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肥満の判定
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前回,「肥満は体脂肪のつきすぎ」って話,したよね.だから,肥満を判定する時は,体脂肪の量を計って,それが,身体全体のどれくらいを占めているか(体脂肪の割合)をみないといけないよね.基本をいうと,そういうことになるんだけれど,この体脂肪を計るってことが簡単じゃない,これも「体脂肪ってなに?」でお話しました.そこで,一般的には,理想的な体重(=標準体重)というもので代替して,実測体重で「肥満度」(=(実測体重−標準体重)÷標準体重)を判定していることが多いよ.
えっ,過体重じゃないっていってたじゃないって...だから,この「標準体重」の決め方,これを,いま,ひと工夫してるんだよね. |
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標準体重
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いままで,長い間「Brocaの桂変法」って方法でよく標準体重,計算してたんだ. |
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身長が |
150cm未満の場合: 身長 - 105 |
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150cm以上の場合: (身長 - 100) ×0.9 |
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計算が簡単でしょ.例えば身長が170cmの場合,(170-100)×0.9 = 63kg が標準体重ってこと.このほかにも,厚生労働省がやってる「国民栄養調査」から割り出した,身長ごとの平均体重を使ったり,明治生命などの標準体重表が使われてきた経緯があったんだけど,日本肥満学会が,これではいけない,ということで「肥満症診療の手引き」委員会ってのをつくって,一応の基準の統一化をはかったんだ.ここで登場してきたのが体格指数
BMI ってわけ. |
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BMI(Body Mass Index)
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「肥満チェッカー」のところに書いたよね.BMI.
これ,体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値.Quetelet指数,Kaup指数とも呼ばれてて,国際間で共通に使われている.これが体脂肪量をよく表しているらしいんだな.ただ,BMI25以上の男性や,20未満の女性では,必ずしも体脂肪量を反映しないなんてデータもあるようだね. |
ここで大阪大学の徳永先生たちのデータをお見せしましょう. |
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肥満の判定
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BMIを用いた肥満の判定基準は「肥満チェッカー」に載せてます.これ,1999年10月,日本肥満学会から発表された新しい基準なんだけど,BMI=22の標準から±15%以内,これを「普通」とし,それ未満は「やせ」,それ以上は「肥満」ってことで,15%以上をさらに4段階にわけて,肥満の度合いを規定しているんだよ. |
東北大学の佐久間先生のデータで,肥満度と糖尿病などの疾患による休業者の発生率をみたものがある.
これを見ると,とくに高血圧や糖尿病は,±20%を外れると急激に高くなっているよね.(この原著論文を,私,読んでないので,ここで使われている肥満度がBMIによるものではないとは思うのだけれど,そういいきれませんが)これを見ても肥満は生活習慣病のもとってこと,ひしひしと実感沸いてこない? 怖いよね〜. |
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肥満度別の主要疾患別休業者発生状況 |
(佐久間光央:肥満と循環器疾患) |
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