・福音とは ・福音とはイエス・キリストのあがないによって、わたしたちが再び神様 の所へ帰ることができるということである。 (第三ニーファイ27:13−21) ・私たちはある条件に従うことによって、あがないの効力を受けることが できる。それは、「信仰」と「行ない」と「儀式」である。この3つの どれが欠けてもいけない。 ・「信仰」は「キリストを信じる信仰」である。 ・「行ない」は「悔い改め」と「キリストの戒めを守ること」である。 ・「儀式」には「バプテスマ」と「聖霊の賜物を授ける按手」等がある。 ・「信仰」と「行ない」は福音の第一原則である。 (かつて、キリスト教の宗派間で「信仰」と「行ない」のどちらが福音 の第一原則か論争があったが、この教会では両方を挙げている。)
・キリストを信じる信仰 ・信仰とは、まだ見ていない事柄を確信することである。 (農夫が畑を耕すとき、まだ結果は見ていないが、結果を確信して、働 く。この確信がないと人は何もできない。信仰はなにか行動を起こす ときの原動力となるものである。) ・信仰は、大きな力を生む。 ・昔の預言者たちは信仰の力によって大きな奇跡を起こした。 (モーセは紅海を分けた。ノアは箱舟を作り、洪水から救われた。) ・信仰とは、人の心に根ざし、善をなすよう促す真理への強い確信である。 ・信仰の中心はイエス・キリストになければならない。 ・人の力には限界がある。「行い」によってはすべてをまっとうでき ない。そこに神様に頼る必要がある。 ・救い主を信じることによって、贖いの効力がわたしたちに及ぶ。 ・どのように信仰を強めるか。 ・「アルマ32:26−43」参照 ・「私の証」参照 ・信仰には行いが伴わなければならない。 ・たとえば、勉強するとき、知識が与えられるように祈るのではなく、 学んだことを忘れないように祈る。 ・自分のできることをすべてしつくして、あとは主の助けに頼る。 (人事を尽くして天命を待つ)
・悔い改め ・すべての人は悔い改めなければならない ・すべての人は必ず罪を犯す。 ・罪とは刑法の定める犯罪だけでなく、道徳的な罪も含む。 ・また、なすべき善を知りながら行わなければ、それは罪となる。 ・天父は悔い改めの原則を備えてくださった。 ・悔い改めとは、人に罪からの自由と赦しを得させるために備えられ た方法である。 ・罪はわたしたちの霊的成長を妨げる。悔い改めはその障害を取り去る。 ・悔い改めはキリストの贖いを通して可能となる。 ・悔い改めの方法 1.罪を認める ・自分が罪を犯したことを認める。 2.罪を悲しむ ・罪が不快で忌まわしく感じ、それを捨て去りたいと思う。 3.罪を捨てる ・二度とその罪を行わない。 4.罪を告白する ・小さな罪は主に告白する。 ・大きな罪(姦淫、窃盗、傷害等)は神権指導者(監督)に告白 する。 ・被害者がいるときは被害者に告白して謝罪する。 5.罪を償う ・自分の罪によって引き起こした被害を償う。 6.罪を赦す ・自分に対して罪を犯した人も赦さなければならない。そうしな ければ、神様も自分の罪を赦されないだろう。 7.神の戒めを守る ・悔い改めは、自分の生活を変えるものである。 ・悔い改めの結果 ・罪が赦され、喜び感じる。 ・アルマの悔い改めの例(アルマ36:10−28参照) ・わたしたちは毎日悔い改める必要がある。 ・夜寝る前に一日の行動を思い出して悔い改め、主に祈る。
