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長い林道を登りながら気づいたことは、この地域はもともと積雪がそれ程でもないこと。さらに、道は日当たりが良いため、
例え雪が積もったとしてもすぐに融けてしまうこと。
そして、現在は工事を行っているため、工事車両が通れるように除雪がしっかりなされていることなどである。
当初の目論見は見事に外れたのであった。やはり下調べは重要である。
高度が上がるに連れ、
富士山の方はさらによく見えるようになる。
これならば、雁ヶ腹摺山頂上からの
富士山の眺めも期待できそうであるが、時間的に見て、頂上からは逆光になると思われるのが心配である。
なお、富士山手前の山は、先程述べたように
滝子山。 |
やがて、
『 猪塚 』 と彫られた、真新しい石碑の前を通過する。
傾斜が緩くなり、雁ヶ腹摺山の左斜面と
黒岳の右斜面が作り出す Vの字が見えるようになり、大峠も近いと思われるようになると、
道路上でワイヤーロープをコントロールしながら崖下で実際に工事が行われていた。
そこを過ぎると除雪は行われておらず、道路は雪で覆われるようになる。
この雪の上を進んでいるうちに、足跡が一つあることに気がついた。
小生と同様に この林道を登ってきた登山者がいるようである。ただ、本日ではなくて昨日のものかもしれない。
周囲の雪が多くなり、道路も傾斜がなくなってくると、やがて色々なものが賑やかに立っている大峠であった。時刻は 10時13分。 |
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3時間近く何も口にしていないので、黒岳へ向かう斜面の縁にある東屋で休憩することにする。
こちら側は雪の上に全く足跡が無く、黒岳への登りは苦労しそうである。
東屋の中のベンチで休憩するが、窓に戸が無いため、吹き込んでくる風が冷たい。むしろ、天気が良いので東屋の外に出て、東屋の外壁で風を避け、
日差しを浴びている方が心地よい。
20分程休憩した後、再び峠に下りて
雁ヶ腹摺山を目指す。
こちらには先程林道にあった足跡が雪の上に続いている。写真のような階段を登る。時刻は 10時35分。 |
ここでスノーシューと思ったが、
狭い登り道が多く、岩も露出しているところがあり、スノーシューには適していないようなので諦める。
雪はサラサラ。その雪の下に凍った部分が多々あるので歩行は要注意である。ただ、軽アイゼンは不要と思われる。
道はすぐに下りとなって、写真のような木製の橋を渡る。
ここは水場となっており、『 御硯水 』 との名前もあるようだが、
水が流れていなかったのか、あるいは雪に埋もれてしまっていたのか、全く気づかずに通り過ぎる。帰宅後、写真を拡大してみると、
この橋の傍らに立派な石標が見えている (『 御硯水 』 と彫られているらしい)。
岩がゴロゴロしているところを乗り越えていくと、2つ目の木橋が現れる。
但し、この橋は通行禁止。橋の横、山側を進む。 |
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雪の上に足跡は明瞭。先達がいるのといないのとでは大違い。
大峠まで歩いて登ってこられた方に感謝である。
雁ヶ腹摺山
方面を示す標識を過ぎて暫く登ると、展望が少しだけ開け、大峠を挟んだ向かい側にある黒岳の姿が樹林の上方に見えている。>
3つめの木橋を渡り、暫く進んだところで、道は左に大きく曲り、
なだらかに斜面を横切って高度を上げていく。
足下の雪の量は増えてくるが、歩行には全く問題ない。軽アイゼンも不要である。
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やがて、道は一旦緩やかになった後、
大きな岩がゴロゴロしている場所を通過する。
その後、今までの斜面をトラバースする道から、
雁ヶ腹摺山
の南南西に延びる尾根の上を真っ直ぐ登っていく道へと変わり、
高度を上げるに連れて、周囲は灌木帯とササに変わってくる。
展望がグッと開けるようになる。 |
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