レトロな町並み76−東京・老舗銭湯めぐり


オミクロン株等、コロナ禍が継続する中、遠出ができない日々が続きますが、徒歩圏内で行けるエリアに昔ながらの銭湯が数多くあることを知りました。温泉ではありませんが、古き良き昭和の香り漂う銭湯めぐりをしてみたいと思うようになりました。今後少しづつご紹介していきます。


【朝日湯】(台東区)・・東京メトロ千代田線千駄木駅から徒歩[NEW]
 東京メトロ千代田線の千駄木駅、団子坂や谷中小学校に近い場所に朝日湯はあります。ヘビ道等、谷根千の下町エリアのすぐ近くでもあります。レトロな雰囲気のタイルの浴室は、壁に欧風のペンキ絵が描かれています。ボディーソープやシャンプーの備え付けは無く、固定式シャワーが付いたシンプルな洗い場です。お風呂は、弱電気のトルマリンの湯、普通のお湯(マッサージ風呂あり)と熱い薬湯の3つがあります。平日の日中ということで空いており、ゆったり寛ぐことができました。


【ふくの湯】(文京区)  ・・東京メトロ本駒込駅、千駄木駅から徒歩
 東京メトロ本駒込駅から徒歩、都立駒込病院に近い千駄木の住宅街にある、ふくの湯は、平日11時から、土日祝日8時からと早い時間帯から入浴することができる銭湯です。階段を上ったすぐに番台受付があり、券売機で入浴券を購入して入ります。左側の大黒天の湯と右側の弁財天の湯が、週替りで男女入れ替わります。訪れた日は、弁財天の湯に入りました。

 浴室は、タイルの中位の大きさの湯舟と小さい湯舟の2つがつながっていて、こじんまりとしています。薬湯が入っているようですが、この日は桃のお湯でした。中位の湯舟にはジェットバスが2つあります。他に壺湯の水風呂があります。タイルの湯舟や壁、固定式のシャワーの付いた洗い場はレトロな雰囲気があります。リーズナブルな料金の銭湯ですが、シャンプーとボディーソープが備え付けられています。壁面の富士山を含む様々なペンキ絵は、他の銭湯とは少し趣の異なる和モダンな雰囲気でとても味わいがあります。浴室は天井が高く、開放感もあります。

 連休の合間ということもありますが、平日の日中でも多くの入浴客で混雑していました。年配の方も多いですが、老若男女多様な年代層の人が入浴していました。

 2週間後の週末に今度は、
大黒天の湯に入りました。こちらは無色透明のラジウムの湯になっています。やはり小さい湯舟と中位の湯舟がつながっていて、中位の湯舟には強力なジェットバスが2つあります。体が打ち砕かれるようなパワーのあるジェットバスは快感があります。ペンキ絵の和モダンな雰囲気は同様です。平日も休日も日中から多くの人で賑わっている銭湯です。


【燕湯】(台東区)  ・・JR御徒町駅・東京メトロ上野広小路駅から徒歩
 アメ横上野公園御徒町駅上野広小路駅に近い、上野松坂屋のすぐ南の街中にある、燕湯は昔ながらの銭湯です。ビル街の合間に突然違和感あり存在する木造2階建ての和風建築は、昭和25年(1950年)に建てられたと言われる重厚な雰囲気です。下駄箱、番台、脱衣場やロッカーも昔ながらの風情があります。浴室はタイル貼りの壁面や昔ながらの高い天井、正面の大きな富士山の壁画や岩山等、とても味わいがあります。湯舟にある岩山は国の登録有形文化財に指定されているとのこと。湯舟は向かって左側の水深が深く小さめの熱湯、右側の浅めのやや大きめのマッサージ湯の温湯があります。熱湯でもそれほど熱くは感じず、ゆっくり浸かって寛ぐことができました。1セットのみですが、シャンプーとボディーソープの備え付けもあり、また、タオルのレンタルもあるので、手ぶらでも訪れることができます。また、他の多くの銭湯が15時オープンのところ、ここは朝6時から営業しており、時間を問わず寛ぐことができます。コロナ禍前は、夜行バス等で東京へ来た観光客でも賑わったようです。訪れた時間は午後の早い時間で混雑しておらず、ゆっくりできました。唯一難点は、道路すぐ隣に喫煙エリア?があり、道路で多数のサラリーマンがタバコを吸っていて煙たいことです。