・バプテスマ ・なぜバプテスマを受けるのか ・罪の赦しを受ける ・イエス・キリストの教会の会員となる ・日の栄えの王国に入る ・どのように行うのか ・儀式の方法 ・認められるバプテスマは神権を持つ人により、水に沈められるバプ テスマである。 ・だれが受けるか ・8歳以上で、自分の行動に責任を負えるすべての人 ・8歳未満の子供は受ける必要はない。 ・バプテスマの聖約 ・わたしたちが行うこと ・教会の会員となる。 ・キリストの名を引き受ける。 ・キリストを常に覚える。 ・互いに愛し合う。 ・神の証人となる。 ・キリストの戒めを守る。 ・神様からの祝福 ・罪の赦しを受ける ・聖霊の導きと助けを得る。 ・第一の復活にあずかる。(福千年の初めにある復活) ・日の栄えの王国に入る ・バプテスマの象徴 ・水に沈めることは、死と埋葬を意味し、水から上がることは復活を 意味する。
・聖霊の賜物を授ける按手 ・「だれでも水と霊とから生まれなければ神の国に入ることはできない」 (ヨハネ3:3−5) 「水」はバプテスマで、「霊」は聖霊の賜物を授ける按手を意味する。 ・聖霊の賜物を授ける按手で、教会の会員に確認され、聖霊の賜物と御霊 の賜物を受ける。 ・どのように行うのか ・儀式の方法 ・聖霊の賜物を受けた後、聖霊を受けると、聖霊により清められ、罪の赦 しを受ける。このとき、全身が火に包まれたような温かい感じを受ける。 これを火と聖霊によるバプテスマと言う。
・聖霊の賜物(せいれいのたまもの) ・聖霊の賜物とは、聖霊から常に導きを受けられる権利である。 ・聖霊の賜物と聖霊の導きの違いは、たとえるなら、聖霊の導きは「魚」 で、聖霊の賜物は「つり道具」である。聖霊の賜物を持たない人は、一 時的に聖霊の導きを受けることがあっても継続しない。 ・聖霊の賜物を授ける按手では「聖霊を受けなさい」言われる。「聖霊の 賜物を受けなさい」ではない。つまり、聖霊の賜物は与えられているの で、聖霊の導きは自分で受けなさいと言う意味である。先の例でいうと、 つり道具が与えられているので、自分で魚を釣りなさいと言う意味であ る。
・御霊の賜物(みたまのたまもの) ・御霊の賜物とは種種の霊的な力である。奇跡を行う力とも言える。 ・神様はこれらの力によりわたしたちに祝福をもたらされる。 ・御霊の賜物には次のものがある。 ・異言の賜物 自分の知らない外国語を話す力 ・異言を解釈する賜物 自分の知らない外国語を理解する力 ・翻訳の賜物 自分の知らない外国語を翻訳する力 ジョセフ・スミスはモルモン書を翻訳するときこの力を用いた。 ・知恵の賜物 人の気持ちを理解し、福音の原則を理解して日常生活に取り入れ る能力 ・知識の賜物 聖霊からの啓示を受けて知識を得る力 ・知恵と知識を教える賜物 福音の真理を人がよく理解できるように教える能力 ・イエス・キリストが神の御子であられると知る賜物 イエス・キリストの特別な証人である預言者と使徒に与えられる力 ほかの人にも与えられることもある。 この場合の知るとは知識として知っていると言うことでなく、経験 して知っていると言うことである。この経験は神聖なものなので、 使徒たちは公に話さない。しかし、一部公開されているものがある。 (ロレンゾ・スノー大管長の証参照) ・人の証を信じる賜物 ある人の話しが真実であるか知る力 ・預言の賜物 預言者に与えられる力 過去、現在、未来の事柄について啓示を受ける力 ・癒しの賜物 病人を癒す力 ・奇跡を行う賜物 超自然的な方法で人を助ける力 ・信仰の賜物 大きな信仰をもつことができる力 ・各人にはこの中から一つの賜物が与えられる。わたしたちは自分のもつ 賜物を伸ばすよう努めなければならない。祝福師の祝福によりこれらの 賜物を知ることができる。 ・これらの賜物は好奇心を満足させたり、信仰に欠ける人を信じさせるの に使ってはならない。 ・サタンは御霊の賜物と同じような奇跡を行う力を持っている。奇跡を行 うことができるからといっても、それが神からのものとは限らない。サ タンはわたしたちを欺くためにこれらの力を用いる。だから、わたした ちは、霊媒、占い、超能力等にかかわって惑わされてはならない。
