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そして、目の前には阿弥陀岳
へと向かう急斜面が待っている。
この阿弥陀岳への急登はなかなか手強い。
体調はまあまあだと思っていたのだが、先程の不動清水の標識以降の急登で、かなり身体が重いことに気づく。
さらには尾籠な話で恐縮だが、便意を催し、あまり登山に集中出来なくなってきてしまったのである。無論、大キジを打とうにも、
森林限界では丸裸状態でそれも叶わない。自分の身体を騙しながら登り続ける。 |
あまり登山に集中できない状態となってしまったが、
それでも大きく広がる展望には目を向けてしまう。
左右にはお馴染みの山々が見えているが、近いこともあって、中でも硫黄岳が一番魅力的である。
本日のこの状態では、阿弥陀岳までが精一杯ということになりそうだが、
いつか硫黄岳も再訪してみたいものである。
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暫く進むと、今までガスに隠れていた天狗岳の東峰も見えるようになってきた。
その手前に見えるのは、箕冠山、根石岳なのであろうが、この辺は未だに明確に分かっていない。
登りの方は急斜面が続く。
ハイマツの中を縫うようにしてつけられた道を登る。
腹具合の方は治まらず、額に滲む汗が急斜面の登りによるものなのか、冷や汗なのか分からない状況である。 |
足下には岩場が現れ始め、
大きな一枚岩を乗り越える所には、黒いロープも張られている。
左上方には岩場も見える。あれが西の肩 (摩利支天) かもしれない。
振り返れば、登り来たりし尾根が見え、ガスが下方に湧いているのが見える (写真に自分の影が映っているのは、
心にあまり余裕がない状態で、そこまで気が回らなかったためであり、ご容赦願いたい)。
このままガスが上がってくることはないと思うが、 折角ならば展望の利く頂上に登りたいところである。 | |
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さらに先程よりも急角度な岩場を登り (ロープが設置されている)、少し登ると、稜線上に登り着いた。
目の前には谷を挟んで阿弥陀岳が見え、
そこに至るには、左から回り込んでいくことになる。
阿弥陀岳の左手前に見えている岩場は西の肩 (摩利支天) である。時刻は 9時44分。
右にも続く道があるが、そちらは阿弥陀南陵へと続く道であろう。
左へと進んで岩場に向かう。 |
ロープが付けられた岩場を登ると、
阿弥陀岳の左後方に、
本日初めてとなる赤岳の姿が見えた。
調子が悪くなければ、阿弥陀岳に登った後は赤岳へと向かいたいところだが、今の状態だと 阿弥陀岳に登った後は中岳のコルから行者小屋へと下り、
トイレを拝借した方が良さそうである。
岩場を越える。この岩は 『 犬返しの岩 』 と呼ばれているらしい。
鎖が備え付けられ、また岩と岩のつなぎ部分にも鎖があり、さらには岩から下る所には梯子も設置されているので、
あまり危険度はない。
途中、足下の岩場に 『 行場 』 とかかれたプレートが埋め込まれていた。
修行の場という意味であろうが、最初 『 ゆきば 』 と読んでしまい、岩の先が崖になっているので、
行き場が無いというはシャレかと思ってしまった。 | |