教義と聖約
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第101章(カートランドでの迫害)
1833年12月16日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、458〜464ページ)。このとき、ミズーリに集合した聖徒たちはひどい迫害に遭っていた。暴徒は彼らをジャクソン郡の家から追い出した。聖徒の中のある者たちは、バン・ビューレン郡に身を落ち着けようとしたが、そこでも迫害に遭った。聖徒たちの主体は、そのとき、ミズーリ州クレイ郡にあった。教会の会員たちに対して、多くの死の脅迫があった。人々は家具や衣服、家畜、そのほかの個人的財産を失い、彼らの収穫物の多くが損なわれた。
1- 8 聖徒たちは、彼らの背きのゆえに懲らしめを受け、苦しめられる。
9-15 主の憤りがもろもろの国民に下るが、主の民は集められ、慰められる。
16-21 シオンとそのステークは確立されなければならない。
22-31 福千年での生活の状態が説明される。
32-42 そのときに、聖徒たちは祝福され、報われる。
43-62 身分の高い人とオリーブの木のたとえは、シオンの受ける苦難とシオンの最終的な贖いを表す。
63-75 聖徒たちは集合を続けなければならない。
76-80 主は合衆国憲法を制定された。
81-101 女と不正な裁判官のたとえのように、聖徒たちは、不正に対する補償を執拗に求めなければならない。
01 苦しめられ、迫害され、受け継ぎの地から追い出されたあなたがたの兄弟たちに関して、まことに、わたしはあなたがたに言う。
02 主なるわたしは、彼らの背きのゆえに、彼らの受けている苦難が彼らに及ぶのを許した。
03 それでも、わたしは彼らを自分のものとする。わたしが来てわたしの宝石を集める日に、彼らはわたしのものとなるであろう。
04 それゆえ、彼らは必ず懲らしめを受け、自分の独り子をささげるように命じられたアブラハムのように、試みられなければならない。
05 懲らしめに耐えないで、わたしを否定する者は皆、聖められることはあり得ないからである。
06 見よ、わたしはあなたがたに言う。彼らの中には、あつれきや争い、ねたみ、対立、およびみだらなむさぼりの欲望があった。それゆえ、これらのことによって、彼らはその受け継ぎを汚したのである。
07 彼らは主なる神の声に聞き従うのが遅かった。それゆえ、主なる彼らの神は、彼らの祈りを聴くのを遅くする。すなわち彼らの苦難の日に彼らにこたえるのを遅くするのである。
08 平穏な日には、彼らはわたしの勧告を軽んじた。しかし、苦難の日にはやむを得ずわたしを捜し求める。
09 まことに、わたしはあなたがたに言う。彼らが罪を犯したにもかかわらず、わたしの心は、彼らに対する哀れみに満たされている。わたしは彼らをことごとく捨ててしまうことはせず、激しい怒りの日に憐れみを思い起こそう。
10 わたしは、わたしの民のために憤りの剣を下すという誓いを立て、あなたがたに与えた以前の戒めによってその定めを出した。わたしが述べたとおりに、それは起こるであろう。
11 わたしの憤りは、間もなくすべての国民のうえに限りなく注がれる。これをわたしは、彼らの罪悪の杯が満ちるときに行う。
12 その日、見張り台の上にいるすべての者、言い換えれば、わたしのイスラエルはすべて救われる。
13 散らされた者は集められる。
14 嘆き悲しんできた者は皆、慰められる。
15 わたしの名のために自分の命を与えた者は皆、冠を授けられる。
16 それゆえ、シオンについて心に慰めを得なさい。すべての肉なるものはわたしの手の内にあるからである。安らかにしていて、わたしが神であることを知りなさい。
17 シオンの子らが散らされても、シオンがその場所から移されることはない。
18 生き残っている心の清い者は帰って来る。彼らとその子孫は、シオンの荒れた所を築き上げるために、永遠の喜びの歌を歌いながら、彼らの受け継ぎの地にやって来るであろう。
19 すべてこれらのことが起こるのは、預言者たちの述べたことが成就するためである。
20 見よ、わたしが指定した場所のほかに指定される所はどこもない。わたしの聖徒たちの集合の業のために、わたしが指定した場所のほかに指定される所はどこもない。
21 そして、ついに彼らのためにもう余地のない日が来る。そのとき、わたしが彼らに指定するほかの場所がある。シオンの幕のために、すなわちシオンを強めるために、それらはステークと呼ばれる。
22 見よ、わたしの思いは、わたしの名を呼び、わたしの永遠の福音に従ってわたしを礼拝する者が皆集まり、聖なる場所に立ち、
23 来るべき啓示に備えることである。そのとき、地を隠すわたしの幕屋にある神殿を覆っている幕は取り去られて、すべての肉なるものがともにわたしを見る。
24 また、人も、野の獣も、空の鳥も、海の魚も、全地の面に住んでいるすべての朽ちるものが焼き尽くされる。
25 元素から成るものは酷熱に溶かされる。そして、万物が新しくなって、わたしの知識と栄光が全地のうえにある。
26 その日、人の敵意、もろもろの生き物の敵意、すなわちすべての肉なるものの敵意が、わたしの前からなくなる。
27 その日には、人が求めるものは何でも与えられる。
28 また、その日には、サタンはだれをも誘惑する力を持たない。
29 また、死がないので悲しみもない。
30 その日には、幼児は年を取るまで死ぬことはない。そして、人の生涯は木の寿命のようである。
31 また、人は死ぬときに眠ることなく、すなわち地の中に眠ることなく、一瞬のうちに変えられて引き上げられる。そして、彼の安息は栄光あるものとなる。
32 まことに、わたしはあなたがたに言う。主が来るその日に、主はすべてのことを明らかにする。
33 すなわち、過ぎ去ったこと、だれも知らなかった隠されていたこと、地球が造られた方法とその目的と行く末など地球に関すること、
34 最も貴いこと、上にあること、下にあること、地中や地上や天にあることを。
35 わたしの名のために迫害を受け、信仰をもって堪え忍ぶ者は皆、たとえ召されてわたしのために命を捨てるとしても、なお彼らはこのすべての栄光にあずかるであろう。
36 それゆえ、死に至るまでも恐れてはならない。この世ではあなたがたの喜びは満たされないが、わたしにあってあなたがたの喜びは満たされるからである。
37 それゆえ、体も体の命も心にかけてはならない。霊と霊の命とを心にかけなさい。
38 また、あなたがたは忍耐することによって自分の霊を保つために、常に主の顔を求めなさい。そうすれば、あなたがたは永遠の命を得るであろう。
39 人々がわたしの永遠の福音に召され、永遠の聖約を交わすとき、彼らは地の塩、また人の味と見なされる。
40 彼らは人の味となるように召される。それゆえ、もし地の塩がその塩気を失ったら、見よ、もはや何の役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々に踏みつけられるだけである。
41 見よ、ここにシオンの子らに関する知恵がある。すなわち、そのすべてではないが、多くの者に関する知恵がある。彼らは戒めに背く者であるとされた。それゆえ、必ず懲らしめを受けなければならない。
42 自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるであろう。
43 さて、あなたがたがシオンの贖いについて、わたしの思いを知ることができるように、一つのたとえを示そう。
44 ある身分の高い人が、特別な良い土地を一か所持っていた。そして、彼は僕たちに言った。「おまえたちはわたしの果樹園、すなわちこの特別な良い土地へ行って、12本のオリーブの木を植えなさい。
45 そして、それらの周りに見張り人たちを置き、また一つの見張り台を築いて、その台の上で見張り人となる者が周りの土地を見渡せるようにしなさい。このようにして、敵がやって来て、わたしの果樹園の実を奪って自分のものにしようとするときに、わたしのオリーブの木が折り倒されることのないようにしなさい。」
46 さて、その身分の高い人の僕たちは行って、主人が命じたように行い、オリーブの木を植え、一つの垣を巡らし、見張り人たちを置き、また一つの見張り台を築き始めた。
47 そして、まだその土台を据えていたときに、彼らは仲間内で、「わたしの主人に、なぜこの見張り台が必要なのか」と言い始めた。
48 そして、久しく相談し、仲間内で言った。「今は平和な時であるのに、主人に、なぜこの見張り台が必要なのか。
49 この金を銀行に預けてはどうだろう。このようなことは必要がないのだから。」
50 彼らは互いに意見の合わないうちに、非常に怠惰になった。そして、その主人の命令に聞き従わなかった。
51 すると、夜に敵がやって来て、垣を壊した。そこで、身分の高い人の僕たちは起き出し、驚いて逃げた。そこで、敵は彼らの造ったものを壊し、オリーブの木を折り倒した。
52 さて見よ、身分の高い人、すなわちその果樹園の主人は僕たちのところにやって来て、彼らに言った。「どうしたことだ。この大きな災いの原因は何だ。
53 おまえたちはわたしが命じたとおりに行うべきではなかったか。おまえたちは果樹園で植え付けをし、垣を巡らし、その防壁の上に見張り人を置いた後、敵から襲われることのないように見張り台も築いて、その見張り台の上に見張り人を置き、わたしの果樹園を見張って寝入らないようにすべきではなかったのか。
54 そうすれば、見よ、敵がまだ遠くにいる間に、見張り台の上の見張り人は敵に気づいたことだろう。そして、おまえたちは備えをして、敵がその垣を壊すのを防ぎ、滅ぼす者の手からわたしの果樹園を救うことができたであろうに。」
55 果樹園の主人は僕の一人に言った。「僕たちの残りを集めて、とどまるようにわたしが命じた者たちを除くわたしの家の勇士全員、すなわち、わたしの戦士たち、わたしの家の勇士であるすべての僕たちの中の若者たちと中年の者たちを率いて行きなさい。
56 そして、すぐにわたしの果樹園の地へ行き、果樹園を取り戻しなさい。それはわたしのものだからだ。わたしはそれを金で買ったのだ。
57 それであるから、すぐにわたしの土地へ行き、敵の防壁を取り壊し、彼らの見張り台を崩して見張り人を追い散らしなさい。
58 敵が反抗して集まるならば、彼らに報復し、わたしがやがてわたしの家の残りの者とともに行ってその土地を所有できるようにしなさい。」
59 その僕は主人に、「いつ、そのことはあるのでしょうか」と言った。
60 彼は僕に言った。「わたしが望むときである。おまえはすぐに行き、わたしが命じたすべてのことを行いなさい。
61 そうすれば、わたしがおまえに与える証印と祝福はこれである。すなわち、おまえはわたしの家の中の忠実で賢い管理人、わたしの王国で治める者になる。」
62 そこで、僕はすぐに行って、主人から命じられたすべてのことを行った。そして、多くの日の後、すべてのことが成し遂げられた。
63 さらに、まことに、わたしはあなたがたに言う。すべての諸教会が、彼らの救いのために正しくかつ適切な道に喜んで導かれようとするならば、わたしは彼らに関して、わたしの内にある知恵をあなたがたに示そう。
64 それは、わたしの聖徒たちの集合の業が続いて、わたしがわたしの名のために聖なる場所に彼らを築き上げることができるようにするためである。刈り入れの時は来ており、わたしの言葉は必ず成就するからである。
65 それゆえ、わたしは小麦と毒麦のたとえに従ってわたしの民を集めなければならない。それは、わたしが父の王国に来て、すべての人にその行いに応じて報いを与えるとき、小麦が倉に安全に納められて永遠の命を得、日の栄えの栄光を冠として与えられるためである。
66 一方、毒麦は束にされ、縄で強く縛られて、消すことのできない火で焼かれるのである。
67 それゆえ、わたしはすべての諸教会に一つの戒めを与える。教会員は、わたしが指定した場所に引き続き集合しなければならない。
68 しかしながら、わたしが以前の戒めの中であなたがたに言ったように、あなたがたはあわてて集まることも、逃げるようにして集まることもないようにしなさい。むしろ、万事をあなたがたの前に備えるようにしなさい。
69 そして、万事をあなたがたの前に備えるために、わたしがこれらのことに関して与えた戒めを守りなさい。
70 すなわち、その戒めが告げるところ、あるいは教えるところは、わたしの聖徒たちが集合を開始するために、シオンの地となるようわたしが定めた土地の周りの地域において、金銭で購入することのできるすべての土地を金銭をもって購入すること、
71 すなわち、ジャクソン郡とその周りの郡で購入することのできるすべての土地を購入すること、そして残りをわたしの手にゆだねることである。
72 さて、まことに、わたしはあなたがたに言う。すべての教会はその金銭をすべて集めなさい。これらのことを、時にかなって行うようにしなさい。急いで行ってはならない。万事をあなたがたの前に備えるようにしなさい。
73 高潔な人々、すなわち賢明な人々を任命し、彼らを派遣してこれらの土地を購入しなさい。
74 また、東の地方の諸教会は築き上げられるとき、もしこの勧告に聞き従うならば、土地を買ってそこに集まるとよい。このようにして、彼らはシオンを設立することができる。
75 わたしの名にちなんで自分自身を呼ぶ諸教会がわたしの声に進んで聞き従うならば、もう二度と倒されることのないようにシオンを贖って、シオンの荒れた所を打ち建てるために、今やすでに十分な、まことに豊かな蓄えがある。
76 さらにまた、わたしはあなたがた、敵に散らされた者たちに言う。わたしの思いは、あなたがたが、統治者に任じられてあなたがたを治める権威を持っている者たちの手によって補償と譲り戻しを受けるために、執拗に求め続けることである。
77 すなわち、わたしが制定を許した、また公正かつ聖なる原則に従ってすべての肉なるものの権利と保護のために維持されるべき、人民の法律と憲法に従って求めることである。
78 それは、すべての人がわたしの与えた道徳的な選択の自由に応じて、未来に関する教義と原則に従って行動できるようにして、各々が裁きの日に自分自身の罪に対する責任を負うようにするためである。
79 それゆえ、どんな人であっても、一人の人がほかの人に束縛されるということは正しくない。
80 この目的のために、わたしはこの国の憲法を制定する賢人たちを立てて、彼らの手によってその憲法を制定し、流血によって国を贖ったのである。
81 さて、わたしはシオンの子らを何にたとえようか。彼らを女と不正な裁判官のたとえになぞらえよう。人々は常に祈るべきであり、気を落としてはならないからである。そのたとえは、次のとおりである。
82 ある町に、神を畏れず、人を人とも思わない裁判官がいた。
83 また、その町に一人のやもめがいて、彼のもとにやって来ては、「わたしの相手に報復してください」と言った。
84 彼はしばらくの間聞き入れないでいたが、その後、心の中で考えた。「わたしは神を畏れず、人を人とも思わないが、このやもめがわたしに面倒をかけるから、彼女のために報復してやろう。そうしたら、絶えずやって来てわたしを悩ますことがなくなるだろう。」
85 このようにわたしはシオンの子らをたとえよう。
86 シオンの子らは裁判官の足もとで執拗に求めなさい。
87 もし彼が心に留めなければ、知事の足もとで執拗に求めなさい。
88 もし知事が心に留めなければ、大統領の足もとで執拗に求めなさい。
89 もし大統領が心に留めなければ、そのとき、主は立って隠れ場から出て来て、憤りをもってその国を悩ませ、
90 主がふさわしいとするときに、その激しい憤りをもって、また激しい怒りをもって、それらの邪悪で、不忠実で、不正な管理人を絶ち、彼らの持ち分を偽善者や不信仰な者の中に定めるであろう。
91 まことに、涙を流し、泣きわめき、歯ぎしりをする外の暗闇の中に。
92 それゆえ、彼らの耳があなたがたの叫び声に対して開かれるように、あなたがたは祈りなさい。彼らがあなたがたの叫び声を聞けば、わたしは彼らを憐れんで、これらのことが彼らに及ぶことのないようにする。
93 わたしがあなたがたに述べてきたことは、必ず起こる。それは、すべての人に弁解の余地のないようにするためであり、
94 賢人たちや統治者たちが、彼らのかつて考えたことのないことを聞いて知るためであり、
95 また、わたしがわたしの行い、すなわち比類のない行いを成し遂げ、わたしの業、すなわち比類のない業を行い続けて、人々が義人と悪人の区別を知ることができるようにするためである、とあなたがたの神は言う。
96 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕シドニー・ギルバートが、わたしが自分の民のために設けた倉をわたしの敵の手に売ることは、わたしの戒めと思いに反する。
97 わたしの設けたものが、わたしの名にちなんで自分自身を呼ぶ者たちの同意によって、わたしの敵により汚されることのないようにしなさい。
98 これは、わたしがすでに定めていて間もなくもろもろの国民に降りかかる数々の出来事のゆえに、わたしに対しても、わたしの民に対しても非常に嘆かわしくかつ重い罪だからである。
99 それゆえ、たとえわたしの民がそこに住むことを許されなくても、わたしが彼らのために設けたものについて彼らが権利を主張し、所有権を保有することは、わたしの思いにかなうのである。
100 わたしは、彼らがそこに住むことはないとは言わない。彼らはわたしの王国にふさわしい実を結び、ふさわしい行いをするならば、将来そこに住むからである。
101 彼らが建てて、別の者がそれを受け継ぐということはない。彼らはぶどう園を設け、その実を食べるであろう。まことにそのとおりである。アーメン。
第102章(高等評議会の設立)
1834年2月17日、オハイオ州カートランドにおける教会の最初の高等評議会の組織に関する議事録(『教会歴史』第2巻、28〜31ページ)。原議事録はオリバー・カウドリ長老とオーソン・ハイド長老によって記録された。2日後、議事録は預言者によって修正され、高等評議会に読み上げられ、評議会によって承認された。十二使徒評議会に関する第30〜32節は、預言者ジョセフ・スミスがこの章を『教義と聖約』に含める準備をしていた1835年に、彼によって加えられたものである。
1- 8 教会内に起こる重大な問題を解決するために、高等評議会が設けられる。
9-18 事実関係の審理のための手順が与えられる。
19-23 評議会の会長が決定を下す。
24-34 上訴の手順が説明される。
01 今日、啓示によって、24人の大祭司から成る総会が、ジョセフ・スミス・ジュニアの家で会合を持ち、キリストの教会の高等評議会の組織に着手した。この高等評議会は、12人の大祭司と、必要に応じて1人ないし3人の会長から成るものである。
02 この高等評議会は、教会内で起こり得る重大な問題のうち、教会または監督の評議会によって当事者に満足のいく解決が得られない問題を解決するために、啓示によって設けられた。
03 ジョセフ・スミス・ジュニアと、シドニー・リグドンと、フレデリック・G・ウィリアムズが、総会の声によって会長として承認された。また、ジョセフ・スミス・シニアと、ジョン・スミス、ジョセフ・コー、ジョン・ジョンソン、マーティン・ハリス、ジョン・S・カーター、ジェレド・カーター、オリバー・カウドリ、サミュエル・H・スミス、オーソン・ハイド、シルベスター・スミス、およびルーク・S・ジョンソンたち大祭司が、総会の全会一致の声によって、教会のための常任評議会となるように選ばれた。
04 前記の評議員たちは、その後、その任命を受け入れるかどうか、また天の律法に従ってその職務を遂行するかどうか尋ねられ、全員がその任命を受け入れ、彼らに授けられる神の恵みに従ってその職務を果たすと答えた。
05 教会の名によって教会のために賛意を表明して前記の評議員たちを任じた総会の構成員は43人で、次のとおりである。すなわち、大祭司9人、長老17人、祭司4人、会員13人。
06 議決事項。前記の評議員または正式に任命された後任者のうちの7人が出席していなければ、高等評議会は職務を遂行する権限を持てない。
07 これら7人は、欠席の評議員の代わりを務めるのにふさわしく、かつ能力があると考えられる他の大祭司を指名する権限を持つ。
08 議決事項。前記の評議員の中のだれかの死亡や、戒めに背くことによる職務からの解任、あるいはこの教会の管轄地域からの転居によって欠員が生じたときはいつでも、それは会長あるいは会長たちの指名によって補充され、教会の名において行動するためにそれを承認するという目的で召集された、大祭司の総会の声によって承認されなければならない。
09 評議会の会長でもある教会の大管長は、啓示によって任じられ、彼が管理することを教会員の声によって承認される。
10 彼が教会の評議会を管理するのは、彼の職の尊厳による。また、彼自身が任命されたのと同じ方法で任命される、他の2人の会長の補佐を受けることは、彼の特権である。
11 また、彼を補佐するために任命されている者の1人あるいは両者が欠席の場合、彼は補佐なしに評議会を管理する権限を持つ。また、彼自身が欠席の場合、他の会長の両者あるいはいずれか1人が、彼の代わりに管理する権限を持つ。
12 キリストの教会の高等評議会が前記の形式に従って正式に組織されているときは、12人の評議員は数字を書いたくじを引き、それによって1番から順番に12番まで、12人のうちのだれが最初に話すかを決めなければならない。
13 何かの事件で職務を果たすためにこの評議会が召集される場合、12人の評議員はそれが難しいものかそうでないか考える。難しいものでなければ、前に記した方式で評議員の2人だけがそれについて話す。
14 しかし、難しいと思えば、4人を指名しなければならない。また、もっと難しければ、6人を指名しなければならない。しかし、いかなる場合も、6人以上を話すように指名してはならない。
15 訴えられた者は、すべての事件において、侮辱や不公平を防止するために評議会の半数の弁護を受ける権利を持つ。
16 評議会の前で話すように指名された評議員たちは、証拠を検討した後、評議会の前にその事件の真相を提示しなければならない。また、各人は公平かつ公正に話さなければならない。
17 偶数、すなわち2、4、6、8、10、12の数を引いた評議員は、訴えられた者のために立って、侮辱と不公平を防止しなければならない人である。
18 すべての事件において証言を聞き、その事件について話すように指名された評議員たちが彼らの所見を述べ終えた後、訴えた者と訴えられた者は評議会の前で自分自身のために語る特権を持つ。
19 証言を聞き、評議員と訴えた者と訴えられた者が語り終えた後、会長はその事件について自分の得ている理解に従って判決を下し、12人の評議員に、彼らの賛意の表明によってそれを承認するように求める。
20 しかし、発言しなかった残りの評議員たち、すなわち彼らの中のだれかが、証言と弁論とを公平に聞いた後、会長の判決の中に誤りを見いだしたならば、彼らはそれを明らかにすることができる。そうすれば、その事件は再審理されることになる。
21 慎重な再審理の後、その事件についてさらに何らかの見解が示されたら、それに応じて判決を変更しなければならない。
22 しかし、新たな見解がない場合は、評議員の過半数がそれを決定する権限を持っているので、最初の判決がそのまま有効である。
23 教義や原則に関する問題の場合、評議会の人々の心にその件を明らかにするに十分な記述がなければ、会長は主に尋ね、啓示によって主の思いを知ることができる。
24 遠方の地では、当事者の双方あるいはどちらか一方が要請するときに、大祭司たちが前述の方法に倣って評議会を召集し組織して、問題を解決する権限を持つ。
25 前述の大祭司の評議会は、一時的にこのような評議会を管理するように彼ら自身のうちから1人を任じる権限を持つ。
26 前述の評議会には、その手続きの記録の写しを、その判決を添えたすべての証言記録とともに、教会の大管長会の所在地にある高等評議会に直ちに送付する義務がある。
27 当事者の双方あるいはどちらか一方が前述の評議会の判決に不満であれば、彼らは教会の大管長会の所在地にある高等評議会に上訴し、再審理を受けることができる。そこではこの事件は、あたかもこのような判決が下されなかったかのように、前記の形式に従って取り扱われる。
28 遠方の地におけるこの大祭司の評議会は、教会に関する最も困難な事件についてのみ召集すべきものである。普通一般の事件では、このような評議会を召集するに当たらない。
29 遠方の地における巡回大祭司や常駐大祭司は、このような評議会を召集することが必要か否かを告げる権限を持つ。
30 遠方の地における高等評議会や巡回大祭司と、12人の使徒によって構成される巡回高等評議会との間には、その判決に差異がある。
31 前者の判決からは上訴があり得るが、後者の判決からはあり得ない。
32 後者では、戒めに対する背きが関係している場合に、教会の中央幹部だけが異議を唱えることができる。
33 議決事項。教会の大管長会の所在地にいる会長や会長たちは、上訴と、それに伴う証拠と陳述とを検討した後、上訴される事件が正当に再審理を受けるに相当するかどうかを決定する権限を持つ。
34 その後、12人の評議員は、だれが最初に話すかを決めるためにくじ引き、すなわち抽選に移った。以下がその結果である。すなわち、1、オリバー・カウドリ、2、ジョセフ・コー、3、サミュエル・H・スミス、4、ルーク・ジョンソン、5、ジョン・S・カーター、6、シルベスター・スミス、7、ジョン・ジョンソン、8、オーソン・ハイド、9、ジェレド・カーター、10、ジョセフ・スミス・シニア、11、ジョン・スミス、12、マーティン・ハリス。祈りの後、休会した。
書記 オリバー・カウドリ
オーソン・ハイド
第103章(シオンの贖い)
1834年2月24日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、36〜39ページ)。パーリー・P・プラットとライマン・ワイトが、ジャクソン郡の聖徒たちの救助ならびに聖徒たちが彼らの土地に戻ることについて預言者と協議するために、ミズーリからオハイオ州カートランドにやって来た。この啓示は、彼らが到着した後に与えられたものである。
1- 4 ジャクソン郡の聖徒たちが迫害されるのを主が許された理由。
5-10 聖徒たちは戒めを守るならば勝利を得る。
11-20 シオンの贖いは力によって成し遂げられる。主は主の民の前を行かれる。
21-28 聖徒たちはシオンに集合しなければならない。自分の命を捨てる者は、再びそれを見いだす。
29-40 何人もの兄弟たちがシオンの陣営を組織してシオンへ行くように召される。忠実であれば、彼らは勝利を約束される。
01 まことに、わたしは友であるあなたがたに言う。見よ、シオンの地に散らされた兄弟たちの救いと贖いに関して、あなたがたが自分たちの務めを果たす方法を知ることができるように、わたしはあなたがたに啓示と戒めを与える。
02 彼らはわたしの敵の手によって追い出され、打たれた。それゆえ、わたしは、わたし自身の定めたときに、激しい怒りをこれらの敵に限りなく注ごう。
03 わたしは今まで彼らがそうするのを許してきた。それは、彼らがその罪悪の升目を満たして、その杯が満ちるためであり、
04 また、わたしの名にちなんで自分自身を呼ぶ者たちが、わたしの与えた訓戒と戒めに完全には聞き従わなかったので、しばしの間、ひどくかつ厳しい懲らしめを受けるようにするためである。
05 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの民が、主なる彼らの神であるわたしの与える勧告に今この時点から聞き従うならば、わたしは、彼らが将来はっきりと理解する一つの定めをすでに下している。
06 見よ、わたしが定めたので、彼らはまさに今この時点から、わたしの敵に打ち勝ち始めるであろう。
07 主なる彼らの神であるわたしの語るすべての言葉に聞き従うことによって、彼らは絶えず勝利を得るであろう。そして、ついには世のもろもろの王国がわたしの足の下に従い、地が聖徒たちに与えられて、聖徒たちはとこしえにいつまでもこれを所有するようになるであろう。
08 しかし、もしもわたしの民がわたしの戒めを守らず、わたしのすべての言葉に聞き従おうとしなければ、世の王国が彼らに打ち勝つであろう。
09 彼らは世の光となり、人々の救い手となるように定められた。
10 もしも彼らが人々の救い手でなければ、彼らは塩気を失った塩のようであり、もはや何の役にも立たず、ただ外に捨てられて人々に踏みつけられるだけである。
11 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしは、散らされたあなたがたの兄弟たちがその受け継ぎの地に帰って、シオンの荒れた所を築き上げるように定めた。
12 わたしが以前の戒めの中であなたがたに言ったように、多くの艱難の後に祝福が来るのである。
13 見よ、あなたがたの贖いと、あなたがたの兄弟たちの贖い、すなわち彼らがシオンの地に戻されて、打ち立てられ、もう二度と倒されることのないこと、これが、わたしがあなたがたの艱難とあなたがたの兄弟たちの艱難の後に来ると約束した祝福である。
14 しかしながら、もしも彼らがその受け継ぎを汚すならば、彼らは倒される。彼らがその受け継ぎを汚すならば、わたしは彼らを容赦しないからである。
15 見よ、わたしはあなたがたに言う。シオンの贖いは力によって成し遂げられなければならない。
16 それゆえ、わたしは一人の男をわたしの民のために立てよう。その男は、モーセがイスラエルの子らを導いたように彼らを導くであろう。
17 あなたがたはイスラエルの子らであり、アブラハムの子孫であって、力により、また伸べられた腕をもって、囚われの身から導き出されなければならないからである。
18 そして、あなたがたの先祖が最初に導かれたように、まことにシオンは贖われるであろう。
19 それゆえ、あなたがたは気落ちしてはならない。わたしはあなたがたの先祖に、「わたしの天使はあなたがたの前を上って行くけれども、わたしは一緒ではない」と言ったが、あなたがたにはそのように言わないからである。
20 むしろ、わたしはあなたがたに言う。「わたしの天使たちはあなたがたの前を上って行き、わたしもともにおり、やがてあなたがたは良い土地を所有するであろう。」
21 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアこそ、わたしがあなたがたに述べたたとえの中で果樹園の主人の語りかけた僕にたとえた人である。
22 それゆえ、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアは、シオンの地、すなわちわたしに奉献された金銭をもってわたしが買った土地に集まるように、わたしの家の勇士、すなわち、わたしの若者たちと中年の者たちに言いなさい。
23 また、すべての教会は、賢い人々を金銭を持たせて遣わし、わたしが命じたように土地を購入しなさい。
24 また、あなたがたがわたしの敵に対する証拠をわたしの前に持って来た後に、彼らが、わたしがシオンの地となるように聖別した良い土地から、すなわちあなたがた自身の土地から、あなたがたを追い払うためにあなたがたに向かって来るならば、あなたがたは彼らをのろわなければならない。
25 また、だれであろうと、あなたがたがのろう者をわたしはのろうであろう。また、あなたがたはわたしの敵に報復しなければならない。
26 わたしを憎む者たちの3代、4代に至るまで、わたしはあなたがたとともにいて、わたしの敵に報復するであろう。
27 だれもわたしのために自分の命を捨てるのを恐れてはならない。わたしのために自分の命を捨てる者は、再びそれを見いだすからである。
28 また、わたしのために進んで自分の命を捨てない者は、わたしの弟子ではない。
29 わたしの思いは、わたしの僕シドニー・リグドンが、東の地方における会衆の中でその声を上げて、シオンの回復と贖いに関してわたしが諸教会に与えた戒めを守るように、彼らを備えることである。
30 わたしの思いは、わたしの僕パーリー・P・プラットとわたしの僕ライマン・ワイトが、シオンの地に上って行く隊を、10人、20人、50人、100人ずつ得て、わたしの家の勇士500人を得るまで、兄弟たちの地に帰らないことである。
31 見よ、これがわたしの思いである。求めなさい。そうすれば、与えられるであろう。しかし、人はいつでもわたしの思うところを行うわけではない。
32 それゆえ、あなたがたは、もし500人を得ることができなければ、300人を得るように熱心に努めなさい。
33 また、もし300人を得ることができなければ、100人を得るように熱心に努めなさい。
34 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに戒めを与える。あなたがたとともにシオンの地に上って行くわたしの家の勇士100人を得るまで、シオンの地に上って行ってはならない。
35 それゆえ、わたしがあなたがたに言ったように、求めなさい。そうすれば与えられるであろう。わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアがあなたがたとともに行き、わたしの民の中で管理し、奉献された土地でわたしの王国を組織し、あなたがたに与えられた、また将来与えられる律法と戒めの上にシオンの子らを打ち立てることができるように、真剣に祈りなさい。
36 すべての勝利と栄光は、あなたがたの熱心さと、忠実さと、信仰の祈りを通してあなたがたにもたらされるのである。
37 わたしの僕パーリー・P・プラットは、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアとともに旅をしなさい。
38 わたしの僕ライマン・ワイトは、わたしの僕シドニー・リグドンとともに旅をしなさい。
39 わたしの僕ハイラム・スミスは、わたしの僕フレデリック・G・ウィリアムズとともに旅をしなさい。
40 わたしの僕オーソン・ハイドは、わたしの僕オーソン・プラットとともに旅をし、わたしがあなたがたに与えたこれらの戒めを守るために、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアが彼らに告げる所へどこへでも行きなさい。そして、残りはわたしの手にゆだねなさい。まことにそのとおりである。アーメン。
第104章(貧しい者のための教会の制度)