・聖餐 ・聖餐式はキリストの贖いを思い起こさせる儀式である。 ・聖餐式において、バプテスマの聖約を更新する。 ・また、バプテスマの後に犯した罪に対して赦しを受ける。 ・聖餐式はキリストによって定められた。 ・キリストは十字架上で亡くなられる前の日、使徒を集められ、最初 の聖餐式を行われた。 ・復活された後、アメリカ大陸のニーファイ人にも聖餐式を行うよう 定められた。 ・この教会でもキリストはジョセフ・スミスに聖餐式を行うよう命じ られた。 ・聖餐式は毎週日曜日(安息日)に行われる。 ・どのように行うのか ・儀式の方法 ・聖餐式においてパンと水を頂く。 ・パンはキリストの体をあらわしている。 ・十字架につけられて亡くなられたキリストの体をあらわしてお り、その後、キリストが復活したことによって、わたしたちの 復活が可能になった。 ・水はキリストの血をあらわしている。 ・ゲッセマネの園でわたしたちの罪の贖いのために流された血を あらわしており、これによって、再び神様と住むことが可能に なった。 ・聖餐式の聖約(バプテスマの聖約の更新) ・わたしたちが行うこと ・キリストの名を引き受ける。 ・キリストを常に覚える。 ・キリストの戒めを守る。 ・神様からの祝福 ・聖霊の導きと助けを得る。 ・聖餐式の臨む態度 ・罪を悔い改める ・キリストの贖罪に感謝する。
・その他の儀式 ・救いに不可欠な儀式 ・バプテスマ ・聖霊の賜物を授ける按手 ・神権の聖任 ・エンダウメント 「神殿活動と家族の歴史」参照 ・結び固め(夫婦、親子)「神殿活動と家族の歴史」参照 ・救いに不可欠でない儀式 ・聖餐 ・子供の命名と祝福 ・子供が生まれた場合、教会員たちの前でその子供の命名と祝福 の儀式を行う。 ・儀式の方法 ・病人の癒しの祝福 ・メルキゼデク神権を持つ父親は病気の家族に癒しの祝福を施す。 ・家族にメルキゼデク神権がいないときはホームティチャ−が施 す。 ・同じ病気に対しては1回だけ行う。再度祝福を求められたら、 祝福だけ行う。 ・儀式の方法 ・祝福師の祝福 ・祝福師によって特別な祝福を受けることができる。 ・祝福師の祝福では次のことが述べられる。 ・イスラエルの家における血統の宣言 ・自分がイスラエルの12部族のどれに属するか。 ・日本人はヨセフの部族(またはヨセフの子であるエフ ライムかマナセ)を宣言されることが多い。 ・なぜこれが大切かと言うと、部族ごとに果たす役割が 予言されているからである。 ・ヨセフの部族は世界中に散らされ、世界の多くの民に イスラエルの血をもたらす役割を与えられた。またモ ルモン書(ヨセフの木)を記す役割を与えられた。 ・エフライムの部族は終わりのときに、世の人々に回復 された福音を伝え、散乱したイスラエルを集めるため に旗を掲げる。北の地からもどる失われた10部族に 栄光を冠として授ける。 ・マナセの部族は終わりのときに、エフライムの部族を 助けて、散らされたイスラエルを集合させる。 ・ユダの部族はイエス・キリストを輩出し、聖書(ユダ の木)を記す役割を与えられた。(ユダヤ人の血統) ・勧告 ・神様は各人の性格をよくご存知なので、わたしたちが この世の生活で気を付けなければならないことが述べ られる。これは個々に与えられる聖文である。人生の リアホナ(羅針盤)として、たびたび読み返す必要が ある。 ・前世で受けた賜物 ・各人は前世で少なくても一つの才能や御霊の賜物を授 かっている。