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登山道周囲にはシラビソが現れ始める。
足下の方は、相変わらず 木の根が剥き出しになっている箇所が多く、また土が軟らかく崩れやすい。泥濘んでいる場所も多く見られる。
と言うよりは、土が軟らかい為か、雨などによって斜面に水が流れる際、流水が土も一緒に流してしまい、それで木の根が剥き出しになったという感じである。
途中に、根っこごと倒れた木もあったので、少し山の状態が心配である。
振り返れば、樹林越しに残雪の山々が見えるが、断片的で全体が見通せない。
そんな中、近くの山が見えた。先程見えた山と同じと思うが、今度は少し頂上部分が尖っている。
恐らく剣ヶ峰山で間違いなかろう。
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ジグザグに登りながら高度を稼いでいく。
足下は、小さな石がゴロゴロしている枯れ沢のような所を進むようになる。
そんな中、虫を口から吸い込んでしまい、慌ててザックから水を出してうがいをし、
口を濯ぐ (恐らく虫は吐き出せていないと思う)。
その間、先程 避難小屋分岐の先で追い抜いた方に抜き返されてしまう。
やがて、目の前に岩場が現れた。そこには、木の梯子、ロープ、鎖も設置されている。
ただ、岩が濡れていて滑りやすいため要注意ではあるものの、ここの岩場は鎖を使わずとも楽に登ることができる。 | |
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その岩場を登り切り少し進むと、展望がグッと開けるようになる。
写真の山は 巻機山方面
(と言っても、この時は全く山の名前は分からなかったのだが・・・)。
写真右の やや台形をしたピークは永松山。そこから左へと続いている稜線上の最初の小ピークは トトンボの頭。
その左の一番高いピークが牛ヶ岳 (写真 真ん中) で、その左に巻機山、
割引岳、前巻機 (ニセ巻機) と続いて稜線が下りに入る。
そして、一旦下った稜線は米子頭山で小さく盛り上がり、写真 左のピーク 柄沢山へと続いている。
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さらに進むと、またまた岩場の登りが現れるが、
その手前においてもかなりの展望が得られる。
しかし、やはり山の名前がよく分からない。越後の山は丸みを帯びた山が多くて、皆 見たことがあるような形をしており、
しかも この地域では馴染みの山も限られているので、特定が本当に難しい。
と思っていたら、右の方に目を向けると、
写真のように至仏山が見えたのであった。
ようやく見知った山を発見してホッとする。
となると、至仏山の左のピークは笠ヶ岳 (先程の笠ヶ岳とは別)、
そしてその左後方の山は平ヶ岳だということが分かる。
そして、平ヶ岳から目を左の方へと動かしていくと、中ノ岳、
越後駒ヶ岳も確認することができたのであった。 | |
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岩場を登り切ると、すぐに尾根に出る。ここからは燧ヶ岳を見ることができるようになる。
前を向けば、岩峰が道を塞いでいる。このルート上で一番厳しい岩場であると思われる。まずは、その手前でロープ付きの小さな岩場に登る。
その後、そそり立つ岩峰が目の前に立ちはだかるが、ルートはしっかり岩の間を登るように作られている。
先程 虫を飲み込んでしまった際に小生を追い抜いていった人が、
その岩場を登っていたので、その人が登り終えるまで待つ。
小生の後ろには誰も居らず余裕があるからだが、混んでいる場合はそうもいくまい。ただ、複数人が同じ鎖を使うのは好ましくないが・・・。 |
岩場を登り終えて少し進むと、
今登ってきた岩場の上に行けると思われる道があったので、そちらに行ってみる。
その岩場からは、かなり広範囲の展望が得られたのだった。
そこには先程の方もおられたので、一緒に山座同定を試みる。
燧ヶ岳、
至仏山、
そして平ヶ岳、
越後駒ヶ岳は確認済みであるが、
問題はそれよりも左手、特に西にある山々である。 | |