人間関係ショートショート
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−あなたのせいだ!−

 「私がこんなにも辛いのは,あなたのせいだ」,「あなたが..してくれないから,私は...」.おいおい,悪いのは全部「あなた」なの?
 確かに,自分のせいでないことで苦しむこと,多いよね.不可抗力の場合もあるし,もちろん自己中心的な傾向の強い他人のせいであることもある.そんな時,神経症的傾向の強い人ほど,自分を責める.「私が何もできないものだから...」なんてね.だから,それを止めるために,そう思うのも一時はいいかもしれない.けれど,すべてを「あなたのせい」で片付けてしまっていいのだろうか?
 感情のもつれの原因が,どちらか一方だけにあったとしても,その影響は両者に及ぶ.たとえ相手が悪かったとしても「あなたが悪い!」と強調されると,怒りの感情が先に立ち,謝る気も失せてしまう...違うだろうか.
 こんな時,一度,主語を「私は」に置きなおしてみたらどうだろう? そうすると自分の感情に気づくことができる.そして整理することができる.
 たとえば,嫌いな人から仕事を押し付けられて,残業を余儀なくされ,帰りが遅くなったとしよう.こんな時「あいつが仕事を押し付けるから..」と恨みの念にかられることがよくある.けれど,ここで敢えて「私がうまく断れないから,都合よく頼んでくる」としてみる.すると「理不尽に頼まれた仕事だから,ここで断ったっておかしくない」そんな考え,出てこない?「あなた」を主語にしているうちは「悪い」に直結し,怒りの感情だけで満たされる.けれど「私」を主語にしたことで「うまく断れない」という事実に気づいた...ここで簡単に断れないから,また困るのだけれど,ずっとそういうことを繰り返していても事態は改善されないよね.
 更に,いつもいつも自分だけが頼まれて,頼んだ本人が早く帰るというような事実が判明すれば,正当な理由をもって,断ることができる...ちょっと喩えが悪くて,なに言ってんだか,なんだけど,人のせいにしておくと,いつまでたっても人のせいで片付けてしまう.そうすると事の本質,変えること,しなくなってしまう気がするよ.自分の行動の責任は自分でとる.どうせ私の言うことなんてとあきらめず,あなたの感じ方,考え方を話し,周りを変えていくことも,必要なのではないだろうか.
 
Copyright(c) YuuStar 2001 All Rights Reserved   (2001/10/14) Page Top