1834年4月23日、共同制度、すなわち貧しい人を益するための教会の制度に関して、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、54〜60ページ)。この啓示が与えられたのは、大管長会と他の大祭司たちの評議会でのことである。この評議会では、人々の緊急の物質的必要が考慮された。カートランドの共同制度は一時的に解散されて再組織され、財産はその制度の会員の間で管理の職として分配されることになった。
1-10 共同制度に反して戒めに背く聖徒たちはのろわれる。
11-16 主は御自分の方法で聖徒たちを扶養される。
17-18 福音の律法によって、貧しい人の世話の仕方が規定される。
19-46 何人かの兄弟たちの管理の職と祝福が示される。
47-53 カートランドの共同制度とシオンの制度は、別個に運営されることになる。
54-66 主の神聖な金庫が、聖文の印刷のために設けられる。
67-77 共同制度の一般金庫は、会員の同意に基づいて運営されることになる。
78-86 共同制度に属する者は、自分の負債をすべて返済しなければならない。そうすれば、主は金銭上の束縛から彼らを救い出してくださる。
01 まことに、わたしは友であるあなたがたに言う。わたしが共同制度また永遠の制度として組織し、設立することを命じた制度に属するすべての財産に関して、わたしはあなたがたに勧告と戒めを与える。この制度は、わたしが来るまでわたしの教会を益し、人々を救うためのものである。
02 わたしが命じたこのことには、わたしから命じられた者たちが忠実であれば多くの祝福をもって祝福されるという、不変不易の約束が伴っていた。
03 しかし、もしも忠実でなければ、彼らはやがてのろわれることになっていた。
04 それゆえ、わたしの僕の中のある者たちが戒めを守らず、貪欲によって、また偽りの言葉をもって聖約を破ったので、わたしは非常にひどくかつ厳しいのろいをもって彼らをのろったのである。
05 その制度に属するだれかが戒めに背く者であると分かれば、言い換えれば、あなたがたを結び合わせる聖約を破るならば、彼は生涯のろわれて、わたしが望む者により踏みつけられると、主なるわたしは心の中に定めたからである。
06 主なるわたしは、これらのことで侮られることはないからである。
07 これはすべて、あなたがたの中の罪のない者が正しくない者とともに罪に定められることのないためであり、またあなたがたの中の罪のある者が罰を免れることのないためである。主なるわたしは、わたしの右手における栄光の冠をあなたがたに約束したからである。
08 それゆえ、もしあなたがたが戒めに背く者であると分かれば、あなたがたは生涯、わたしの激しい怒りを免れることはできない。
09 あなたがたは、戒めに背いて絶たれるならば、贖いの日までサタンから打たれるのを免れることはできない。
10 この制度に属する者で、戒めに背く者であることが分かり、しかもその悪を悔い改めない者がいれば、あなたがたがその者をサタンに引き渡して打たせるように、わたしは、まさに今この時点からあなたがたに力を与える。しかも、彼はあなたがたに害悪を及ぼす力を持たないであろう。
11 わたしの知恵にかなうので、一つの戒めを、わたしはあなたがたに与える。あなたがたは自らを組織し、すべての人をその管理の職に任じなければならない。
12 それは、すべての人が、自分に定められる管理の職についてわたしに報告できるようにするためである。
13 主なるわたしが、被造物のために造って備えたこの世のもろもろの祝福に対する管理人としての責任を、すべての人に取らせることは、必要なことだからである。
14 主なるわたしは天を広げ、また地を築いた。これらはまことにわたしの手の業である。そして、その中にある万物はわたしのものである。
15 万物はわたしのものであるから、わたしが意図しているのは、聖徒たちに必要なものを与えることである。
16 しかしそれは、わたし自身の方法で行われなければならない。見よ、富んでいる者を低くすることによって貧しい者を高くすること、これこそ、主なるわたしが聖徒たちに必要なものを与えるために定めた方法である。
17 地は満ちており、十分にあり余っているからである。まことに、わたしはすべてのものを備え、人の子らが自ら選択し行動する者となるようにした。
18 それゆえ、わたしの造った豊かなものの中から取りながら、わたしの福音の律法に従って貧しい者や乏しい者に物を分け与えることをしない者は、悪人とともに、地獄で苦しみながら見上げるであろう。
19 さて、まことに、わたしはこの制度の財産に関してあなたがたに言う。
20 わたしの僕シドニー・リグドンには、わたしが命じるときに、わたしの望むままに彼がわたしのぶどう園で働く間、彼を扶養するために、彼が今住んでいる場所と皮なめし所の敷地を彼の管理の財産として定めるようにしなさい。
21 すべてのことを、カートランドの地に住むこの制度の会員の助言と、この制度の会員の一致した同意や声に従って行いなさい。
22 この管理の財産と祝福を、主なるわたしは、わたしの僕シドニー・リグドンと彼の後の子孫への祝福として彼に授ける。
23 また、彼がわたしの前に謙遜であれば、わたしは彼に数々の祝福を増し加えよう。
24 さらにまた、わたしの僕マーティン・ハリスには、彼と彼の後の子孫のために、わたしの僕ジョン・ジョンソンが以前の受け継ぎの地と引き換えに得た土地の敷地を、彼の管理の財産として定めるようにしなさい。
25 また、彼が忠実であれば、わたしは彼と彼の後の子孫に数々の祝福を増し加えよう。
26 また、わたしの僕マーティン・ハリスに、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアが指示するとおりに、わたしの言葉を宣言するために金銭をささげさせなさい。
27 さらにまた、わたしの僕フレデリック・G・ウィリアムズには、彼が今住んでいる場所を所有させなさい。
28 わたしの僕オリバー・カウドリには、印刷所として使われる家に隣接する区画された敷地、すなわち第一の敷地と、彼の父親が住んでいる敷地を所有させなさい。
29 わたしの僕たち、フレデリック・G・ウィリアムズとオリバー・カウドリに、印刷所とそれに付属するすべてのものを与えなさい。
30 これは彼らに定められる管理の財産となる。
31 彼らが忠実であれば、見よ、わたしは彼らを祝福し、数々の祝福を増し加えよう。
32 これは、彼らと彼らの後の子孫のために、わたしが彼らを任じた管理の職の初めである。
33 彼らが忠実であれば、わたしは彼らと彼らの後の子孫に数々の祝福を、まことに多くの祝福を増し加えよう。
34 さらにまた、わたしの僕ジョン・ジョンソンに、彼が住んでいる家と受け継ぎの地のすべてを与えなさい。ただし、わたしの家を建てるために確保されているその受け継ぎの地に付属する土地、ならびにわたしの僕オリバー・カウドリのために指定された敷地は除外される。
35 彼が忠実であれば、わたしは彼に数々の祝福を増し加えよう。
36 わたしの思いは、御霊の声によって、この制度の会員の助言によって、またこの制度の会員の声によって彼に知らされるとおりに、彼がわたしの聖徒たちの町を築くために区画された敷地を売ることである。
37 これは、彼と彼の後の子孫への祝福として、わたしが彼に定めた管理の職の初めである。
38 彼が忠実であれば、わたしは彼に多くの祝福を増し加えよう。
39 さらにまた、わたしの僕ニューエル・K・ホイットニーには、彼が今住んでいる家と敷地、および商店のある敷地と建物、ならびに商店の南の角にある敷地、それに灰焼場のある敷地を定めるようにしなさい。
40 これをすべて、わたしは、わたしの僕ニューエル・K・ホイットニーの管理の財産として、彼と彼の後の子孫への祝福として、またわたしがカートランドの地におけるわたしのステークのために設けたわたしの制度の商店の益のために、彼に定めたのである。
41 まことに、この商店のすべては、わたしの僕N・K・ホイットニーに、まことに彼と彼の代理人、および彼の後の子孫にわたしが定めた管理の財産である。
42 彼がわたしから与えられた戒めを忠実に守れば、わたしは彼と彼の後の子孫に数々の祝福を、まことに多くの祝福を増し加えよう。
43 さらにまた、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアには、わたしの家を建てるために区画されている奥行40ロッド、幅12ロッドの敷地と、また彼の父親が今住んでいる受け継ぎの地を定めるようにしなさい。
44 これは、彼と彼の父親への祝福として、わたしが彼に定めた管理の職の初めである。
45 見よ、わたしは彼の父親を扶養するために、彼のための受け継ぎの地を取っておいたからである。それゆえ、彼はわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアの家の中に数えられるであろう。
46 わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアが忠実であれば、わたしは彼の家に数々の祝福を、まことに多くの祝福を増し加えよう。
47 さて、わたしはシオンに関してあなたがたに一つの戒めを与える。あなたがたはもはや、一つの共同制度としてシオンの同胞に拘束されることがあってはならない。ただ次のようになる。
48 すなわち、あなたがたは自らを組織した後に、「カートランドの町、シオンのステークの共同制度」と呼ばなければならない。また、あなたがたの兄弟たちは組織した後、「シオンの町の共同制度」と呼ばなければならない。
49 彼らは彼ら自身の名によって、またそれ自体の名によって組織しなければならない。また、彼らはそれ自体の名によって、また彼ら自身の名によって務めを行わなければならない。
50 そして、あなたがたはそれ自体の名によって、またあなたがた自身の名によってあなたがたの務めを行わなければならない。
51 わたしはこれを、あなたがたの救いと、彼らの救いのために行うように命じた。彼らが追い出されたためであり、また来るべきことのためである。
52 聖約が、戒めに背くことによって、また貪欲と偽りの言葉によって破られたので、
53 あなたがたは、兄弟たちと結ばれていた共同制度としては解散される。そして、この時点まではともかく、これからはわたしの述べたように、この制度が評議会において同意し、あなたがたの事情が許して評議会の声が支持するままに行う貸し借りのほか、あなたがたは兄弟たちと結びつきを持たない。
54 さらにまた、わたしがあなたがたに定めた管理の財産に関して、あなたがたに戒めを与える。
55 見よ、すべてこれらの財産はわたしのものである。そうでなければ、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは偽善者とされ、あなたがたがわたしと交わした聖約は破られる。
56 そして、それらの財産がわたしのものであるならば、あなたがたは管理人である。そうでなければ、あなたがたは管理人ではない。
57 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたをわたしの家をつかさどる管理人とした。実にあなたがたは管理人なのである。
58 そして、わたしがあなたがたに自らを備えるようにと命じたのは、この目的のためである。すなわち、わたしの言葉、言い換えれば、わたしの聖文のすべてと、わたしがかつてあなたがたに与えた啓示、またこの後折々あなたがたに与える啓示を印刷するためである。
59 それらの啓示が与えられるのは、地上にわたしの教会と王国を築き上げ、わたしが自分の民とともに住むときに対して彼らを備えるためである。その時はもう近づいている。
60 あなたがたは金庫のための場所を備えて、そこをわたしの名のために奉献しなければならない。
61 また、その金庫を守るためにあなたがたの中の一人を任命し、この祝福に聖任しなければならない。
62 また、その金庫に封を施し、すべて神聖なものをその金庫に納めなければならない。そして、あなたがたの中のだれも、それを、あるいはその一部といえども自分のものと言ってはならない。それはあなたがた全員のものだからである。
63 わたしは今この時点から、あなたがたにそれを与える。あなたがたは行って、わたしが述べたようにこれらの神聖なものを印刷するために、神聖なものは除いて、わたしがあなたがたに定めた管理の財産を使うようにしなさい。
64 また、その神聖なものから得る利益は金庫に納め、その上に封を施さなければならない。そして、制度の会員の声によるか、あるいは戒めによる以外には、だれもそれを使ったり、金庫から取り出したりしてはならず、またその上に施された封を解くことも許されない。
65 このように、あなたがたはその神聖なものから得る利益を、神聖かつ聖なる目的のために金庫に保管しなければならない。
66 そして、これを主の神聖な金庫と呼ばなければならない。また、それが聖なるもので、主に奉献されたものとなるように、その上に封を施さなければならない。
67 さらにまた、別の金庫を備え、その金庫を守るために金庫係を任命し、またそれに封を施さなければならない。
68 また、わたしがあなたがたに定めた財産、すなわち家や土地や家畜や、わたしが神聖かつ聖なる目的でわたしのために取っておいた神聖かつ聖なる書き物を除くすべてのものを、よく活用することによって、あなたがたが管理の財産から得るすべての金銭は、それを受け取り次第、100ドルでも、50ドルでも、20ドルでも、10ドルでも、5ドルでも、金庫に納めるようにしなければならない。
69 言い換えれば、5ドルを得た者は、5ドルを金庫に納めなさい。10ドル、20ドル、50ドル、あるいは100ドルを得たとしても、同様にしなさい。
70 そして、あなたがたの中のだれも、それは自分のものであると言ってはならない。それは、あるいはその一部といえども、自分のものと言ってはならないからである。
71 また、制度の会員の声と同意によらなければ、その一部といえども使ったり、金庫から取り出したりしてはならない。
72 制度の会員の声と同意とはこうである。すなわち、あなたがたの中のだれかが金庫係に、「わたしの管理の職の助けとしてこれが必要です」と言う。
73 5ドルでも、10ドルでも、20ドルでも、50ドルでも、100ドルでも、金庫係は、彼が管理の職を果たすのを助けるために必要な金額を与えなければならない。
74 彼が戒めに背く者であると見なされ、不忠実で愚かな管理人であることがこの制度の評議会の前にはっきりと明らかになるまで、そのようにしなければならない。
75 しかし、彼が完全な会員資格を持ち、管理の職に関して忠実で賢明であるかぎり、これは金庫係にとって、金庫係が拒んではならないしるしとなる。
76 しかし、彼が戒めに背いている場合、金庫係はこの制度の評議会と声に従わなければならない。
77 また、金庫係が不忠実で愚かな管理人であると見なされた場合、彼はこの制度の評議会と声に従い、その職から退けられる。そして、別の者が彼の代わりに任命される。
78 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたの負債に関してあなたがたに言う。見よ、わたしの思いは、あなたがたがすべての負債を返済することである。
79 また、わたしの思いは、あなたがたがわたしの前にへりくだり、あなたがたの熱心と謙遜と信仰の祈りによってこの祝福を得ることである。
80 そして、あなたがたが熱心かつ謙遜であり、信仰をもって祈るならば、見よ、わたしは貸し主の心を和らげ、その間に資産を授けてあなたがたを救おう。
81 それゆえ、速やかにニューヨークに手紙を書き送り、わたしの御霊が告げるとおりに書き伝えなさい。わたしはあなたがたの貸し主の心を和らげて、あなたがたを苦しめようという思いが彼らの心の中から取り去られるようにしよう。
82 そして、あなたがたが謙遜かつ忠実であり、わたしの名を呼ぶならば、見よ、わたしはあなたがたに勝利を与えよう。
83 わたしはあなたがたに一つの約束を与える。あなたがたはこの度に限って、束縛から解放されるであろう。
84 もしあなたがたが束縛から救われるに十分な借り入れをするまで、100ドルでも、1000ドルでも、金銭を借り入れる機会を得るとすれば、それはあなたがたの特典である。
85 会員の同意により、あるいはあなたがたが良いと思うそのほかの方法により、この度に限ってあなたがたの名をもって、わたしがあなたがたの手に渡した財産を抵当に入れなさい。
86 わたしはこの度に限って、あなたがたにこの特典を与える。見よ、あなたがたがわたしの命じたとおりに、わたしがあなたがたの前に提示したことに取りかかるならば、すべてこれらのものはわたしのものであり、あなたがたはわたしの管理人であるので、主人は自分の家に押し入られるのを許さない。まことにそのとおりである。アーメン。
第105章(シオンの陣営への啓示)
1834年6月22日、ミズーリ州フィッシング川において、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、108〜111ページ)。ミズーリの聖徒たちに対する集団暴行が増し、幾つかの郡からの組織集団が教会の人々を滅ぼす意図のあることを宣言していた。預言者は、衣類と生活物資を運んで来た「シオンの陣営」として知られる一隊を率いてカートランドからやって来ていた。この隊がフィッシング川で野営していたときに、預言者はこの啓示を受けた。
1- 5 シオンは日の栄えの律法に従って築き上げなければならない。
6-13 シオンの贖いは、しばしの間延期される。
14-19 主はシオンの戦いを戦われる。
20-26 聖徒たちは集合するとき、賢明であって、力ある業を自慢してはならない。
27-30 ジャクソン郡とそれに隣接する郡の土地を購入しなければならない。
31-34 長老たちは、カートランドにおける主の宮でエンダウメントを受けなければならない。
35-37 召されかつ選ばれる聖徒たちは、聖められる。
38-41 聖徒たちは世に平和の旗を掲げなければならない。
01 まことに、わたしは、苦しんでいるわたしの民の贖いに関するわたしの思いを知るために集まったあなたがたに言う。
02 見よ、わたしはあなたがたに言う。各個人ではなく教会全体について語れば、わたしの民は戒めに背かなかったならば、今はもう贖われていたであろう。
03 しかし見よ、彼らはわたしが彼らの手に求めたことに従おうとせず、あらゆる悪に満ち、また聖徒としてふさわしく彼らの中の貧しい者や苦しんでいる者に持ち物を分け与えない。
04 また、日の栄えの王国の律法により求められている和合一致に従って結束していない。
05 日の栄えの王国の律法の諸原則によらなければ、シオンを築き上げることはできない。そうでなければ、わたしはシオンをわたしのもとに迎えることはできない。
06 そして、わたしの民は、たとえ苦しみを受けることによらなければならないとしても、従順を学ぶまで、必ず懲らしめを受けなければならない。
07 わたしが述べているのは、わたしの民を導くために任命された者たち、すなわちわたしの教会の最初の長老たちについてではない。彼らのすべてがこの罪の宣告の下にいるわけではないからである。
08 わたしが述べているのは、外にあるわたしの諸教会についてである。多くの者は言う。「彼らの神はどこにおられるのか。見よ、苦難のときに、神は彼らを救い出されるであろう。そうでなければ、我々はシオンに上って行かず、我々の金銭を取っておこう。」
09 それゆえ、わたしの民が戒めに背いたので、わたしが必要としているのは、わたしの長老たちがしばしの間シオンの贖いを待つことである。
10 それは、彼ら自身が備えられるためであり、またわたしの民がもっと十分に教えを受け、経験を得、彼らの義務とわたしがその手に求めることに関してもっと十分に知るためである。
11 わたしの長老たちが高い所から力を授けられるまで、これは成し遂げられない。
12 見よ、彼らが忠実であり、わたしの前に引き続き謙遜であるならば、わたしは、一つの大いなるエンダウメントと祝福が彼らに注がれるように用意をしている。
13 それゆえ、わたしが必要としているのは、長老たちがしばしの間シオンの贖いを待つことである。
14 見よ、わたしはシオンの戦いを戦うことを彼らの手に求めない。「わたしはあなたがたの戦いを戦う」と、以前の戒めの中で言ったとおりに、わたしが行うからである。
15 見よ、わたしは、敵を滅ぼし荒らすために滅ぼす者を遣わした。これから多くの年がたたないうちに、敵がわたしの譲りの地を汚したり、聖徒たちの集合のためにわたしが聖別した地で彼らがわたしの名を汚したりすることは許されなくなるであろう。
16 見よ、わたしの家の勇士、すなわち、わたしの戦士、わたしの若者たちと中年の者たちに、わたしの民の贖いのために集まってわたしの敵の見張り台を崩し、その見張り人を追い散らすように告げよ、とわたしは僕であるジョセフ・スミス・ジュニアに命じた。
17 しかし、わたしの家の勇士はわたしの言葉に聞き従わなかった。
18 しかし、ある者たちはわたしの言葉に聞き従ったので、彼らが続けて忠実であれば、わたしは彼らのために祝福とエンダウメントを用意している。
19 わたしは彼らの祈りを聞いた。そして、彼らのささげ物を受け入れる。信仰の試練として、彼らがここまで連れて来られることは、わたしにとって必要であった。
20 さて、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに戒めを与える。ここまで上って来た者で、この周りの地域にとどまることのできる者がいれば、彼らを皆とどまらせなさい。
21 また、東部に家族がいて、とどまることのできない者は、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアが指示するままに、しばしの間滞在しなさい。
22 わたしはこの件に関して彼に助言するので、彼が指示することはすべて果たされるであろう。
23 また、この周りの地域に住むわたしの民は皆、大いに忠実であり、よく祈り、わたしの前にへりくだりなさい。そして、わたしが明らかにした事柄を、それらを知らせるのがわたしの知恵にかなうときまで知らせないようにしなさい。
24 裁きについて語らず、また信仰も力ある業も自慢することなく、注意深く集まって、人々の気持ちに添うようにできるだけ一地域にいるようにしなさい。
25 また見よ、あなたがたが、「法律に従ってわたしたちのために裁きと公平とを行い、わたしたちの受けた不当な扱いに対して補償をしてください」と人々に言っている間、あなたがたが平穏かつ安全でいられるように、わたしは彼らの行為と善意をあなたがたに与えよう。
26 さて見よ、わたしは友であるあなたがたに言う。このような方法で、あなたがたは人々の好意を得ることができ、ついにイスラエルの軍勢はきわめて大いなるものとなる。
27 わたしは、パロの心を和らげたように、折々に人々の心を和らげよう。そして、わたしが任命したわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアとわたしの長老たちが、わたしの家の勇士を集める時間と、
28 また、ジャクソン郡やその周りの隣接する郡においてすべての購入可能な土地を購入することに関して、わたしが命じたことを果たすために、賢い人々を遣わす時間を得られるようにしよう。
29 わたしの思いは、聖徒たちがこれらの土地を購入し、これらを購入した後、わたしの与えた奉献の律法に従ってこれらを所有することである。
30 そして、これらの土地を購入した後は、イスラエルの軍勢が以前に金銭をもって購入した彼ら自身の土地を所有し、そこにあるわたしの敵の見張り台を崩し、その見張り人を追い散らし、わたしを憎む者たちの3代、4代に至るまでわたしの敵に報復することを、わたしは罪がないとするであろう。
31 しかし、まず、わたしの軍勢をきわめて大いなるものとなし、わたしの前に聖なるものとしなさい。それが太陽のように美しく、月のように明るくなり、またその旗がすべての国民にとって恐ろしいものとなるためである。
32 そして、この世のもろもろの王国が、「シオンの王国は、まことに我らの神とそのキリストの王国である。だから、その律法に従おう」と認めざるを得なくするためである。
33 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしが必要としているのは、カートランドの地にわたしの名のために建てるように命じたわたしの家において、わたしの教会の最初の長老たちが、高い所から授けられるエンダウメントを受けることである。
34 わたしがシオンとその律法に関して与えたそれらの戒めは、シオンの贖いの後に実行し、果たすようにしなさい。
35 召しの日は過ぎ去り、選びの日が来た。そこで、ふさわしい者たちを選ぶようにしなさい。
36 選ばれる者たちについては、御霊の声によって、わたしの僕に明らかにされるであろう。そして、彼らは聖められるであろう。
37 また、彼らが自分の受ける勧告に従うならば、多くの日の後、彼らはシオンに関するすべてのことを成し遂げる力を持つであろう。
38 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたを打った人々だけでなく、すべての人に平和を訴えなさい。
39 平和の旗を掲げ、地の果てまで平和を宣言しなさい。
40 また、あなたがたの内にある御霊の声に従って、あなたがたを打った者に和解を申し出なさい。そうすれば、万事があなたがたの益となるようにともに働くであろう。
41 それゆえ、忠実でありなさい。そうすれば、見よ、見よ、わたしはまことに最後まであなたがたとともにいる。まことにそのとおりである。アーメン。
第106章(ウォレン・A・カウドリへの啓示)
1834年11月25日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、170〜171ページ)。この啓示は、オリバー・カウドリの兄ウォレン・A・カウドリにあてられたものである。
1- 3 ウォレン・A・カウドリが地元の管理役員として召される。
4- 5 再臨が盗人のように不意に光の子を襲うことはない。
6- 8 教会で忠実に奉仕すると、大いなる祝福がもたらされる。
01 わたしの思いは、わたしの僕ウォレン・A・カウドリが、フリーダムの地とその周りの地域におけるわたしの教会の管理大祭司に選ばれ、聖任され、
02 わたしの永遠の福音を宣べ伝え、彼の任地だけでなく隣接する郡においても、その声を上げて人々に警告し、
03 わたしが今彼に与えるこの気高くかつ聖なる召しに全時間をささげ、天の王国とその義を熱心に求めることである。そうすれば、必要なものはすべて添えて与えられるであろう。働き人が報酬を受けるのは当然だからである。
04 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。主の来臨が近づいており、それは夜の盗人のように不意に世を襲う。
05 それゆえ、あなたがたは光の子となるために、腰に帯を締めなさい。そうすれば、その日が盗人のように不意にあなたがたを襲うことはないであろう。
06 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ウォレンがわたしの笏に身をかがめ、人の悪賢い行いから身を引いたとき、天に喜びがあった。
07 それゆえ、わたしの僕ウォレンは、幸いである。わたしは彼を憐れむからである。彼に虚栄心があるにもかかわらず、もし彼がわたしの前にへりくだるならば、わたしは彼を高く上げよう。
08 また、わたしは彼に恵みと確信を与えて、彼が立てるようにしよう。もし彼が続けて忠実な証人であり、教会にとって光となるならば、わたしは父の住まいに彼のために冠を用意している。まことにそのとおりである。アーメン。
第107章(神権定員会の組織)
1835年3月28日付けの、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた神権に関する啓示(『教会歴史』第2巻、209〜217ページ)。この日に、十二使徒は評議会を開き、各自の弱点と短所を告白し、悔い改めを表明し、主のいっそうの導きを求めた。彼らは割り当てられた地方への伝道のために、別れて出かけようとしていたところであった。本章の多くの部分はこの日に与えられたが、歴史記録によれば、1831年11月に与えられた部分を初めとして、いろいろな時期に与えられたものが含まれている。
1- 6 2つの神権、すなわちメルキゼデク神権とアロン神権がある。
7-12 メルキゼデク神権を持つ者は、教会におけるすべての職務を行う力を持つ。
13-17 監督会は、外形上の儀式を執行するアロン神権を管理する。
18-20 メルキゼデク神権はすべての霊的な祝福の鍵を持つ。アロン神権は天使の働きの鍵を持つ。
21-38 大管長会、十二使徒会、および七十人会はそれぞれ管理定員会を構成し、彼らの決議は一致と義によって下されなければならない。
39-52 アダムからノアまで族長制度が確立された。
53-57 古代の聖徒たちがアダム・オンダイ・アーマンに集まり、主が彼らに姿を現された。
58-67 十二使徒会は教会の役員たちを整えなければならない。
68-76 監督はイスラエルの一般判士を務める。
77-84 大管長会と十二使徒会は、教会の最高法廷を構成する。
85-100 神権組織の会長は、それぞれの定員会を管理する。
01 教会には2つの神権、すなわち、メルキゼデク神権と、レビ神権を含むアロン神権がある。
02 なぜ前者がメルキゼデク神権と呼ばれるかといえば、メルキゼデクはそれほど偉大な大祭司であったからである。
03 彼の時代の前には、これは神の御子の位に従う聖なる神権と呼ばれていた。
04 しかし、至高者の名を敬い尊ぶことから、この名をあまり頻繁に繰り返すのを避けるために、昔の教会員はこの神権を、メルキゼデクにちなんで、メルキゼデク神権と呼んだのである。
05 教会における他のすべての権能または職は、この神権に付属するものである。
06 しかし、2つの区分、すなわち大きな部類がある。一つはメルキゼデク神権であり、他はアロン神権またはレビ神権である。
07 長老の職は、メルキゼデクの神権の下にある。
08 メルキゼデク神権は管理する権利を有し、この世のあらゆる時代に、教会におけるすべての職を管理し、霊的な事柄をつかさどる力と権能を持つ。
09 メルキゼデクの位に従う大神権の大管長会は、教会におけるすべての職務を行う権利を持つ。
10 メルキゼデク神権の位に従う大祭司は、大管長会の指示の下に、自らの職において職務を行い、霊的な事柄をつかさどる権利を持つ。また、長老や(レビの位の)祭司、教師、執事、および会員の職務を行う権利をも持つ。
11 長老は、大祭司が不在のときに、彼の代わりに職務を行う権利を持つ。
12 大祭司と長老は、教会の聖約と戒めにかなって、霊的な事柄をつかさどらなければならない。また、彼らは、上位の権能を持つ者が不在のときに、教会のすべての職務を行う権利を持つ。
13 第2の神権は、アロンの神権と呼ばれる。それがアロンとその子孫に代々授けられたからである。
14 なぜそれが小神権と呼ばれるかといえば、それが大神権、すなわちメルキゼデク神権に付属するものであり、外形上の儀式を執行する力を持つからである。
15 監督会はこの神権の会長会であり、その鍵、すなわち権能を持つ。
16 だれもアロンの直系の子孫でなければ、この職に就き、この神権の鍵を所有する律法上の権利を持つことはない。
17 しかし、メルキゼデク神権の大祭司は、それ以下のすべての職の職務を行う権能を持つので、アロンの直系の子孫がだれも見つからないときは、メルキゼデク神権の大管長会の手によってこの力を有する職に召され、任命され、聖任されるならば、監督の職務を行うことができる。
18 大神権すなわちメルキゼデク神権の力と権能とは、教会のすべての霊的な祝福の鍵を持つことである。
19 すなわち、天の王国の奥義を受ける特権を持ち、天が彼らに開かれ、長子の教会の総集いと親しく交わり、また父なる神と新しい聖約の仲保者イエスの親しい交わりと臨在とを享受することである。
20 小神権すなわちアロン神権の力と権能とは、天使の働きの鍵を持ち、また聖約と戒めにかなって外形上の儀式、すなわち福音の文字、罪の赦しのための悔い改めのバプテスマを執行することである。
21 これら2つの神権におけるそれぞれの職に聖任された者たちの中から、会長、すなわち管理役員が出るように、すなわち任命されるようにする必要がある。
22 メルキゼデク神権を持つ者の中から、この団体によって選ばれ、その職に指名され、聖任され、また教会員の信頼と信仰と祈りによって支持された3人の管理大祭司が、教会の大管長会の定員会を構成する。
23 12人の巡回評議員は召されて、十二使徒、すなわち全世界におけるキリストの名の特別な証人となる。このように彼らは、その召しの義務が教会における他の役員とは違っている。
24 そして、彼らは、前に述べた3人から成る大管長会と同等の権能と力を持つ定員会を構成する。
25 七十人も召されて、福音を宣べ伝え、異邦人と全世界に対する特別な証人となる。このように彼らは、その召しの義務が教会における他の役員とは違っている。
26 そして、彼らは、今述べた12人の特別な証人、すなわち十二使徒の権能と同等の権能を持つ定員会を構成する。
27 これらいずれの定員会が下す決議も皆、その定員会の全会一致の声によってなされなければならない。すなわち、彼らの決議を互いに同等の力すなわち効力のあるものとするために、各定員会のすべての会員がその決議に同意しなければならない。
28 事情によりやむを得ないときは、過半数で定員会を成立させることができる。
29 定員会の決議が全会一致でないかぎり、彼らの決議は、メルキゼデクの位に従って聖任された、義にかなった聖なる人であった昔の3人の長から成る定員会の決議が受けるに値したものと同等の祝福を受けるに値しない。
30 これらの定員会、またはそれらのいずれかの決議は、完全な義により、聖さとへりくだった心、柔和と寛容により、また信仰、徳、知識、節制、忍耐、信心、兄弟愛、および慈愛により下されなければならない。
31 なぜならば、これらのものが彼らの内にますます豊かになるならば、彼らは主を知る知識について実を結ばない者となることはない、という約束があるからである。
32 また、これらの定員会のいかなる決議でも不義に下されるならば、教会の霊にかかわる権能を持つ者たちが構成する複数の定員会の総会の前にそれを持ち出すことができる。そうでなければ、彼らの決議からの上訴はあり得ない。
33 十二使徒会は巡回管理高等評議会であり、天の規定にかなって教会の大管長会の指示の下に主の名において職務を行い、またまず異邦人のために、次いでユダヤ人のために、教会を築き上げ、すべての国々において教会の諸事をすべて整える。
