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送電線を過ぎると、写真の様な標柱や、「 田代幹線 No.○○ 」 と書かれた白い立て札が頻繁に現れるようになり、
そこに書かれた 「 東京電力 」 の文字がやたらと目に付くようになる。
それだけなら良いのだが、道がいくつか分かれる場所も出てくる様になり、ちょっとまごつく。
そういう時、標柱や立て札にマジックインキの手書きで 「 ← 長者ヶ岳 」 の文字が見つかりホッとする。
写真の標柱も右に行く道と、左に行く道があり、標柱の上部に書かれた 「 ← 長者ヶ岳 」 の文字で迷わずに済んだのだった。 |
ということで、
この辺は東京電力の管理下にあるのであろう、道もかなり良く踏まれていてスムーズに歩くことができる。
但し、小さなアップダウンは相変わらず続き、いい加減イヤになってくる。
そんな時、富士山や南アルプスが見えればまだ良いのだが、
樹林に囲まれて展望はほとんど利かず、見えるのは名も知らない小さな山々ばかりである。 | |
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樹林の先に高みが見え、あれが長者ヶ岳かと思って登って行くと、さらに先にまた高みが見えるというパターンが続く。
いつの間にか東京電力が使用するテリトリーから出てしまったのであろう、足下には落ち葉が目立つようになり、途中 やや道が不明瞭な所も現れるようになる。
また、落ち葉に加え、小さな枯れ枝も足下に目立つようになり、あまり歩かれている道では無いことが良く分かる。
時刻は 14時半を過ぎ、さすがに身体の方も疲れてきた。精神的にも肉体的にも少々辛い道が続く。 |
落ち葉の上を黙々と進む。
厳しい登りは皆無だが、いつまでこの状態が続くのかと本当にイヤになる。
それでも進み続けると、ようやく樹林の向こうに長者ヶ岳と天子ヶ岳らしき山が見えてきた。
恐らく間違いないと思うが、これまで何回もだまされているので、できるだけ期待しないように進む。 | |
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そして、期待を抑えつつ登っていく高みの先に富士山
と頂上標柱らしきものが見えた時は本当にホッとしたのだった。
長者ヶ岳の頂上に着いたという喜びよりも、単調で辛いルートからようやく開放される との喜びの方が強かった感じである。
長者ヶ岳到着は 14時53分。
当然この時間では誰もいない。ベンチに当たる西日を浴びながら大休止。
雄大な富士山を眺める。 |
先程述べたように、
ここからは正面に大沢崩れが見える。毛無山
から 30度程富士山の周りを進んだということになるようだ。
富士山自体は、その頂上ならびに左側の裾はよく見えているものの、右側の裾は湧きだした雲に隠れ始めている。
日の光が富士山の斜面に雲の影を写しており、それが竜の形に見えるような奇跡が起こらないか などと考えながら、
暫しその姿を眺める。
また、足下には田貫湖も見え、なかなか素晴らしい展望である。反対側を振り返れば、南アルプスの山々も見える。
但し、この時間では残念ながら逆光気味である。
いつまでも眺めていたい光景であるが、日が沈み始めているのでユックリしてはいられない。
15時9分、天子ヶ岳へと向かう。 | |