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再び夏道が雪の廊下に近づいてきたのを機に、そこからは雪の廊下を登ることにする。
目の前に広がる雪の斜面は、徐々に傾斜が急になってかなり手強そうであるが、何とかアイゼンを着けなくても登れそうなので、
ノーアイゼン、ダブルストックで登っていく。
少し傾斜が厳しい所もあるが、その場合は登山靴を雪に蹴り込んで足場をしっかり確保しながら登る。
しかし、そのため結構 時間を要することになる。 |
ずっと登り続けているので (一応、先程 七ヶ岳が見え、夏道に気がついた場所で少し休憩してはいるが)、
少し体力的にキツくなってきたが、登っている斜面に足跡などなく、自分一人がこの山を占領しているという状況のため、
結構 テンション高く登っていける。
右手後方 (南) を見れば、少し霞み気味ながら、
高原山が見える。
一番右の三角錐が鶏頂山、その左が西平岳、そしてさらに釈迦ヶ岳といったところであろうか。
釈迦ヶ岳の手前に見える山は、小山氏邸宅の庭先からも見えた山でもあるが、前黒山であろうか。
さらにその手前には、富士山 (新湯富士) も見えているのかも知れないが、この状態では識別が難しい。 | |
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雪の廊下は、出だしの細く狭い状況から、今やかなり広い斜面の広がりとなる。
高度を上げて振り返れば、登り来たりし尾根筋がよく見える。
雪の尾根が再び盛り上がって到達する黒い高みが、1,514m峰で、その手前に 2基の鳥居があるということであろう。
その 1,514mの高みから、尾根は左右に分かれるが、登ってきたのは左の尾根。それにしてもかなりの距離を登ってきたものである。
また、西の方を見やれば、重畳する山々の向こうに、
ぼんやりとではあるが、白き山の連なりが見える。
もしかしたら会津駒ヶ岳かもしれない。 |
急斜面に体力を消耗しながら漸く登り着いた高みは、残念ながら頂上に非ず。尾根は左の方に続いている。時刻は 10時38分。
ガッカリするとともに、疲れがドッと出てしまったが、その先に続く尾根道を見て思わず歓声をあげる。
青空をバックに、真の頂上と覚しき高みに向かって延びている雪の廊下が本当に素晴らしい。これを見て、疲れも一気に吹き飛ぶ。
距離は結構あるようだが、ここは素晴らしい雪の回廊をまだまだ進めることを喜びたい。
なお、先に述べたように、風は結構強いものの、
本日は暖かく、汗をかいた身体には却って心地よい。 | |
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息を切らせながら斜面を登る。
右側はかなり急斜面になっているので、万が一滑落したら助からないであろう。
暫く登って振り返れば、登ってきた雪の廊下、
そしてその先に先程 頂上と思った高みが見えている。
その高みの後方には高原山が見えており、
高みの右後方には 2基の鳥居がある 1,514m峰も見えている。 |
やがて傾斜も緩み、
雪の斜面も終わりとなって、枯れ木が数本立つササ原に登り着く。しかし、ここも頂上に非ず。さらに先に高みが見える。
登る途中で見えたこの山の形を思い出せば、
まずは 1つめの高み (先程 頂上と思った雪の廊下の到達点) の左側にさらに高い高みがあり、
その形は台形をしているのであった (それがこの場所で、今居るのはその台形の手前側の端)。
頂上はその台形の反対側の端にあるということである。
しっかり状況を頭に入れておけば、何回もガッカリすることはなかったのだが、まあ仕方が無い。
台形の上底を進む。
さすがに頂上を目指すので、遠くから見たように上底は平らという訳にはいかないが、再び現れた雪道は緩やかである。 | |