34 七十人は、十二使徒会、すなわち巡回高等評議会の指示の下に主の名において行動し、まず異邦人のために、次いでユダヤ人のために、教会を築き上げ、すべての国々において教会の諸事をすべて整える。
35 十二使徒は、遣わされ、鍵を持ち、イエス・キリストの福音を宣言することによって門を開く。これはまず異邦人に、次いでユダヤ人に行われる。
36 シオンのステークにおける常任高等評議会は、教会の諸事に関する彼らのすべての決議において、大管長会の定員会、あるいは巡回高等評議会と同等の権能を持つ定員会を構成する。
37 シオンにおける高等評議会は、教会の諸事に関する彼らのすべての決議において、シオンのステークにおける12人の評議会と同等の権能を持つ定員会を構成する。
38 巡回高等評議会は、福音を宣べ伝え、福音を施すために、様々な召しを果たすに当たって助けを必要とするときには、ほかの人々ではなく、七十人に要請しなければならない。
39 十二使徒は、教会のすべての大きな支部において、啓示により知らされるままに、福音の教導者を聖任しなければならない。
40 この神権の位は、父親から息子へ継承されるように確認されたものであり、約束を与えられた、選ばれた血統の直系の子孫に正当に属するものである。
41 この位はアダムの時代に設けられ、次のように血統によって継承された。
42 すなわち、アダムからセツに継承された。セツは69歳のときにアダムによって聖任され、また彼(アダム)の死ぬ3年前に彼によって祝福を授けられ、その子孫は主の選民となり、世の終わりまで守られるという神の約束を父を通じて受けた。
43 彼(セツ)は完全な人であり、その姿は彼の父に生き写しであったので、彼はあらゆる点で父のようであり、年齢によってのみ父と見分けることができた。
44 エノスは134歳4か月のときに、アダムの手によって聖任された。
45 カイナンが40歳の年に、神は荒れ野で彼を訪れた。また、彼はシェドラマクの地に向かって旅をしていた途中でアダムに会った。彼は聖任を受けたとき、87歳であった。
46 マハラレルはアダムの手によって聖任されたとき、496歳と7日であった。アダムはまた彼を祝福した。
47 ヤレドはアダムの手の下で聖任されたとき、200歳であった。アダムはまた彼を祝福した。
48 エノクはアダムの手の下で聖任されたとき、25歳であった。また、彼が65歳のときに、アダムは彼を祝福した。
49 そして、彼は主にまみえ、主とともに歩み、絶えず主の前にあった。365年、彼は神とともに歩み、身を変えられて天に移されたとき、430歳であった。
50 メトセラはアダムの手の下で聖任されたとき、100歳であった。
51 レメクはセツの手の下で聖任されたとき、32歳であった。
52 ノアはメトセラの手の下で聖任されたとき、10歳であった。
53 アダムは死ぬ3年前に、すべて大祭司であったセツ、エノス、カイナン、マハラレル、ヤレド、エノク、およびメトセラを、義にかなった子孫の残りとともにアダム・オンダイ・アーマンの谷に呼び集め、そこで彼らに最後の祝福を授けた。
54 すると、主が彼らに現れた。彼らは立ち上がってアダムをほめたたえ、彼をミカエル、君、天使長と呼んだ。
55 また、主はアダムに慰めを与え、そして言った。「わたしはあなたを立てて首長とした。多くの民族があなたから出るであろう。そして、あなたはとこしえに彼らを治める君である。」
56 そこで、アダムは会衆の中に立ち上がった。彼は老齢で腰が曲がっていたにもかかわらず、聖霊に満たされ、最後の世代に至るまでその子孫に起こることを預言した。
57 これらのことはすべてエノクの書に記されており、定められたときに証されるであろう。
58 十二使徒はまた、啓示に従って教会の他のすべての役員を聖任し、整えなければならない。その啓示は次のとおりである。
59 すなわち、教会の務めに関する教会の律法に加えて、シオンの地におけるキリストの教会へ。
60 万軍の主は言う。まことに、わたしはあなたがたに言う。長老の職にある者たちを管理する管理長老がいなければならない。
61 また、祭司の職にある者たちを管理する祭司も、
62 同じように教師の職にある者たちを管理する教師も、さらに執事もまたいなければならない。
63 執事から教師に、教師から祭司に、祭司から長老に至るまで、教会の聖約と戒めに従ってそれぞれ任命されるままに、いなければならない。
64 次に、大神権が来る。これはすべての中で最も大いなるものである。
65 それゆえ、大神権を持つ者の中から一人がその神権を管理するために任命されることが必要であり、彼は教会の大神権の大管長と呼ばれる。
66 言い換えれば、教会の大神権を管理する管理大祭司である。
67 この人から、按手によって儀式の執行と教会員への祝福が来る。
68 それゆえ、監督の職はそれと同等ではない。監督の職は、すべて現世の事柄をつかさどるものだからである。
69 それでも、監督はアロンの直系の子孫でないかぎり、大神権を持つ者の中から選ばれなければならない。
70 彼はアロンの直系の子孫でないかぎり、その神権の鍵を持てないからである。
71 しかしながら、メルキゼデクの位に従う大祭司は、現世の事柄をつかさどるように任命され、真理の御霊によってその知識を得、
72 イスラエルの判士となり、教会の務めを行い、教会の長老たちの中から選んだ副監督たち、あるいは将来選ぶ副監督たちの助けを得て、律法に従って彼の前に提出される証拠に基づいて戒めに背く者を裁く席に着く。
73 これは、アロンの直系の子孫ではなく、メルキゼデクの位に従う大神権に聖任された監督の義務である。
74 シオンの境が広げられ、シオンまたはそのほかの場所において、ほかの監督すなわち判士が必要になるまで、彼はこのように判士とならなければならない。すなわち、シオンであれ、シオンのステークであれ、あるいは彼がこの務めに任命される教会のいかなる支部であれ、そこに住む者の中で一般判士とならなければならない。
75 ほかの監督たちが任命されれば、彼らもその職務を遂行する。
76 しかし、アロンの直系の子孫には、この神権の会長の職に就き、この務めの鍵を持ち、メルキゼデクの位に従う大神権の大管長を裁く場合のほかは副監督なしに独立して監督の職務を遂行し、イスラエルの判士として席に着く、律法上の権利がある。
77 これらいずれの評議会の判決も、戒めにかなっていること。その戒めは次のとおりである。
78 さらにまことに、わたしはあなたがたに言う。教会の最も重要な事務、および教会の最も困難な事件は、監督や判士たちの判決が満足のいくものでなければ、これを教会の評議会に、すなわち大神権の大管長会の前に引き継いで渡さなければならない。
79 大神権の評議会の大管長会は、顧問として補佐する他の大祭司、すなわち12人を召す力を持つ。このようにして、大神権の大管長会とその顧問たちは、教会の律法に従って証拠に基づいて判決を下す力を持つ。
80 この判決の後は、もうそれを主の前に持ち出してはならない。これは神の教会の最高評議会であり、また霊にかかわる事柄に関する論争についての最終判決だからである。
81 教会に属する者で、教会のこの評議会から免れる者はだれもいない。
82 もしも大神権の大管長が戒めに背いたならば、彼は大神権を持つ12人の顧問によって補佐される教会の一般評議会の前に覚えられる。
83 彼の頭に下される彼らの判決は、彼に関する論争の終わりである。
84 このように、神の正義と律法から免れる者はだれもおらず、すべてのことが、真理と義によって神の前に秩序正しく厳粛に行われるのである。
85 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。執事の職を管理する会長の義務は、聖約に従って与えられているとおりに、12人の執事を管理し、彼らとともに会議の席に着き、彼らに義務を教え、互いに教化し合うことである。
86 また、教師の職を管理する会長の義務も、聖約の中で与えられているとおりに、24人の教師を管理し、彼らとともに評議会の席に着き、彼らにその職の義務を教えることである。
87 また、アロンの神権を管理する会長の義務も、聖約の中で与えられているとおりに、48人の祭司を管理し、彼らとともに評議会の席に着き、彼らにその職の義務を教えることである。
88 この会長は監督でなければならない。これはこの神権の義務の一つだからである。
89 さらに、長老の職を管理する会長の義務は、聖約に従って、96人の長老を管理し、彼らとともに評議会の席に着き、彼らを教えることである。
90 この会長会は七十人の会長とは異なり、全世界を旅しない者たちのために設けられる。
91 さらにまた、大神権の職の大管長の義務は、全教会を管理し、モーセのようであることである。
92 見よ、ここに知恵がある。まことに、神が教会の長に授ける神のすべての賜物を持つ聖見者、啓示者、翻訳者、および預言者となることである。
93 また、七十人が七十人の人々の中から選ばれた7人の会長によって管理されることは、七十人の秩序を示す示現による。
94 これらの会長のうちの第7の会長が、6人を管理しなければならない。
95 これら7人の会長は、彼らが属する最初の七十人のほかに別の七十人を選び、彼らを管理しなければならない。
96 また、ぶどう園における働きで当然必要とされれば、70の7倍まで、別の七十人を選び、管理する。
97 これらの七十人は、まず異邦人のもとへ、そしてユダヤ人のもとへも行く巡回教導者となる。
98 十二使徒会にも七十人会にも属さない教会の他の役員は、すべての国々を旅をする責任はないが、事情の許すときには旅をしなければならない。彼らは旅をする責任はないが、十二使徒や七十人と同じように、教会内で高い責任ある職に就いている。
99 それゆえ、今や人は皆、自分の義務を学び、任命されている職務をまったく勤勉に遂行するようにしなさい。
100 怠惰な者は、その職にいるにふさわしい者と見なされない。また、自分の義務を学ばず、認められるに足る者であることを示さない者は、その職にいるにふさわしい者と見なされない。まことにそのとおりである。アーメン。
第108章(ライマン・シャーマンへの啓示)
1835年12月26日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、345ページ)。この章はライマン・シャーマンの求めに応じて与えられたものである。彼はすでに大祭司と七十人に聖任されていたが、彼の務めを知らせる啓示を求めて預言者のもとにやって来たのであった。
1- 3 ライマン・シャーマンは罪を赦されている。
4- 5 彼は教会の指導的立場にある長老たちとともに数えられる。
6- 8 彼は福音を宣べ伝え、兄弟たちを強めるように召される。
01 まことに、主はあなた、すなわちわたしの僕ライマン・シャーマンにこのように言う。あなたはわたしが任命した者から助言を受けるために、わたしの声に従って今朝ここにやって来たので、あなたの罪は赦されている。
02 それゆえ、あなたの霊の立場について心を安らかにし、もうわたしの声に逆らってはならない。
03 また、立って、あなたがすでに交わした誓いと、これから交わす誓いを、今から後さらに注意深く守りなさい。そうすれば、あなたはきわめて大いなる祝福をもって祝福されるであろう。
04 わたしの僕たちによって聖会が召集されるまで、忍耐強く待ちなさい。そのとき、あなたはわたしの長老たちの最初の者とともに覚えられ、わたしが選んだ長老たちの残りとともに聖任されて権利を受けるであろう。
05 見よ、これは、あなたが続けて忠実であることを条件に与えられた父の約束である。
06 その日にそれは成就し、あなたはそのときから後、どこでもわたしが遣わす所でわたしの福音を宣べ伝える権利を持つであろう。
07 それゆえ、あなたのすべての生き方により、またすべての祈りにより、すべての訓戒により、すべての行いにより、あなたの兄弟たちを強めなさい。
08 見よ、見よ、わたしはあなたとともにいて、あなたを祝福し、とこしえにあなたを救う。アーメン。
第109章(カートランド神殿献堂の祈り)
1836年3月27日、オハイオ州カートランドの神殿の奉献に当たってささげられた祈り(『教会歴史』第2巻、420〜426ページ)。預言者の述べたところによれば、この祈りは啓示によって彼に与えられたものである。
1- 5 カートランド神殿は、人の子が訪れる場所として建てられた。
6-21 それは祈りと断食、信仰、学び、栄光、および秩序の家であり、また神の家である。
22-33 主の民に敵対する者で悔い改めない者が辱められるように。
34-42 聖徒たちが力をもって出て行き、義人をシオンに集めることができるように。
43-53 終わりの時に悪人のうえに注がれる恐るべきことから、聖徒たちが救い出されるように。
54-58 諸国民と諸民族と諸教会が、福音のために備えられるように。
59-67 ユダヤ人、レーマン人、および全イスラエルが贖われるように。
68-80 聖徒たちが栄光と誉れを冠として与えられ、永遠の救いを得られるように。
01 おお、主なるイスラエルの神よ、あなたの御名に感謝いたします。真心から御前をまっすぐに歩むあなたの僕たちに対して、聖約を守り、憐れみを示してくださる主なるイスラエルの神よ。
02 あなたはこの地(カートランド)にあなたの御名のために宮を建てるように、僕たちに命じられました。
03 おお、主よ、御覧のように、僕たちはあなたが命じられたとおりに行いました。
04 聖なる御父よ、わたしたちは、あなたの懐におられる御子イエス・キリストの御名によって、すなわち、その御名によってのみ人の子らに救いがもたらされる御方の御名によって、願い求めます。おお、主よ、何とぞ、あなたがわたしたちに建てるようにお命じになった、あなたの僕であるわたしたちの手で造られたこの宮を受け入れてくださいますように。
05 あなたは、わたしたちがひどい艱難を経てこの仕事を成し遂げたことを御存じです。人の子がその民に御自身を現す場所を得られるように、わたしたちは、あなたの御名のために宮を建てるため、貧しい中からわたしたちの持ち物を差し出しました。
06 あなたはわたしたちに与えてくださった啓示の中で、わたしたちを友と呼び、このように言われました。「わたしがあなたがたに命じたように、あなたがたの聖会を召集しなさい。
07 また、すべてが信仰を持っているわけではないので、あなたがたは知恵の言葉を熱心に求め、互いに教え合いなさい。まことに、最良の書物から知恵の言葉を探し求め、研究によって、また信仰によって学問を求めなさい。
08 あなたがた自らを組織しなさい。すべての必要なものを用意しなさい。そして、一つの家、すなわち祈りの家、断食の家、信仰の家、学びの家、栄光の家、秩序の家、神の家を建てなさい。
09 それは、あなたがたの入って来ることが主の名によって行われ、あなたがたの出て行くことが主の名によって行われ、あなたがたのあいさつが、いつもいと高き方に向かって両手を挙げて主の名によって行われるためである。」
10 さて、聖なる御父よ、何とぞ、わたしたちの聖会を召集するに当たり、あなたの民であるわたしたちをあなたの恵みをもって助け、その聖会があなたの誉れと神聖な承認のために行われるようにしてくださいますように。
11 また、わたしたちに下された啓示の中であなたの民であるわたしたちに与えてくださった約束を果たすのがふさわしいと、あなたの目にかなって認めていただけるような方法で、その聖会が行われるようにしてください。
12 これによって、あなたの栄光があなたの民のうえにとどまり、またわたしたちが今あなたに奉献するこのあなたの宮のうえにもとどまって、これが聖なるものとして聖められ、聖別され、あなたの聖なる訪れが絶えずこの宮の中にありますように。
13 主の宮の敷居を越えて入って来るすべての者が、あなたの力を感じ、またあなたがこれを聖められたことと、これがあなたの宮、あなたの聖さのある所であることを認める促しを感じますように。
14 聖なる御父よ、この宮で礼拝するすべての者が最良の書物から知恵の言葉を教わり、またあなたが言われたとおり、彼らが研究によって、また信仰によって学問を求めますように。
15 また、彼らがあなたにあって成長し、聖霊の全きを受け、あなたの律法に従って組織され、すべての必要なものを得るために備えられますように。
16 この宮が祈りの家、断食の家、信仰の家、栄光の家、また神の家、すなわちあなたの家となりますように。
17 あなたの民がこの宮に入って来ることが、いつも主の御名によって行われますように。
18 彼らがこの宮から出て行くことが、いつも主の御名によって行われますように。
19 また、彼らのあいさつが、いつもいと高き御方に向かって聖なる両手を挙げて主の御名によって行われますように。
20 清くないものがあなたの宮に入るのを許されてこれを汚すということが決してありませんように。
21 だれであろうとあなたの民が戒めに背くとき、彼らが速やかに悔い改め、あなたに立ち返り、あなたの御前に恵みを得、そしてあなたの宮であなたを敬う人々に注がれると定められた数々の祝福を回復されますように。
22 聖なる御父よ、何とぞ、あなたの僕たちがこの宮からあなたの力を帯びて出て行けますように。あなたの御名が彼らのうえにあり、あなたの栄光が彼らの周りにあり、あなたの天使たちが彼らに対する務めを果たしますように。
23 彼らがこの場所から地の果てまで、真理にかなって、きわめて大いなる栄えあるおとずれを携えて行き、それによって人々が、これがあなたの御業であることを知り、またあなたが終わりの時に関して、預言者たちの口を通して語られたことを成就するために御手を伸べられたことを知ることができますように。
24 聖なる御父よ、何とぞ、このあなたの宮で礼拝して名と地位を立派に維持する民を、すべての世代にわたって、また永遠に確立してくださいますように。
25 彼らを攻めるために造られるいかなる武器も役に立ちませんように。彼らのために穴を掘る者が自らその穴の中に落ちますように。
26 この宮であなたの御名を受けた民に対して、いかなる悪の結社も、立ち上がって打ち勝つ力を持つことがありませんように。
27 いかなる民でもこの民に敵対して立ち上がるならば、あなたの怒りが彼らに向かって燃えますように。
28 もしも彼らがこの民を打つならば、彼らを打ってくださいますように。かつて戦いの日に戦われたようにあなたの民のために戦って、すべての敵の手からあなたの民を救い出してくださいますように。
29 聖なる御父よ、何とぞ、あなたの僕や僕たちに反して偽りの報告を世に言い広めたすべての者が、もしも永遠の福音をその耳に宣言されたときに悔い改めようとしなければ、彼らを辱め、驚かせ、恥と混乱を彼らに与えてくださいますように。
30 そして、彼らのすべての業が無に帰し、雹により、またあなたが怒りをもって送られるもろもろの裁きにより一掃されて、あなたの民に対する偽りと中傷がなくなりますように。
31 おお、主よ、御存じのように、あなたの僕たちはあなたの御名について証したために、これらのことを受けましたが、僕たちは御名について証したとき、あなたの御前に罪のない者でした。
32 それゆえ、何とぞ、このくびきからすっかり完全に解き放してくださいますように。
33 おお、主よ、それを取り除いてください。あなたの力によって、あなたの僕たちの首からそれを取り除き、わたしたちがこの時代の人々の中に立ち上がって、あなたの御業を行えるようにしてください。
34 おお、エホバよ、この民を憐れんでください。人は皆罪を犯しますので、あなたの民の背きを赦し、とこしえにそれをぬぐい去ってください。
35 あなたに仕える者の油注ぎが、高い所からの力とともに彼らに結び固められますように。
36 五旬節の日におけるごとく、それが彼らに成就しますように。炎のように分かれた舌なる異言の賜物とその解釈が、あなたの民に注がれますように。
37 激しい大風のごとく、あなたの宮があなたの栄光で満たされますように。
38 あなたの僕たちに聖約の証をお与えください。それによって、彼らが出て行って、あなたの御言葉を宣言するときに、彼らが律法を封じ、地に住む者の背きのゆえにあなたが激しい怒りをもって彼らのうえに送ろうとしておられるすべての裁きに対して、あなたの聖徒たちの心を備えることができて、あなたの民が苦難の日に気落ちすることのないようにしてください。
39 あなたの僕たちがどの町に入ろうと、その町の人々が彼らの証を受け入れるならば、あなたの平安とあなたの救いがその町にありますように。それによって、僕たちがその町から義人を集めることができて、義人たちが永遠の喜びの歌を歌いながらシオンに、あるいはあなたの指定の場所であるそのステークに来ることができますように。
40 そして、これが成し遂げられるまで、あなたの裁きがその町に下りませんように。
41 あなたの僕たちがどの町に入ろうと、その町の人々があなたの僕たちの証を受け入れず、そのうえ、僕たちが彼らにこの曲がった時代から救われるようにと警告をしたならば、あなたの預言者たちの口を通してあなたの語られたことが、そのとおりにその町に起こりますように。
42 しかし、おお、エホバよ、何とぞ、あなたの僕たちを彼らの手から救い出し、僕たちを彼らの血から清めてくださいますように。
43 おお、主よ、わたしたちは同胞が滅びるのを喜びません。彼らはあなたの御前に貴い人々です。
44 しかし、あなたの御言葉は成就しなければなりません。あなたの恵みをもってあなたの僕たちを助け、彼らが、「おお、主よ、わたしたちの思いではなく、御心が行われますように」と言えるようにしてください。
45 あなたが終わりの時における悪人について恐るべきことを預言者たちの口を通して語られたこと、すなわちあなたが限りなくあなたの裁きを注がれることを、わたしたちは知っています。
46 それゆえ、おお、主よ、あなたの民を悪人の災いから救い出してください。あなたの僕たちが焼き払いの日に対して備えられるよう、律法を封じ、証を束ねることができますように。
47 聖なる御父よ、何とぞ、ミズーリ州ジャクソン郡の住民によって受け継ぎの地から追い出された者たちを思い起こし、おお、主よ、彼らのうえにかけられた苦難のくびきを取り除いてくださいますように。
48 おお、主よ、あなたは、彼らが悪人たちによってひどく虐げられ、苦しめられてきたことを御存じです。彼らの堪え難い重荷のゆえに、わたしたちの心は悲しみであふれるほどです。
49 おお、主よ、あなたはいつまで、この民をこの苦難に耐えさせ、その罪のない者の叫びをあなたの耳に届かせ、彼らの血を証としてあなたの御前に上らせて、彼らのためにあなたの証を示そうとされないのですか。
50 おお、主よ、あなたの民を追い出した邪悪な暴徒を憐れんでください。彼らが略奪することをやめ、もし悔い改めることがあれば、その罪を悔い改めることができますように。
51 しかし、もし彼らがそうしなければ、おお、主よ、あなたの御腕を現してください。そして、あなたが定められたもの、すなわちシオンをあなたの民のために贖ってください。
52 もしほかの方法ではなし得ないとすれば、あなたの民の大義があなたの御前で果たされないということのないよう、あなたの怒りが燃え、あなたの憤りが彼らに下って、彼らが天の下から根も枝も払い去られますように。
53 しかし、彼らが悔い改めるならば、あなたは恵み深く、憐れみ深いので、油注がれた者の顔を見られるときにあなたの怒りを解いてください。
54 おお、主よ、地のすべての国民を憐れんでください。わたしたちの国を治める者たちを憐れんでください。わたしたちの先祖によって立派に気高く守られた原則、すなわちわたしたちの国の憲法がとこしえに確立されますように。
55 諸王、諸公、高貴な人々、地の偉大な人々、およびすべての民、諸教会、地のすべての貧しい人、乏しい人、苦しんでいる人を思い起こしてください。
56 おお、エホバよ、あなたの僕たちがあなたの御名について証を述べるためにあなたの宮から出て行くとき、これらの人の心が和らぎますように。彼らの偏見が真理の前で消散し、あなたの民がすべての者の好意を得ますように。
57 あなたの僕であるわたしたちがあなたの御声を聞き、あなたがわたしたちを遣わされたことを、地の果てに至るすべての者が知りますように。
58 これらすべての中から、ヤコブの子らであるあなたの僕たちが義人を集めて、あなたから命じられたように、あなたの御名のために聖なる都を築くことができますように。
59 何とぞ、あなたが定められたこのステークのほかに、シオンのために他のステークも定めてくださり、それによって、あなたの民の集合が大いなる力と尊厳をもって進んで、あなたの業が義にかなって短くされますように。
60 おお、主よ、異邦人と見なされているわたしたちにあなたが与えてくださった啓示や戒めについて、今これらの言葉を、わたしたちはあなたの御前に語ってきました。
61 あなたは、曇った暗い日に長い間山々の上に散らされていたヤコブの子らに対して、御自分が大いなる愛をお持ちであることを御存じです。
62 それゆえ、何とぞ、ヤコブの子らを憐れんで、この時点からエルサレムが贖われ始めるようにしてくださいますように。
63 束縛のくびきがダビデの家から取り除かれ始めますように。
64 ユダの子らが、その先祖であるアブラハムにあなたが与えられた土地に帰り始めますように。
65 また、自分の背きのゆえにのろわれ打たれたヤコブの残りの者が、その粗暴で野蛮な状態から完全な永遠の福音に改宗するようにしてください。
66 彼らが殺害の武器を捨てて、反抗をやめますように。
67 また、イスラエルの散らされた残りの者で、地の果てに追い出された者が皆、真理を知るようになり、メシヤを信じ、虐げから贖われ、あなたの御前で喜びますように。
68 おお、主よ、あなたの僕ジョセフ・スミス・ジュニアと、彼の受けたあらゆる苦難と迫害と、彼がどのようにエホバに聖約し、ヤコブの力ある神よ、あなたにどのように誓ったかを、またあなたが彼に与えられた数々の戒めと、そして彼があなたの御心を行おうと心から努めてきたこととを思い起こしてください。
69 おお、主よ、彼の妻と子供たちを憐れんで、彼らがあなたの御前に高く上げられ、あなたの養いの御手によって守られるようにしてください。
70 彼らの近親者すべてを憐れんで、彼らの偏見が解けて洪水によるように一掃されて、彼らが改宗し、イスラエルとともに贖われ、あなたが神であられることを知るようにしてください。
71 おお、主よ、大管長と副管長、まことにあなたの教会の大管長と副管長を皆思い起こして、あなたの右手をもって、彼らをそのすべての家族、ならびにその近親者とともに高く上げ、また彼らの名を不朽にし、代々永遠に覚えられるようにしてください。
72 おお、主よ、あなたのすべての教会員を、そのすべての家族、ならびにそのすべての近親者とともに、そのすべての病気の人、ならびに苦しんでいる人とともに、また地のすべての貧しい人、ならびに柔和な人とともに思い起こしてください。それによって、あなたが人手によらずに設けられた王国が、大きな山となって全地に満ちますように。
73 また、あなたの教会が暗黒の荒れ野から出て来て、月のように美しく、太陽のように輝き、旗を立てた軍勢のように恐ろしいものとなり、
74 あなたがもろもろの天の覆いを取り去り、山々をあなたの御前に崩し、もろもろの谷を高くし、起伏の激しい所を平らにされるその日のために、教会が花嫁のように美しく飾られて、あなたの栄光が地に満ちますように。
75 死者のためにラッパが鳴り響くとき、わたしたちが雲の中に引き上げられ、あなたにまみえて、いつも主とともにいられるようになりますように。
76 わたしたちの衣が清くなりますように。わたしたちが手になつめやしを持ち、頭に栄光の冠をかぶって、義の衣を身にまとい、わたしたちのあらゆる苦難に代わって永遠の喜びを刈り入れることができますように。
77 おお、全能の主なる神よ、わたしたちのこれらの願いを聞き、あなたが栄光、誉れ、力、尊厳、威勢、支配、真理、公正、公平、憐れみ、および無限の完全さをもって永遠から永遠にわたって御座に着いておられる、あなたの聖なる住まいである天からわたしたちにおこたえください。
78 おお、主よ、お聞きください、お聞きください、わたしたちの願いをお聞きください。そして、これらの願いにこたえ、わたしたちがあなたの御名のために建て、わたしたちの手で造ったこの宮をあなたに奉献することを受け入れてください。
79 また、この教会も受け入れて、あなたの御名をお与えください。あなたの御霊の力によってわたしたちを助けて、わたしたちがあなたの御座の周りの光輝くセラフたちと声を合わせ、「神と小羊に、ホサナ」と歌いながら賛美の叫び声を上げられるようにしてください。
80 あなたの油注がれた者であるこれらの者たちに救いを着せ、あなたの聖徒たちを声高らかに喜び呼ばわらせてください。アーメン、アーメン。
第110章(神権の鍵の回復)
1836年4月3日、オハイオ州カートランドの神殿で、預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに現された示現(『教会歴史』第2巻、435〜436ページ)。この示現が現されたのは、安息日の集会時のことであった。預言者はこの現れの記録に、次のような前書きを記している。「午後、わたしは、この日に聖卓での務めを果たす特権を与えられた十二使徒から主の晩餐を受けた後、副管長たちを手伝って、それを教会員に配った。わたしは兄弟たちのためにこの務めをなし終えた後、オリバー・カウドリとともに教壇に退いて、幕を下ろし、身をかがめて厳粛に無言の祈りをささげた。そして、祈りを終えて立ち上がると、わたしたち2人に次の示現が開かれた。」(『教会歴史』第2巻、435ページ)
1-10 主なるエホバが栄光の中に現れて、カートランド神殿を主の宮として受け入れられる。
11-12 モーセとエライアスがそれぞれ現れて、彼らの鍵と神権時代とをゆだねる。
13-16 エリヤが戻って来て、マラキにより約束されたように彼の神権時代の鍵をゆだねる。
01 わたしたちの心から幕が取り去られ、理解の目が開かれた。
02 わたしたちは、主がわたしたちに面して教壇の手すりの上に立っておられるのを見た。その足の下には、こはくのような色の純金の床があった。
03 その目は燃える炎のようであり、その頭髪は清らかな雪のように白く、その顔は太陽の輝きに勝って光り輝いていた。また、その声、すなわちエホバの声は大水の奔流のとどろきのようで、このように言われた。
04 「わたしは最初であり、最後である。わたしは生きている者であり、殺された者である。わたしは父に対するあなたがたの弁護者である。
05 見よ、あなたがたの罪は赦されており、あなたがたはわたしの前に清い。それゆえ、頭を上げて喜びなさい。
06 あなたがたの兄弟たちの心を喜ばせ、わたしのすべての民の心を喜ばせなさい。彼らは力を尽くしてわたしの名のためにこの家を建てた人々である。
07 見よ、わたしはこの家を受け入れた。そして、わたしの名はここにあるであろう。わたしは憐れみをもってこの家でわたしの民にわたし自身を現すであろう。
08 まことに、わたしの民がわたしの戒めを守り、この聖なる家を汚さなければ、わたしは僕たちに現れて、わたし自身の声をもって彼らに語るであろう。
09 まことに、幾千幾万の人の心が、注がれる数々の祝福と、この家で僕たちに授けられるエンダウメントのゆえに、大いに喜ぶであろう。
10 そして、この家の名声は諸外国に広まるであろう。これはわたしの民の頭に注がれる祝福の初めである。まことにそのとおりである。アーメン。」
11 この示現が閉じた後、天が再びわたしたちに開かれた。そして、モーセがわたしたちの前に現れ、地の四方からのイスラエルの集合と北の地からの10部族の導きの鍵をわたしたちにゆだねた。
12 この後、エライアスが現れ、わたしたちと子孫によってわたしたちの後の時代のすべての者が祝福を受けるであろうと述べて、アブラハムの福音の神権時代をゆだねた。
13 この示現が閉じた後、もう一つの大いなる栄えある示現が突如わたしたちに開かれた。死を味わうことなく天に取り去られた預言者エリヤが、わたしたちの前に立って言った。
14 「見よ、マラキの口を通して語られた時がまさに来た。」マラキとは、主の大いなる恐るべき日が来る前に彼(エリヤ)が遣わされ、
15 先祖の心を子孫に、子孫の心を先祖に向けさせ、全地がのろいをもって打たれることのないようにする、と証した人である。
16 「それゆえ、この神権時代の鍵はあなたがたの手にゆだねられている。これによってあなたがたは、主の大いなる恐るべき日が近く、まさに戸口にあるのを知ることができる。」
第111章(最大の宝)
1836年8月6日、マサチューセッツ州セーレムにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、465〜466ページ)。当時、教会の指導者たちは教会での働きのために多くの負債を抱えていた。預言者とシドニー・リグドン、ハイラム・スミス、およびオリバー・カウドリは、セーレムで多額の金銭が得られると聞いたので、その情報を調べるために、オハイオ州カートランドから福音を宣べ伝えながらそこまで旅をした。兄弟たちは教会の務めを幾つか果たし、多少教えを説いた。金銭が得られそうにないことが明らかになったとき、彼らはカートランドに帰った。この啓示の言葉の中に、これら幾つかの主要な背後事情が示されている。
1- 5 主はその僕たちの物質的な必要に目を向けておられる。
6-11 主はシオンを憐れみをもって扱い、その僕たちの益となるように万事を整えられる。
01 主なるあなたがたの神であるわたしは、あなたがたの愚かな行為にもかかわらず、あなたがたがこの旅をしてきたことを不快には思わない。
02 わたしは、シオンのためにあなたがたに与える多くの宝をこの町に持っている。また、時至ってわたしが、シオンのために、あなたがたの仲立ちによって集める多くの人がこの町にいる。
03 それゆえ、あなたがたは導かれるままに、また与えられるままに、この町の人々と知り合いになることが必要である。
04 そして、時が来れば、わたしはあなたがたの手にこの町を与えて、あなたがたがこれを治める力を持つようにし、彼らがあなたがたの心に秘めた事柄を知ることのないようにする。そして、この町の金銀に関する富は、あなたがたのものとなるであろう。
05 あなたがたの負債について心配することはない。わたしはそれを返済する力をあなたがたに与えるからである。
06 シオンについて心配することはない。わたしはシオンを憐れみをもって扱うからである。
07 この地と周りの地域にとどまりなさい。
08 あなたがたがおもにとどまるようにと、わたしが望む場所は、あなたがたに注がれるわたしの御霊の平安と力によって、あなたがたに知らされるであろう。
