心と身体の談話室 |
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「あるがまま」ってなに?「精神交互作用」のあり地獄.ここでちょこっとご紹介. |
「予期不安」と「精神交互作用」 |
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たとえば貴方,いまからゼミの発表会でプレゼンする場面を想定してみてよ.みんなが見てるよねぇ.ドキドキしてきた?ちょっと身体固まったりして,手のひらに汗なんか握ったりしてない?緊張で手,すごく冷たくなったりしてない? 交感神経興奮状態... こんな経験,誰でもあるよね.そこで貴方,あがらないように,ドジしないように,深呼吸してみたり,手に「人」の文字書いて飲み込んでみたり,いろいろやって心落ち着かせようとしてみるんじゃない? だけどさぁ,そんなふうに思えば思うほど,緊張しないでって努力すればするほど,どんどんあがっちゃうことないかなぁ? 心臓バコバコ. これ,プレゼンする前から,「もし,トチったらどうしよう?」「もし,失敗して笑われたら...」「もし,うまくできなくて,グループのみんなに迷惑かけたら...」そんな雑念が頭をよぎってるからなんだよ.これを「予期不安」なんて呼んだりする. 前のところで,「書痙」なんての書いたよね.うまく字書こうとして,手が震えちゃうってやつ.これも,おなんじこと.まぁ他の症状もそうなんだけどね. これさぁ,うまくプレゼンしよう,失敗しないようにやろう,そう思えば思うほど,どんどんそこに意識が集中しちゃって...いざプレゼン,って時になると,頭とんじゃって,全然言葉がでてこないなんてことにもなる.「予期不安」の拡大.それでもなんとか,プレゼン続けようともがくじゃない.でも,焦って,しどろもどろになって,挙句の果てには,途中降板なんてことに. 経験あるって? こんなふうにね,『自分にとって不都合な心身の弱点を取り除こうと努力をすればするほど,逆にそこに注意が集中し,結果としては自分に不都合な症状(神経症の症状)を引き出してしまう』これを『精神交互作用』という(岩井 寛:森田療法,講談社(1986))んだって. |
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誰にもある「精神交互作用」 |
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前出の著書によると,『人間は心と身体が密接不可分な存在なのであり,その変化の過程で,誰の心にも「精神交互作用」による変化は必ず起こっているのである.ところが,神経症の人はその事実を認めようとせず,誤った理想主義によってそれを拒否し,自分だけにそれをなきものにしようとし,しかも完全に実行しようとするのである.さらに不可能な場合には,すべてか無か≠ニいう心理状態において逃避をしてしまうのである』ということだ. たとえば,さっきのプレゼンの例でいうと,「普通の人は,こんな小さなゼミのプレゼンなんかであがるはずがない」なんて,勝手に思い込み,なのにドキドキして,うまく話せない自分を,「人とは違う,自分はダメな人間だ.こんな簡単なことがなぜできない.もう代表でプレゼンなんて二度とするものか...」と逃避する.それからというもの,プレゼンの話がくる度に,あたらないようにとドキドキし,担当が決まるまで,とっても憂鬱な日々を送るわけである.そんな時は,胃もキリキリ痛むよね.吐き気がして,何も食べたくなくなったり...違うかな? |
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ここでもう一度「あるがまま」 |
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森田療法(1)の上司との面接のところで話したよね.「苦しくても自己実現したいという欲望と,苦しいから逃避したいという欲望」ってやつ. まず人前で話すとき,そんな時は「あがって当然」って思うといい.前にね歌番組で,中森○菜が自分の曲歌う時でも緊張するって,プルプル震えてたのを見たことがある.いつもトップ1とってた全盛の時代だよ.あんなに場慣れしてるのに,なんで? なんて思うじゃない.けど,やっぱり「みんなにうまく聴かせたい,歌で自分の心を伝えたい,今日は新曲の披露,間違えないように...」そんな気持ちでいっぱいだったんだろうな. そんな時どうするか. そういう気持ちをまず認めようってこと.ここが難しいんだけどね. 慣れちゃった人なんか,絶対に「あがる」なんてあり得ない! いいえ,違います.みんな多かれ少なかれあがるんです.で,その次,ドキドキし,声震わせながらでも,なんとかやってみることだよ.その緊張が嫌だからって,そうなることを認めずに逃げてると,逆にそのことにとらわれて,ずっと乗り越えられない.それはそれは苦しいことだと思う. 私ね,最近よく,いろんな場で話することがある.やっぱり,いつも緊張してるよ.けどね,人よりうまくやってやろうとか,そんなことは思わないなようにしてる.まずは,無難に済めばなんてね.そうして話し始めるわけ.するとさ,不思議なことに,いままでのドキドキがどこかいっちゃうんだよ. そんなこと言ったって俺,できないよーって? うん,私もそんなになるまで,どれだけ場数踏んだかな.最近の一番の緊張は,部下の仲人で,スピーチした時だったな.さすがに緊張してて,手袋を持って入場しないといけないところ,ポケットに突っ込んだまんまだったもん.途中で気づいて取り出したんだけどね(爆).そういえば,ついこの前も,突然のテレビ撮影で,頭ぶっとんじゃったよ.けど,悪けりゃ取り直せばいいじゃんって,結構度胸すわってたよ(笑).まずは何事も嫌だって逃げずに,ぶち当たってみること.ある種スポーツと同じだと思うな,練習しないとね.嫌な気持ちを素直に認め,だからと言って怯まず,とらわれることなく,決してその嫌な気持ちを打ち消そうとせず...失敗したってどうってことないさ,まずはやってみよう,それが「あるがまま」.私,そう思います. |
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ただし,神経症只中にある人は,簡単にはこの迷路,抜け出せない.個人の事情もいろいろあるだろうし,そういう人は,こことは違う,別の「よろず悩み相談処」を紹介しますね. やっぱり,この「あるがまま」をどう説明したらいいのか,どうも言葉ではうまくいい表せないよ.何がいいたいんだよって思ったら,掲示板にでもカキコして下さい. ということで,皇帝ペンギンさんリクエストの「森田療法(2)」は,これでおしまい. |
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まだ(3)も書くからね.今度は,就職組へのメッセージ,その大事な転機の乗り切り方について,ちょこっとだけどアドバイス. 興味あったら,また来てみてください. |
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