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岩場に立つと、今まで阿弥陀岳
の斜面に隠れて全体が見えなかった横岳が見えるようになる。
写真一番左が硫黄岳。硫黄岳から右に下った尾根が再び盛り上がった所が台座ノ頭。その右、一番高く見える付近が横岳の奥ノ院。
そして、その右が三叉峰ということになろう。
なお、写真では分かりにくいが、台座ノ頭の下方には大同心の岩峰も見えている。
また、さらに下の方には 行者小屋も見える。
梯子を下ると岩場も終わり。後はハイマツの道が続く。 |
緩やかにハイマツの中を進む。
途中振り返れば、摩利支天の岩場が見えるが、登らなかった右側の岩場の方にケルンが積まれているのが見えた。
あそこに何かあるのかなと思ったが、腹具合もあって戻ることはせずに先に進む。
帰宅後調べて見ると、その岩場には摩利支天と彫られた岩の他、鉄剣等 それなりのものが祀られているということが分かったのであった。
事前にガイドブックを読まなかったのが失敗、反省である。
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ハイマツの海を割るようにしてつけられた道を進むと、広い場所に飛び出した。阿弥陀岳頂上である。
時刻は 9時55分。
頂上には 10人程の人たちが憩っている。
まずは休憩して、腹具合に影響しない程度にノドを湿らせる。 |
その後、周囲の景色を楽しむ。
やはり目に着くのは目の前の赤岳。
そして、阿弥陀岳から中岳、
赤岳と続く縦走路、垂直に見える赤岳の斜面、
そこにジグザグに付けられた登山道がよく見える。また、赤岳の左には、横岳、硫黄岳が続いている。
本日は身体が重い上に、便意を抱いたまま登り続けることになったので、
頂上に着いたら行者小屋に下ろうと思いながらここまで登ってきたのだったが、この赤岳岳を見た途端に登意欲がグッと増し、
赤岳に登らずして下山してはならないという気持ちにさせられたのだった。
そうなると、不思議なことに便意も スーッと引っ込み、この後 一度も便意を催すことはなく、
赤岳山頂の小屋、行者小屋などのトイレも使用しなくて済んだのであった。面白いものである。 | |
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その赤岳にもガスがかかり始め、
時にその姿が見えなくなってしまう。
東南東には富士山も見えてはいるものの、
そのほとんどは雲に覆われてしまっている。
権現岳も今やガスに囲まれ、
編笠山もガスに飲み込まれつつある。
また、南アルプスが見えなくなるのも時間の問題であろう。
北岳は既に隠れつつある。 |
10時12分、
赤岳を目指して
阿弥陀岳を後にする。
赤岳は時折ガスに囲まれてしまう状況となっているが、赤岳頂上の展望にはあまり拘りが無い。
既に 6回も登っているからなのか、あるいは、本日の目的地は赤岳ではないという思いが強いからであろうか。
阿弥陀岳の下りは足場がかなり悪い。危険度はそれ程高くはないが、
気をつけないと落石を起こしそうなので神経を使う。
最後に長い梯子を下りて中岳のコルに下り着く。
行者小屋に下るのならここを左折だが、ありがたいことに便意の方はどこかに行ってしまったので、
そのまま中岳を目指す。 | |