神権と教会
神権
- 神権とは神の持つ力である。
神権の力により、天地が創造され、全宇宙の秩序が保たれている。
- 神はこの地球に住む子供たちに神権の力を授けてくださった。
- 神権は神のことを行うのに必要な権能である。
これがないと儀式や教会を管理することができない。
いわゆる免許のようなものである。
- 神権はふさわしい男性の教会員が権能を持つ者の按手によって受ける。
- 神権は神の子供たちを祝福するために用いるべきである。
自分の利益を得るために使うことはできない。
- 神権の権能によって次のことができる。
バプテスマと按手の儀式、聖餐の儀式、病人の癒し、家族への祝福、教会を管理する。
- 神権にはアロン神権とメルキゼデク神権の2つの区分がある。
- アロン神権(小神権)
バプテスマ、聖餐式などの外形的な儀式を執行する権能を有する。
- メルキゼデク神権(大神権)
アロン神権の権能を含んでいる。
教会を管理したり、病人を癒したりなど霊的の事柄を扱う。
- 神権の鍵
神権を持っていても、自分勝手にバプテスマを施すことはできない。
その地域のビショップの承認が必要である。
つまり「神権の鍵」を持つものの指示があって神権を行使することができる。
神権の鍵のすべてを持つのは大管長である。
大管長は鍵のある部分をステーク会長、ビショップ、祝福師等に委任することができる。
神権の職
- アロン神権には、執事、教師、祭司、ビショップの4つの職がある。
- 執事
- 12歳以上の男性が聖任される。
- 聖餐を配る。
- 聖餐会の案内人を務める。
- 神権指導者のメッセンジャー。
- 教会堂を美しく整える。
- 教師
- 14歳以上の男性が聖任される。
- ミニスタリング・ブラザー
(教会員の家庭を訪問し、福音に沿って生活できるように励ます責任)
- 聖餐の準備をする。
- 祭司
- 16歳以上の男性が聖任される。
- バプテスマを施す。
- 聖餐式を執り行う。
- 祭司、教師、執事を聖任する。
- ビショップ
- アロン神権者を管理する。
- 教会の建築、財政など物質的な管理を行う。
- ワードの会員や諸事を管理する。
そのため大祭司にも聖任される。
- 教会の判士を務める。
- 識別の賜物(御霊の賜物を見分ける力)が与えられる。
- メルキゼデク神権には、長老、七十人、大祭司、祝福師、使徒の職がある。
- 長老
- 18歳以上の男性がメルキゼデク神権を受ける。
そのときに長老に聖任される。
- 按手により聖霊の賜物を授ける。
- 病人を癒す儀式を行う。
- 子供に祝福を授ける。
- 七十人
- キリストの特別な証人。
- 教会を設立し、事務を整理する。
- 大祭司
- 教会の霊に関する諸事を取り扱う。
- ステーク、ワードなどの指導者となる。
- 祝福師
- 使徒
- 全世界に対するキリストの特別な証人。
- 教会全体の諸事を管理する。
- 神権のすべての鍵を持つ。
しかし、行使できるのは、大管長のみである。
神権定員会
- 定員会
- すべての神権者は定員会に所属する。
- 一人の会長(プレジデント)と二人の顧問(カウンセラー)が管理する。
この3人で会長会(プレジデンシー)を構成する。
- 定員会の人数が超える場合は、定員会を分割する。
- メルキゼデク神権定員会
- 長老定員会
- 最高96人の長老で構成される。
- 会長会はステーク会長により召される。
- ワードごとに設置される。
- ワード・支部の大祭司も所属する(2018年4月から)
- 大祭司定員会
- 会長会はステーク会長会である。
- ステークごとに設置される。
- ステーク会長会、ビショップリック、高等評議会、
召しを果たすことができる状態の祝福師のみが所属する。
- アロン神権定員会
- 執事定員会
- 最高12人の執事で構成される。
- 会長会はビショップにより召される。
- ワードごとに設置される。
- 教師定員会
- 最高24人の教師で構成される。
- 会長会はビショップにより召される。
- ワードごとに設置される。
- 祭司定員会
- 最高48人の祭司で構成される。
- 会長はビショップである。顧問はビショップにより召される。
- ワードごとに設置される。
教会の組織
キリストはこの世におられたときに、ユダヤ人の間に教会を設立した。