それが宣言される。 ・この世での使命 ・各人はこの世に来るときに、この世での使命を携えて 来る。(これは予任と言われる)それが宣言される。 ・例)ある使徒の祝福文には教会の指導者になると述べ られている。 ・個人の予言 ・その人が将来、個人的にどのような祝福を受けるかを 予言される。しかし、ふさわしく生活すればと言う条 件で成就される。この世の人生では成就されないこと もある。 ・例)東ドイツに住んでいたある教会員は祝福師の祝福 で、神殿の儀式を受けると予言された。当時それは考 えられないことであったが、その後の共産主義の廃止 でこの予言が成就した。 ・儀式を受けるには監督や支部長の推薦状が必要である。 ・祝福文は神聖なものなので、公な場では話したりしない。
・聖約 ・聖約とは神様とわたしたちとの間でかわす約束(契約)である。 ・聖約には儀式が伴う。聖約を契約書にたとえるなら、儀式は契約書にす る印またはサインである。 ・聖約は「条件」と「祝福」からなる。「条件」とはわたしたちが行わな ければならない事柄である。わたしたちがこれを行うと、神様から「祝 福」がいただける。 ・一連の流れは次のようになる。 1)神様から「聖約」が提示される。 2)わたしたちはこれを了承する。(「誓詞」という。) 3)わたしたちは了承したことを表すため「儀式」をうける。 4)儀式にともなうものを神様から授かる。(「賜物」という。) 5)わたしたちが「聖約」の「条件」を実行する。 6)神様から「聖約」の「祝福」を授かる。 ・聖約の民 ・主はアブラハムと特別な聖約を結んだ。 ・主は次のことを約束された。 ・子孫が無数に増える。 ・子孫が福音と神権の祝福、昇栄のすべての儀式にあずかる権利 を有する。 ・子孫が神権の権能によって、すべての国民に福音を宣べ伝え、 子孫からすべての国民が祝福を受ける。 ・この聖約はアブラハムの直系の子孫に及ぶ。 ・福音を受け入れバプテスマを受けた人も、アブラハムの子孫に加え られる。教会員もこの聖約にあずかる。 ・これらの人々は聖約の民と呼ばれる。
儀式 | 儀式の賜物 | 聖約の条件 | 聖約の祝福 |
---|---|---|---|
バプテスマ | 罪の赦し | キリストの御名を受ける。 キリストを常に覚える。 キリストの戒めを守る |
日の栄えの王国で神様とともに住む |
聖霊の賜物を授ける按手 | 聖霊の賜物、御霊の賜物 | 同上 | 同上 |
聖餐 (バプテスマの聖約の更新) |
罪の赦し | キリストの御名を受ける。 キリストを常に覚える。 キリストの戒めを守る |
いつもキリストの御霊を受けられる |
メルキゼデク神権の聖任 | 神権 | 自分の召しを尊んで大いなるものとする | 御霊により聖められてその体が更新される |
エンダウメント | 昇栄に必要な知識 | 神様と教会に自分の持つすべてを捧げる | 昇栄 |
結び固め | 結び固め | 配偶者と家族に忠誠を尽くす | 同上 |
儀式 | 儀式を受ける場所 生者 |
儀式を受ける場所 死者 |
対象外者 |
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バプテスマ | 神殿外 | 神殿内 | 8歳未満の子ども |
聖霊の賜物を授ける按手 | 神殿外 | 神殿内 | 8歳未満の子ども |
メルキゼデク神権の聖任 | 神殿外 | 神殿内 | 女性 |
エンダウメント | 神殿内 | 神殿内 | 8歳未満の子ども |
夫婦の結び固め | 神殿内 | 神殿内 | - |
親子の結び固め | 神殿内 | 神殿内 | 聖約の子(結び固められた夫婦から生まれた子) |