09 この場所をあなたがたは賃借できるであろう。そこで、この町のもっと昔の住民と創建者たちについて熱心に調べなさい。
10 この町には、あなたがたのために宝が幾つもあるであろう。
11 蛇のように賢くありなさい。しかし、罪を犯してはならない。わたしはあなたがたの益となるように、あなたがたが受け入れることのできる早さで万事を整えよう。アーメン。
第112章(トーマス・B・マーシュへの啓示)
1837年7月23日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してトーマス・B・マーシュに与えられた啓示(『教会歴史』第2巻、499〜501ページ)。この啓示には、小羊の十二使徒に関してトーマス・B・マーシュに告げられた主の言葉が含まれている。預言者は、福音が英国で初めて宣べ伝えられた日にこの啓示を受けたと記録している。トーマス・B・マーシュは当時、十二使徒定員会会長であった。
1-10 十二使徒はすべての国民と民族に福音をもたらし、警告の声を上げなければならない。
11-15 彼らは自分の十字架を負い、イエスに従い、イエスの羊を養わなければならない。
16-20 大管長会を受け入れる者は、主を受け入れる。
21-29 暗闇が地を覆い、信じてバプテスマを受ける者だけが救われる。
30-34 大管長会と十二使徒会が時満ちる神権時代の鍵を持つ。
01 まことに、主はあなた、すなわちわたしの僕トーマスにこのように言う。わたしはあなたの祈りを聞き、あなたの施しはわたしの前に届いて、あなたの兄弟たちのために覚えられている。その兄弟たちとは、わたしの名について証を述べるために、またそれをすべての国民、部族、国語の民、民族の中にもたらすために選ばれて、わたしの僕たちによって聖任された人々のことである。
02 まことに、わたしはあなたに言う。あなたの心の中に、またあなた自身に関して、主なるわたしの心にかなわないことが少しばかりあった。
03 しかしながら、あなたは自分を低くしたので、高くされるであろう。それゆえ、あなたのすべての罪は赦されている。
04 わたしの前で元気を出しなさい。あなたは異邦人だけでなく、ユダヤ人にも、わたしの名について証しなければならない。また、地の果てまでわたしの言葉を送り出さなければならない。
05 それゆえ、あなたは朝ごとに戦い、日々あなたの警告の声を発しなさい。そして、夜になると、地に住む者があなたの言葉のためにまどろむことのないようにしなさい。
06 シオンにおいてあなたの住まいが知られるようにしなさい。あなたの家を移してはならない。主なるわたしは、人の子らの中にわたしの名を告げて広めることに関して、あなたのなすべき一つの大いなる業を用意している。
07 それゆえ、その業のために腰に帯を締めなさい。また、足に履物を履きなさい。あなたは選ばれた者であり、あなたの道はもろもろの山の中に、また多くの国の中にあるからである。
08 あなたの言葉によって多くの高い者が低くされ、またあなたの言葉によって多くの低い者が高くされるであろう。
09 あなたの声は戒めに背く者にとって叱責となる。あなたの叱責で、中傷する者の舌にそのよこしまな行為をやめさせなさい。
10 あなたは謙遜でありなさい。そうすれば、主なるあなたの神は手を引いてあなたを導き、あなたの祈りに答えを与えるであろう。
11 わたしはあなたの心を知っており、兄弟たちについてのあなたの祈りを聞いた。彼らをほかの多くの人以上に偏って愛してはならない。しかし、自分自身を愛するように彼らを愛しなさい。すべての人を、またわたしの名を大切にするすべての者を豊かに愛しなさい。
12 また、十二使徒会の兄弟たちのために祈りなさい。わたしの名のために彼らを厳しく訓戒しなさい。そして彼らに、すべての罪のために訓戒を受けさせなさい。また、あなたはわたしの前でわたしの名に忠実でありなさい。
13 彼らが試練と多くの艱難を受けた後、見よ、主なるわたしは彼らを探ろう。そして、彼らがわたしに対してその心をかたくなにせず、強情でなければ、彼らは心を入れ替えるので、わたしは彼らを癒そう。
14 さて、わたしはあなたに言い、またあなたに言うことを十二使徒のすべてに言う。立って腰に帯を締め、自分の十字架を負い、わたしに従い、わたしの羊を養いなさい。
15 自分を高くしてはならない。わたしの僕ジョセフに背いてはならない。まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしは彼とともにおり、わたしの手は彼のうえにある。そして、わたしが彼に授け、またあなたがたにも授けた鍵は、わたしが来るまで彼から取り去られることはない。
16 まことに、わたしはあなた、すなわちわたしの僕トーマスに言う。あなたは、十二使徒会に関して、広くすべての国の中でわたしの王国の鍵を持つようにわたしが選んだ人である。
17 それは、わたしの僕ジョセフと、わたしの僕シドニーと、わたしの僕ハイラムが行くことのできないすべての場所で、あなたが王国の門の錠を開けるわたしの僕となるためである。
18 わたしは彼らに、しばしの間、すべての諸教会の重荷を負わせたからである。
19 それゆえ、あなたがたは、どこでも彼らがあなたがたを遣わす所に行きなさい。そうすれば、わたしはあなたがたとともにいるであろう。そして、どこでもあなたがたがわたしの名を宣言する所で、人々がわたしの言葉を受け入れるように、効果的な門があなたがたのために開かれるであろう。
20 だれでもわたしの言葉を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。そして、だれでもわたしを受け入れる者は、わたしが遣わした者、わたしの名のためにあなたがたへの助言者とした者、すなわち大管長会を受け入れる。
21 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたによって正式に推薦されて権能を与えられた者で、兄弟たちすなわち十二使徒会の声により、わたしの名によって遣わされる者は、あなたがたから遣わされるどの国に対してでも、わたしの王国の門を開く力を持つ。
22 彼らがわたしの前にへりくだり、わたしの言葉のうちにとどまり、わたしの御霊の声を聴くかぎり、そうである。
23 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。暗闇が地を覆い、深い闇が人々の心を覆い、すべての肉なるものがわたしの前に悪くなってしまった。
24 見よ、報復が地に住む者のうえに速やかに及ぶ。これは激しい怒りの日、焼き払いの日、荒廃の日、泣き、嘆き、悲しむ日である。それは旋風のように地の全面に及ぶであろう、と主は言う。
25 わたしの家にそれは始まり、わたしの家からそれは出て行く、と主は言う。
26 最初はあなたがたの中の、わたしの名を知っていると公言しながらわたしを知らず、わたしの家の中でわたしを冒涜した者の中に始まる、と主は言う。
27 それゆえ、あなたがたはこの地におけるわたしの教会の諸事について心を悩ますことのないようにしなさい、と主は言う。
28 しかし、わたしの前に心を清くしなさい。それから全世界に出て行って、わたしの福音を与えられていないすべての造られたものにそれを宣べ伝えなさい。
29 信じてバプテスマを受ける者は救われる。しかし、信じることなく、バプテスマを受けない者は、罰の定めを受けるであろう。
30 あなたがた十二使徒会と、あなたがたの助言者および指導者となるようにあなたがたとともに任命されている者、すなわち大管長会に、この神権の力が、時満ちる神権時代である終わりの時のために最後に与えられているからである。
31 あなたがたは、創造の初めからいずれの時であっても神権時代を受けたすべての者とともに、この力を保持している。
32 まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたが受けた神権時代の鍵は、先祖から継承され、最後に天からあなたがたに下されたものである。
33 まことに、わたしはあなたがたに言う。見よ、あなたがたの召しは何と偉大なことか。この時代の人々の血があなたがたの手に求められることのないように、心と衣を清くしなさい。
34 わたしが来るまで忠実でありなさい。わたしはすぐに来るからである。わたしは報いを携えて来て、すべての人にその行いに応じて報いる。わたしはアルパでありオメガである。アーメン。
第113章(イザヤ書の解説)
1838年3月、イザヤの記した事柄に関する質問に対して預言者ジョセフ・スミスより与えられた答え(『教会歴史』第3巻、9〜10ページ)。
1- 6 エッサイの株、そこから出る芽、およびエッサイの根の意味が明らかにされる。
7-10 シオンの散らされた残りの者は、神権を受ける権利を持っており、主に立ち返るように勧められている。
01 イザヤ書第11章1、2、3、4、5節の中で述べられている、エッサイの株とはだれのことか。
02 まことに、主はこのように言われる。「それはキリストである。」
03 イザヤ書第11章1節の中で述べられている、エッサイの株から出るはずの芽とは何か。
04 見よ、主はこのように言われる。「それはキリストの手の中の一人の僕であって、幾分はエフライムの子孫、すなわちヨセフの家の子孫であるだけでなく、幾分はエッサイの子孫でもあり、大きな力を授けられる者である。」
05 第11章10節の中で述べられている、エッサイの根とは何か。
06 見よ、主はこのように言われる。「それはエッサイの子孫であり、ヨセフの子孫でもあって、終わりの時に、旗となるために、またわたしの民を集めるために、神権と王国の鍵とを正当に所有する者である。」
07 エライアス・ヒグビーからの質問。イザヤ書第52章1節の中の、「シオンよ、力を着よ」という命令はどういう意味か。また、イザヤはどの民を指して述べたのか。
08 彼は、神が終わりの時に召される者たち、すなわちシオンを元に戻し、イスラエルを贖う神権の力を持つ者たちを指して述べた。力を着るとは、神権の権能をまとうことであり、シオンはそれを血統によって受ける権利を持っている。また、シオンが失ったその力に復することでもある。
09 第2節の、シオンがその首の縄を解き捨てるということによって、わたしたちは何を理解すべきか。
10 わたしたちは次のように理解すべきである。すなわち、散らされた残りの者は、かつて主のもとから落ちたが、その主に立ち返るように勧められている。彼らがそうするならば、主は彼らに語る、すなわち彼らに啓示を与えると約束しておられる。第6、7、8節を参照。シオンの首の縄とは、シオンに下された神ののろい、すなわち、イスラエルの残りの者が異邦人の間に散らされた状態にあるということである。
第114章(デビッド・W・パッテンへの啓示)
1838年4月17日、ミズーリ州ファーウェストにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第3巻、23ページ)。
1- 2 忠実でない者が受けている教会の職は、ほかの者に与えるべきである。
01 まことに、主はこのように言う。わたしの僕デビッド・W・パッテンが、できるだけ早く彼の事業をすべて清算し、その商品を処分し、そうすることによって来年の春に、ほかの者、すなわち彼自身を含む12人の者とともに、全世界にわたしの名を証し、喜びのおとずれを携えて行く使命をわたしのために果たすようにすることは、彼にとって賢明である。
02 まことに、主はこのように言う。あなたがたの中にわたしの名を否定する者がいれば、ほかの者を代わりに立てて、否定する者の職を与えなければならない。アーメン。
第115章(教会の命名)
1838年4月26日、ミズーリ州ファーウェストにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた、その地を築き上げて主の宮を建てることについての神の御心を知らせる啓示(『教会歴史』第3巻、23〜25ページ)。この啓示は教会の管理役員たちにあてたものである。
1- 4 主は御自分の教会を、末日聖徒イエス・キリスト教会と命名される。
5- 6 シオンとそのステークは、聖徒たちのための防御と避難の場所である。
7-16 聖徒たちはファーウェストに主の宮を建てるように命じられる。
17-19 ジョセフ・スミスは地上で神の王国の鍵を持つ。
01 まことに、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアと、またわたしの僕シドニー・リグドンと、またわたしの僕ハイラム・スミス、およびすでに任命されている、またこの後任命されるあなたの副管長たち、
02 また、あなた、すなわちわたしの僕エドワード・パートリッジと、その副監督たち、
03 また、シオンにおけるわたしの教会の高等評議会(これからこのように呼ばれる)に属するわたしの忠実な僕たち、および全世界に散在しているわたしの末日聖徒イエス・キリスト教会のすべての長老たちと人々に言う。
04 わたしの教会は、終わりの時にこのように、すなわち末日聖徒イエス・キリスト教会と呼ばれなければならない。
05 まことに、わたしはあなたがたすべてに言う。立って光を放ちなさい。それは、あなたがたの光がもろもろの国民のための旗となるためであり、
06 シオンの地とそのステークに集合することが、防御のためとなり、また嵐と激しい怒りが全地にありのままに注がれるときに、その避け所となるためである。
07 ファーウェストの町を、わたしのために聖なる聖別された地としなさい。それを最も聖なる地と呼ばなければならない。あなたが立っている地は聖なる地だからである。
08 それゆえ、わたしはあなたがたに命じる。聖徒たちがわたしを礼拝できるように、彼らの集まる場所として、わたしのために一つの家を建てなさい。
09 今年の夏にこの仕事を開始し、基礎造りをし、準備工事を始めなさい。
10 来る7月4日に開始して、そのときからわたしの民は熱心に働き、わたしの名のために家を建てなさい。
11 この日から1年後に、わたしの家の土台を据える作業を再開しなさい。
12 このようにしてそのときから、わたしの家がその隅石からその最上部に至るまで仕上げられ、仕上げられていない所がなくなるまで、熱心に働きなさい。
13 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ジョセフにも、わたしの僕シドニーにも、わたしの僕ハイラムにも、わたしの名のために家を建てるに当たってこれ以上負債を抱えさせないようにしなさい。
14 しかし、わたしが彼らに示す型に従って、わたしの名のために家を建てなさい。
15 もしわたしの民が、わたしが大管長会に示す型に従ってそれを建てなければ、わたしは彼らの手からそれを受け入れない。
16 しかしわたしの民が、わたしが彼らの大管長会、すなわち、わたしの僕ジョセフと彼の副管長たちに示す型に従ってそれを建てるならば、わたしは民の手からそれを受け入れよう。
17 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの思いは、ファーウェストの町が、聖徒たちが集まることによって速やかに築かれることであり、
18 また、その周りの他の場所が、折々わたしの僕ジョセフに明らかにされるままに、ステークとして定められることである。
19 見よ、わたしは彼とともにおり、また民の前で彼を聖める。わたしは彼にこの王国と務めの鍵を授けたからである。まことにそのとおりである。アーメン。
第116章(アダム・オンダイ・アーマン)
1838年5月19日、ミズーリ州デイビーズ郡ワイツフェリーの近くのスプリングヒルと呼ばれる地において、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第3巻、35ページ)。
01 スプリングヒルは、主によってアダム・オンダイ・アーマンと名付けられる。それというのも、主が言われるには、そこはアダムがその民を訪れるために来る場所、すなわち預言者ダニエルによって述べられたように日の老いたる者が座する場所だからである。
第117章(マークス、ホイットニー、グレインジャーへの啓示)
1838年7月8日、ミズーリ州ファーウェストにおいて、ウィリアム・マークス、ニューエル・K・ホイットニー、およびオリバー・グレインジャーの当面の務めに関して、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第3巻、45〜46ページ)。
1- 9 主の僕たちは現世のものをむさぼってはならない。「主にとって財産とは何であろうか」とあるからである。
10-16 彼らは浅ましい心を捨てなければならない。そうすれば、彼らの犠牲は主にとって神聖なものとなる。
01 まことに主は、わたしの僕ウィリアム・マークスと、またわたしの僕ニューエル・K・ホイットニーにこのように言う。主なるわたしが地上に再び雪を送る前に、彼らは事業を速やかに清算して、カートランドの地を旅立ちなさい。
02 彼らは目を覚まし、立ち上がり、出て来て、とどまることのないようにしなさい。主なるわたしが命じるからである。
03 それゆえ、もしとどまるならば、それは彼らにとってよくない。
04 彼らはわたしの前で、すべての罪とすべてのむさぼりの欲望を悔い改めなさい、と主は言う。わたしにとって財産とは何であろうか、と主は言う。
05 カートランドの財産を負債の支払いのために処分しなさい、と主は言う。それらを手放しなさい、と主は言う。そして、なお残るものがあれば、何でもそれをあなたがたの手に残しておきなさい、と主は言う。
06 わたしには空の鳥や、海の魚や、山の獣がいないか。わたしは地を造らなかったか。わたしは地の国々のすべての軍隊の運命を握っていないか。
07 それゆえ、わたしは寂しい所に芽を出させ、花を咲かせ、また豊かに実を結ばせないであろうか、と主は言う。
08 あなたがたが一滴のしずくにすぎないものをむさぼって、もっと重要なことをなおざりにするほど、アダム・オンダイ・アーマンの山々とオラハ・シネハの平原、すなわちアダムの住んでいた地に十分な余地がないのであろうか。
09 それであるから、この地、わたしの民の地、すなわちシオンに上って来なさい。
10 わたしの僕ウィリアム・マークスは、わずかなものにも忠実でありなさい。そうすれば、多くを治める者となるであろう。彼は、ファーウェストの町におけるわたしの民の中で管理し、わたしの民の祝福をもって祝福されるようにしなさい。
11 わたしの僕ニューエル・K・ホイットニーは、ニコライ派と彼らのすべての秘密の忌まわしい行いと、わたしの前における自分の浅ましさをすべて恥じなさい、と主は言う。そして、アダム・オンダイ・アーマンの地に上って来て、わたしの民の監督になりなさい、と主は言う。名前ではなく、行いでそうしなさい、と主は言う。
12 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕オリバー・グレインジャーを、わたしは覚えている。見よ、まことに、わたしは彼に言う。彼の名前は代々とこしえにいつまでも、神聖に覚えられるであろう、と主は言う。
13 それゆえ、彼はわたしの教会の大管長会の負債償却のために熱心に働きなさい、と主は言う。彼は倒れるとき、再び起き上がるであろう。彼の犠牲は彼が増し加えるものよりもわたしにとって神聖だからである、と主は言う。
14 それゆえ、彼はこの地、すなわちシオンの地に速やかに上って来なさい。そうすれば、ふさわしいときに、彼はわたしの名のために、またわたしの民の益のために、商いをする者とされるであろう、と主は言う。
15 それゆえ、だれもわたしの僕オリバー・グレインジャーを軽んじることなく、わたしの民の祝福がいつまでもとこしえに彼のうえにあるようにしなさい。
16 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。カートランドの地におけるわたしの僕は皆、主なる神とわたしの家とを思い起こし、それを聖なるものとして保って守り、わたしがふさわしいとするときに両替人を打ち倒しなさい、と主は言う。まことにそのとおりである。アーメン。
第118章(十二使徒会への啓示)
1838年7月8日、ミズーリ州ファーウェストにおいて、「おお、主よ、十二使徒会についてのあなたの御心をわたしたちにお示しください」という願いに応じて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第3巻、46ページ)。
1- 3 主は十二使徒の家族に必要なものを与えてくださる。
4- 6 十二使徒会の空席が満たされる。
01 まことに、主はこのように言う。大会をすぐに開きなさい。十二使徒会を組織しなさい。人々を任命して、堕落した者たちの職を満たしなさい。
02 わたしの僕トーマスは、わたしの言葉を出版するために、しばらくの間シオンの地にとどまりなさい。
03 残りの者は、そのときから教えを説くことを続けなさい。彼らができるかぎりへりくだった心で、柔和と謙遜と寛容をもってこれを行うならば、主なるわたしは彼らに、わたしがその家族に必要なものを与えると約束をしよう。またその後、効果的な門が彼らのために開かれるであろう。
04 来年の春、彼らは大海を越えて行き、そこでわたしの福音、すなわち完全な福音を広め、わたしの名について証しなさい。
05 主は言う。来年の4月26日に、ファーウェストの町におけるわたしの家の建築地点で、わたしの聖徒たちに別れを告げなさい。
06 わたしの僕ジョン・テーラーと、またわたしの僕ジョン・E・ページと、またわたしの僕ウィルフォード・ウッドラフと、またわたしの僕ウィラード・リチャーズが、堕落した者たちの空席を満たすために任命され、その任命が正式に通知されるようにしなさい。
第119章(什分の一の律法)
1838年7月8日、ミズーリ州ファーウェストにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第3巻、44ページ)。これは、「おお、主よ、あなたは什分の一として、あなたの民の財産のうちのどれほどをお求めになるか、あなたの僕にお示しください」という預言者の願いに応じて与えられたものである。この啓示が下される以前には、今日理解されているような什分の一の律法は教会に与えられていなかった。前述の祈りと以前の啓示(第64章23節、第85章3節、第97章11節)の中の「什分の一」という言葉は、10分の1を意味するだけでなく、教会の基金への自由意志によるすべてのささげ物や寄付をも意味していた。主は以前に財産の奉献と管理の職の律法を教会に与えられ、会員たち(おもに指導的立場にある長老たち)は、聖約によってその律法に入っていた。その聖約は永遠のもののはずであった。しかし、多くの者がその聖約を守らなかったために、主は一時それを取り下げて、代わりに全教会に什分の一の律法を与えられた。そこで預言者は、神聖な目的のために彼らの財産のうちのどれほどを求められるか主に尋ねた。その答えがこの啓示である。
1- 5 聖徒たちは彼らの剰余の財産を納め、その後、什分の一として、毎年彼らの得る利益の10分の1を差し出さなければならない。
6- 7 このような行いはシオンの地を聖める。
01 まことに、主はこのように言う。わたしは、彼らの剰余の財産をすべてシオンにおけるわたしの教会の監督の手にゆだねることを求める。
02 それは、わたしの家を建てるため、シオンの基を据えるため、神権のため、またわたしの教会の大管長会の負債のためである。
03 これがわたしの民の納める什分の一の始まりとなる。
04 その後、このように什分の一を納めた者は、毎年彼らの得る全利益の10分の1を納めるのである。そして、これはわたしの聖なる神権のために、とこしえに彼らにとっての永続的な律法となる、と主は言う。
05 まことに、わたしはあなたがたに言う。すなわち、シオンの地に集まる者は皆、彼らの剰余の財産を什分の一として納め、この律法を守らなければならない。そうでなければ、あなたがたの中に住むにふさわしいと認められない。
06 また、わたしはあなたがたに言う。もしわたしの民がこの律法を守らずに、これを聖なるものとして保たず、またこの律法によってわたしのためにシオンの地を聖め、それによりわたしの掟と裁決がそこで守られて、それが最も聖なる地となるようにしなければ、見よ、まことに、わたしはあなたがたに言うが、それはあなたがたにとってシオンの地ではなくなる。
07 これはシオンのすべてのステークにとっての一つの範例である。まことにそのとおりである。アーメン。
第120章(教会基金の処理)
1838年7月8日、ミズーリ州ファーウェストにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第3巻、44ページ)。これは、前の第119章の啓示の中で述べられた什分の一として納められた財産の配分について知らせるものである。
01 まことに、主はこのように言う。わたしの教会の大管長会と、監督とその評議会、ならびにわたしの高等評議会により構成される評議会によって、また彼らへのわたし自身の声によって、それが配分されるべき時が今や来た、と主は言う。まことにそのとおりである。アーメン。
第121章(獄中の預言者、神権の運用)
1839年3月20日付けで、預言者ジョセフ・スミスによって記された祈りと預言(『教会歴史』第3巻、289〜300ページ)。このとき、預言者はミズーリ州リバティーの監獄において囚われの身であった。預言者と数人の同僚たちは、これまで数か月間拘留され、行政官や司法官にあてた彼らの請願や上訴も彼らを救助するには至らなかった。
1- 6 預言者は苦しんでいる聖徒たちのために主に懇願する。
7-10 主は彼に平安を告げられる。
11-17 主の民は戒めに背いていると偽りの叫び声を上げる者は皆、のろわれる。
18-25 彼らは神権を受ける権利を持たず、罰の定めを受ける。
26-32 勇敢に堪え忍ぶ者に、栄光ある啓示が約束される。
33-40 召される者は多いが選ばれる者は少ない理由。
41-46 神権は義にかなってのみ用いなければならない。
01 おお、神よ、あなたはどこにおられるのですか。あなたの隠れ場を覆う大幕はどこにあるのですか。
02 あなたの御手はいつまでとどめられ、あなたの目、まことにあなたの清い目はいつまで永遠の天からあなたの民とあなたの僕たちへの不当な扱いを眺め、またあなたの耳はいつまで彼らの叫び声で貫かれるのですか。
03 まことに、おお、主よ、彼らがどれほど長くこれらの不当な扱いと不法な虐げを受ければ、あなたの心は彼らに和らぎ、あなたの胸は彼らに対する哀れみの情に動かされるのですか。
04 おお、全能の主なる神よ、天と地と海とその中にある万物の造り主よ、悪魔とシェオルなる暗い闇の領域を支配し従えておられる御方よ、あなたの御手を伸べてください。あなたの目が貫きますように。あなたの大幕が取り去られますように。あなたの隠れ場がもはや覆われませんように。あなたの耳が傾けられますように。あなたの心が和らぎ、あなたの胸がわたしたちに対する哀れみの情に動かされますように。
05 あなたの怒りがわたしたちの敵に向かって燃えますように。そして、あなたの心の憤りをもって、あなたの剣でわたしたちへの不当な扱いに報復してください。
06 おお、わたしたちの神よ、あなたの苦しんでいる聖徒たちを思い起こしてください。そうすれば、あなたの僕たちは、とこしえにあなたの御名を喜び歌います。
07 「息子よ、あなたの心に平安があるように。あなたの逆境とあなたの苦難は、つかの間にすぎない。
08 その後、あなたがそれをよく堪え忍ぶならば、神はあなたを高い所に上げるであろう。あなたはすべての敵に打ち勝つであろう。
09 あなたの友人たちはまことにあなたの傍らに立っている。そして、彼らは温かい心と親しみのある手をもって、再びあなたを歓呼して迎えるであろう。
10 あなたはまだヨブのようではない。あなたの友人たちは、ヨブにその友人たちが行ったようにあなたに対して言い争わず、戒めに背いたとしてあなたを責めることもない。
11 戒めに背いたとしてあなたを責める者たちの希望は吹き消され、彼らの期待は、霜が朝日の強い日差しの前に解けるように解け去るであろう。
12 神は手を置いて印を押して、時と季節とを変え、彼らの思いをくらました。それは、彼らが神の驚くべき業を理解できないようにするためであり、また神が彼らを試し、彼ら自身の悪巧みによって彼らを捕らえるためである。
13 また、彼らの心が腐敗しているので、彼らが進んで、ほかの人々のうえにもたらし、ほかの人々に受けさせたいと思っていることが、彼ら自身のうえに最大限に及ぶようにするためである。
14 また、彼らを失望させるためであり、彼らの望みを絶つためであり、
15 これから多くの年がたたないうちに、彼らとその子孫が天の下から一掃されて、だれも壁のそばに立つ者のいないようにするためである、と神は言う。
16 わたしの油注がれた者に向かってかかとを上げる者は皆のろわれる、と主は言う。わたしの油注がれた者がわたしの前に罪を犯すことなく、わたしの目にかなうことと、わたしから命じられたことを行ったのに、彼らは罪を犯したと叫ぶ者は皆のろわれる、と主は言う。
17 しかし、戒めに背いたと叫ぶ者は、彼ら自身が罪の僕であり、不従順の子らであるからそう叫ぶのである。
18 また、わたしの僕たちを束縛と死に至らせようと、偽り誓って彼らを訴える者、
19 彼らは災いである。彼らはわたしの幼い者たちをつまずかせたので、わたしの家の儀式から絶たれるであろう。
20 彼らのかごは満ちることなく、彼らの家と倉は朽ち果て、彼ら自身は彼らにへつらった者たちに見下されるであろう。
21 彼らも、彼らの後の子孫も代々、神権を受ける権利を持たないであろう。
22 彼らにとっては、石臼を首にかけられて、海の深みに沈められる方がよかった。
23 わたしの民を苦しめ、追い出し、殺し、また彼らについて不利な証言をする者は皆災いである、と万軍の主は言う。まむしの子らは地獄の罰を免れないであろう。
24 見よ、わたしの目は彼らのすべての行いを見て知っている。そして、わたしは彼らすべてのために、ふさわしい時期における速やかな裁きを保留している。
25 それは、すべての人のためにその行いに応じて定められた時があるからである。」
26 神はその聖なる御霊によって、すなわち聖霊の言い尽くせない賜物によって、世界が存在するようになって以来現在まで示されたことのない知識を、あなたがたに与えてくださるであろう。
27 それは、終わりの時代に示されることを、わたしたちの先祖が切なる期待をもって待ち望んできたもの、彼らの完全な栄光のために取っておかれるものとして、その思いを向けるように天使たちによって促されたものである。
28 将来、何事も隠されることのないときに、唯一の神か、それとも多くの神々がおられるか、そのことが明らかにされるであろう。
29 すべての王位と主権、公国と力が示されて、イエス・キリストの福音のために勇敢に堪え忍んだすべての者に授けられるであろう。
30 また、天や海に、乾いた地に、太陽や月や星に限界があれば、
31 それらの回転のすべての時、定められたすべての日と月と年、またそれらの日と月と年のすべての日、またそれらのすべての栄光と律法と定められた時が、時満ちる神権時代に示されるであろう。
32 この世界が存在する前に、ほかのすべての神々を支配する永遠の神の会議で定められたこと、すなわち、すべての人が永遠の神のもとに行って神の不滅の安息に入るこの世の仕上げと終わりのために保留されるはずであったことに従って示されるであろう。
33 流水はいつまで濁ったままでいられようか。いかなる力が天をとどめるであろうか。全能者が末日聖徒の頭に天から知識を注ぐのを人が妨げようとするのは、人がそのか弱い腕を伸べて、定められた水路を流れるミズーリ川をとどめようとするようなもの、あるいは逆流させようとするようなものである。
34 まことに、召される者は多いが、選ばれる者は少ない。では、なぜ彼らは選ばれないのであろうか。
35 それは、彼らがあまりにもこの世のものに執着し、人の誉れを得ることを望んでいるために、次のような一つの教訓を学ばないからである。
36 すなわち、神権の権利は天の力と不可分のものとして結びついており、天の力は義の原則に従ってしか制御することも、運用することもできないということである。
37 なるほどそれらがわたしたちに授けられることもあろう。しかし、わたしたちが自分の罪を覆い隠そうとしたり、自分の高慢、自分のうぬぼれた野望を満たそうとしたり、あるいはいかなる程度の不義によってでも、人の子らを制御し、支配し、強制しようとしたりするとき、まことに、天は退き去り、主の御霊は深く悲しむ。そして、主の御霊が退き去ると、その人の神権、すなわち権能は終わりである。
38 まことに、その人は気がつかないうちに、一人放置されて、とげのある鞭をけり、聖徒たちを迫害し、神と戦う。
39 わたしたちは悲しむべき経験によって学んだ。すなわち、ほとんどすべての人は、少しばかりの権能を得たと思うや、すぐに不義な支配を始めようとする性質と傾向がある。
40 それゆえに、召される者は多いが、選ばれる者は少ないのである。
41 いかなる力も影響力も、神権によって維持することはできない、あるいは維持すべきではない。ただ、説得により、寛容により、温厚と柔和により、また偽りのない愛により、
42 優しさと純粋な知識による。これらは、偽善もなく、偽りもなしに、心を大いに広げるものである。
43 聖霊に感じたときは、そのときに厳しく責めなさい。そしてその後、あなたの責めた人があなたを敵視しないために、その人にいっそうの愛を示しなさい。
44 それは、あなたの誠実が死の縄目よりも強いことを、その人が知るためである。
45 またあなたの心が、すべての人に対して、また信仰の家族に対して、慈愛で満たされるようにしなさい。絶えず徳であなたの思いを飾るようにしなさい。そうするときに、神の前においてあなたの自信は増し、神権の教義は天からの露のようにあなたの心に滴るであろう。
46 聖霊は常にあなたの伴侶となり、あなたの笏は義と真理の不変の笏となるであろう。そして、あなたの主権は永遠の主権となり、それは強いられることなく、とこしえにいつまでも、あなたに流れ込むことであろう。
第122章(獄中の預言者、苦難の意味)
1839年3月、ミズーリ州リバティーの監獄において、囚われの身であった預言者ジョセフ・スミスに与えられた主の言葉(『教会歴史』第3巻、300〜301ページ)。
1- 4 地の果ての人々がジョセフ・スミスの名を尋ねる。
5- 7 彼の被るすべての危難と労苦は彼に経験を与え、彼の益となる。
8- 9 人の子はすべての下に身を落とされた。
01 地の果ての人々があなたの名を尋ね、愚かな者はあなたをあざ笑い、地獄はあなたに激怒するであろう。