キリストは復活後、アメリカ大陸を訪れ、ニーファイ人の間に教会を設立した。
現代のキリストの教会には、初期の教会にあったものと同一の組織がある。
初期の教会には、使徒、預言者、七十人、伝道師、牧師、大祭司、長老、
ビショップ、祭司、教師、執事の役職があった。
現代の教会では、以下のようになっている。
中央の組織
- 初期の教会の「預言者」は、現在では大管長である。
大管長は教会全体を管理する。
二人の顧問と一緒に大管長会を構成する。
- その下には、12人の使徒からなる、12使徒定員会がある。
- 大管長会と12使徒定員会からは死ぬまで解任されない。
- 大管長が亡くなると顧問は12使徒定員会に戻り、
先任使徒が自動的に大管長に召される。新大管長が顧問を新たに召す。
- さらにその下には、幾つかの七十人定員会がある。7人からなる会長会により管理される。
- 七十人の職から解任されないが、七十人定員会からは解任される。
解任されると地元の大祭司定員会に所属する。
- 初期の教会の「伝道師」は、現在では祝福師である。
- 初期の教会の「牧師」は、現在では管理役員である。
中央組織には一人の管理ビショップと二人の顧問からなる管理ビショップリックがある。
教会の財政的なことを管理する。
地方の組織
- 地方の組織はステークと呼ばれる。
- ステークは幾つかのワードを呼ばれる支部組織からなる。
- たとえば、東京ステーク、大阪ステークなどがあり、
東京ステークの中には、三鷹ワード、杉並ワードなどがある。
ステーク(stake:杭)
- ステークはステーク会長が管理する。
二人の顧問と一緒に会長会を構成する。
- その下には、12人の高等評議員がいる。
- ステーク会長会と高等評議員は大祭司である。
ステークには大祭司定員会があり、ステーク会長会がその会長会である。
- ステークには祝福師がいる。
ワード(ward:区)
- ワードはビショップが管理する。二人の顧問と一緒にビショップリックを構成する。
- ワードには、長老定員会、祭司定員会、教師定員会、執事定員会がある。
それぞれ一人の会長と二人の顧問からなる会長会が管理する。
伝道部
- 教会が発展途上にある地域では伝道部が置かれる。
- 伝道部は地方部に分けられ、さらに支部に分けられる。
- 地方部はステークに、支部はワードに相当する。
地域本部
- 現在では、ステークが多くなってきたので、中央で直接管理するのが難しくなってきた。
そこで、中央とステークの間に地域本部が置かれている。
- 地域本部は一人の地域会長と二人の顧問からなる地域会長会が管理する。
地域会長会には中央幹部七十人から召されている。
- 地域会長会には次のような役割がある。
- ステークの新設・再組織とステーク会長会の任命
- ステーク大会の管理とステーク会長会の訓練
- 伝道部の巡回訪問と伝道部長の訓練
- 地域一覧
地域幹部
- 2026年現在、七十人定員会は12ある。
第1と第2定員会は中央幹部がメンバーであり、
第3から12定員会は地域幹部がメンバーである。
- 中央幹部は専任で世界各地で働くが、
地域幹部は自分の仕事を持ちながら、その地域の範囲内で働く。
- 中央幹部は70歳定年。地域幹部は任期5年。
- 地域幹部には次の役割がある。
- 地域会長会の顧問として働く
- 地域評議会で働く
- 地区大会の準備委員長
- 七十人の各定員会の特色
- 第1定員会 中央幹部。
- 第2定員会 中央幹部。
- 第3定員会 地域幹部。アフリカ中央,アフリカ南,アフリカ西地域。
- 第4定員会 地域幹部。アジア,アジア北地域。
- 第5定員会 地域幹部。ブラジル地域。
- 第6定員会 地域幹部。カリブ海,中央アメリカ,メキシコ地域。
- 第7定員会 地域幹部。ユーラシア、ヨーロッパ中央,ヨーロッパン北、中東/アフリカ北地域。
- 第8定員会 地域幹部。太平洋,フィリピン地域。
- 第9定員会 地域幹部。南アメリカ北西,南アメリカ南地域。
- 第10定員会 地域幹部。北アメリカ中央,北アメリカ北東,北アメリカ南東地域。
- 第11定員会 地域幹部。北アメリカ南西,北アメリカ西地域。
- 第12定員会 地域幹部。ユタ地域。
その他の組織
