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木道を進んでいくと、左の岩場に水場が現れたので、
そこでノドを潤して少し元気をもらう。時刻は 10時49分。
この水場から流れる水は、木道右手にある池塘に流れ込んでいる。
ガスでよく見えなかったものの、周囲には他にも池塘があるようである。
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水場から少し進み、
朽ちかけた丸太の階段を登っていくと、
やがて朝日岳の分岐点に到着。
ようやく稜線に登り着いたことになる。時刻は 10時53分。
ここは丁字路になっていて、木道を右に進めばジャンクションピーク、清水峠。左は目指す朝日岳、笠ヶ岳、白毛門である。
当初の計画では、まずジャンクションピークに登る予定であったが、バテ気味で、しかも何も見えないガスの中では登る気になれず、
左に道をとって朝日岳を目指す。
木道の先、ガスの中に高みがボーッと浮かんでいる。
あれが朝日岳かと思っていたら、道はその高みを右から回り込むように登っていくようになる。
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そして、思った通り、
登り着いた所はやはり朝日岳頂上であった。
到着時刻は 10時57分。バテバテの到着である。
強風が吹き抜ける中、頂上には 5人程が憩っていた。恐らく 4人は土合橋から、1人は宝川温泉からと思われる。
頂上には、標柱の他、石仏、三角点などが置かれていたが、
これは前回の記憶通りである。
しかし、前回 この頂上から得られた展望は、今はガスに囲まれて全く得られない。 |
三角点に触れた後、石祠の立つ奥の方の岩場へと進む。
岩場の陰に隠れて風を除け、本日初めての休憩をとりながら、この後のことを考える。
ガスの中、このまま白毛門の方へ進んでも
恐らく谷川岳は見えず、
何の面白味もないことが想像される。
しかも、登る前には楽しみにしていた土合橋からのバスの乗り継ぎも億劫に感じられるようになり、
さらには宝川入口から宝川温泉への歩きも面倒臭いと思うようになる (宝川入口のバス停から宝川温泉の駐車場まで、
かなり距離があることを今朝程知った)。
結局、今朝程は想像もしていなかった、往路を戻ることを選択する。
このガスで心が完全に折れてしまったのだった。 | |
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11時18分、誰もいなくなった頂上を後にして 登ってきた道を戻る。
休憩中、一時的に日が差すことがあったものの、ガス、強風という状況は改善されず仕舞いであった。
朝日岳から下り始めると、
一瞬 ガスが流れて、ジャンクションピーク、そしてその手前に広がる朝日ヶ原が見えたのだったが、すぐにガスに飲み込まれてしまう。
一瞬だけ見ることができたこの光景は、朝日岳からのプレゼントだったのかも知れない。 |
ガスの中、木道を下る。
朝日岳の分岐点を 11時20分に通過する。
分岐点から振り返れば、木道の先に朝日岳の頂上が微かに見える。
今朝の快晴状態を思うと、今の状況は大変残念であるが、これも山、致し方ない。
分岐を右に折れて木道を宝川温泉方面へと進む。 | |