02 一方、心の清い者と、知恵のある者と、高潔な者と、徳高い者は、絶えずあなたの手から助言と権能と祝福を求めるであろう。
03 あなたの民が、裏切り者の証によってあなたに背くことは決してない。
04 あなたは裏切り者の影響により苦難の中に、また格子と壁の中に投げ込まれるが、それでもあなたは尊敬されるであろう。そして、つかの間にして、あなたの声は、あなたの義のゆえに、あなたの敵の中でどう猛なライオンよりも恐ろしいものとなる。そして、あなたの神は、とこしえにいつまでも、あなたの傍らに立つであろう。
05 たとえあなたは艱難を経験するように定められても、たとえ偽兄弟の難に遭っても、たとえ強盗の難に遭っても、たとえ陸上や海上の難に遭っても、
06 たとえあらゆる偽りの罪状で告訴されても、たとえあなたの敵があなたを襲っても、たとえ彼らがあなたの父と母と兄弟と姉妹の交わりからあなたを引き離しても、また、たとえあなたの敵が抜き身の剣をもってあなたを妻と子供たちから引き離し、6歳にすぎないあなたの年長の息子があなたの服にすがりついて、「お父さん、お父さん、なぜ一緒にいられないの。お父さん、お父さん、この人たちは何をしようとしているの」と叫んでも、そしてその後たとえ彼が剣をもってあなたから引き離され、あなたが獄に引きずり込まれ、あなたの敵が子羊の血を求めるおおかみのようにあなたの周りをうろついても、
07 また、たとえあなたが穴の中に投げ込まれたり、殺人者の手に渡されたりして、死刑の宣告が下されても、たとえあなたが深みに投げ込まれても、たとえ寄せて来る大波があなたを巻き込もうとしても、たとえ暴風があなたの敵となっても、たとえ天が暗黒を集め、すべての元素が結束して道をふさいでも、また何にも増して、たとえ地獄の入り口が大口を開けてあなたをのみ込もうとしても、息子よ、あなたはこのことを知りなさい。すなわち、これらのことはすべて、あなたに経験を与え、あなたの益となるであろう。
08 人の子はこれらすべての下に身を落とした。あなたは人の子よりも大いなる者であろうか。
09 それゆえ、あなたの道に踏みとどまりなさい。そうすれば、神権はあなたとともにある。彼らの限界は定められており、彼らはそれを越えることはできない。あなたの命数は知られており、あなたの寿命が短くされることはない。それゆえ、人のなし得ることを恐れてはならない。とこしえにいつまでも、神はあなたとともにいるからである。
第123章(獄中の預言者、迫害の記録の収集)
1839年3月、ミズーリ州リバティーの監獄において、囚われの身であった預言者ジョセフ・スミスによって明らかにされた、迫害者に関する聖徒たちの義務(『教会歴史』第3巻、302〜303ページ)。
1- 6 聖徒たちは、受けた苦難と迫害の記録を集めて出版しなければならない。
7-10 偽りの信条を確立した霊が、聖徒たちの迫害を誘う。
11-17 すべての教派の中の多くの者が、やがて真理を受け入れるであろう。
01 さらにまた、わたしたちは、次のことを考えるようにあなたがたに勧めたい。すなわち、すべての聖徒が、この州の人々から加えられた苦難と虐待に関する一切の事実について、情報を集めることは正当である。
02 また、聖徒たちが損害を被ったすべての財産と損害額を、不動産だけでなく、人格ならびに身体への侵害についても情報を集めること、
03 また、彼らが入手し、見つけ出せるかぎり、その暴虐に加担したすべての人の名前の情報を集めることについても同様である。
04 委員会を設けて、これらのことを調べ出し、申立書と宣誓供述書を取り、流布されている中傷的な刊行物を集め、
05 雑誌や百科事典の中にあるすべてのもの、またすでに出版された、あるいは現在執筆中のすべての中傷的な歴史、およびそれがだれによるものかについての情報も集め、この民に対して行われた極悪な所業と非道かつ残忍な詐欺行為の全体のつながりを明らかにすることもできるであろう。
06 それは、わたしたちがそれらを全世界に向けて出版するだけでなく、政府の指導者たちにそれらを暗い地獄のような状態のままで明らかにするためでもある。それは、わたしたちの天の御父にその隠れ場から出て来ていただくという約束を果たすように求める権利を、わたしたちが十分かつ申し分なく主張するに先立って、天の御父からわたしたちに命じられている最後の努力である。さらにまた、それは、天の御父がその強い御腕の力を下される前に、全国民が弁解の余地のないようにするためである。
07 これは、わたしたちが神に対して、またわたしたちがともに立たされる天使たちに対して、また殺害や圧制や暴虐の最も忌まわしい手の下で嘆き、悲しみ、不安でくじかれたわたしたち自身と妻子に対して負っている、ぜひとも果たすべき義務である。その殺害や圧制や暴虐の最も忌まわしい手は、偽りを受け継いだ先祖の信条を子孫の心にしっかりと打ち込み、世を混乱で満たし、ますます勢力を増し、今やすべての背徳の源そのものとなっている、あの霊の影響力によって支援され、促され、支えられている。そして、全地はその罪悪の重さの下でうめいている。
08 これは鉄のくびきであり、強い縄である。それらはまさに地獄の手錠、鎖、手かせ、足かせである。
09 したがって、これは、わたしたちが自分たちの妻子に対してだけでなく、その鉄の手によって夫や父親を殺された、やもめや父のいない子供に対しても負っている、ぜひとも果たすべき義務である。
10 そのような暗い、暗黒を招く行為は、地獄をさえ震えおののかせ、恐れて顔色を失わせ、あの悪魔の手をも震わせ、まひさせるのに十分である。
11 これはまた、わたしたちが次の世代に対して、またすべての心の清い者に対して負っている、ぜひとも果たすべき義務である。
12 地上のすべての教派や宗派、門派の中には、欺こうと待ち伏せる人々の狡猾な悪巧みによって目をくらまされ、見いだす場所を知らないということだけで真理を得られずにいる多くの人がいる。
13 したがって、わたしたちは、わたしたちの知るかぎりにおいて、闇の中の隠されたことをすべて明るみに出すために、生涯をなげうって尽くさなければならず、これらはまことに天から示されるのである。
14 したがって、これらのことに大いに真剣に取り組まなければならない。
15 だれにも、これらのことをささいなことと思わせてはならない。聖徒たちに関して将来起こる多くのことは、これらのことにかかっているからである。
16 兄弟たちよ、あなたがたの知っているように、非常に大きな船も、嵐のときにはごく小さな舵に大いに助けられ、風と波に対して進路を保つことができる。
17 したがって、親愛なる兄弟たちよ、わたしたちの力のかぎりすべてのことを喜んで行おう。そして願わくは、その後、わたしたちがこの上ない確信をもって待ち受けて、神の救いを目にし、また神の腕が現されるのを見ることができるように。
第124章(役人による迫害)
1841年1月19日、イリノイ州ノーブーにおいて、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第4巻、274〜286ページ)。役人による迫害と不法な行為が増してきたため、聖徒たちはミズーリ州を立ち去らざるを得なかった。1838年10月27日付けで、ミズーリ州知事リルバーン・W・ボッグズによって発布された撲滅令は、彼らに選択の余地をまったく与えなかった(『教会歴史』第3巻、175ページ)。この啓示が与えられた1841年には、かつてイリノイ州コマースという村があった場所に、聖徒たちによってノーブー市が築かれ、ここに教会の本部が設けられていた。
1-14 ジョセフ・スミスは、合衆国大統領、知事たち、およびすべての国の統治者たちに、福音を厳粛に宣言するよう命じられる。
15-21 ハイラム・スミス、デビッド・W・パッテン、ジョセフ・スミス・シニア、および生者と死者の中にいるその他の人々が、彼らの高潔さと徳のゆえに祝福される。
22-28 聖徒たちは、外来者をもてなすための家と神殿をノーブーに建てるように命じられる。
29-36 死者のためのバプテスマは、神殿内で執行しなければならない。
37-44 主の民は、聖なる儀式の執行のためにいつも神殿を建てる。
45-55 聖徒たちは、敵の暴虐があるので、ジャクソン郡に神殿を建てることを免除される。
56-83 ノーブーハウスの建築のために、数々の指示が与えられる。
84-96 ハイラム・スミスは召されて、祝福師となり、もろもろの鍵を受け、オリバー・カウドリの得ていた職に就く。
97-122 ウィリアム・ローと他の人々は、彼らの働きに関して忠告される。
123-145 中央と地元の役員たちが指名され、彼らの義務と所属する定員会が告げられる。
01 まことに、主はあなた、すなわちわたしの僕ジョセフ・スミスにこのように言う。わたしは、あなたのなしたささげ物と証とを心から喜んでいる。わたしがあなたを立てたのは、この目的のためである。すなわち、地の弱い者たちによってわたしの知恵を示すためである。
02 あなたの祈りをわたしは受け入れる。そして、祈りへの答えとして、わたしはあなたに言う。わたしの福音と、このステークについて、直ちに厳粛に宣言するために、あなたは今召されている。このステークは、シオンの隅石となるようにわたしが設けたものであり、宮殿のような優美さをもって磨き上げられるであろう。
03 この宣言は、世界の四隅に至るまで、世のすべての王に、またあなたが住んでいる国の高潔な次期大統領と気高い知事たちに、また散在している地のすべての国々に発せられなければならない。
04 これを、柔和な心をもって、聖霊の力によって、書き記しなさい。これを書き記すときに、聖霊があなたの内に宿るであろう。
05 それらの王や役人に関するわたしの思い、すなわち将来何が彼らに起こるかは、聖霊によってあなたに知らされるからである。
06 見よ、わたしは、シオンの光と栄光を心に留めるように、彼らに呼びかけようとしている。シオンに恵みを授ける定められた時が来たからである。
07 それゆえ、あなたがたは彼らを恐れることなく、声高らかに宣言し、あなたがたの証を述べて彼らに呼びかけなさい。彼らは草のようであり、彼らの栄華は皆、すぐに散る花のようだからである。彼らにそうするのは、彼らに弁解の余地がないようにするためである。
08 またそれは、わたしがわたしの顔の覆いを取り去る刑罰の日に彼らを訪れ、虐げる者の場所を偽善者の中に定めるためである。もしも彼らがわたしの僕たちと、わたしが彼らに明らかにしたわたしの証とを拒むならば、彼らはそこで歯ぎしりをするであろう。
09 さらにまた、わたしはあなたがたの益のために彼らの多くを訪れ、彼らの心を和らげ、それによって、あなたがたが彼らの前に恵みを得るように、また彼らが真理の光に来るように、そして異邦人がシオンをあがめるように、すなわち高めるようにしよう。
10 あなたがたの思いがけないときに、わたしの刑罰の日は速やかに来る。わたしの民の安全はどこにあり、またわたしの民の残された者たちの避け所はどこにあるであろうか。
11 目を覚ましなさい、おお、地の王たちよ。来なさい。わたしの民を助けるために、あなたがたの金と銀を持って、シオンの娘たちの家に来なさい。
12 さらにまた、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの僕ロバート・B・トンプソンに、あなたがこの宣言を書く手伝いをさせなさい。わたしは彼のことを、また彼があなたとともにいることを心から喜んでいる。
13 それゆえ、彼があなたの助言に聞き従うようにさせなさい。そうすれば、わたしは多くの祝福をもって彼を祝福しよう。今から後、彼があらゆる点で忠実かつ誠実であるようにさせなさい。そうすれば、彼はわたしの目に大いなる者となるであろう。
14 しかし、わたしが管理の職の報告を彼の手に求めるということを、彼に覚えておかせなさい。
15 さらにまた、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの僕ハイラム・スミスは幸いである。彼の心が高潔であるので、また彼がわたしの前に正しいことを愛するので、主なるわたしは彼を愛する、と主は言う。
16 さらに、わたしの僕ジョン・C・ベネットに、王たちと地の民にわたしの言葉を送り出すあなたの務めを助けさせ、また苦難のときにあなた、すなわちわたしの僕ジョセフ・スミスの傍らに立たせなさい。彼は勧告を受け入れるならば、報いを失うことはないであろう。
17 愛があるので、彼は大いなる者となるであろう。彼はこのことを行うならば、わたしのものとなる、と主は言う。わたしは彼が行ってきたことを見た。彼がそれを続けるならば、わたしは彼の行いを受け入れて、彼にもろもろの祝福と大いなる栄光の冠を与えよう。
18 さらにまた、わたしはあなたに言う。わたしの思いは、わたしの僕ライマン・ワイトが柔和な心をもってシオンのために教えを説き続け、世の人々の前にわたしを信じていることを告白することである。そうすれば、わたしは、わしの翼に乗せるように彼を支えよう。そして、彼は彼自身のためとわたしの名のために、栄光と誉れを得るであろう。
19 それは、彼がその業を終えるとき、現在わたしとともにいるわたしの僕デビッド・パッテンと、またわたしの僕エドワード・パートリッジと、またわたしの年老いた僕ジョセフ・スミス・シニアを迎えたように、わたしが彼をわたし自身のもとに迎えるからである。ジョセフ・スミス・シニアはアブラハムの右に座しており、幸いな者であり、聖なる者である。彼はわたしのものだからである。
20 さらにまた、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの僕ジョージ・ミラーには偽りがない。その心が高潔であるので、彼は信頼できる。そして、彼がわたしの証に抱いている愛のゆえに、主なるわたしは彼を愛するのである。
21 それゆえ、わたしはあなたに言う。わたしの僕エドワード・パートリッジに行ったように、わたしは、彼の頭上に監督の職を結び固めて、彼がわたしの家の奉献物を受け取り、わたしの民の中の貧しい者の頭上に祝福を与えられるようにする、と主は言う。わたしの僕ジョージはわたしをあがめるので、だれも彼を軽んじてはならない。
22 わたしの僕ジョージと、わたしの僕ライマンと、わたしの僕ジョン・スナイダーと、他の者たちは、わたしの僕ジョセフが示すような家を一軒、彼が示す場所に、わたしの名のために建てなさい。
23 それは宿泊するための家、すなわち遠くから来る外来者が滞在する家となる。それゆえそれは、疲れた旅人が主の言葉と、わたしがシオンのために定めた隅石について、つくづくと考える間、健康と安全を得られるように、そのまま受け入れるに値する立派な家でなければならない。
24 この家をわたしの名のために建てるならば、そして任命される館長がいかなる汚れもそこに入って来ることがないようにするならば、それは健全な住まいとなるであろう。それは聖なるものでなければならない。そうでなければ、主なるあなたがたの神はそこに住まない。
25 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの聖徒たちを皆遠くから来させなさい。
26 あなたがたは足の速い使者たち、すなわち選ばれた使者たちを遣わして、彼らに言いなさい。「あなたがたのすべての金と、銀と、宝石と、すべての古物を携えて来なさい。また、古物についての知識を持っている者で、来ることを望み、かつ来ることのできる者を、皆伴って来なさい。また、つげの木と、もみの木と、松の木を、地のすべての貴い木とともに持って来なさい。
27 また、鉄と、銅と、真鍮と、亜鉛と、地のすべての貴いものも持って来なさい。そして、いと高き方が住めるように、わたしの名のために一つの家を建てなさい」と。
28 それは、いと高き者が来て、失われたもの、すなわちいと高き者が取り去ったもの、すなわち完全な神権を再びあなたがたに回復できる場所が地上にないからである。
29 それは、彼ら、すなわちわたしの聖徒たちが死者の代わりにバプテスマを受けるバプテスマフォントが地上にないからである。
30 すなわち、この儀式はわたしの家に属するものであり、あなたがたがわたしのために家を建てることのできないほど貧しいときを除いて、わたしはこれを受け入れることはあり得ない。
31 しかし、わたしはあなたがた、すなわち、わたしの聖徒であるあなたがたすべてに命じる。わたしのために家を建てなさい。わたしのために家を建てるのに十分な時間を、わたしはあなたがたに与える。そして、この期間中は、あなたがたのバプテスマを受け入れる。
32 しかし見よ、この定められた期間が終わると、わたしはあなたがたの死者のためのバプテスマを受け入れない。そして、もしあなたがたが定められた期間の終わりにこれらのことを行わなければ、あなたがたの死者とともに、あなたがたは教会として拒まれるであろう、と主なるあなたがたの神は言う。
33 まことに、わたしはあなたがたに言う。死者のためのバプテスマの儀式を行う家をわたしのために建てる十分な時間を得た後は、あなたがたの死者のためのバプテスマを受け入れることはあり得ない。これは、死者のためのバプテスマを行う場所として、創世の前から定められたものである。
34 あなたがたは誉れと栄光を受けるために、そこで聖なる神権の鍵を授けられるのである。
35 この期間が過ぎた後は、散在している者たちによる死者のためのバプテスマをわたしは受け入れない、と主は言う。
36 シオンとそのステークとエルサレム、すなわち、わたしが避け所として定めたそれらの場所は、あなたがたの死者のためのバプテスマを行う所となる、と定められているからである。
37 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたがわたしの名のために建てた家であなたがたの洗いを行わなくて、どうしてそれがわたしに受け入れられようか。
38 わたしがモーセに、一つの幕屋を建てるように、そして荒れ野の中をそれを運んで行くように、また約束の地で一つの家を建てるように命じたのはこのためである。そうすることによって、世界が存在する前から隠されてきた儀式を明らかにするためであった。
39 それゆえ、まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたの油注ぎと、あなたがたの洗いと、あなたがたの死者のためのバプテスマと、あなたがたの聖会と、レビの子らによるあなたがたの犠牲の記念と、あなたがたが神との交わりを受ける最も聖なる場所におけるあなたがたの神託と、シオンの啓示と基の始まりのための、またシオンのすべての町の栄光と誉れとエンダウメントのためのあなたがたの掟と裁決は、わたしの聖なる名のために建てるようにとわたしの民に常に命じられる、わたしの聖なる家の儀式によって定められる。
40 まことに、あなたがたに言う。わたしの名のためにこの家を建てて、わたしがそこで民に儀式を示すことができるようにしなさい。
41 わたしは創世の前から隠されてきたこと、すなわち時満ちる神権時代に関することを、わたしの教会に示そうと思うからである。
42 わたしはこの家に関するすべてのことと、その神権と、これを建てる場所をわたしの僕ジョセフに示そう。
43 あなたがたは、これを建てることを考えた場所に、これを建てなければならない。そこは、これを建てるようにわたしがあなたがたのために選んだ場所だからである。
44 あなたがたが勢力を尽くして働くならば、わたしはその場所を聖別して、聖なる所としよう。
45 そして、わたしの民が、わたしの声と、わたしの民を導くためにわたしが任命した僕たちの声に聞き従うならば、見よ、まことに、わたしは言うが、彼らはその場所から移されることはない。
46 しかし、もし彼らがわたしの声にも、わたしが任命したこれらの者の声にも聞き従おうとしなければ、彼らはわたしの聖なる地と、聖なる儀式と憲章と、わたしが彼らに与える聖なる言葉を汚すので、祝福されないであろう。
47 そして、もしあなたがたがわたしの名のために家を建てながら、わたしの言うことを行わなければ、わたしはあなたがたに立てる誓いを果たさず、あなたがたがわたしの手に期待する約束も履行しない、と主は言う。
48 あなたがたは、祝福の代わりに、あなたがた自身の行いによって、すなわちあなたがたの愚かな行為によって、またあなたがたがわたしの前でなすすべての忌まわしい行いによって、あなたがた自身の頭にのろいと激しい怒り、憤り、および裁きを招くからである。
49 まことに、まことに、あなたがたに言う。わたしが人の子らのだれかにわたしの名のためにある業を行うよう命じ、そしてそれら人の子らが勢力を尽くし、彼らの持っているすべてを尽くしてその業を成し遂げるように努め、かつ熱心であることをやめなければ、彼らの敵が彼らを襲って、彼らがその業を成し遂げるのを妨げるとき、見よ、わたしは当然のこととして、もう人の子らの手にその業を求めることはなく、彼らのささげ物を受け入れる。
50 そして、わたしの業を妨げた者が悔い改めず、わたしを憎むかぎり、わたしは彼らの頭に、3代、4代に至るまで、罪悪の報いと、わたしの聖なる律法と戒めに背いたことの報いをもたらす、と主なる神は言う。
51 それゆえ、この理由で、ミズーリ州ジャクソン郡にわたしの名のために一つの町と一つの家を建てるようにわたしから命じられたが、敵によって妨げられた者たちの、そのささげ物をわたしは受け入れたのである、と主なるあなたがたの神は言う。
52 敵が悔い改めず、わたしを憎むかぎり、わたしは彼らの頭に、3代、4代に至るまで、裁きと激しい怒り、憤り、悲嘆、苦悩、歯ぎしりを及ぼそう、と主なるあなたがたの神は言う。
53 わたしは、業を行うように命じられながら敵の手によって、また暴虐によってそれを妨げられたすべての者に関して、あなたがたを慰めるために、これをあなたがたへの一つの例とする、と主なるあなたがたの神は言う。
54 わたしは主なるあなたがたの神であり、ミズーリの地で殺された、あなたがたの心の清い同胞をすべて救う、と主は言う。
55 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしは再びあなたがたに命じる。わたしの名のためにまことにこの場所に一つの家を建てて、わたしから命じられるすべてのことに忠実であることを身をもって示し、また、わたしがあなたがたを祝福し、あなたがたに誉れと不死不滅と永遠の命を冠として与えることができるようにしなさい。
56 さて、わたしは、外来者の宿泊のために建てるように命じたわたしの宿泊所に関して、あなたがたに言う。それをわたしの名のために建て、わたしの名を付け、わたしの僕ジョセフとその家族を代々そこに住まわせるようにしなさい。
57 この油注ぎを、わたしは彼の頭に行って、彼の祝福が彼の後の子孫の頭にも与えられるようにしたからである。
58 また、わたしは地のもろもろの部族についてアブラハムに言ったように、わたしの僕ジョセフにも言う。「あなたにより、またあなたの子孫により、地の部族は祝福を受けるであろう。」
59 それゆえ、わたしの僕ジョセフと彼の後の子孫を、代々とこしえにいつまでも、その家に住まわせるようにしなさい、と主は言う。
60 また、その家をノーブーハウスと名付けなさい。そして、それが人にとって喜ばしい住まい、また疲れた旅人にとって休息所となるようにして、彼がシオンの栄光と、その隅石であるこの町の栄光をつくづくと考えられるようにしなさい。
61 また、名高い栽培所となりシオンの防壁の上の見張り人となるようにわたしが定めた者たちから、助言も受けられるようにしなさい。
62 見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ジョージ・ミラーと、わたしの僕ライマン・ワイトと、わたしの僕ジョン・スナイダーと、わたしの僕ピーター・ホーズは、その家を建てるために、自らを組織し、その中の一人を選んで委員会を管理する長にしなさい。
63 また、規約を作成し、それによりその家を建てるための株式資本を受け取れるようにしなければならない。
64 彼らはその家の株式として1株50ドル未満を受け取ってはならない。また、その家の株式として、だれであろうと1人から15000ドルを受け取ることは許される。
65 しかし、だれであろうと1人から15000ドルを越える株式資本を受け取ることは許されない。
66 また、その家の株式として、だれであろうと1人から1株50ドル未満を受け取ることも許されない。
67 また、だれであろうと株を受け取るときに彼らの手にその株式資本を払い込まない者を、この家の株主として受け入れることは許されない。
68 また、彼は彼らの手に払い込む株式資本に比例して、その家の株を受け取る。しかし、もしも彼らの手に払い込みをしなければ、彼はその家の株を一切受け取ってはならない。
69 また、だれであろうと彼らの手に株式資本を払い込むならば、それは、彼自身と代々の後の子孫のために、その家の株に交換される。彼とその相続人がその株を保有して、彼ら自身の自由意志と行為によりその株を売却あるいは譲渡しないかぎり、そのままである。あなたがたがわたしの思うところを行おうと思うならば、この指示に従うであろう、と主なるあなたがたの神は言う。
70 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。もしわたしの僕ジョージ・ミラーと、わたしの僕ライマン・ワイトと、わたしの僕ジョン・スナイダーと、わたしの僕ピーター・ホーズは、現金で、あるいは現金に換えられる財産で、株式資本をその手に受け取るならば、その株式資本のいかなる部分であろうと、それをその家に関する以外どのような目的にも流用してはならない。
71 また、もし彼らがその株式資本のいかなる部分であろうと、株主の承諾なしにその家以外のどこかに流用するならば、そしてその家以外のどこかに流用するその株式資本の4倍を返済しなければ、彼らはのろわれ、その職から退けられる、と主なる神は言う。主なるわたしは神であり、これらのことのいずれに関しても侮られることはあり得ないからである。
72 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ジョセフに、その家を建てるために、彼がよいと思うままに、彼らの手に株式資本を払い込ませなさい。しかし、わたしの僕ジョセフは、その家のために15000ドルを越える株式資本を払い込むことはできないし、50ドルに満たない分も払い込むことはできない。ほかのいかなる者もそれはできない、と主は言う。
73 また、自分に関するわたしの思いを知りたいと望んでいる者たちがほかにもおり、彼らはわたしにそれを願い求めてきた。
74 それゆえ、わたしの僕ビンソン・ナイトについてあなたがたに言う。彼がわたしの思うところを行おうとするならば、彼に、彼自身と代々の後の子孫のために、その家の株式資本を出資させなさい。
75 また、彼に、民の中で長くかつ大きく声を上げて、貧しい者と乏しい者のことを訴えさせなさい。彼は怠ってはならず、気落ちしてはならない。これを守れば、彼のささげ物はわたしにとってカインのささげ物のようではなくなるので、わたしはそれを受け入れよう。そして、彼はわたしのものとなる、と主は言う。
76 彼の家族を喜ばせ、彼らの心を苦難から転じさせなさい。わたしは彼を選び、彼に油を注ぎ、そして彼は家族の中で誉れを与えられるからである。わたしは彼のすべての罪を赦そう、と主は言う。アーメン。
77 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ハイラムに、彼がよいと思うままに、彼自身と代々の後の子孫のために、その家の株式資本を出資させなさい。
78 わたしの僕アイザック・ギャランドに、その家の株式資本を出資させなさい。主なるわたしは彼が行ってきたことのゆえに彼を愛し、彼のすべての罪を赦す。それゆえ、彼がその家の株を持っていることを代々覚えておきなさい。
79 わたしの僕アイザック・ギャランドがあなたがたの中から選ばれ、わたしの僕ウィリアム・マークスによって聖任され、彼から祝福を受けて、わたしの僕ハイラムとともに出かけ、わたしの僕ジョセフが彼らに指示する業を成し遂げられるようにしなさい。そうすれば、彼らは大いに祝福されるであろう。
80 わたしの僕ウィリアム・マークスに、彼がよいと思うままに、彼自身と代々の子孫のために、その家の株式資本を払い込ませなさい。
81 わたしの僕ヘンリー・G・シャーウッドに、彼がよいと思うままに、彼自身と代々の後の子孫のために、その家の株式資本を払い込ませなさい。
82 わたしの僕ウィリアム・ローに、彼自身と代々の後の子孫のために、その家の株式資本を払い込ませなさい。
83 彼がわたしの思うところを行おうとするならば、彼に、東の地、すなわちカートランドに家族を連れて行かせてはならない。それでも、主なるわたしはカートランドを築き上げる。しかし、主なるわたしはその住民に対して懲らしめを用意している。
84 わたしの僕アルモン・バビットについては、わたしが喜ばない多くのことがある。見よ、彼はわたしが定めた助言、すなわちわたしの教会の大管長会の助言の代わりに、自分の助言を確立しようと切望している。彼はわたしの民が礼拝するために一つの金の子牛を掲げている。
85 わたしの戒めを守ろうとしてここに来た者をだれも、この場所から去らせないようにしなさい。
86 彼らがここに住むならば、わたしのために生きるようにさせ、もしも死ぬならば、わたしのために死ぬようにさせなさい。彼らはここでその労苦をすべて解かれて休み、彼らの業を続けるであろう。
87 それゆえ、わたしの僕ウィリアムに、わたしを信頼させ、この地の病気のことで家族について心配するのをやめさせなさい。あなたがたはわたしを愛するならば、わたしの戒めを守りなさい。そうすれば、この地の病気はあなたがたに栄光をもたらすであろう。
88 わたしの僕ウィリアムに、わたしの御霊に感じるままに、ウォーソーの住民と、カーセージの住民と、バーリントンの住民と、マディソンの住民に対して、大声で、大いなる喜びをもってわたしの永遠の福音を宣言させなさい。また、わたしの総大会でさらに指示が与えられるのを、忍耐強くかつ熱心に待ち望ませなさい、と主は言う。
89 彼がわたしの思うところを行おうとするならば、彼に、今から後、わたしの僕ジョセフの助言に聞き従わせ、自分が持っているもので貧しい者を支えさせ、また地に住む者のためにわたしの聖なる言葉の新しい翻訳を出版させなさい。
90 彼がこれを行おうとするならば、わたしは多くの祝福をもって彼を祝福して、彼が見捨てられることも、その子孫がパンを請うこともないようにしよう。
91 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ウィリアムを、わたしの僕ハイラムの代わりにわたしの僕ジョセフの副管長として選び、聖任し、油を注ぎなさい。それは、わたしの僕ハイラムが、祝福によって、また権利によって、彼の父親により任命された祝福師という神権の職に就くためである。
92 それは、今から後、彼がわたしの民のすべての頭に授ける祝福師の祝福の鍵を持ち、
93 彼の祝福する者が祝福され、彼ののろう者がのろわれ、また彼が地上でつなぐことが何でも天でつながれ、彼が地上で解くことが何でも天で解かれるためである。
94 これから先、わたしは彼を任命して、わたしの僕ジョセフと同様に、わたしの教会のために預言者、聖見者、啓示者とする。
95 それは、彼がわたしの僕ジョセフと力を合わせて働くためであり、またわたしの僕ジョセフから助言を受けるためである。わたしの僕ジョセフは彼にもろもろの鍵を示すであろう。これらの鍵によって、彼は求めれば与えられ、またかつてわたしの僕オリバー・カウドリに与えられた同じ祝福と、栄光と、誉れと、神権と、神権の賜物を冠として受けるのである。
96 それは、わたしの僕ハイラムが、わたしが彼に示すことを証して、彼の名が代々とこしえにいつまでも尊敬を込めて覚えられるためである。
97 わたしの僕ウィリアム・ローにも、もろもろの鍵を与えて、それらの鍵によって彼が祝福を求めれば与えられるようにしなさい。彼がわたしの前に謙遜であって、偽りがないようにさせなさい。そうすれば、彼はわたしの御霊、すなわち慰め主を受けるであろう。その慰め主は、すべてのことについて彼に真理を明らかにし、また彼の言うべきことを必要なときに彼に知らせるであろう。
98 また、彼にはこのようなしるしが伴う。すなわち、彼は病人を癒し、悪霊を追い出し、また猛毒を盛る者から救い出されるであろう。
99 また、彼は毒蛇にかかとを捕らえられることのない道に導かれるであろう。また、わしの翼に乗っているように、彼の思い描く事柄の中を舞い上がるであろう。
100 彼が死者をよみがえらせることをわたしが望むならば、彼に、その声を抑えさせてはならない。
101 それゆえ、わたしの僕ウィリアムに、喜びと歓喜をもって、またとこしえにいつまでも御座に着いておられる御方に、「ホサナ」と叫びつつ、惜しむことなく声高らかに叫び求めさせなさい、と主なるあなたがたの神は言う。
102 見よ、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ウィリアムと、わたしの僕ハイラムには、彼らのためだけの、ある使命を備えている。わたしの僕ジョセフは必要とされているので、家にとどまらせなさい。残りについては後にあなたがたに示す。まことにそのとおりである。アーメン。
103 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕シドニーがわたしに仕え、わたしの僕ジョセフの副管長であろうとするならば、彼を、立って上って来て召された職に就くようにさせ、わたしの前にへりくだらせなさい。
104 もし彼が受け入れられるささげ物をささげ、証を述べ、わたしの民とともにとどまるならば、見よ、主なるあなたがたの神であるわたしは、彼が癒されるように彼を癒そう。そして、彼は山々の上で再び声を上げ、わたしの前で代弁者となるであろう。
105 彼を来させて、わたしの僕ジョセフが住む場所の近くに家族を住まわせるようにさせなさい。
106 また、彼が旅をしている間いつも、ラッパの音のように声を上げて、来るべき激しい怒りを逃れるよう地に住む者に警告させなさい。
107 彼にわたしの僕ジョセフを助けさせ、またわたしの僕ウィリアム・ローにもわたしの僕ジョセフを助けさせなさい。そして、わたしが以前にあなたがたに言ったように、地の王たちに厳粛に宣言しなさい。
108 わたしの僕シドニーがわたしの思うところを行おうとするならば、彼の家族を東の地に移させてはならない。しかし、わたしが言ったように、その住まいを変えさせなさい。
109 見よ、彼がわたしの指定した町、すなわちノーブー市から離れて、安全と避け所を見いだそうとすることは、わたしの思いにかなわない。