- 他に以下の組織がある。
- 扶助協会、若い男性、若い女性、初等協会、日曜学校がある。
- 扶助協会は18歳以上の成人女性の組織である。
- 若い男性は12歳から17歳までの男性の組織である。
- 若い女性は12歳から17歳までの女性の組織である。
- 初等協会は11歳までの子供の組織である。
- 日曜学校は日曜日の集会の福音を学ぶ時間を管理する。
- それぞれの組織は一人の会長と二人の顧問からなる会長会が管理する。
若い男性、若い女性、初等協会の会長会はその構成メンバーでは無く、成人が会長会に召される。
ワード、支部の若い男性の会長会はビショップリックが兼任する。
- 補助組織にも中央、ステーク、ワードのそれぞれの会長会がある。
啓示
- 啓示とは、神から教義や教会の運営について導きを受けることである。
- 神は教会全体に関する啓示を大管長にだけに授ける。
各管理者(ステーク会長、ビショップ等)は自分の委任を受けた管理の範囲内においてのみ啓示を受けることができる。
- 神は神権の権能を有している者に対して、過去においても啓示を授けられたし、現在においても授けられる。
また、未来においても、いつでも啓示を授けられる。
- 家族の長は、自分の家族に関してのみ啓示を受けることができる。
- 個人においては、自分のことに関してのみ啓示を受けることができる。
- つまり、自分の責任の及ぶ範囲内に限定されるが、だれでも神から啓示を受けられる。
召し
- 召しとは、教会で役職を受けることである。
- 福音を宣べ伝え、儀式を執行するためには、神から召されなければならない。
- 召しには聖任と任命がある。
- 聖任とは、神権の職を授けることである。
解任されない。
- 任命とは、その他の職(宣教師、管理者、教師等)を授けることである。
解任される。
- 人は次のように召される。
- 管理者(ビショップ、ステーク会長等)が、だれがどの召しを受けるべきか啓示を受ける。
- 権能を持つ者によって、按手を受ける。
背教と回復
背教
- 初期の教会では、迫害が激しく、使徒が次々と殺され、代わりを聖任することができなかった。
そのため紀元100年ころ、使徒が教会にいなくなった。
つまり、教会全体を管理する権能を持つ者がいなくなり、
教会について、神から啓示や導きを得られなくなった。
- 教会は地方の支部ごとにばらばらになり、まとめるものがいなくなった。
- 教会の教義に多くの誤った教えが入り込み、教会は崩壊した。
- このため、この世から、正しい教義と儀式、神権と教会の組織が失われた。
これを背教という。
回復
- 教会の回復は、神により、ジョセフ・スミスを通じて行われた。
- 1829年、バプテスマのヨハネにより、アロン神権が、
ペテロ、ヤコブ、ヨハネの3人により、メルキゼデク神権が回復された。
- 1830年、モルモン書の出版により、教義が回復された。
- 同年、教会が設立され、教会の組織が回復された。
- 1836年、モーセ、エライアス、エリアにより神権の鍵が回復された。
(教義と聖約110:11−16参照)
背教により失われたもの
- 神権
使徒がいなくなり、神権の鍵を持つ者がいなくなった。
- 啓示
教会の運営に関して、神から導きを受ける者(使徒)がいなくなった。
- 儀式
- バプテスマの方法が変えられた。
たとえば、水を振り掛けるだけとか、赤ちゃんにもするとか。
- エンダウメントや結び固めの儀式が失われた。
- 死者のための儀式が行われなくなった。
- 聖霊の賜物、御霊の賜物がなくなった。
正しい権能でバプテスマが行われていないから。
- 教義。たとえば、次のように変えられた。
- 神は肉体を持ち、人の形をしている。
=> 肉体を持たず、形もない。
- 天父、イエス・キリスト、聖霊は別個の御方である。
=> 一人の御方が三つの形で現れている。
- 人は神の子で、この世に生まれる前に、神とともに住んでいた。
=> 人は神の単なる被造物の一種である。
人はこの世に生まれる前には存在していなかった。
- 天国には3つの階級がある。
=> 天国は1つのみ。
- (キリスト教の各宗派の比較表を参照)
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