【熱海湯】(新宿区)  ・・JR飯田橋駅・東京メトロ神楽坂駅から徒歩
 飯田橋駅から近い、神楽坂のメインストリートを狭い路地に少し入った、下町情緒漂うエリアに熱海湯があります。他の昔ながらの銭湯と同様に狭い路地沿いの目立たない場所にあります。昭和20年代に建てられたという重厚な和風建築の建物は、玄関、下駄箱、脱衣場の木造りの壁や天井、浴室のタイル貼りの壁や富士山の絵等、情緒があります。風呂桶は、もちろんケロリンです。浴槽は2つに分かれているが、熱湯と言われています。ただ調整されてのか、入ってみると少し熱めですが心地よく、ゆっくり寛いて入ることができました。昔ながらの雰囲気ですが、シャワーがあったり、シャンプーとボディーソープが備え付けであったり、タオルレンタル1枚無料だったり、480円の料金で入れる東京都の銭湯としては、サービス・コスパが傑出しています。平日の夜早めの時間でしたが、空いており、ゆっくりできました。神楽坂の料亭、レストラン街の喧騒とは打って変わって、静かな神楽坂を感じるスポットです。


【帝国湯】(荒川区)・・JR日暮里駅・三河島駅から徒歩
 荒川区の日暮里駅と三河島駅に近い下町の住宅地の狭い道沿いにある、帝国湯は、大正時代創業と言われています。重厚な和風建築の湯屋は、昭和27年に建て替えられたとされていますが、玄関やおばあさんのいる番台、浴室の富士山等の壁画、天井や庭園等、昔ながらの銭湯、湯治場の雰囲気です。お風呂は昔ながらのタイル貼りの小さい浴槽が3つあり、向かって右側から、熱湯、やや温めの超音波マッサージ湯(と言っても相当熱い)、温めの薬湯の3つがあります。夕方早い時間ということで、浴室はあまり空いていました。シャンプーも石鹸もなく、湯桶と椅子は昔ながらの黄色いケロリンです。銭湯前の道路があいにく工事中で、ショベルカーの隙間をぬって銭湯に入る状況でしたので、重厚な建物を正面からゆっくり見ることが残念ながらできませんでした。


【稲荷湯】(北区)・・JR巣鴨駅・板橋駅、都営三田線・西巣鴨駅から徒歩
 巣鴨駅、とげぬき地蔵から北へ歩くこと約20分、明治通りを横断して健診センターを過ぎて2本目の細い路地を右に入ったところに、稲荷湯という歴史ある銭湯があります。

 大正3年創業、昭和5年建築で建物は国の登録有形文化財に指定されているとのこと。旧中山道沿いの旧滝野川村に創業し、現在まで地域の方々に愛されています。正面に破風屋根を持つ宮造りの建物、脱衣場の格天井、入り口の番台など、昔ながらの雰囲気です。湯船は、高温、中温、ぬるま湯と3種類の湯船があります。浴室は改装されて明るく清潔感がありますが、タイル張りの浴槽や、桶、天井など、ノスタルジックな風情満点です。地域の顔なじみの高齢の方々が挨拶しながら、湯舟で会話されている姿は古き良き時代の昭和の風景です。

 なお、この銭湯は、映画
「テルマエ・ロマエ」のロケで使用されたことでも知られています。昔ながらの巣鴨エリア散策と合わせて立ち寄るのに良いロケーションです。




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