110 まことに、わたしはあなたがたに言う。まさに今、彼はわたしの声に聞き従うならば、幸いである。まことにそのとおりである。アーメン。
111 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕エイモス・ディビーズに、宿泊のための家、すなわちノーブーハウスを建てるためにわたしが任命した者たちの手に株式資本を払い込ませなさい。
112 彼が株を持つことを望むならば、彼に、このように行わせなさい。また、わたしの僕ジョセフの助言に聞き従わせ、人々の信頼を得るために自分の手を使って働かせなさい。
113 彼は、自分に任せられたすべてのこと、すなわちわずかなものにも忠実であることを身をもって示すとき、多くを治める者とされるであろう。
114 それゆえ、彼が高くされるために、自分自身を低くさせなさい。まことにそのとおりである。アーメン。
115 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ロバート・D・フォスターがわたしの声に従おうとするならば、彼に、わたしの僕ジョセフと結んだ契約に従って、折々門が開かれるのに応じて、ジョセフのために一軒の家を建てさせなさい。
116 彼に、愚かな行為をすべて悔い改めさせ、慈愛をまとわせ、悪を行うことをやめさせ、彼の無情な言葉をすべて捨てさせなさい。
117 また、彼自身と代々の後の子孫のために、ノーブーハウスの委員会の手に株式資本を払い込ませなさい。
118 わたしの僕たち、ジョセフとハイラムとウィリアム・ローの助言に聞き従わせ、またわたしがシオンの基を据えるために召した権能を持つ者たちにも聞き従わせなさい。そうすれば、とこしえにいつまでも、彼は幸いである。まことにそのとおりである。アーメン。
119 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。『モルモン書』と、わたしがあなたがたに与えた数々の啓示を信じる者でなければ、だれにもノーブーハウスの委員会に株式資本を払い込ませてはならない、と主なるあなたがたの神は言う。
120 これ以上のもの、あるいはこれ以下のものは悪から来て、祝福ではなく、のろいが伴うからである、と主なるあなたがたの神は言う。まことにそのとおりである。アーメン。
121 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。ノーブーハウスの委員会の者には、彼らがノーブーハウスを建てるに当たって行うすべての働きに対して、正当な俸給を得させなさい。彼らの俸給は、その金額について彼ら自身の間で同意するとおりにしなさい。
122 彼らの生活のために必要であれば、彼らの俸給に対する割り前を、株式資本を払い込む各人が負担するようにしなさい、と主は言う。そうでなければ、彼らの働きは、彼らのためにその家の株式資本に算入される。まことにそのとおりである。アーメン。
123 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしは今、わたしの神権に属する役員をあなたがたに与えて、あなたがたがその鍵、すなわちメルキゼデクの位に従う、またわたしの独り子の位に従う神権の鍵を持てるようにする。
124 最初に、わたしはあなたがたにハイラム・スミスを与えて、あなたがたへの祝福師とし、わたしの教会の結び固めの祝福、すなわち約束の聖なる御霊を持つ者とする。あなたがたは、誘惑の時があなたがたに及んでも倒れることのないように、その約束の聖なる御霊により贖いの日まで結び固められるのである。
125 わたしはあなたがたに、わたしの僕ジョセフを与えて、わたしの教会のすべてを管理する管理長老とし、翻訳者、啓示者、聖見者、預言者とする。
126 わたしは彼に、副管長としてわたしの僕シドニー・リグドンとわたしの僕ウィリアム・ローを与えて、これらの者が全教会のために神託を受ける大管長会の定員会を構成するようにする。
127 わたしはあなたがたに、わたしの僕ブリガム・ヤングを与えて、十二使徒巡回評議会を管理する会長とする。
128 この十二使徒は、地の四隅にわたしの王国の権能を開き、その後、すべての造られたものにわたしの言葉を送り出す鍵を持つ。
129 これらの者は、ヒーバー・C・キンボール、パーリー・P・プラット、オーソン・プラット、オーソン・ハイド、ウィリアム・スミス、ジョン・テーラー、ジョン・E・ページ、ウィルフォード・ウッドラフ、ウィラード・リチャーズ、ジョージ・A・スミスである。
130 デビッド・パッテンは、わたしがわたし自身のもとに受け入れた。見よ、彼の神権を彼から取り去る者はだれもいない。しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。別の者をその召しに任命してもよい。
131 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに、シオンの隅石のために高等評議会を与える。
132 すなわち、サミュエル・ベント、ヘンリー・G・シャーウッド、ジョージ・W・ハリス、チャールズ・C・リッチ、トーマス・グローバー、ニューエル・ナイト、デビッド・ドート、ダンバー・ウィルソン――セイモア・ブランソンは、わたしがわたし自身のもとに受け入れた。彼の神権を取り去る者はだれもいない。しかし、彼の代わりに別の者をその神権に任じてもよい。まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕アロン・ジョンソンを彼の代わりにこの召しに聖任しなさい――デビッド・フルマー、アルフィアス・カトラー、ウィリアム・ハンティントンである。
133 さらにまた、わたしはあなたがたにドン・C・スミスを与えて、大祭司の定員会を管理する会長とする。
134 この儀式は、散在しているそれぞれのステークを管理する常任の会長すなわち僕に任命される者たちに資格を与える目的で制定されている。
135 彼らは望むならば旅をしてもよいが、むしろ常任の会長として聖任されている。これは彼らが召された職である、と主なるあなたがたの神は言う。
136 わたしは彼に、副会長としてアマサ・ライマンとノア・パッカードを与えて、彼らがわたしの教会の大祭司の定員会を管理するようにする、と主は言う。
137 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに、ジョン・A・ヒックスと、サミュエル・ウィリアムズと、ジェシー・ベーカーを与える。彼らの神権は長老の定員会を管理するものであり、その定員会は常任教導者となるために設けられている。しかしながら、彼らは旅をしてもよいが、それでもわたしの教会の常任教導者となるために聖任されている、と主は言う。
138 さらにまた、わたしはあなたがたに、ジョセフ・ヤング、ジョサイア・バターフィールド、ダニエル・マイルズ、ヘンリー・ヘリマン、ゼラ・パルシファー、リーバイ・ハンコック、ジェームズ・フォスターを与えて、彼らが七十人の定員会を管理するようにする。
139 この定員会は、巡回高等評議会すなわちわたしの使徒たちが、わたしの前に道を備えるために彼らを遣わす所であればどこででも、全世界でわたしの名について証する巡回長老のために設けられている。
140 この定員会と長老の定員会の違いは、一方が絶えず旅をするのに対して、他方は折々諸教会を管理するところにある。長老の定員会は折々管理の責任を持つが、七十人の定員会は管理の責任を持たない、と主なるあなたがたの神は言う。
141 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに、ビンソン・ナイトと、サミュエル・H・スミスと、シャドラク・ラウンディー(もし彼が受け入れるならば)を与えて、彼らが監督会を管理するようにする。この監督会については、『教義と聖約』の書の中に述べられている。
142 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。祭司のためにサミュエル・ロルフと彼の副会長たちを、また教師の会長とその副会長たち、執事の会長とその副会長たち、またステークの会長とその副会長たちをあなたがたに与える。
143 以上の職とその鍵をわたしがあなたがたに授けたのは、助けのため、管理のため、奉仕の業とわたしの聖徒たちの完成のためである。
144 また、わたしはあなたがたに戒めを与える。あなたがたはこれらの職をすべて満たし、わたしが述べたそれらの名前を総大会で承認するか、そうでなければ、それらを否認しなければならない。
145 また、あなたがたはわたしの名のためにわたしの家を建てるとき、そこにこれらすべての職のための部屋を用意しなければならない、と主なるあなたがたの神は言う。まことにそのとおりである。アーメン。
第125章(アイオワの聖徒たちへの啓示)
1841年3月、イリノイ州ノーブーにおいて、アイオワ準州にいる聖徒たちに関して預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第4巻、311〜312ページ)。
1- 4 聖徒たちは数々の町を築き、シオンのステークに集合しなければならない。
01 アイオワ準州にいる聖徒たちに関する主の御心は何であろうか。
02 まことに、主はこのように言われる。「わたしはあなたがたに言う。もしわたしの名によって自分自身を呼んで、わたしの聖徒であろうと努めている者たちが、わたしの思うところを行い、彼らに関するわたしの戒めを守ろうとするならば、彼らを、わたしがわたしの僕ジョセフによって彼らに指定した場所に集め、わたしの名のために数々の町を築かせて、将来起こることに備えさせるようにしなさい。
03 彼らに、ノーブー市の対岸にわたしの名のために一つの町を築かせなさい。そして、ゼラヘムラと名付けなさい。
04 そして、東から、西から、北から、南から来て、そこに住みたいと望むすべての者に、そこで、またナッシュビル市で、あるいはノーブー市で、またわたしが指定したすべてのステークで彼らの受け継ぎを得させなさい」と主は言われる。
第126章(ブリガム・ヤングへの啓示)
1841年7月9日、イリノイ州ノーブーのブリガム・ヤングの家で、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第4巻、382ページ)。このとき、ブリガム・ヤングは十二使徒定員会会長であった。
1- 3 ブリガム・ヤングはその働きを褒められ、将来外国に旅をするのを免除される。
01 親愛なるブリガム・ヤング兄弟、まことに、主はあなたにこのように言われる。「わたしの僕ブリガムよ、これまでのように家族を残して出かけることは、もうあなたに求められない。あなたのささげ物を、わたしは受け入れたからである。
02 わたしは、わたしの名のために行った旅におけるあなたの働きと労苦を見た。
03 それゆえ、わたしはあなたに、わたしの言葉を外国に送り出し、今から後いつまでもあなたの家族の世話を特によくするように命じる。アーメン。」
第127章(死者のためのバプテスマの手紙1)
1842年9月1日付けで、ノーブーにおいて書かれた、預言者ジョセフ・スミスからイリノイ州ノーブーの末日聖徒にあてた、死者のためのバプテスマについての指示を含む手紙(『教会歴史』第5巻、142〜144ページ)。
1- 4 ジョセフ・スミスは迫害と艱難を誇りとする。
5-12 死者のためのバプテスマに関して、記録を保存しなければならない。
01 主がわたしに、ミズーリ州とこの州のわたしの敵が再びわたしを追って来たことを示してくださったので、また彼らは理由もなくわたしを追いかけ、わたしを告発するに当たって、彼らの側にはいささかの正当性も正義もないので、また彼らの主張はすべて真っ黒な偽りの中に基を置いているので、わたしは、自分の身の安全とこの民の安全のために、少しの間、この地を離れることがわたしにとって適切であり賢明であると考えました。わたしは仕事上の関係を持つすべての方々に申し上げたいと思います。わたしは代理人と書記たちに諸事を託しました。彼らはすべての仕事を敏速かつ適切な方法で処理することでしょう。また、彼らは必要に応じて、すなわち事情の許すままに、財産の処分そのほかの方法で、然るべきときにわたしの負債をすべて償却するでしょう。わたしはこの嵐が完全に静まったことが分かれば、再びあなたがたのもとに帰ります。
02 わたしが経験するように定められている数々の危難については、人のねたみと憤りが生涯を通じてわたしの日常のことであったので、それらはわたしにとってほんのささいなことに思われます。ある善い目的のために、あるいは人が悪いと呼びたければ悪い目的のために、わたしが創世の前から任じられていたのでなければ、それはどのような理由のためか不可解に思われます。その目的が善いか悪いか、あなたがたは自ら判断してください。それが善いか悪いか、神はこれらすべてのことを御存じです。しかしそれでも、わたしがいつも泳いでいる水は深いのです。それはすべてわたしにとって第2の天性となっています。そして、わたしはパウロのように艱難を誇りと感じています。わたしの先祖の神は、今日までそれらのすべてからわたしを救い出してくださり、またこれから後もわたしを救い出してくださるからです。まことに、まことに、わたしはわたしのすべての敵に打ち勝つでしょう。主なる神がそう告げられたからです。
03 したがって、聖徒は皆、喜び楽しみ、大いに喜んでください。イスラエルの神は聖徒たちの神であり、虐げる者たちすべての頭に正当な報いを与えられるからです。
04 さらにまた、まことに、主はこのように言われます。「わたしの神殿の仕事と、わたしがあなたがたに定めたすべての仕事を継続して行い、中止しないようにしなさい。あなたがたの熱心さ、あなたがたの根気強さと忍耐、またあなたがたの働きを倍加しなさい。そうすれば、あなたがたは決してその報いを失うことはない、と万軍の主は言う。また、彼らがあなたがたを迫害するとしても、あなたがたより前の預言者たちと義人たちも同じように迫害されたのである。このすべてに対して、天における報いがある。
05 さらにまた、わたしはあなたがたの死者のためのバプテスマについて、あなたがたに一言告げる。
06 まことに、あなたがたの死者について、主はこのように言う。あなたがたのうちのだれでも、あなたがたの死者のためにバプテスマを受けるときは、記録者がいるようにしなさい。そして、彼があなたがたのバプテスマの見証者となり、その耳で聞くようにしなさい。それは、彼が実際に証できるようにするためである、と主は言う。
07 また、あなたがたの記録するすべてのことについて、それが天でも記録されるためであり、あなたがたが地上でつなぐことが何でも天でつながれ、あなたがたが地上で解くことが何でも天で解かれるためである。
08 わたしは神権に関して地上に多くの事柄を回復しようとしている、と万軍の主は言う。
09 さらにまた、すべての記録を整理して、わたしの聖なる神殿の記録保管所に収め、それらが代々覚えられるようにしなさい、と万軍の主は言う。」
10 わたしはすべての聖徒たちに申し上げます。わたしは次の安息日に、死者のためのバプテスマという主題で教壇からお話しすることを切に切に望んでいました。しかし、そうすることはできませんので、時々この件について主の言葉を書き、それを郵便であなたがたに送ります。ほかの多くの事柄についても同様にします。
11 もう時間がありませんので、今はこれでこの手紙を終わります。敵が機をうかがっているからです。救い主が言われたように、この世の君が来ますが、わたしに対しては何の力もありません。
12 まことに、わたしが神にささげる祈りは、あなたがたすべてが救われるようにということです。わたしは主におけるあなたがたの僕、末日聖徒イエス・キリスト教会の預言者および聖見者としてここに署名します。
ジョセフ・スミス
第128章(死者のためのバプテスマの手紙2)
1842年9月6日付けで、イリノイ州ノーブーにおいて書かれた、預言者ジョセフ・スミスから末日聖徒イエス・キリスト教会にあてた、死者のためのバプテスマについての追加の指示を含む手紙(『教会歴史』第5巻、148〜153ページ)。
1- 5 地元と中央の記録者は、死者のためのバプテスマの事実を証明しなければならない。
6- 9 彼らの記録は拘束力があり、地上でも天でも記録される。
10-14 バプテスマフォントは墓に似せて造られたものである。
15-17 エリヤは死者のためのバプテスマに関する力を回復した。
18-21 過去の神権時代のすべての鍵と力、権能が回復された。
22-25 喜びの栄えあるおとずれが、生者と死者のために宣言される。
01 わたしが自分の居所を立ち去る前に、時々手紙を書いて多くの事項についてあなたがたに情報を提供すると述べたように、わたしは今、死者のためのバプテスマの件を再び採り上げます。敵に追われてからこのかた、この事項がわたしの心を占め、わたしの気持ちに最も重くのしかかっているように思われるからです。
02 わたしは記録者について、幾つか啓示の言葉をあなたがたに書きました。また、この件に関してさらに幾つかの見解を持つようになりましたので、それを今明らかにしましょう。すなわち、前の手紙で述べたとおり、主の御前に正確に記録を残すために、見証者となり、その耳で聞く記録者がいなければなりません。
03 さて、この件に関しては、一人の記録者がいつも立ち会って、すべての事務を行うことは非常に難しいでしょう。この難しさを取り除くために、正確な記録を取るのに十分な資格のある記録者を、市の各区に一人ずつ任命することができます。その記録者は、きわめて詳細かつ正確にすべての手続きの記録を取り、その目で見、その耳で聞いたことをその記録の中で証明し、日付や名前など、また行われたすべての事柄の経過をも記すようにします。さらに、2人または3人の証人の口によってすべての言葉が確定されるように、だれか立ち会う人がいれば、その事柄を証明するよう求められるときにいつでもそれができる3人ほどの名前も記します。
04 次に、彼らの作成した記録が真実であることを証明する彼ら自身が署名した証明書とともに、これらの記録を手渡すことのできる、中央記録者がいなければなりません。次に、中央教会記録者は、この記録を、もろもろの証明書ならびに立ち会っていたすべての証人名とともに、また、それらの記録者の大体の性格を知っていることと彼らが教会によって任命されているという事実からその声明と記録が真実であると確信しているという自らの声明書とともに、一般教会記録簿に入れることができます。これが一般教会記録簿に加えられると、あたかも彼がその目で見、その耳で聞き、一般教会記録簿にそれを記録したと同じように、この記録は神聖なものとなり、その儀式を有効とするのです。
05 あなたがたはこの手順をとても細かいと思うかもしれません。しかし、あなたがたに申し上げます。これは、福音を知らずに死ぬ者の救いのために、主が創世の前に定めかつ備えられた儀式と備えに従うことによって、ひたすら神の御心に応じるためなのです。
06 さらにまた、黙示者ヨハネが黙示録第20章12節にあるとおりに述べたとき、彼は死者に関してまさにこの件を考えていたということを、あなたがたは覚えておいてほしいのです。「またわたしは、死者が小さな者も大いなる者も、神の前に立っているのを見た。数々の書物が開かれ、またもう一つの書物も開かれた。それは命の書である。そして、死者はこれらの書物に書かれていることに基づき、彼らの行いに応じて裁かれた。」
07 この引用文に見るとおり、数々の書物が開かれ、またもう一つの書物も開かれました。それは命の書でした。しかし、死者は数々の書物に書かれていることに基づき、彼らの行いに応じて裁かれました。したがって、ここで言われている数々の書物とは、彼らの行いの記録が載せられている書物のはずであり、地上で記される記録を指すに違いないのです。また、命の書であるとされた書は、天で記される記録です。この原則は、わたしが自分の居所を立ち去る前にあなたがたに書いた手紙に載せられている啓示の中であなたがたに命じられた教義にかなっています。あなたがたの記録するすべてのことについて、それが天でも記録されるためなのです。
08 さて、この儀式の本質は、イエス・キリストの啓示による神権の力にあります。これによって、あなたがたが地上でつなぐことは何でも天でつながれ、あなたがたが地上で解くことは何でも天で解かれるということが認められるのです。言い換えれば、この翻訳について別の見方をすると、あなたがたが地上で記録することは何でも天で記録され、またあなたがたが地上で記録しないことは天でも記録されないということです。それは、あなたがたの死者が、数々の書物に基づき、彼ら自身の行いに応じて裁かれるからです。すなわち、彼らが自らその儀式を受けようと、あるいは代理人の仲立ちによって、神が創世の前から彼らの救いのために備えられた儀式に従って、その死者に関して記された記録のとおりにその儀式を受けようと、それに応じて裁かれるのです。
09 わたしたちが語っていること、すなわち地上で記録し、すなわちつなぎ、かつ天でもつなぐ力があるということは、ある人々には、非常に大胆な教義であると思われるかもしれません。しかしながら、世のあらゆる時代において、主がある人に、あるいはある人々の集団に、実際の啓示によって神権の施しを授けられたときはいつでも、この力が常に授けられてきたのです。したがって、何事であろうと、それらの人が権能によって、主の御名によってなし、正しくかつ忠実に行い、それについての適切かつ正確な記録を記したことは、大いなるエホバの定めによって地上でも天でも一つの律法となり、取り消せないものとなったのです。これは確かな言葉です。だれがそれを聞くことができるでしょうか。
10 さらにまた、その先例として、マタイによる福音書第16章18、19節があります。「そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もそれに打ち勝つことはない。わたしは、あなたに天の王国の鍵を授けよう。そして、あなたが地上でつなぐことは何でも天でつながれ、あなたが地上で解くことは何でも天で解かれるであろう。」
11 さて、この事柄全体の偉大かつ重要な真義と、わたしたちの前にある事項全体の最高善は、聖なる神権の力を得ることにあるのです。これらの鍵を授けられる者にとって、人の子らの救い、すなわち死者と生者の両方の救いに関して、数々の事実を知ることは少しも難しいことではありません。
12 ここに、すなわち水によるバプテスマの儀式、すなわち死者の有様に応じるために水に沈められることに、栄光と誉れ、および不死不滅と永遠の命があります。死者の有様にそって水中に沈められるのは、一つの原則が他の原則に一致するためです。水中に沈められ、そして水から出て来ることは、墓から出て来る死者の復活に似ています。したがって、この儀式は、死者の有様に似ているので、死者のためのバプテスマの儀式と関連するように制定されたのです。
13 その結果、バプテスマフォントは墓に似たものとして設けられ、生者がいつも集まる場所の下にあるようにと命じられました。それによって、生者と死者を表すため、またすべてのことに類似するものがあるようにするため、またそれらが互いに一致するため、すなわちコリント人への第1の手紙第15章46、47、48節でパウロが述べているように、地に属するものが天に属するものに一致するためなのです。
14 「最初にあったのは、霊のものではなく、肉のものであって、その後に霊のものが来るのである。第1の人は地から出て土に属し、第2の人は天から来る主である。土に属する人々は、土に属する人のようであり、天に属する人々は、天に属する人のようである。」そして、天の記録は、正しく作られるあなたがたの死者に関する地上の記録に似ています。したがって、これは結び固め、かつ、つなぐ力であり、ある意味では、知識の鍵から成る王国の鍵なのです。
15 さて、わたしの親愛なる兄弟姉妹たち、わたしはあなたがたに断言します。これらは死者と生者に関する原則であり、わたしたちの救いに関して軽々しく見過ごすことのできないものです。彼らの救いはわたしたちの救いにとって必要であり、不可欠だからです。それは、パウロが先祖について、わたしたちなしには彼らが完全な者とされることはないと言っているように、わたしたちの死者なしには、わたしたちも完全な者とされることはないのです。
16 さて、死者のためのバプテスマに関して、わたしはパウロのもう一つの言葉、すなわちコリント人への第1の手紙第15章29節を引用しましょう。「もし死者が決してよみがえらないとすれば、死者のためにバプテスマを受ける人々は、何をするのだろうか。なぜ死者のためにバプテスマを受けるのか。」
17 さらにまた、この引用文に関連して、一人の預言者の言葉を引用しましょう。彼は神権の回復と、終わりの時に示される栄光と、また特に永遠の福音に属するすべての事項の中で最も栄光あるこの事柄、すなわち死者のためのバプテスマにその目を注いでいました。マラキは、その書の最後の章の第5節と6節で言っています。「見よ、主の大いなる恐るべき日が来る前に、わたしは預言者エリヤをあなたがたに遣わす。彼は先祖の心を子孫に、子孫の心をその先祖に向けさせる。これは、わたしが来て、のろいをもって地を打つことのないようにするためである。」
18 わたしはこれをもっと分かりやすく翻訳することもできましたが、このままでも十分に分かりやすく、わたしの目的にかないます。この場合、先祖と子孫の間にある事項について固いつながりがなければ、地はのろいをもって打たれるということを知るだけで十分です。さて、その事項とは何でしょうか。それは死者のためのバプテスマです。彼らなしにはわたしたちが完全な者とされることはなく、またわたしたちなしには彼らが完全な者とされることはないのです。また、福音にあって死んだ者なしには、彼らもわたしたちも完全な者とされることはありません。今や訪れようとしている時満ちる神権時代の到来に当たって、アダムの時代から現在に至るまでの、神権時代と鍵と力と栄光のすべての、ことごとくの、完全な和合と結合が起こり、示されることが必要だからです。またこれだけではなく、世の初めからまだ一度も示されておらず、知恵のある者や賢い者から隠されてきた数々の事柄も、この時満ちる神権時代には、みどりごや乳飲み子に示されることでしょう。
19 さて、わたしたちの受けた福音について、何を聞くでしょうか。喜びの声です。天からの憐れみの声、地からの真理の声、死者のための喜びのおとずれ、生者と死者のための喜びの声、胸躍る大いなる喜びのおとずれ、善の喜びのおとずれを伝え、シオンに向かって、「見よ、あなたの神が治めておられる」と言う者の足は、山の上にあって何と麗しいことでしょう。カルメルの露のように、神の知識が彼らに下ることでしょう。
20 さらにまた、わたしたちは何を聞くでしょうか。クモラからの喜びのおとずれです。預言者たちの預言の成就と、明らかにされる書について宣言する、天からの天使モロナイ。その書について証するように3人の証人に告げられた、セネカ郡フェイエットの荒れ野における主の声。悪魔が光の天使として現れたときにそれを暴いた、サスケハナ川の岸辺におけるミカエルの声。王国の鍵と時満ちる神権時代の鍵を持っていると自ら宣言した、サスケハナ川沿いのサスケハナ郡ハーモニーとブルーム郡コールズビルの間の荒れ野におけるペテロとヤコブとヨハネの声。
21 さらにまた、セネカ郡フェイエットのホイットマー翁の部屋における、またこの末日聖徒イエス・キリスト教会のすべての旅と艱難を通じて、様々な時の、様々な場所における神の声。また、それぞれの神権時代と権利、鍵、誉れ、尊厳と栄光、神権の力について宣言し、またここにも少し、そこにも少しと、教えに教え、訓戒に訓戒を与え、また来るべき事柄を宣言することによってわたしたちに慰めを与え、わたしたちの希望を確かなものとした、天使長ミカエルの声、ガブリエルと、ラファエルと、ミカエルすなわちアダムから現在に至るまでの様々な天使たちの声。
22 兄弟たちよ、わたしたちはこのような偉大な大義において前進しようではありませんか。退かずに前に進んでください。兄弟たちよ、勇気を出してください。勝利に向かって進み、進んでください。心を喜び楽しませ、大いに喜んでください。地は声を放って歌いなさい。死者は、王なるインマヌエルに向かって永遠の賛美の歌を語り出しなさい。王なるインマヌエルは、わたしたちが死者を獄から贖えるようにする方法を、世界が存在する前に定められました。獄にいる者たちは解放されるのです。
23 山々は喜び呼ばわりなさい。すべての谷よ、声高らかに叫びなさい。すべての海と乾いた地よ、あなたがたの永遠の王の驚異を告げなさい。川よ、小川よ、せせらぎよ、喜びをもって流れ下りなさい。森と、野のすべての木々は、主をほめたたえなさい。硬い岩よ、喜びの涙を流しなさい。太陽と月と夜明けの星は、ともに歌いなさい。神の子らは皆、喜び呼ばわりなさい。永遠の創造物は、とこしえにいつまでも神の御名をたたえなさい。さらにまた、わたしは申します。栄光と、救いと、誉れと、不死不滅と、永遠の命と、また王国と公国と力をわたしたちの耳に宣言する天から聞こえる声は、何と栄えあることでしょう。
24 まことに、主の大いなる日は近づいています。主の来られる日には、だれが堪えられるでしょう。主が御姿を現されるときに、だれが立っていられるでしょう。主は精錬する者の火のようであり、布さらしの灰汁のようです。主は銀を精錬し清める者として座に着き、レビの子らを清め、金銀のように彼らを清めて、彼らが義をもってささげ物を主にささげられるようにされます。したがって、わたしたちは教会として、また民として、また末日聖徒として、義をもってささげ物を主にささげましょう。また、主の聖なる神殿が完成するとき、わたしたちの死者の記録を載せた、そのまま受け入れるに値する書をそこにささげましょう。
25 兄弟たちよ、わたしはこの件についてたくさんのことをあなたがたに申し上げたいと思いますが、今のところはこれで終わり、別の折にこの件を続けることにします。いつものように、わたしはあなたがたの卑しい僕であり、決して離れることのない友人です。
ジョセフ・スミス
第129章(使者を見分ける鍵)
1843年2月9日、イリノイ州ノーブーにおいて、預言者ジョセフ・スミスによって与えられた、仕える天使と霊の正体を見分けるための3つの大いなる鍵を明らかにした教え(『教会歴史』第5巻、267ページ)。
1- 3 天には復活体と霊体がある。
4- 9 幕のかなたからの使者を見分ける鍵が与えられる。
01 天に2種の存在者がいる。すなわち、第1は天使である。天使とは、骨肉の体を持つ復活した人々である。
02 例えば、イエスは、「触って見なさい。霊には肉や骨はないが、あなたがたが見るとおり、わたしにはある」と言われた。
03 第2に、完全な者とされた正しい人々の霊である。彼らは復活していないが、同じ栄光を受け継ぐ。
04 ある使者が来て神の御告げがあると言うとき、あなたの手を差し出して握手を求めなさい。
05 もし彼が天使であれば、彼はそれに応じて、あなたはその手の感触を覚えるであろう。
06 もし彼が完全な者とされた正しい人の霊であれば、彼は栄光をもって来るであろう。それが、彼が現れることのできる唯一の方法だからである。
07 彼に握手を求めなさい。しかし、彼は応じないであろう。正しい人が欺くのは、天の秩序に反するからである。しかし、彼はそれでも御告げを伝えるであろう。
08 もしそれが光の天使としての悪魔であれば、あなたが握手を求めると、彼はあなたに手を差し出すであろう。しかし、あなたは何も感じないので、彼を見破ることができる。
09 これらが、いかなる働きかけでもそれが神からのものかどうかを知るための、3つの大いなる鍵である。
第130章(ジョセフ・スミスによって与えられた教え)
1843年4月2日、イリノイ州レイマスにおいて、預言者ジョセフ・スミスによって与えられた教え(『教会歴史』第5巻、323〜325ページ)。
1- 3 御父と御子が人に親しく御姿を現されることがある。
4- 7 天使たちは天球に住む。
8- 9 日の栄えの地球は、一つの雄大な「ウリムとトンミム」である。
10-11 日の栄えの世界に入るすべての人に、一つの白い石が与えられる。
12-17 再臨の時については預言者に知らされない。
18-19 この世で得る英知は、復活の時にわたしたちとともによみがえる。
20-21 すべての祝福は律法に従うことによって与えられる。
22-23 御父と御子は、骨肉の体を持っておられる。
01 救い主が御姿を現されるとき、わたしたちは、救い主をありのままに見るであろう。わたしたちは、救い主がわたしたちのような人間であるのを見るであろう。
02 ここでわたしたちの間にある交わりが、そこでもわたしたちの間にある。ただし、その交わりには、わたしたちが今享受していない永遠の栄光が伴う。
03 ヨハネによる福音書第14章23節。この節における御父と御子の現れは、直接の現れである。御父と御子が人の心の中に住まわれるという考えは、昔からの諸教派の観念であって、誤りである。
04 「神の時、天使の時、預言者の時、人間の時は、彼らが住んでいる惑星によって計算されるのか」との質問に対する答えとして、
05 わたしは、そのとおりであると答える。しかし、この地球において教え導く天使たちで、この地球に属していない者、あるいはかつて属していなかった者はだれもいない。
06 天使たちはこの地球のような惑星には住んでおらず、
07 彼らは神の前で、ガラスと火の海のような球体の上に住んでいる。そこでは、彼らの栄光のために、過去も現在も未来もすべてのことが明らかにされ、またそれらは絶えず主の前にある。
08 神が住んでおられる所は、一つの雄大な「ウリムとトンミム」である。
09 この地球は、聖められて不滅の状態になると、水晶のようになり、そこに住む者たちにとって一つの「ウリムとトンミム」になる。そして、これによって下位の王国、すなわち低位のすべての王国に関するすべてのことが、そこに住む者たちに明らかにされる。また、この地球はキリストのものとなる。
10 そのとき、黙示録第2章17節に述べられている白い石は、それを受ける各個人にとって一つの「ウリムとトンミム」になる。そして、これによって高位の王国に関することが知らされる。
11 日の栄えの王国に来る各人に一つの白い石が与えられる。その石の上には新しい名前が記されており、それを受ける者のほかにはだれもそれを知らない。その新しい名前は鍵の言葉である。
12 わたしは主なる神の名によって預言する。人の子の来臨前に多くの流血を引き起こす難局の始まりは、サウスカロライナにある。
