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岩混じりの斜面に到達し、展望が一気に開ける。
振り返れば、黒金山が美しいピラミッド型を見せており、
その左に 乾徳山、
牛首と続き、それらの山々の後方に富士山が見えている。
そして、富士山の手前に見えるのは
御坂黒岳であろう。
さらに富士山の左には三ツ峠山も見える。
やや逆光気味であるのは残念だが、新年初登山で富士山を見ることができたことを素直に喜びたい。 |
尾根道を登り続け、登り着いたところが、
近丸新道との合流点。時間は 9時52分。
ここで、先行者に追いついた。少し話をする。
聞けば、その方は、今晩 甲武信小屋に泊まるのだそうである。この時期小屋は営業しているのだろうか?
また、その方は毎年 この時期に甲武信岳に登っているのだそうで、
今年は 雪が少ないと言っておられた。数年前には、木賊山の稜線に出た途端、腰までの雪に難儀したとか。
小生はこの少ない雪のお陰で、この時期に甲武信岳に登ることができる訳であり、
雪の量に拘わらず毎年登るなんて とてもできはしない。 |  |
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先行者を追い抜き、先に進む。
少し下っていくと目指す 木賊山が上の方に見える。あの稜線までかなり距離がありそうであるし、
またこれから進む戸渡尾根の登りが厳しいことを考えると、少々気持ちが萎える。
樹林の中を黙々と登っていく。足下の雪は先ほどまでと比べて量が増えてきている。
ただ、昨日登った方の足跡が明確に残っているので、道に迷うことはない。
大変ありがたい。 |
近丸新道との分岐から 50分程登ってきたであろうか。
朝、5時半頃に車を運転しながら握り飯を食べたきり、5時間ほど何も腹に入れていないことになる。
普段ならこんなことはないのだが、本日は途中に仮眠などして、間に 1.5時間ほど入れたのがまずかった。腹が減ってかなりしんどくなってきている。
ただ、休もうにも周囲は雪。適当な場所が見つからない。
振り返れば、先ほど抜いた方が、20mほど後方から付いてきている。抜かれたくないという思いと、
休憩したいという思いが交錯する。 |  |
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樹林帯を登り、かなり高度を上げてきたところで振り返れば、樹林越しに再び
富士山が見えてきた。
空腹状態はもう限界。つまらぬ意地を捨て、これを機に休憩することとする。時刻は 10時50分。当然、休憩中に先ほどの人に抜き返される。
しかし、5時間ぶりの食事と水の方が重要である。
富士山の方を見れば、
富士山の手前に
御坂黒岳、
釈迦ヶ岳が見える。
その間の山は破風山であろう。
9分程休み、10時59分に出発。やはり空腹状況が治まると元気が出てくる。 |
樹林の中の登りが続く。
しかし、所々で、樹林が切れ、展望が広がる。
左手には黒々とした山々の向こうに真っ白な山の一群が見える。南アルプスである。
恐らく荒川三山、
赤石岳、
聖岳であろう。
手前の山々の黒に対し、それらの峰々の輝きがあまりにも白く、しかも頭上の太陽の光、そして青い空に吸収されそうなので、
この先、甲武信岳
からの展望が心配になる。 |  |