い
金峰山も見ることができる。
それにしても、この近丸新道は過去に 2回往復に使い、また
雁坂峠から縦走して甲武信岳に登った後にも下山路に使っているのだが、
このような見晴らしの良い岩場があったという記憶がない。途中に岩場があったのは覚えているが、これほど開けていた覚えがないのである。
当時は、天候の状況で視界が悪かったのか、私が単に忘れているだけなのか、ちょっと謎である。 |
11時55分に出発。
先ほどの方は、もう既に出発している。
再び、樹林帯に入る。雪の斜面をジグザグに登っていく。
10分ほど登っていくと、上方の樹林の隙間から青い空が見えるようになってきた。どうやら尾根に飛び出すのも時間の問題のようだ。
そして、12時9分、尾根上に飛び出した。
左が甲武信岳、
右が破風山と分かれる訳であるが、
右への道は雪の上に踏み跡がないに等しい。
ここで、三度 (みたび) 先の人に追いつき、そして追い越す。
暫くは平らな尾根道が続く。
しかし、雪の量はこれまでよりもかなり多くなる。膝下まで潜りながら進む。 |  |
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そして、12時15分、木賊山頂上に到着。
頂上と言っても、先ほどから続く平らな道の途中に標柱が立っているという感じであり、
頂上まで登ったという達成感はない。木賊山の形から言って仕方がないところか・・・。
標識の左手に ○等三角点 (実は三等三角点) と書かれた小さな標柱があったので、
その付近の雪を踏んでみる。
しかし、三角点は見つからない。それもそのはずである、木賊山の三等三角点は木賊山の標柱とは反対側、
つまり私が立っている場所の後ろにあったのである。
が、それは帰宅後に分かったこと。三角点を諦め、先に進む。 |
平らな尾根道はやがて下りに入り、
暫く先で樹林を抜け出すことになる。
そこには定番の眺め、
甲武信岳の美しい三角錐が待っている。
甲武信岳の右には、先般その上に立った三宝石を山頂直下に抱く
三宝山が大きく、
また甲武信岳の左には水師、富士見、
国師ヶ岳と続く奥秩父主脈が見える。
そして主脈の後方には、白い頂を抱く硫黄岳をはじめとする八ヶ岳連峰が見える。
いつ見ても素晴らしい光景であるが、この山で これほど八ヶ岳がハッキリ見えたのは
今回が初めてである。 |  |