13 それは恐らく奴隷問題によって起こるであろう。1832年12月25日、わたしがこの件について熱心に祈っていたとき、このことをある声がわたしに告げた。
14 わたしはかつて、人の子が来られる時を知ろうとして非常に熱心に祈っていたとき、ある声が次のように繰り返し告げるのを聞いた。
15 「わたしの子ジョセフよ、もしあなたが85歳になるまで生きるならば、あなたは人の子の顔を見るであろう。それゆえ、これで満足し、この件についてもうわたしを煩わさないようにしなさい。」
16 このように、このときに来られることが福千年の始まりを指すのか、それ以前の現れを指すのか、それともわたしが死んで御顔を拝することなのか、わたしは判断できないままにしておかれた。
17 わたしは、人の子が来られるのはそのときよりも早くはないと信じている。
18 わたしたちがこの世において得る英知の一切は、復活の時にわたしたちとともによみがえる。
19 そこで、もしある人が精励と従順によって、この世でほかの人よりも多くの知識と英知を得るならば、来るべき世でそれだけ有利になる。
20 創世の前に天において定められた不変の律法があり、すべての祝福はこれに基づいている。
21 すなわち、神から祝福を受けるときは、それが基づく律法に従うことによるのである。
22 御父は人間の体と同じように触れることのできる骨肉の体を持っておられる。御子も同様である。しかし、聖霊は骨肉の体を持たず、霊の御方であられる。もしそうでなければ、聖霊はわたしたちの内にとどまり得ない。
23 人は聖霊を受けることができる。そして、聖霊が人に降られることはあるが、しかし長くとどまられることはない。
第131章 (昇栄)
1843年5月16、17日、イリノイ州レイマスにおいて与えられた、預言者ジョセフ・スミスによる教え(『教会歴史』第5巻、392〜393ページ)。
1- 4 日の栄えの結婚は、最高の天における昇栄に不可欠である。
5- 6 永遠の命に結び固められる方法が説明される。
7- 8 すべての霊は物質である。
01 日の栄えの栄光には、3つの天、すなわち3つの階級がある。
02 その最高の階級を得るためには、人はこの神権の位(すなわち、結婚の新しくかつ永遠の聖約)に入らなければならない。
03 そうしなければ、その人はそれを得ることができない。
04 その人は他の階級に入ることはできるが、それは彼の王国の終わりであって、その人は増し加えることができないのである。
05 (1843年5月17日)いっそう確実な預言の言葉とは、人が聖なる神権の力によって永遠の命に結び固められたことを、啓示と預言の霊によって知ることである。
06 人が無知で救われることは不可能である。
07 実体のない物質というものは存在しない。霊はすべて物質であるが、もっと微細で純粋であり、より清い目によってのみ見分けることができるものである。
08 わたしたちはそれを見ることができない。しかし、体が清められるとき、それがすべて物質であることが分かるであろう。
第132章(永遠の結婚)
1943年7月12日に記録された、イリノイ州ノーブーにおいて預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示。結婚聖約の永遠性と多妻を含む、新しくかつ永遠の聖約に関するもの(『教会歴史』第5巻、501〜507ページ)。この啓示が記録されたのは1843年であるが、預言者がこの啓示に含まれている教義と原則を1831年から知っていたことは、歴史記録により明らかである。
1- 6 昇栄は、新しくかつ永遠の聖約によって得られる。
7-14 その聖約の条件が明らかにされる。
15-20 日の栄えの結婚と家族の存続によって、人は神になることができる。
21-25 狭くて細い道は永遠の命に至る。
26-27 聖霊に対する冒涜に関して律法が与えられる。
28-39 あらゆる時代の預言者たちと聖徒たちに、永遠の増加と昇栄の約束が与えられる。
40-47 地上でも天でもつなぎ、結ぶ力が、ジョセフ・スミスに与えられる。
48-50 主は彼に昇栄を結び固められる。
51-57 エマ・スミスは忠実で誠実であるように勧告される。
58-66 多妻に関する律法が明らかにされる。
01 まことに、主はあなた、すなわちわたしの僕ジョセフにこのように言う。多くの妻とそばめを持つことの原則と教義について、主なるわたしがわたしの僕たちアブラハムと、イサクと、ヤコブ、またわたしの僕たちモーセと、ダビデと、ソロモンをどのような点で義としたのかを知り、かつ理解するために、あなたはわたしに尋ねたので、
02 見よ、見よ、わたしは主なるあなたの神であり、この件についてあなたに答えよう。
03 それゆえ、これからあなたに与える指示を受け入れて、これに従うために、心の備えをしなさい。この律法を示された者は皆、これに従わなければならないからである。
04 見よ、わたしはあなたがたに一つの新しくかつ永遠の聖約を示す。もしその聖約に従わなければ、あなたがたは罰の定めを受ける。だれもこの聖約を拒みながら、わたしの栄光に入るのを許されることはあり得ないからである。
05 わたしから祝福を受けたいと思う者は皆、その祝福のために定められた律法とその条件に従わなければならない。その律法とその条件は、創世の前から定められたものである。
06 この新しくかつ永遠の聖約についてであるが、これはわたしの完全な栄光のために定められたものであって、この完全な栄光を受ける者はその律法に従わなければならない。そうしなければ罰の定めを受ける、と主なる神は言う。
07 まことに、わたしはあなたがたに言う。この律法の条件は次のとおりである。すなわち、すべての聖約や契約、きずな、義務、誓詞、誓言、履行、関係、交際、期待がなされ、また交わされるとき、これらが油注がれた者の仲立ちによる啓示と戒めによって、最も聖なる方法で、この世においても永遠にわたっても、この力を持つようにわたしが地上で任じた油注がれた者によって、約束の聖なる御霊により結び固められなければ、これらは死者の中からの復活の時も、その後も、まったく効験や効能、効力がない。(わたしは、終わりの時にこの力を持つように、わたしの僕ジョセフに命じた。そして、この力とこの神権の鍵を授けられる者は、地上において同時期にただ一人しかいない。)この目的で結ばない契約はすべて、人が死ぬと終わるからである。
08 見よ、わたしの家は秩序の家であり、混乱の家ではない、と主なる神は言う。
09 主は言う。わたしの名によってなされないささげ物を、わたしが受け入れるであろうか。
10 わたしが命じなかったものを、あなたがたの手から受け取るであろうか。
11 また、世界が存在する前にわたしと父があなたがたのために定めたように、律法によることなしに、わたしがあなたがたに命じるであろうか、と主は言う。
12 わたしは主なるあなたの神である。そして、わたしはあなたにこの戒めを与える。すなわち、だれもわたしによらずに、あるいはわたしの律法であるわたしの言葉によらずに父のもとに来てはならない、と主は言う。
13 また主は言う。わたしによらずに、あるいはわたしの言葉によらずに定められる、世にあるすべてのものは、それが人によろうと、また王位や主権や力や何でも名のあるものによろうと、それは倒されて、人の死後、復活の時にもその後にも残ることはない、と主なるあなたの神は言う。
14 残るものは何であろうとわたしによるのであり、またわたしによらないものは何であろうと、揺るがされ、滅ぼされる。
15 それゆえ、もしある男がこの世において妻をめとるのに、彼がわたしによらずに、あるいはわたしの言葉によらずにめとるならば、彼がこの世にいるかぎり彼女と誓い、彼女も彼と誓うとしても、彼らの誓いと結婚は、彼らが死ぬと、そしてこの世の外に去ると、効力がない。それゆえ、彼らはこの世の外では、いかなる律法によっても結ばれないのである。
16 それゆえ、彼らはこの世の外に去ると、めとることも、嫁ぐこともなく、天において天使に任じられる。その天使たちは、はるかに優れた、並外れた、永遠の重みのある栄光にふさわしい者たちに仕える奉仕の僕である。
17 これらの天使たちは、わたしの律法に従わなかったからである。それゆえ、彼らは増し加えられることがなく、永遠にわたって、昇栄することなく、救われた状態にあって、それぞれ独りのままでいることになる。それから後、彼らは神々ではなく、とこしえにいつまでも神の天使である。
18 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。たとえある男が妻をめとり、この世においても永遠にわたっても彼女と誓うとしても、もしもその誓いがわたしによらず、あるいはわたしの律法であるわたしの言葉によらず、またわたしが油を注いでこの力を持つように任じた者を通じて、約束の聖なる御霊により結び固められなければ、彼らはわたしによっても、わたしの言葉によっても結ばれないので、この世の外に去ると、それは有効ではなく、効力がない、と主は言う。彼らがこの世の外に去ると、そこではそれは受け入れられない。天使たちと神々がそこで任じられていて、彼らはそのそばを通り過ぎることができないからである。それゆえ、彼らはわたしの栄光を受け継ぐことができない。わたしの家は秩序の家だからである、と主なる神は言う。
19 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。もしある男がわたしの律法であるわたしの言葉によって、また新しくかつ永遠の聖約によって妻をめとり、そしてそれが、わたしからこの力とこの神権の鍵とを与えられた油注がれた者によって、約束の聖なる御霊により彼らに結び固められ、また彼らに、「あなたがたは第1の復活に出て来るであろう。もしも第1の復活の後ならば、次の復活に出て来るであろう。そして、王位、王国、公国、および力、主権、すべての高い所と深い所を受け継ぐであろう」と言われるならば、また殺人を犯して罪のない者の血を流してはならないと小羊の命の書に記されているので、あなたがたがわたしの聖約の中にとどまり、殺人を犯して罪のない者の血を流すことがなければ、わたしの僕が彼らに授けたすべての事柄は何であろうと、この世においても永遠にわたっても、彼らに行われ、彼らがこの世の外に去るときにも完全に効力があるであろう。そして、彼らはそこに置かれる天使たちと神々のそばを通り過ぎ、彼らの頭に結び固められたように、すべての事柄について昇栄と栄光を受けるであろう。その栄光とは、とこしえにいつまでも子孫が満ちて続くことである。
20 それで、彼らは神々となる。彼らには終わりがないからである。それゆえ、彼らは続くので永遠から永遠に至り、すべてのものが彼らに従うので、彼らはすべてのものの上にあるであろう。それで、彼らは神々となる。彼らは一切の権威を持ち、天使たちが彼らに従うからである。
21 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたはわたしの律法に従わなければ、この栄光に達することができない。
22 昇栄と命の存続に至る門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。あなたがたがこの世でわたしを受け入れず、わたしを知らないからである。
23 しかし、もしあなたがたがこの世でわたしを受け入れるならば、あなたがたはわたしを知り、昇栄を受けるであろう。わたしがいる所に、あなたがたもいるためである。
24 永遠の命とは、唯一の、知恵あるまことの神と、神の遣わされたイエス・キリストを知ることである。わたしがその者である。それゆえ、あなたがたはわたしの律法を受け入れなさい。
25 死に至る門は大きく、その道は広い。そして、そこから入って行く者が多い。彼らがわたしを受け入れず、わたしの律法の中にとどまらないからである。
26 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。もしある男がわたしの言葉に従って妻をめとり、彼らがわたしの定めたことに従って約束の聖なる御霊により結び固められるならば、彼または彼女がいかなる罪や新しくかつ永遠の聖約に対する背き、またあらゆる冒涜を犯しても、もしも彼らが殺人を犯して罪のない者の血を流すことがなければ、彼らは第1の復活に出て来て、昇栄に入るであろう。しかし、彼らは肉体にあって滅ぼされ、贖いの日までサタンに引き渡されて打たれる、と主なる神は言う。
27 この世でもこの世の外でも赦されることのない、聖霊に対する冒涜とは、あなたがたがわたしの新しくかつ永遠の聖約を受け入れた後に、殺人を犯すことである。それによって罪のない者の血を流し、またわたしの死に同意するのである、と主なる神は言う。この律法に従わない者は、決してわたしの栄光に入ることができず、罰の定めを受ける、と主は言う。
28 わたしは主なるあなたの神である。わたしは、世界が存在する前にわたしと父が定めたように、わたしの聖なる神権の律法をあなたに与えよう。
29 主は言う。アブラハムは、啓示と戒めによって、すなわちわたしの言葉によって、彼が受けたすべてのものを受け、そして昇栄に入ってその王座に着いている。
30 アブラハムは、その子孫とその腰から出た者について約束を受けた。――あなた、すなわちわたしの僕ジョセフは、その腰から出た者である――すなわち、彼らはこの世にいるかぎり続くということである。アブラハムとその子孫についてであるが、彼らはこの世の外でも続くであろう。この世でもこの世の外でも、彼らは星のように数限りなく続く。すなわち、たとえ海辺の砂を数えたとしても、彼らを数え尽くすことはできないであろう。
31 この約束はあなたがたに与えられたものでもある。あなたがたはアブラハムから出ており、この約束はアブラハムに与えられたものだからである。この律法によってわたしの父の業は続いており、この業によって父は栄光を受けられるのである。
32 それゆえ、あなたがたは行って、アブラハムの業を行いなさい。あなたがたはわたしの律法に入りなさい。そうすれば、救われるであろう。
33 しかし、もしわたしの律法に入らなければ、あなたがたは、わたしの父がアブラハムに与えられた約束を受けることはできない。
34 神がアブラハムに命じられたので、サラはアブラハムにハガルを与えて妻とした。彼女はなぜそうしたのであろうか。これが律法であったからである。そして、ハガルから多くの人が出た。それゆえ、ほかの数々の事柄とともに、これは約束を成就するものであった。
35 それで、アブラハムは罪の宣告を受けたであろうか。まことに、わたしはあなたがたに言う。「受けなかった。」主なるわたしがそれを命じたからである。
36 アブラハムは息子イサクをささげるように命じられた。それにもかかわらず、「あなたは殺してはならない」と記されていた。しかし、アブラハムは拒まなかった。そして、それによって彼は義と認められた。
37 アブラハムはそばめたちを受け、そして彼女たちは彼のために子供をもうけた。そして、それによって彼は義と認められた。彼女たちは彼に与えられ、そして彼はわたしの律法の中にとどまったからである。イサクもヤコブも、命じられたことのほかに何も行わなかった。そして、彼らは命じられたことのほかに何も行わなかったので、約束のとおりに昇栄に入り、王座に着いている。彼らは天使ではなく、神々なのである。
38 ダビデも多くの妻とそばめを受けた。わたしの僕たちソロモンとモーセも、また創造の初めから現在に至るまでの、ほかの多くのわたしの僕たちも同様である。彼らはわたしから受けなかったものを除いては、どのようなことについても罪を犯さなかった。
39 ダビデの妻たちとそばめたちは、わたしの僕ナタンと、この力の鍵を持っていたほかの預言者たちによって、わたしから彼に与えられたのである。そして、これらのことのどれにおいても、ウリヤとその妻の場合を除けば、彼はわたしに対して罪を犯さなかった。しかし彼らのことで、彼は昇栄から落ちて、彼の受け取る分を受けた。この世の外では、彼は彼女たちを受け継ぐことはない。わたしは彼女たちを別の者に与えたからである、と主は言う。
40 わたしは主なるあなたの神である。そして、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフに一つの務めを与え、万事を元どおりにする。あなたの欲することを求めなさい。そうすれば、わたしの言葉のとおりに、それは与えられるであろう。
41 あなたが姦淫について尋ねたので、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。もしある男が新しくかつ永遠の聖約によって妻を迎え、そしてもし彼女が別の男とともにいて、しかもわたしが聖なる油注ぎによって彼を彼女に与えたのでなければ、彼女は姦淫をしたのであり、滅ぼされるであろう。
42 たとえ彼女が新しくかつ永遠の聖約に入っていなくても、別の男とともにいるならば、彼女は姦淫をしたのである。
43 また、もし夫が別の女とともにいて、彼が誓いを立てていたのであれば、彼はその誓いを破ったのであり、姦淫をしたのである。
44 また、もしその妻が姦淫をしておらず、罪がなく、自分の誓いを破っておらず、しかも彼女がそのことを知っており、わたしがあなた、すなわちわたしの僕ジョセフにそれを示すならば、あなたはわたしの聖なる神権の力によって、彼女を取って、姦淫したことのない忠実な者に彼女を与える力を持つ。彼は多くを治める者とされるからである。
45 わたしはあなたに神権の鍵と力を授けており、それによって、万事を元どおりにし、然るべきときにすべてのことをあなたに知らせる。
46 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたが地上で結ぶことは何でも天で結ばれ、またわたしの名によって、またわたしの言葉によって、あなたが地上でつなぐことは何でも天で永遠につながれる、と主は言う。また、あなたが地上で赦す罪は、だれの罪でも永遠に天で赦され、またあなたが地上で赦さずにおく罪は、だれの罪でも天でそのまま残るのである。
47 さらにまた、まことに、わたしは言う。だれでもあなたが祝福する者をわたしは祝福し、だれでもあなたがのろう者をわたしはのろう、と主は言う。主なるわたしはあなたの神だからである。
48 さらにまた、まことに、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフに言う。わたしの言葉によって、またわたしの律法によって、あなたが地上で何を与えようと、またあなたがだれにだれを与えようと、それはのろいではなく祝福をもたらし、わたしの力を伴い、そして地上でも天でも罪に定められることはない、と主は言う。
49 わたしは主なるあなたの神であり、世の終わりまで、また永遠にわたってあなたとともにいる。まことに、わたしはあなたに昇栄を結び固め、わたしの父の王国に、あなたのために先祖アブラハムとともに座する王座を用意している。
50 見よ、わたしはあなたの犠牲を見てきた。そして、あなたのすべての罪を赦す。わたしが告げたことに従うあなたの犠牲を、わたしは見てきた。それゆえ、行きなさい。わたしは、息子イサクをささげようとしたアブラハムの行為を受け入れたように、あなたの逃れる道を備えよう。
51 まことに、わたしはあなたに言う。わたしは、あなたに妻として与えたわたしのはしためエマ・スミスに、一つの戒めを与える。エマ・スミスは自分自身を抑えて、わたしがエマに与えるようにとあなたに命じたことにあずかってはならない。わたしはアブラハムに行ったようにあなたがた2人を試すために、また聖約と犠牲によりあなたがたからささげ物を求めるために、それを行ったのである、と主は言う。
52 わたしのはしためエマ・スミスは、わたしの僕ジョセフに与えられた、わたしの前に貞淑で清らかな者をすべて受け入れなさい。清らかでないのに自分は清らかであったと言う者は滅ぼされる、と主なる神は言う。
53 わたしは主なるあなたの神であり、あなたがたはわたしの声に従わなければならないからである。わたしは、わたしの僕ジョセフが多くのものを治める者となることを許す。彼はわずかなものに忠実であったからである。これから後、わたしは彼を強くしよう。
54 また、わたしは、わたしのはしためエマ・スミスに、とどまって、わたしの僕ジョセフと結び合い、その他のものと結び合うことのないようにと命じる。しかし、もしもこの戒めに従おうとしなければ、彼女は滅ぼされる、と主は言う。わたしは主なるあなたの神であり、彼女がわたしの律法の中にとどまらなければ、彼女を滅ぼすであろう。
55 もしも彼女がこの戒めに従おうとしなければ、わたしの僕ジョセフは、彼が言ったとおりにすべてのことを彼女にしなければならない。そうすれば、わたしは彼を祝福し、増やし、この世で父と母、兄弟と姉妹、家と土地、妻と子供について彼に100倍を授け、永遠の世では永遠の命の冠を授けよう。
56 さらにまた、まことに、わたしは言う。わたしのはしためは、わたしの僕ジョセフの過ちを赦しなさい。そうすれば、彼女はわたしに対して犯した過ちを赦されるであろう。そして、主なるあなたの神であるわたしは、彼女を祝福し、増やし、彼女の心を喜ばせるであろう。
57 さらにまた、わたしは言う。わたしの僕ジョセフは、敵が来て滅ぼすことのないために、自分の財産を手放さないようにしなさい。サタンが滅ぼそうとするからである。わたしは主なるあなたの神であり、ジョセフはわたしの僕である。見よ、見よ、わたしはあなたの先祖アブラハムとともにいたように、昇栄と栄光に至るまでジョセフとともにいる。
58 さて、神権の律法については、それに関して多くのことがある。
59 まことに、もしある男がアロンのように、わたし自身の声によって、またわたしを遣わされた父の声によって父から召され、そしてわたしがこの神権の力の鍵を彼に授けたならば、彼がわたしの名によって、またわたしの律法によって、またわたしの言葉によって何を行おうと、彼は罪を犯すことはない。そして、わたしは彼を義とする。
60 それゆえ、だれもわたしの僕ジョセフを非難してはならない。わたしは彼を義とするからである。わたしが彼の背きに対してその手に求める犠牲を彼はささげるからである、と主なるあなたがたの神は言う。
61 さらにまた、神権の律法についてであるが、もしある男が一人のおとめをめとり、さらに別の一人をめとりたいと望んで、最初の者が承諾を与えるならば、そしてもし彼が2番目の者をめとり、2人ともおとめであってほかの男と誓いを立てたことがなければ、彼は義とされる。彼女たちは彼に与えられたので、彼が姦淫をすることはあり得ない。彼が、ほかのだれにも属さずに自分だけに属する者と姦淫をすることはあり得ないからである。
62 もしこの律法によって10人のおとめを与えられたとしても、彼が姦淫をすることはあり得ない。彼女たちは彼に属する者であり、彼に与えられているからである。それゆえ、彼は義とされる。
63 しかし、もし10人のおとめの中の一人、あるいはだれかが、嫁いだ後に別の男とともにいるとすれば、彼女は姦淫を行ったのであり、滅ぼされるであろう。彼女たちはわたしの戒めのとおりに増えて地を満たすために、また創世の前に父によって与えられた約束を成就するために、また永遠の世で昇栄を得て人々の霊をもうけるために、彼に与えられているのである。これによって、わたしの父の業は続けられて、父は栄光をお受けになるのである。
64 さらにまた、まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。もしだれかこの力の鍵を持つ男が一人の妻を持ち、これらのことに関するわたしの神権の律法を彼女に教えるならば、彼女は信じて彼に尽くさなければならない。そうでなければ、彼女は滅ぼされる、と主なるあなたがたの神は言う。わたしは彼女を滅ぼすからである。わたしは、わたしの律法を受け入れてその中にとどまるすべての者のうえに、わたしの名を高めるからである。
65 それゆえ、もし彼女がこの律法を受け入れなければ、主なる神であるわたしが授けるすべてのものを彼が受けるのは、わたしの律法にかなうことである。彼女がわたしの言葉のとおりに信じて彼に尽くさなかったためである。そのときに、彼女は戒めに背く者となる。そして、彼はサラの律法を免除される。サラは、わたしがアブラハムにハガルを妻とするように命じたとき、律法に従ってアブラハムに尽くした者である。
66 さて、この律法について、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。わたしは後にあなたにもっと示すので、今のところはこれで満足しなさい。見よ、わたしはアルパでありオメガである。アーメン。
第133章(付録:将来の予言)
1831年11月3日、オハイオ州ハイラムにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、229〜234ページ)。預言者はこの啓示の前書きとして、次のように記している。「このとき、地に住む者に福音を宣べ伝えることと集合に関して、長老たちが知りたいと望んでいたことがたくさんあった。まことの光によって歩み、高い所から教えを受けるために、1831年11月3日に、わたしは主に尋ね、次のような重要な啓示を受けた。」(『教会歴史』第1巻、229ページ)この章は、最初『教義と聖約』の書に「付録」として加えられたが、後に章の番号が割り当てられた。
1- 6 聖徒たちは再臨に備えるように命じられる。
7-16 すべての人は、バビロンから逃れ、シオンに来て、主の大いなる日に備えるように命じられる。
17-35 主はシオンの山に立たれ、諸大陸が一つの地となり、イスラエルの行方の知れない部族が戻って来る。
36-40 福音は全世界で宣べ伝えられるために、ジョセフ・スミスを通じて回復された。
41-51 主は降って来て、悪人に報復される。
52-56 それは主の贖われた者の年となる。
57-74 福音は聖徒たちを救うために、また悪人を滅ぼすために送り出される。
01 「聴きなさい、おお、わたしの教会の人々よ。主なるあなたがたの神は言う。あなたがたについての主の言葉を聞きなさい。
02 その主とは、突如神殿に来る主である。裁きのためにのろいをもって世に、まことに神を忘れるすべての国民と、あなたがたの中の神を敬わないすべての者のうえに降って来る主である。
03 主はその聖なる腕をすべての国民の目の前に現す。そして、地の果てに至るすべての者が、彼らの神の救いを見るであろう。
04 それゆえ、おお、わたしの民よ、備えなさい、備えなさい。自らを聖めなさい。おお、わたしの教会の人々よ、とどまるように命じられていないあなたがたは皆、シオンの地に集まりなさい。
05 バビロンから出なさい。主の器を担う者たちよ、清くありなさい。
06 あなたがたの聖会を召集し、しばしば互いに語り合いなさい。また、すべての人に主の名を呼ばせなさい。
07 まことに、わたしは重ねてあなたがたに言う。主の声があなたがたに及ぶ時が来た。あなたがたはバビロンから出なさい。もろもろの国民の中から、天の果てから果てまで四方から集まりなさい。
08 わたしの教会の長老たちを、遠くにいるもろもろの国民に、海の島々に遣わしなさい。諸外国に遣わしなさい。まず異邦人へ、次いでユダヤ人へと、すべての国民に呼びかけなさい。
09 見よ、見よ、これが彼らの叫びであり、すべての人への主の声である。すなわち、『あなたがたはシオンの地へ行って、わたしの民の境が広げられ、シオンのステークが強くされ、シオンが周りの地域に及ぶようにしなさい。』
10 まことに、あなたがたの叫びをすべての人の中に出て行かせなさい。『目を覚まし、立ち上がり、花婿を迎えに出なさい。見よ、見よ、花婿は来る。あなたがたは花婿を迎えに出なさい。主の大いなる日のために自らを備えなさい。
11 だから、目を覚ましていなさい。あなたがたはその日も、その時も知らないからである。
12 だから、異邦人の中にいる人々はシオンに逃げなさい。
13 ユダに属する人々はエルサレムに逃げなさい。これらは主の家の山である。
14 あなたがたはもろもろの国民の中から、すなわちバビロンから、霊のバビロンである悪の中から出なさい。
15 しかし、まことに、主はこのように言われる。「あなたがたはあわてて逃げることなく、むしろ、万事をあなたがたの前に備えるようにしなさい。そして、突如として滅びが襲うことのないために、去る者は振り返ってはならない。」』
16 耳を傾けて聞きなさい、おお、地に住む者よ。ともに耳を傾け、主の声を聞きなさい、おお、わたしの教会の長老たちよ。主はすべての人に呼びかけ、どこにいる人でもすべての人に悔い改めるように命じるからである。
17 見よ、主なる神は、天のただ中で叫ぶ天使を遣わして、このように言わせる。『主の道を備え、その道筋をまっすぐにせよ。主の来臨の時は近いからである。
18 そのとき、小羊はシオンの山に立ち、額に小羊の父の名を記された144000人の人々が小羊とともにいるであろう。』
19 それゆえ、あなたがたは花婿の来臨に備えなさい。行きなさい。花婿を迎えに出なさい。
20 見よ、彼はオリブの山に、また広大な大洋、すなわち大いなる深みの上に、また海の島々の上に、またシオンの地に立つであろう。
21 そして、彼はシオンから声を発し、またエルサレムから語って、その声はすべての人の中で聞かれるであろう。
22 それは大水のとどろきのような、また激しい雷鳴のような声であり、山々を崩すであろう。そして、もろもろの谷は見えなくなる。
23 彼が大いなる深みに命じると、それは北の地方へ退き、島々が一つの地となる。
24 エルサレムの地とシオンの地は、それぞれの所に戻り、陸地はそれが分けられる前の時代のようになる。
25 そして、主すなわち救い主が、その民のただ中に立ち、すべての肉なるものを治める。
26 また、北の地にいる者たちは、主の前に覚えられるようになる。彼らの預言者たちは主の声を聞き、もはや自分自身を抑えない。そして、彼らは岩を打ち、氷が彼らの前に崩れ落ちるであろう。
27 一つの大路が大いなる深みのただ中に設けられるであろう。
28 彼らの敵は彼らのえじきとなるであろう。
29 不毛の砂漠に生ける水の池が現れ、焼けた土地はもはや乾いた地ではなくなる。
30 彼らは、わたしの僕であるエフライムの子らに貴い宝を持って来るであろう。
31 永久の丘の境は彼らの前で揺れ動くであろう。
32 彼らはそこで、すなわちシオンにおいてひれ伏し、主の僕たち、すなわちエフライムの子らの手により栄光を冠として与えられるであろう。
33 そして、彼らは永遠の喜びの歌をもって満たされるであろう。
34 見よ、これはイスラエルの諸部族への永遠の神の祝福であり、エフライムとその同胞の頭に授けられるさらに貴い祝福である。
35 また、ユダの部族の者たちも、苦しみを受けた後、主の前で聖なる状態に聖められ、日夜とこしえにいつまでも主の前に住むであろう。
36 さて、まことに、主は言う。おお、地に住む者よ、これらのことがあなたがたの間で知られるように、わたしは、永遠の福音を携えて天のただ中を飛ぶ天使を遣わした。この天使はすでにある人々に現れて、それを人間にゆだねた。また、彼は地上に住む多くの者に現れるであろう。
37 そして、この福音はあらゆる国民、部族、国語の民、民族に宣べ伝えられるであろう。
38 また、神の僕たちは出て行って、大声で言うであろう。『神を畏れ、神に栄光を帰しなさい。神の裁きの時が来たからである。
39 天と地と海と水の源とを造られた御方を礼拝しなさい。』
40 彼らは、日夜主の名を呼んで言うであろう。『どうか天を裂いて降って来られますように。あなたの御前に山々が崩れ落ちますように。』
41 そして、それが聞き届けられるであろう。主の臨在は物を溶かす燃える火のようであり、水を沸き立たせる火のようである。」
42 おお、主よ、あなたの敵に御名を知らせるために降って来られますように。そうすれば、すべての国民が御前でおののくことでしょう。
43 あなたが、恐るべきこと、すなわち彼らの予期していないことを行われるとき、
44 まことに、あなたが降って来られ、山々があなたの御前に崩れ落ちるとき、喜んで義を行い、あなたの道にあってあなたを覚えている者を、あなたは迎えてくださいます。
45 おお、神よ、あなたを待ち望む者のために、あなたがどれほど大いなるものを備えてくださったか、世の初めから、あなた以外にだれも聞いた者も、耳にした者も、目で見た者もありません。
46 「また、次のように言われるであろう。『染めた衣をまとって天の神のみもとから、まことに、栄光ある装いで、大いなる力をもって、知らない所から降って来られるこの御方はどなたか。』
47 すると、彼は言う。『わたしは義をもって語った者であり、救う力を持つ者である。』
48 主の装いは赤く、その衣は酒ぶねを踏む者のようである。
49 主の前の栄光はまことに大いなるものであるため、太陽は恥じてその顔を隠し、月はその光を与えず、もろもろの星はその場所から投げ落とされるであろう。
50 そして、主の声が聞かれる。『わたしは独りで酒ぶねを踏み、すべての人に裁きをもたらした。そして、だれもわたしとともにいなかった。
51 わたしは憤りをもって彼らを踏みつけ、怒りをもって彼らを踏みにじったので、彼らの血がわたしの衣に降りかかり、わたしの装いをことごとく汚した。これは、わたしの心の内にある報復の日であったからである。
52 今や贖われた者の年が来た。彼らは主の愛にあふれた優しさと、主がその慈しみとその愛にあふれた優しさによって彼らに授けたすべてのものについて、とこしえにいつまでも語るであろう。』
53 主は彼らのあらゆる苦難を自分の苦難とした。そして、主の前の天使は彼らを救った。その愛によって、またその哀れみによって、主は彼らを贖い、また昔から常に彼らを負い、彼らを担った。
54 まことに、エノクも、彼とともにいた者たちも、彼より前にいた預言者たちも、またノアも、彼より前にいた者たちも、またモーセも、彼より前にいた者たちも、
55 またモーセからエリヤに至り、エリヤからヨハネに至る預言者たちも、すなわちキリストの復活の時にキリストとともにいたこれらの預言者たちも、聖なる使徒たちも、アブラハムやイサク、ヤコブとともに小羊の前にいるであろう。
56 そして、聖徒たちの墓が開かれるであろう。小羊がシオンの山と、聖なる都である新エルサレムに立つとき、彼らは出て来て、小羊の右に立つであろう。そして、彼らは、日夜とこしえにいつまでも小羊の歌を歌うであろう。
57 また、主は人々を、明らかにされることになっていた栄光にあずかる者とするために、主の完全な福音、すなわち主の永遠の聖約を送り出し、分かりやすく簡潔に説いた。
58 それはすなわち、地上に起ころうとしていることに対して、また弱い者が知恵のある者を辱め、小さい者が強い国となり、2人で何万人も追い払うその日における主の用向きに対して、弱い者を備えるためである。
59 地の弱い者によって、主は御霊の力によりもろもろの国民を打ってえり分けるであろう。
60 この理由で、これらの戒めが与えられたのである。これらが与えられた日には、これらは世から隠しておくように命じられたが、今やすべての肉なるものに伝わるようにしなければならない。
61 これは、すべての肉なるものを治める主の思いと望みによる。
62 そして、悔い改めて主の前に自らを聖める者には、永遠の命が与えられる。
63 また、主の声に聞き従わない者には、彼らは民の中から絶たれると、預言者モーセが記したことが成就する。
64 また、預言者マラキによって記されたことも成就する。『見よ、炉のように燃える日が来る。すべて高ぶる者と悪を行う者は、わらのようになる。やがて来る日が彼らを焼き尽くして、根も枝も残さない、と万軍の主は言う。』
65 それゆえ、主は彼らに次のように言うであろう。
66 『わたしが自分の民のところに来た日に、あなたがたのだれもわたしを受け入れなかった。そこで、あなたがたは追い出されたのである。
67 わたしが再び呼びかけたとき、応じる者はあなたがたの中にだれ一人いなかった。しかし、わたしが贖うことのできないほど、わたしの腕は決して短くはなく、わたしが救い出す力もそうである。
68 見よ、わたしは海をしかって干上がらせ、川を荒れ野とし、海と川の魚は悪臭を放ち、渇きのために死ぬ。
69 わたしは天を暗黒で覆い、粗布をその覆いとする。
70 あなたがたがわたしの手から受けるのは、悲しみのうちに横たわることである。
71 見よ、見よ、あなたがたを救い出す者はだれもいない。わたしが天からあなたがたを呼んだとき、あなたがたはわたしの声に従わなかったからである。あなたがたはわたしの僕たちを信じなかった。彼らがあなたがたのもとに遣わされたとき、あなたがたは彼らを受け入れなかった。
72 それゆえ、彼らは証を封じ、律法を束ねた。それで、あなたがたは暗闇に引き渡されたのである。
73 これらの者は外の暗闇に出て行き、そこで涙を流し、泣きわめき、歯ぎしりをするであろう。
74 見よ、主なるあなたがたの神がこれを語ったのである。アーメン。』」
第134章(政府と法律)
1835年8月17日、オハイオ州カートランドで開かれた教会の総会において全会一致で採択された、政府と法律全般に関する所信の宣言(『教会歴史』第2巻、247〜249ページ)。この宣言が採択されたのは、『教義と聖約』の初版の内容として提案された事項を検討するために、教会の指導者が召集されたときのことである。そのときに、この宣言には次のように前書きが付けられた。「この世の政府と法律全般に関するわたしたちの所信が誤って解釈され、理解されることのないように、わたしたちは、これらに関するわたしたちの見解を本書の終わりに述べておくことが適切であると考えた。」(『教会歴史』第2巻、247ページ)
1- 4 政府は良心と礼拝の自由を守らなければならない。
5- 8 すべての人は自分の政府を支持し、法律を重んじ、尊重しなければならない。
9-10 宗教団体は民事的権力を行使してはならない。
11-12 人々は自分自身と自分の財産を守ることを正当とされる。
01 わたしたちは信じる。すなわち、政府は人間のために神によって設けられた。そして、神は人々に、政府に関する彼らの行為に対して責任を負わせ、人々は社会の福利と安全のために法律を制定し、施行する責任を負う。
02 わたしたちは信じる。すなわち、良心の自由な行使、財産の所有権と管理、および生命の保護を各個人に保証する法律を制定し、かつ固く守らないかぎり、いかなる政府も平和に存立することはできない。
03 わたしたちは信じる。すなわち、すべての政府はその法律を施行するために必ず官吏と長官を要する。また、もし共和国ならば人民の声によって、そうでなければ主権者の意志によって、公平かつ公正に法律を施行する者を捜し求めて、支持しなければならない。
04 わたしたちは信じる。すなわち、宗教は神によって設けられているものである。そして、その宗教上の考えが他人の権利と自由を侵害するように促すものでないかぎり、人は宗教の実践については神に、しかも神にのみ責任を負う。しかし、人間の法律には、礼拝の規則の制定に干渉して人の良心を束縛する権利はないし、公であれ個人であれ、礼拝の方式を指図する権利もない。文官は犯罪を阻止すべきであるが、決して人の良心を支配すべきではない。罪のある者を罰すべきであるが、決して心の自由を抑圧すべきではない。
05 わたしたちは信じる。すなわち、すべての人は、その固有で不可譲の権利を政府の法律によって保護されているかぎり、自分が住む地のそれぞれの政府を支持し、支える義務を負う。治安妨害や暴動は、このように保護されているすべての国民にとって似つかわしくなく、それ相応に罰せられなければならない。すべての政府は、公益を保証するために、しかしながら同時に良心の自由を神聖に保ちながら、政府自身の判断で最適と思われる法律を制定する権利を持つ。
06 わたしたちは信じる。すなわち、すべての人は各々その職において尊ばれるべきである。すなわち、統治者や長官は、罪のない者を保護し、罪のある者を罰するために任じられているので、その職にある者として尊ばれるべきである。また、すべての人は法律を重んじ、尊重すべきである。法律がなければ、平和と協調は無秩序と恐怖に取って代わられるからである。人間の法律は、人と人との間で個人および国民としてわたしたちの諸事を律するという特別な目的のために制定されており、天から与えられた神の律法は、信仰と礼拝のために霊にかかわる諸事に関する規則を定めたものであり、人はその両方について造り主に対して責任を持つのである。
07 わたしたちは信じる。すなわち、統治者と国家、政府は、すべての国民がその宗教上の信条を自由に行使できるように保護するために、法律を制定する権利を持つとともに、その義務をも負う。しかし、法律に敬意と崇敬が払われ、かつその宗教上の考えが治安妨害や陰謀を正当とするものでないかぎり、彼らは国民からこの特権を奪ったり、あるいはその信条を持つことを禁じたりする正当な権利を持たない。
08 わたしたちは信じる。すなわち、犯罪の遂行はその罪科の性質に従って罰せられるべきである。殺人や反逆、強盗、窃盗、およびすべての点における一般的な平和の侵害は、その犯罪性と人に及ぼす悪の傾向に従って、その犯罪が行われた地の政府の法律によって罰せられるべきである。また、すべての人は、公共の平和と安寧のために、善良な法律に違反する者を処罰することに進んでその力を使うべきである。
09 わたしたちは、宗教的影響力と民事上の政治を混合することを正当と信じない。そのようにすれば、ある宗教団体は育成され、別の団体はその宗教上の特権を禁圧されて、その会員の国民としての個人的な権利が否定されることになる。
10 わたしたちは信じる。すなわち、すべての宗教団体は、その団体の規則と規定に従って、秩序を乱す行為に対してその会員を処分する権利を持つ。ただし、その処分は会員としての資格と身分に関してだけである。しかし、いかなる宗教団体も、財産や生命の権利について人々を裁く権限や、彼らからこの世のものを取る権限や、生命や身体を危険にさらす権限や、彼らに何らかの体罰を加える権限は持っていない。宗教団体ができることは、その団体から彼らを破門することと、彼らの会員資格を取り消すことだけである。
11 わたしたちは信じる。すなわち、人々は身体的虐待を加えられたり、財産権や人格を侵害されたりする場合、それを保護する法律があれば、すべての不当な扱いと行為の補償を民法に訴えるべきである。しかし、すぐに法律に訴えて救助を受けることができない危急のときには、すべての人が自分自身と友人と財産と政府を、あらゆる人の不法な襲撃と侵害から守ることは正当である。
12 わたしたちは信じる。すなわち、地の諸国に福音を宣べ伝え、世の腐敗から救われるように義人に警告することは正当である。しかし、奴隷の所有者の意志と願いに反して、奴隷に口出しをしたり、福音を宣べ伝えたり、バプテスマを施したりすることは正しくない。また、少しでも彼らに干渉したり、感化したりして、現世における彼らの境遇に不満を抱かせ、それによって人命を危険にさらすことは正しくない。このような干渉は不法かつ不当であり、人を奴隷状態の中に置くことを容認するすべての政府の安寧にとって危険である。
第135章(ジョセフとハイラムの殉教)
1844年6月27日、イリノイ州カーセージにおける預言者ジョセフ・スミスとその兄である祝福師ハイラム・スミスの殉教(『教会歴史』第6巻、629〜631ページ)。この文書は、その出来事の目撃者であった十二使徒評議会のジョン・テーラー長老が書いたものである。
1- 2 ジョセフとハイラムは、カーセージの監獄で殉教した。
3 預言者が傑出した地位にあることが宣言される。
4- 7 彼らの罪のない血は、御業が真実であり、神からのものであることを証する。
01 この書と『モルモン書』の証を確実なものとするために、わたしたちは、預言者ジョセフ・スミスと祝福師ハイラム・スミスの殉教を発表する。彼らは、1844年6月27日午後5時ごろ、カーセージの監獄において、150名から200名の、顔を黒く塗り武装した暴徒により銃撃された。ハイラムが最初に撃たれ、「わたしは死ぬ」と叫んで静かに倒れた。ジョセフは窓から飛び降りたが、その途中で撃たれ、「おお、わたしの神、主よ」と叫んで死んだ。彼ら2人は死んだ後も残酷に銃撃され、両者とも4個の弾丸を受けた。
02 そのときにその部屋にいたのは、十二使徒の2人、ジョン・テーラーとウィラード・リチャーズだけであった。前者は4個の弾丸を受けてむごたらしく負傷したが、後に快復した。後者は、神の摂理により、その服に一つの弾丸も受けることなく逃れた。
03 主の預言者であり聖見者であるジョセフ・スミスは、ただイエスは別として、この世に生を受けた他のいかなる人よりも、この世の人々の救いのために多くのことを成し遂げた。20年という短期間のうちに、彼は、彼自身が神の賜物と力によって翻訳して、両大陸で出版する仲立ちとなった『モルモン書』を出し、その書に載っている完全な永遠の福音を地の四方に送り出し、人の子らのために『教義と聖約』という本書を構成する数々の啓示と戒め、およびそのほか多くの知恵ある文書と指示を出し、何千人もの末日聖徒を集め、一つの偉大な都市を建設し、覆されることのあり得ない誉れと名声を残した。彼は神とその民の目に偉大な者として生き、偉大な者として死んだ。そして、昔の、主の油注がれた者のほとんどがそうであったように、彼は、自らの血をもって自分の使命と業を証明したのである。彼の兄ハイラムも同様であった。彼らは生前に分かたれることはなく、また死後も離れることはなかった。
04 暗殺の2、3日前、ジョセフは、法律の見せかけの要求に応じて自分の身を引き渡すためにカーセージへ向かったとき、次のように言った。「わたしはほふり場に引かれて行く小羊のように行く。しかし、わたしは夏の朝のように心穏やかである。わたしの良心は、神に対してもすべての人に対しても、責められることがない。わたしは罪のないまま死に、やがて『彼は冷酷に殺害された』と言われるだろう。」同じ朝、ハイラムは出かける用意を終えた後――ほふり場へと言うべきであろうか、そうである、そのとおりであった――彼は『モルモン書』のエテル書第12章の終わりに近い次の句を読み、そのページを折り返した。
05 「そしてわたしは、異邦人が慈愛を持てるように、主が彼らに恵みを授けてくださることを主に祈った。そこで主はわたしに言われた。『たとえ彼らに慈愛がなくても、あなたにとっては問題ではない。あなたは忠実であったので、あなたの衣は清くされるであろう。また、あなたは自分の弱さを認めたので、強くされて、わたしが父の住まいに用意した場所に座せるようになるであろう。』さて、わたし……は、キリストの裁きの座の前で会うときまで、異邦人とわたしの愛する同胞に別れを告げる。その裁きの座の前で、すべての人は、わたしの衣があなたがたの血で汚れていないことを知るであろう。」その遺言者たちは今や死に、彼らの遺言は効力を持つ。
06 ハイラム・スミスは、1844年2月で44歳であり、ジョセフ・スミスは、1843年12月で38歳であった。今後、彼らの名は殉教者の中に加えられる。そして、あらゆる国の読者が、荒れた世を救うために『モルモン書』と当教会の『教義と聖約』という本書が19世紀の最も貴い血を犠牲にしてもたらされたことを思い起こし、また、もし神の栄光のために火が生木を損なうことがあり得るとすれば、腐ったぶどう園を清めるために枯れ木を焼き払うのはどれほど容易であるか思い起こすであろう。彼らは栄光のために生き、栄光のために死んだ。そして、栄光が彼らの永遠の報いである。彼らの名は、代々にわたって子孫に伝えられ、聖められた者にとって宝石のように見なされるであろう。
07 彼らは、以前にしばしば立証されたように、いかなる罪科も犯しておらず、裏切り者たちと悪人たちの陰謀によって監獄に閉じ込められたにすぎない。カーセージの監獄の床の上に流された彼らの罪のない血は、地上のいかなる法廷も拒むことのできない「モルモン教」に押された大いなる証印である。また、イリノイ州の紋章の上に注がれた彼らの罪のない血は、知事が保証したにもかかわらず破られたその州の信義とともに、永遠の福音が真実であることを告げる証であって、全世界の人々はこれに異議を申し立てることはできない。また、自由の旗と合衆国の大憲章の上に注がれた彼らの罪のない血は、イエス・キリストの宗教のための使節となって、すべての国民の中の正直な人々の心に感動を与えるであろう。そして、彼らの罪のない血は、ヨハネが見た祭壇の下にいるすべての殉教者の罪のない血とともに、万軍の主が地上でその血の報復をされるまで、万軍の主に向かって叫ぶであろう。アーメン。
第136章(西部への旅のための陣営)
アイオワ州カウンシルブラッフスの近くのミズーリ川の西岸、オマハ族の土地におけるイスラエルの陣営の冬営地(ウィンタークォーターズ)で、ブリガム・ヤング会長を通して与えられた主の言葉と御心(『日誌で見た教会歴史』〔Journal History of the Church〕1847年1月14日)。
1-16 西部への旅のためにイスラエルの陣営を編成する方法が説明される。
17-27 聖徒たちは数々の福音の標準に従って生活するように命じられる。
28-33 聖徒たちは歌い、踊り、祈り、知恵を得るべきである。
34-42 預言者たちが殺されるのは、彼らに誉れが与えられ、悪人が罪に定められるためである。
01 西部に向かって旅をしているイスラエルの陣営に関する主の言葉と御心。
02 末日聖徒イエス・キリスト教会のすべての民と、彼らとともに旅をする人々は、主なるわたしたちの神のすべての戒めと掟を守るという聖約と約束をもって、部隊を編制しなさい。
03 部隊は、十二使徒会の指示の下に、1人の部隊長と2人の副部隊長を頭として、100人隊長と50人隊長、および10人隊長をもって編制しなさい。
04 そして、主のすべての定めに従って歩むことが、わたしたちの聖約となる。
05 各部隊は、準備できる牽引用家畜や荷車、食糧、衣服、そのほか旅に必要なものをすべてそれぞれで準備しなさい。
06 部隊を編制したら、その部隊は、とどまる者のために力を尽くして備えを始めなさい。
07 各部隊は、その隊長および部隊長とともに、この春に何人が行けるかを決定し、その後、強壮で専門知識を持つ者を十分な人数選び出し、牽引用家畜と種と農具を携えて、春作物の植え付けの準備をする開拓者として行かせなさい。
08 各部隊は、分配を受けた財産に応じて、貧しい者、やもめ、父のいない子供、および軍隊に入った者の家族を伴う割合を等しく負担しなさい。やもめと父のいない子供の叫びが、主の耳に達してこの民を訴えることのないようにするためである。
09 各部隊は、この季節に後に残らなければならない人々のため、家と穀物を栽培する畑の準備をしなさい。これは主の民に関する主の思いである。
10 人々は皆、自分の影響力と財産をすべて使って、主がシオンのステークを設ける場所にこの民を移すようにしなさい。
11 もしあなたがたが忠信を尽くして清い心でこれを行うならば、あなたがたは祝福されるであろう。あなたがたは大小の家畜の群れと、畑と、家と、家族について祝福されるであろう。
12 わたしの僕たちエズラ・T・ベンソンとエラスタス・スノーは、一部隊を編制しなさい。
13 また、わたしの僕たちオーソン・プラットとウィルフォード・ウッドラフは、一部隊を編制しなさい。
14 また、わたしの僕たちアマサ・ライマンとジョージ・A・スミスも、一部隊を編制しなさい。
15 また、部隊長と100人隊長と50人隊長と10人隊長を任命しなさい。
16 任命されたわたしの僕たちは行って、聖徒たちにわたしのこの思いを伝えて、彼らが平和の地へ行く用意ができるようにしなさい。
17 あなたの道を行き、わたしがあなたがたに告げたように行いなさい。敵を恐れてはならない。彼らはわたしの業をとどめる力を持たないからである。
18 シオンは、わたしがふさわしいと思うときに贖われるであろう。
19 もしだれかが自分を高くしようとして、わたしの勧告を求めなければ、彼は何の力も持たず、その愚かさが明らかにされるであろう。
20 あなたがたは求めなさい。あなたがたの誓いをすべて互いに守りなさい。兄弟のものをむさぼってはならない。
21 主の名をみだりに唱える悪から遠ざかりなさい。わたしは主なるあなたがたの神、まことに、あなたがたの先祖の神、アブラハム、イサク、ヤコブの神である。
22 わたしはエジプトの地からイスラエルの子らを導き出した者である。わたしの民イスラエルを救うために、わたしの腕は終わりの時に伸べられている。
23 互いに言い争うのをやめなさい。互いに悪口を言い合うのをやめなさい。
24 酒に酔うことをやめなさい。また、あなたがたの言葉が互いに教化し合うのに役立つようにしなさい。
25 あなたは隣人から借りたならば、借りたものを返さなければならない。また、返済できなければ、隣人があなたを罪に定めることのないように、すぐに行って彼に告げなさい。
26 あなたは隣人の失ったものを見つける場合、熱心に捜して、それを再び彼に渡すようにしなければならない。
27 あなたは自分の持っているものを保存するように努めて、賢い管理人となるようにしなければならない。それは主なるあなたの神からの無償の賜物であり、あなたはその管理人だからである。
28 あなたは楽しければ、歌と、音楽と、踊りと、賛美と感謝の祈りをもって主をほめたたえなさい。
29 あなたは悲しければ、心が喜びに満ちるように、主なるあなたの神に呼び求めて嘆願しなさい。
30 あなたの敵を恐れてはならない。彼らはわたしの手の中にあり、わたしは彼らをわたしの思いのままにするからである。
31 わたしの民は、すべてのことにおいて試みを受けなければならない。それは彼らが、わたしが彼らのために持っている栄光、すなわちシオンの栄光を受けるように備えられるためである。そして、懲らしめに耐えない者は、わたしの王国にふさわしくないのである。
32 知識のない者は、その目が開かれて見えるように、またその耳が開かれて聞けるようになるために、へりくだって主なる神に呼び求めることによって知恵を得なさい。
33 わたしの御霊は、へりくだって悔いる者を照らすために、また神を敬わない者を罪に定めるために、世に送られている。
34 あなたの同胞、すなわち、あなたがたを追い出した国民は、あなたがたとあなたがたの証を拒んだ。
35 そして今、彼らの災いの日、すなわち悲しみの日が、産みの苦しみを受ける女のように来る。彼らが速やかに、まことに速やかに悔い改めなければ、彼らの悲しみは深くなるであろう。
36 彼らは預言者たちと、彼らのもとに遣わされた人々を殺したからである。彼らは罪のない者の血を流し、その血が地の中から叫んで彼らを訴えている。
37 これらのことを驚いてはならない。あなたがたはまだ清くない。あなたがたはまだわたしの栄光に堪えることができない。しかし、わたしがアダムの時代からアブラハムまで、アブラハムからモーセまで、モーセからイエスとその使徒たちまで、そしてイエスとその使徒たちからジョセフ・スミスまで、あなたがたに与えてきたわたしのすべての言葉を、あなたがたが忠実に守るならば、あなたがたはわたしの栄光を見るであろう。わたしは、わたしの業をもたらすために、ジョセフ・スミスをわたしの天使たち、すなわちわたしの奉仕の僕たちによって、また天からのわたし自身の声によって呼んだ。
38 彼はわたしの業の基を据え、忠実であった。それで、わたしは彼をわたし自身のもとに引き取った。
39 多くの者は彼の死のゆえに驚いた。しかし、彼に誉れが与えられ、悪人が罪に定められるために、彼が自らの血をもって自分の証を確実なものとすることは必要であった。
40 わたしはあなたがたを敵から救い出さなかったであろうか。実にわたしは、そのことによってわたしの名の証を残してきた。
41 さて、聴きなさい、おお、わたしの教会の人々よ。長老たちよ、ともに耳を傾けなさい。あなたがたはわたしの王国を受けた。
42 裁きがあなたがたに下り、あなたがたの信仰がなくなり、あなたがたの敵があなたがたを打ち負かすことのないように、わたしの戒めをすべて熱心に守りなさい。それでは、今はこれ以上述べない。アーメン、アーメン。
第137章(日の栄えの王国に関する示現)
1836年1月21日、オハイオ州カートランドの神殿において、預言者ジョセフ・スミスに与えられた示現(『教会歴史』第2巻、380〜381ページ)。この示現が与えられたのは、それまでに示されていた範囲内でエンダウメントの儀式を執行していたときのことである。
1- 6 預言者は日の栄えの王国に兄のアルビンを見る。
7- 9 死者のための救いの教義が示される。
10 子供たちは皆、日の栄えの王国に救われる。
01 天がわたしたちに開かれ、わたしは神の日の栄えの王国とその栄光を見た。それが体のままであったか、体を離れてであったか、わたしには分からない。
02 わたしは、その王国を受け継ぐ者たちが入る門のたぐいない美しさを見た。それは回転している炎のようであった。
03 わたしはまた、輝く神の御座も見たが、そこには御父と御子が座しておられた。
04 わたしはその王国の美しい街路を見た。それは金を敷き詰めたかのようであった。
05 わたしは父祖アダムとアブラハム、またわたしの父と母、眠ってから久しい兄のアルビンを見た。
06 わたしは、兄がどのようにしてその王国で受け継ぎを得たのか不思議に思った。兄は主が再びイスラエルを集める業を始められる前にこの世を去り、罪の赦しのためのバプテスマを受けていなかったからである。
07 すると、主の声が次のようにわたしに聞こえた。「この福音を知らずに死んだ者で、もしとどまることを許されていたらそれを受け入れたであろう者は皆、神の日の栄えの王国を受け継ぐ者となる。
08 これから後、この福音を知らずに死ぬ者で、真心からそれを受け入れたであろう者も皆、その王国を受け継ぐ者となる。
09 主なるわたしは、すべての人をその行いに応じて、またその心の望みに応じて裁くからである。」
10 わたしはまた、責任を負う年齢に達する前に死ぬ子供たちが皆、天の日の栄えの王国に救われるのを見た。
第138章(死者の贖いに関する示現)
1918年10月3日、ユタ州ソルトレーク・シティーにおいて、ジョセフ・F・スミス大管長に与えられた示現。1918年10月4日、スミス大管長は、教会の第89回半期総大会における開会の説教の中で、過去数か月間に何回か神聖な交わりを受けたと言明した。そのうちの一つが、御自分の体が墓に納められていた間に行われた、救い主の死者の霊たちへの訪れに関するものであり、スミス大管長は大会の前日にそれを受けたのであった。それは大会の終了後すぐに書き記されて、1918年10月31日に、大管長会における副管長と、十二使徒評議会、および祝福師に提示され、全会一致で受け入れられた。
1-10 ジョセフ・F・スミス大管長は、ペテロの記録と、わたしたちの主の霊界への訪れについて深く考える。
11-24 スミス大管長は、パラダイスに集まっていた義人の死者と、彼らの中でのキリストの働きを見る。
25-37 福音の宣教が霊たちの間でどのように組織されたかを見る。
38-52 霊界にアダムとエバ、および多くの聖なる預言者たちを見る。彼らは復活前の霊の状態を束縛と考えていた。
53-60 この時代の義人の死者は、霊の世界でその働きを続ける。
01 1918年10月3日、わたしは自分の部屋にいて聖文に思いをはせ、
02 世の贖いのために神の御子が払われた大いなる贖いの犠牲と、
03 贖い主のこの世への来臨に当たって御父と御子が示された大きな驚くべき愛について深く考えていた。
04 この贖い主の贖罪によって、また福音の諸原則に従うことによって、人類は救われるのである。
05 このように考えていたところ、わたしは、主が十字架上で亡くなられた後に福音が宣べ伝えられたポントやガラテヤ、カパドキヤ、そのほかアジヤの各地に離散している初期の聖徒たちにあてた、使徒ペテロの文書をまた思い出した。
06 わたしは『聖書』を開いて、ペテロの第1の手紙の第3章と第4章を読んだ。そして、読んでいたときに、次の聖句にかつてないほど深く胸を打たれた。
07 「キリストも、わたしたちを神のみもとに導くため、自らは正しい方であるのに、正しくない者たちのために、一度罪のゆえに苦しまれた。そして、肉においては殺されたが、霊においては生かされたのである。
08 その霊において彼は、獄にいる霊たちのところへ行って教えを説かれた。
09 この霊たちは、昔ノアの時代に箱舟が造られていた間、神が寛容をもって待っておられたのに従わなかった者である。その箱舟に乗り込み、水によって救われたのは、わずかに8名だけであった。」(ペテロの第1の手紙第3章18〜20節)
10 「死人にさえ福音が宣べ伝えられたのは、彼らは肉においては人間として裁きを受けるが、霊においては神のように生きるためである。」(ペテロの第1の手紙第4章6節)
11 書き記されているこれらのことを深く考えていると、わたしの理解の目が開かれ、主の御霊がわたしのうえにとどまった。そして、死者が小さな者も大いなる者もともに群れを成しているのが見えた。
12 非常に多くの正しい者の霊が、一つの場所に集まっていた。彼らは死すべき世に住んでいた間、イエスの証に忠実であった者たちであり、
13 神の御子の大いなる犠牲のひながたとして犠牲をささげ、また贖い主の名によって艱難を受けた者たちである。
14 これらの者は皆、父なる神とその独り子イエス・キリストの恵みにより、栄光ある復活の望みを確固として持って死すべき世を去ったのである。
15 わたしは彼らが喜びと楽しみに満たされ、解放の日が近づいたので、ともに喜んでいるのを見た。
16 彼らは集まって、神の御子が霊界に来て死の縄目からの贖いを宣言されるのを待っていた。
17 彼らの眠れるちりは、骨が本来の骨と連なり、その上を筋と肉が覆って、その完全な造りに回復されるのであった。彼らが満ちみちる喜びを受けるために、霊と体が決して再び分離することのないように結び合わされるのである。
18 この大群衆が死の鎖からの解放の時を喜び、語り合いながら待っていると、神の御子が現れて、忠実であった囚われ人に自由を宣言された。
19 また、そこにおいて神の御子は、永遠の福音と復活の教義、堕落からの人類の贖い、および悔い改めを条件とする個人の罪からの贖いについて彼らに宣べ伝えられた。
20 しかし、悪人のところへは、御子は行かれなかった。また、神を敬わない者や、肉体にあるときに自らを汚して悔い改めなかった者の中では、御子の声は発せられず、
21 昔の預言者たちの証と警告を拒んだ不従順な者は、御子の臨在を目にすることも、御子の顔を仰ぎ見ることもなかった。
22 これらの者のいる所では暗闇が支配していた。しかし、義人の間には平安があった。
23 そして、聖徒たちは彼らの贖いを喜び、ひざまずき、神の御子を贖い主、および死と地獄の鎖からの解放者として受け入れた。
24 彼らの顔は光を放ち、主の前から発する輝きが彼らのうえにとどまった。そして、彼らは主の聖なる名を賛美した。
25 わたしは不思議に思った。というのは、救い主がユダヤ人とイスラエルの家の者たちの間での働きにおよそ3年を費やして、彼らに永遠の福音を教え、彼らを招いて悔い改めさせようとされたが、
26 それでも、救い主が大いなる力と権能をもってその力ある業と数々の奇跡を行い、真理を宣言されたにもかかわらず、その御声に聞き従い、救い主の前にいることを喜び、その御手から救いを受けた者はほんのわずかであったことを、わたしは知っていたからである。
27 しかし、死者の中での救い主の働きは、十字架上の死と復活の間の短い時間に限られていた。
28 わたしは、神の御子は昔ノアの時代に神が寛容をもって待っておられたのに従わなかった獄にいる霊たちに宣べ伝えられた、というペテロの言葉を不思議に思った。神の御子は、どのようにしてそのような短い時間内にその霊たちに宣べ伝え、彼らの中で必要な働きを成し遂げることがおできになったのであろうか。
29 不思議に思っていると、わたしの目は開かれ、わたしの理解は活気づけられた。そして、わたしは、主が悪人や真理を拒んだ不従順な者を教えるために彼らの中へ自ら行かれたのではないことを知った。
30 見よ、主は義人の中から軍勢を組織し、力と権能をまとった使者たちを任じて、暗闇の中にいる者たち、すなわちすべての人の霊のもとへ行って福音の光を伝えるように彼らに命じられた。このようにして、福音が死者に宣べ伝えられたのである。
31 選ばれた使者たちは、主の恵みの日を告げ知らせ、束縛されている囚われ人、すなわち、自分の罪を悔い改めて福音を受け入れるすべての人に自由を宣言するために出て行った。
32 このようにして、真理を知らずに罪のうちに死んだ者や、預言者たちを拒んで背きのうちに死んだ者に、福音が宣べ伝えられた。
33 これらの者は、神を信じる信仰、罪の悔い改め、罪の赦しのための身代わりのバプテスマ、按手による聖霊の賜物について教えを受けた。
34 またこのほかに、肉においては人間として裁きを受けるが、霊においては神のように生きるための資格を得るうえで知っておく必要のある、福音のすべての原則が教えられた。
35 そしてこのように、神の御子の十字架上での犠牲によって贖いが行われたことが、死者の間に、すなわち、小さな者にも大いなる者にも、不義な者にも忠実な者にも知らされたのである。
36 このようにして、わたしたちの贖い主は、霊の世界に滞在しておられる間、肉において贖い主のことを証した忠実な預言者たちの霊を教え、備えるのに、その時間を費やされたということが知らされたのである。
37 それは、この預言者たちの霊が、背反と戒めに対する背きのゆえに贖い主御自身が行くことのできなかった、すべての死者に贖いの知らせを伝えて、彼らも贖い主の僕たちの働きによって御言葉を聞けるようにするためであった。
38 この義人の大群衆の中に集まった偉大な力ある者たちの中に、日の老いたる者であって、すべての者の先祖である父祖アダムがおり、
39 また、わたしたちの栄光ある母エバも、様々な時代に生きてまことの生ける神を礼拝した多くの忠実な娘たちとともにいた。
40 最初の殉教者アベルも、またその弟で、父アダムに生き写しであった、力ある者たちの一人であるセツもいた。
41 洪水について警告を与えたノア、偉大な大祭司セム、忠実な者の先祖アブラハム、イサク、ヤコブ、およびイスラエルの偉大な立法者モーセ、
42 それに、イザヤもそこにいた。このイザヤは、贖い主が油を注がれて、打ち砕かれた心を持つ者を癒し、囚われ人に自由を宣言し、縛られていた者に獄が開かれることを宣言される、と預言によって言明した人である。
43 さらに、枯れた骨のある大いなる谷を示現によって見せられ、それらの骨が死者の復活の時に肉をまとって再び出て来て生けるものとなるのを見たエゼキエル、
44 末日に神の王国が設立されて、それが決して再び滅ぼされることも、ほかの民に渡されることもないのを予見して告げたダニエル、
45 変貌の山でモーセとともにいたエライアス、
46 それに、エリヤが来ることを証した預言者マラキもそこにいた。モロナイも預言者ジョセフ・スミスに、このエリヤについて語り、彼は主の大いなる恐るべき日が来る前に訪れると宣言した。
47 預言者エリヤは先祖に与えられた約束を子孫の心に植えることになっていた。
48 これは、主の来臨の時に全地がのろいをもって打たれて、ことごとく荒廃することのないように、時満ちる神権時代に、主の神殿で死者の贖いと親子の結び固めのために大いなる業が行われることをあらかじめ示すものである。
49 これらすべての者と、さらに多くの者、すなわち、ニーファイ人の中に住んで神の御子の来臨について証した預言者たちが、その大群衆の中に交じって解放を待っていた。
50 死者は、その霊が体から長い間離れていることを一つの束縛と考えたからである。
51 この預言者たちを主は教え、彼らに力を与えて、彼らが、主が死者の中から復活された後に出て来て、御父の王国に入り、そこで不死不滅と永遠の命を冠として受け、
52 主から約束を受けたようにその後も働きを続け、主を愛する者たちのために取っておかれたすべての祝福にあずかる者となるようにされた。
53 預言者ジョセフ・スミスや、わたしの父ハイラム・スミス、ブリガム・ヤング、ジョン・テーラー、ウィルフォード・ウッドラフ、そのほか選ばれた霊たちも霊界にいた。彼らは、大いなる末日の業の基を据える務めに携わるために、時満ちる時代に来るようにとどめられていた者である。
54 神殿を建て、そこで死者の贖いのために儀式を執行することも、その大いなる末日の業に含まれるのである。
55 わたしは、彼らもまた神の教会で治める者となるように初めに選ばれた、高潔で偉大な者たちの中にいるのを見た。
56 まことに、彼らは生まれる前に、ほかの多くの者とともに、霊の世界において最初の教えを受け、主の定められたときに出て行って人々の霊の救いのために主のぶどう園で働く準備をしたのである。
57 わたしは、この神権時代の忠実な長老たちが、死すべき世を去っても彼らの働きを続け、死者の霊たちの大いなる世界において暗闇と罪の束縛の下にいる者たちの間で、悔い改めと神の独り子の犠牲による贖いの福音を宣べ伝えているのを見た。
58 悔い改める死者は、神の宮の儀式に従うことによって贖われるであろう。
59 彼らは自分の背きの代価を支払い、洗われて清くなった後、その行いに応じて報いを受けるであろう。彼らは救いを受け継ぐ者だからである。
60 このように、死者の贖いの示現がわたしに示された。そして、わたしは証する。わたしたちの主であり救い主であるイエス・キリストの祝福によって、わたしはこの証が真実であることを知っている。まことにそのとおりである。アーメン。